お見事!

今月はじめにこのブログでご紹介した、栽培中のカワラノギクに寄生したアメリカネナシカズラがどうなったかというと・・。

やってくれました。今年咲くシュートを見事に茶色く枯らしてくれました。しっかりと吸着根をくいこませて・・

そして、寄生植物が我が身もろとも宿主(ホスト)を枯らせていては元も子もありません。ホストが枯れると同時にしっかりと開花、結実しています。

通常、アメリカネナシカズラの花期は夏の終わりからですが、ホストの条件が悪くすでに枯れてしまうというような状況によっては、こうして開花結実を早めます。お見事な生き様ですね。
ちなみに、このカワラノギクはすでに枯死していますが、別株を大事に育てているのでご心配なく・・。
(生物担当学芸員 秋山)

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夏休み親子天文教室

 昨日、夏休み親子天文教室を開催しました。
 暑く晴れの日が続いていた最近ですが、月曜日の時点で、なぜか火曜日は天気が悪く、天体観望を行う予定の時間帯は、雨が降るかもしれないとの予報。天体観望を開催するか否か、難しい判断を迫られる中での開催となりました。
 そういった中でむかえた当日、予想に反して、午前中は晴れています。このままの天気が持続すればと願いつつも、予報自体は決して良くありません。
 いよいよ受付開始の3時となりました。時間になりますと、事前に指定の望遠鏡工作キットを購入された参加者の方が、多数いらっしゃいました。

 まずは、望遠鏡のしくみについてのお話しです。図を示しながら、話しを進めますが、講師の問いかけに積極的に答えて参加されていました。

 お話しが終わると、待ちに待った、今回の一番のお楽しみの工作に入ります。似たような部品があり、簡単そうに見えて、やってみると意外と難しいです。みなさん、講師の説明を真剣に聞きながら、一つ一つ、確実に作っていきます。そして今回も強力な助っ人がいます。毎年、この行事でお手伝いしていただいています、天文クラブや市民学芸員の方達です。各テーブルについて下さり、参加者の方の手間取っているところ等をサポートして頂きました。


 みなさんが無事に望遠鏡を作り終えた後に、もって来た三脚に取り付けて、月の写真等の目標に向けて見てみます。しばらくすると、「見えた!」、「すごい!」等の歓声があちらこちらから。どうやら、みなさん無事に作り終えられたようです。

 しばらく、夕食休憩をはさんでから、プラネタリウムに移動します。今日見る目的の星座等を踏まえ、色々な星空が投影されていきます。また、作った望遠鏡を使って、星等を見る練習もしました。

 さあ、いよいよ、共和小学校に移動して実際の天体観望です。みんなで一緒に移動して、最後尾が到着したら、いよいよ、いっせいに観望スタートです。雲はそれなりにありますが、月がはっきり見えます!講師やスタッフに手伝ってもらいながら、みなさん必死に狙いを定めます。最初はお子さんが中心でしたが、「見えた!」、「すごくよく見えるよ!」の声につられ、保護者の方もご覧になり、同じ様に感激の声をあげられていました。しばらくすると、土星も雲間から顔を出してきました。こちらは、月に比べると小さく、なかなか、視界に入ってきませんが、スタッフのアドバイスを受けながら、みなさん必死に調整されていました。


 始まる前は、天気の心配ばかりでしたが、終わってみればあっという間に終了予定の8時です。名残惜しいですが、ここで本日の教室は終了。現地解散組と、博物館に戻る組に分かれました。博物館に戻り、全ての内容が終了となりました。 

 今回は、ご経験が豊富なボランティアの方が多数参加下さったお陰で、受付、工作、移動等、全てが円滑に行えました。また、夜間にも関わらず、共和小学校の校庭を開放して頂きました。皆様の様々なご助力により、参加者の方にお楽しみいただくとともに、無事に終了出来ました。本当に有難うございました。
 来年度も開催予定ですので、興味のある方は、是非ご参加下さい。
 皆さまのお越しをお待ちしております。
(学芸班 有田) 

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真夏の丹沢

今日は県の丹沢再生委員会の現地調査会で、檜洞丸(1601m)に登ってきました。さまざまな専門を持つ委員会メンバーのみなさんと、あれやこれや語りながら登ります。

昨年から、丹沢の樹林の林床を構成する重要な植生であるスズダケの大規模な開花が見られています。ササであるスズダケが開花するということは、その後一斉に枯れるということです。今日歩いたブナ林の林床もこのとおり。

