こちらにも巣立ちビナ

酷暑の一日が終わろうとしていた昨日の夕方。頭の上の方からちゅるちゅるささやくような声がきこえてきました。

電線になにか、かたまってとまっています。おとなの鳥は、こんなかたまってとまることはありません。巣内のクセでみっちりかたまっているヒヨドリの巣立ちビナです。
幼羽がまだたくさん残っていて、ほんとうに巣立ち直後という感じです。親鳥も心配そう。

先日もシジュウカラの家族群を見ました。同じく危険だらけの世界に飛び出した巣立ちビナたち。昨晩は安全な場所で眠れたでしょうか。
(生物担当学芸員 秋山)

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典型的な個体(クモ)

今の時期、植え込みにたくさん張られているている棚状の網はコクサグモ。
クサグモとよく似た外観をしているのですが、幼体は見分けが簡単で、腹部後端近くに赤っぽい斑紋があるのです…と書きたいばかりに写真を撮っていて早数年。先日、ようやく撮る事が出来ました。

なぜそんなに手こずったかというと、写真がヘタというのはもちろんですが、それ以上に斑紋がわかりやすい個体はそんなに多くない、という事実があります。

これなんか、比較的わかりやすい方。

あれ、 じゃあ全然特徴じゃないのでは?と言われそうですが、肉眼ならかなり微妙な差異も見分けられますし、他の要素と併せて判断、という事もあります。
そういう意味で、典型的な個体を知っておく事は結構、大切なのです。
というわけでみなさん、明日からもうコクサグモをじゃんじゃん見分けてください。え?そんな知識、何の役に立ちませんか?(学芸班 木村)

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小さな花

長い雨模様のお天気の後に、いきなりの酷暑です。
私たち人間には少々きつい天候ですが、植物たちにとっては生長するのにこの上なく良い条件です。そんな中、博物館お隣の樹林地では濃くなった緑の中に小さな花が咲いています。

遠目には花があるのか無いのか分からないような大きさです。でもこれ、ちゃんと咲いています。

ハエドクソウ(ハエドクソウ科)です。小さいながら見事な造形美です。
ほかにも、ヌスビトハギ(マメ科)も小さいながら、しっかりとマメ科特有の左右対称の花をたくさん咲かせています。

梅雨明けも近いのでしょうか。植物がホップ、ステップの後の大ジャンプをしそうな勢いで伸びてきています。
(生物担当学芸員 秋山)

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「あれもこれも世界初!日本の太陽系探査」はじまりました!


企画展、本日7月11日からスタートしました。

内容は「日本の太陽系探査を振り返りつつ、その中で達成された『世界初』を紹介する」というものです。
ちょっと目地味ですが、展示を見たらきっと「へえ!そうなんだ」と思って頂けると思います。

もちろん、今回の目玉はこれ。
2010年に劇的な帰還を果たした、あの小惑星探査機「はやぶさ」の帰還カプセルと、カプセルに収められていた小惑星「イトカワ」の微粒子が同時に展示されています!
この展示だけは撮影禁止で、奥まった場所にありますが、間違えても素通りしないでくださいね(笑)。
企画展はは9月27日(日)までと長丁場ですが、「今度行こう」なんて思っていると、あっという間に会期が過ぎてしまいます。夏休み前の空いているこの時期にご来館いただくことをおすすめします。2010年に「4時間待って2分間しか見れなかった」帰還カプセルも、いまならゆっくりご覧になれます!(学芸班 木村)

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防災訓練

今日は午後から防災訓練を行いました。
これまでは開館時間前に実施してきたのですが、お客様のいる想定での訓練実施が課題でした。そこで、今日行われることになっていたボランティア連絡調整会議に当てて、ボランティアのみなさんにご協力いただくことになりました。まず、プラネタリウムに入っていただきます。

ここで実際にプラネタリウム番組を観覧。その後、火災報知器が発報。避難誘導が始まります。

30名以上のボランティアさんのご参加により、実際の一般投影に近い規模で訓練を行うことができました。
誘導訓練の後は水消化器による消火訓練です。

ほかにも、相模原消防署緑が丘分署の消防士さんからさまざまな防災知識をお話しいただいたり、短い時間でしたがとても有意義な訓練となりました。
ご協力いただいた市民ボランティアのみなさま、ご指導いただいた相模原消防署緑が丘分署のみなさま、大変ありがとうございました。
(生物担当学芸員 秋山)