この後、ササを失った林床がどうなるのか、さらに、ササを頼りに冬をしのいできたシカはどうなるのか、丹沢再生委員会としても見守っていくしかありません。
午前中の急登の途中に、タマゴダケの三兄弟に出会いました。

真夏は開花している植物がちょっと少なくなりますが、タマガワホトトギスがきれいに咲いていました。

標高1000mを超えると、ブナの大木がそびえ立ちます。

しかし、さらに上がって稜線付近に出るとブナハバチの大発生によって葉の食い尽くされたブナが目立ちます。かつて10年くらいの周期で大発生していたブナハバチですが、最近は3年に1回くらいの周期で大発生しているとか。その結果はこのとおり。

立ち枯れたブナが目立ちます。丹沢を象徴する自然林の厳しい現状です。
真夏の丹沢は、稜線でも午後になると気温が30度近くなります。むんむんと暑いのですが、それでも風が吹くと涼しく、汗をかいても気分はとても清々しくなります。
下りは徐々に気温も上がり、メガネが曇るほどの熱気を発しながら歩きます。登りに見たタマゴダケ三兄弟はちょっとだけ背を伸ばしていました。

尋常ではない汗をかき、足がガクガクになるほど上って下りましたが、結論です。暑かろうがいろいろ環境に問題はあろうが・・「やっぱり丹沢の山はいい!」
(生物担当学芸員 秋山)

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星空観望会

 7月25日、星空観望会を開催しました。
 夏休みに入り、第1回目の開催でしたが、天候にも恵まれ、25組80名の方が参加下さいました。
 今年度に入ってからは、なかなか天候に恵まれず、星空観望が難しい日が多かったのですが、多くのお子さんや保護者の方から、「月がよく見えた」、「土星が見れてうれしかった」等のうれしい感想を帰り際に頂きました。

 8月は1日、7日、15日、21日、29日の5日間の開催を予定しております。各回定員120名の先着順となっていますので、参加可能日が決まりましたら、コールセンター(042-770-7777 8時から21時まで)へお早めにご連絡をお願いします。
 皆さまのお越しをお待ちしております。
 (学芸班 有田)

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クヌギの枝が落ちている理由

昨日までのJAXA特別公開も終わり、博物館もふだんの夏休みの雰囲気に戻りました。前庭のクヌギの樹液を吸いに、ちょっと目立つチョウが集まっていました。

アカボシゴマダラです。きれいなチョウですが、残念ながら外来種です。
ところで、このところクヌギの木の下にはこんなふうに枝がぼたりと落ちています。一つや二つではなく、かなりたくさん、同じような長さの枝先ばかりです。

そして必ず、その枝には若いドングリがついています。
さらにそのドングリをよく見ると、決まって穴が開いています。

ひとつそのドングリを拾ってきて穴の近くをすぱっと切ってみると・・

真珠のような卵が一つ。
これはシギゾウムシのなかまの卵と思われます。母虫が長い口吻をドリルのようにして穴をあけ、中に卵を産み付けます。すると、ドングリのついている枝を口吻で切り落とします。ドングリの中でふ化した幼虫はドングリのゆりかごの中で中身を食べながら成長し、さなぎになる前にドングリに穴を開けて出てきます。そして土にもぐり、さなぎとなって成虫へ・・。成虫でも1センチに満たない虫が、こんなふうに樹上と地中をダイナミックに利用しているんですね。
(生物担当学芸員 秋山)

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JAXA特別公開が終了しました

夏の一大イベント、JAXA相模原キャンパス特別公開の2日間が終了しました。
昨日よりもさらにたくさんのご来場者をお迎えして、博物館も一日中大賑わいでした。やっぱり、一番賑わったのは企画展「JAXA×博物館 あれもこれも世界初!日本の太陽系探査」です。さらにその最深部、小惑星探査機はやぶさの再突入カプセルの特別展示と・・・

はやぶさが小惑星イトカワから持ち帰った微粒子の顕微鏡観察へと人の流れが絶え間なく続きました。

お昼過ぎからは長蛇の列ができました。それでも、カプセルと微粒子を同時にじっくり見られるチャンスとあって、みなさんとても熱心にご覧になっていました。

この展示は9月27日(日)まで続きます。特別公開に来られなかった方もまだまだチャンスはありますのでぜひご覧ください。
ところで、独断と偏見で選んだ「今日の一番かわいいさがぽん」です!