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雨のタムラソウ

今年は花盛りがちょっと遅めになりましたが、博物館お隣の樹林地でたくさんのアキノタムラソウが咲いています。

名前は「秋の」とつきますが、日当たりの良い場所なら5月下旬から咲き始めます。「秋に咲く」タムラソウではなくて、「秋まで咲く」タムラソウです。花期が長いのが特徴です。
しかし、このところしばらく青空を見ていません。毎日しとしと降る雨にさすがに花もちょっと疲れ気味かとおもいきや、上の写真のとおり力強くたくさんの花をつけています。
今のところは「雨のタムラソウ」ですね。
(生物担当学芸員 秋山)

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雨の造形(クモ)

今朝のような雨上がりにはクモの網に水滴が光り、さまざまな表情を見せてくれます。

定番。コクサグモの網。このふんわりした雰囲気に和みます。

いきなりゴージャスになったジョロウグモの網。

こちらはドーナツ状。

なぜか外縁部だけ水滴がついて、リボンのように見えます。

控え目なコガタコガネグモ。

ちょっと線香花火のチリチリを思い出しました。ワキグロサツマノミダマシ。

水滴の重みずっしり。主不明。

カタハリウズグモは外側に渦巻き模様が増え、グルグル感が増しています。

なんとなく宇宙っぽいシロブチサラグモ。

こんな交接行動も、ちょっと美しく見えたりして…

以上、雨の後、まだ水滴か残っていて、かつ十分明るい時間帯にだけ見られる造形の数々でした。こんなのがたくさん見られると、すっかり得した気分になります。(学芸班 木村)

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にぎやかな家族群

雨が続き、梅雨らしいお天気ですね。
ちょっと用事があって博物館の前庭へ出たら、「ジージー、ツー」と頭上からたくさんの声がします。

雨で暗かったうえに葉陰をせわしなく動き回るのでよい写真が撮れなかったのですが、シジュウカラの巣立ちビナです。
この時期は親鳥が巣立ったヒナを連れて10羽前後の家族群を形成します。傍目には賑やかでほのぼのとした光景ですが、じつはヒナの死亡率が最も高いのもこの時期です。小型の猛禽、カラス、ネコ、ヘビ、その他もろもろ・・360度、周囲は危険だらけですが、まだその危険を認識しきれていないヒナたちが厳しい現実を乗り越えられるかどうか、瀬戸際なのです。
(生物担当学芸員 秋山)

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雨の日は、だらん。(クモ)

今朝は、雨。観察にはやや気が重いのですが、それなりに見るものはあります。
こんな日、雨を避けるためにクモたちがとるポーズ。

シロブチサラグモのオスが、第1脚をだらんとさせてぶら下がってます。

こちらはオスメス揃って、だらん。

意外にも、クサグモの網に居座っているチリイソウロウグモも、だらん。

本当はもっと大きめのクモがいるとわかりやすいのですが、今はシーズン的に幼体や小さなクモばかり。
でも、結構やってるものだとわかりました。そしてなぜか幼体はやっていない様子…理由は定かでありませんが。
ともあれ、観察はしてみるものだと思いました。(学芸班 木村)

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谷口台小で生きもの教室

今日は午後から行われた、谷口台小PTA主催による生きもの教室へ行ってきました。児童120名と保護者を合わせて約200名の参加者!会場の体育館は熱気むんむんでした。
昆虫の体のつくりについて秋山からスライドでお話しした後、昨年、当館で写真展を開催した生きものカメラマンの松橋利光さんによるスライドクイズ「どこにいるかな?」です。

画面の中に潜んでいる生きものたちを当てるクイズです。野生の生きものたちが自然の風景に溶け込む美しい写真ばかり。子どもさんたちもおおいに楽しんでくれました。
壁には昨年の写真展で作成した松橋さんの作品パネルが。「私はこれが好き」「私はこっちの方が好き」など写真を見ながらあれこれおしゃべりしている後ろ姿を見て、なんとも言えず幸せな気分になりました。

後半は、生きものの持ち方教室です。ペットショップ「蛙葉堂」さんのご厚意で、ふつうではちょっとお目にかかることすらできないようなのも含め、いろいろな生きものと触れあう特設コーナーが登場しました。
ただ、人数があまりにも多くておおわらわ。写真はありません。登場した動物たちのごく一部を・・
ハリモグラのなかまのヒメハリテンレックです。

コーンスネーク。おとなしく美しいヘビです。

イエアメガエル。こちらも置物のようにおとなしくて美しいカエルです。

どう持てば動物たちが落ち着くのか、動物がいやがることはどんなことかを想像してもらいながら、正しい持ち方で持ってもらいました。
こうした体験によって、生きものたちとの心の距離が縮まればいいなと思います。
(生物担当学芸員 秋山)

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