博物館はもちろん、明日も通常どおり開館します。ご来館お待ちしております!
(生物担当学芸員 秋山)

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JAXA特別公開2日目始まってます!

今日はJAXA相模原キャンパス特別公開2日目です。土曜日ということもあり、朝からたくさんのご来場者をお迎えしています。
当館でも小惑星探査機はやぶさの再突入カプセルや、はやぶさが持ち帰ったイトカワの微粒子の特別展示を行っています!ぜひお立ち寄りください。
また、昨日はプラネタリウム第2回投影の「名探偵コナン~探偵たちの星月夜(スターリーナイト)~」が満席となりました。観覧をご希望の方は早めにチケットをご購入ください。
さて、当館がJAXA特別公開と連携しているイベントの中で隠れた人気なのが、これ

現在探査機はやぶさ2が向かっている小惑星「1999JU3」の名前を募集するコーナーです。文字数などいろいろな制約があってちょっと難しいけど、ぜひ挑戦してみてください。
それから、特別公開の間も好評なのがさがぽんなりきりセット。記念撮影にどうぞ!ちなみにこの写真のモデルは当館歴史担当学芸員のK氏です。

外は猛暑ですが、前庭で涼しげな色で咲いているのはヤブランです。

よく見たら、こんな昆虫が。

アオバハゴロモの成虫です。先月、白いもじゃもじゃというタイトルで幼虫をこのブログにご紹介しました。
虫たちには嬉しい熱気かもしれませんが、人間にとっては危険な暑さです。熱中症対策を万全にしておでかけください!
(生物担当学芸員 秋山)

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JAXA特別公開 相模原市立博物館のようすは・・

今日から明日までのJAXA相模原キャンパス特別公開。当館でも関連した企画展、プラネタリウム番組の上映などあり、たくさんのお客様がご来館されています。

企画展はそのままJAXAの宇宙探査の歴史を紹介する内容なので、みなさんじっくりとご覧になっています。また、写真は掲載できないのですが、あの「小惑星探査機はやぶさの再突入カプセル」と、はやぶさが持ち帰ったイトカワの微粒子サンプル(実物)を顕微鏡で見ることができます!これは見ないと損です!

スタンプラリー、当館はターゲットマーカースタンプです。

そして、今年の当館の注目ポイントはここです!

地階大会議室に休憩所があります!(持ち込み飲食も可)外は尋常ではない蒸し暑さの中、潤水都市さがみはら「COOLSHARE」実施中です。涼しい室内で宇宙関連映像を見ながら一休みされてはいかがでしょうか。
今日はJAXA特別公開は16時30分まで。明日も10時から16時30分までとなります。博物館は通常通り9:30~17:00、プラネタリウム番組も夏休みプログラムで絶賛上映中です。
(生物担当学芸員 秋山)

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JAXA特別公開始まります!

本日24日と25日の二日間、毎年恒例のJAXA相模原キャンパス特別公開が行われます。当館でも企画展「JAXA×博物館 あれもこれも世界初!日本の太陽系探査」での小惑星探査機はやぶさ再突入カプセルやイトカワの微粒子の公開などあり、たくさんのお客様をお迎えする準備を整えています。
さがぽんもつぶやいてくれていますが、スタンプラリーも!

10時スタートなので(当館は通常通り9時30分開館です)まだ前の道もすいていますが、だいぶお客様の姿も見えてきました。

知ってか知らずか、クヌギの樹液にむらがるカナブンが今朝は特に多い・・。

猛暑が予想されます。暑さ対策を万全にお出かけください!
(生物担当学芸員 秋山)

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地質調査日誌7/23 相模原市緑区名倉

7月23日、木曜日。曇り時々雨。

今日は久しぶりに野外調査へ出かけました.

まずは、御嶽山が約10万年前に噴火した時の細かい軽石が降り積もってできた地層を観察しました.この地層は昨年12月に小学生を案内した時に見たものと同じです。
写真中央の白い部分が御嶽山の軽石の地層です。

午後からは上野原市との境界付近へ移動し、相模川北岸に見られる段丘地形などを観察しました。遠くに見える山は左が生藤山、右が陣馬山です。

天気が心配されましたが、午前中に少し降られただけですみました。それは良かったのですが、非常に蒸し暑い1日でした。

(地質担当学芸員 河尻)

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