カイコ4日目 展示も始まっています!

掃き立てから4日目、1回目の眠に入った個体がだいぶいます。皮膚がもうぱっつんぱっつん。
明日あたりにはほとんどが脱皮して2齢になるでしょう。

さて、飼育展示も始まりました。毎年恒例、1階総合案内の横に展示しています。担当者の都合やえさやりの都合などで展示していない時もありますがご了承ください。

そして、飼育展示からちょっと離れた特別展示室の入り口脇に・・・

なにやら大量の冊子が展示されています。
これは、昨年蚕種を提供した南区の大野台中央小学校3年生(当時)のみなさんが学習のまとめとして作ってくれた飼育日誌です。

全員分100冊以上なのでちょっと山盛りの展示ですが、ひとりひとりのカイコへの思いが詰まった冊子です。すべて読みました。
飼育中のカイコとともにこちらもぜひご覧ください。
(生物担当学芸員 秋山)

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初夏のミズキ林にひらひら舞う白いもの

今年もそろそろかな、と思っていたら、今日になって目立ってきました。
ミズキ林に発生するキアシドクガです。昨年から大発生が見られ、今年もお隣の樹林地や当館の駐車場で群舞が始まりました。

一見するとモンシロチョウのようにも見えるのですが、もっと真っ白で飛び方がたよりなく、コンピューターグラフィックで描いたようなひらひらした飛び方です。しかも昼間飛ぶので、森の中でこの蛾が群舞する光景を見ているとちょっと幻想的な気分になります。

ところで、毒蛾と名前にあるのでちょっと心配になりますが・・。毒はありません。顔つきもおとなしそうで、なかなか美しい蛾です。ドクガ科に分類されているので怖そうな名前になっていますが、ミズキの葉を食害するということ以外に特に害はありません(虫の苦手な方には歓迎されませんが)。
これから1週間くらいでしょうか、風のあまりない晴れた時間帯に博物館へ来られると、群舞が見られます。
(生物担当学芸員 秋山)

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カイコ3日目 クワに紛れたこの葉は・・?

カイコは掃き立てから3日目となりました。もういっぱしのカイコのカタチに!なんとも早いですね。

そろそろ眠(脱皮前の動かなくなる期間)に入った個体もいるようです。明日後半から明後日にかけて、2齢に脱皮しはじめそうです。
ところで今日、クワの葉を取りに博物館駐車場のフェンス際に行くと、クワの中にこんな木が紛れ込んで伸びていました。

おわかりになりますか?クワとそっくりな葉ですが、ちょっと濃い目の葉がまんなかあたりにあります。
この木はクワに近縁のヒメコウゾ(クワ科)とい種類の木です。同じような場所に生えて、しかもそっくりな葉です。ちょっと違うのは、片側だけ切れ込みが入る葉がところどころに見られるところです。

色も少し濃くて、さわるとクワよりもざらっとした感じがします。
普段から植物に見慣れていないとちょっと難しいかもしれません。でも、カイコにあげてみるとすぐにわかります。ちょっとかじりつくのですが、すぐに食べなくなってしまいます。
こんなところに生えてしまって紛らわしいといよりも、クワの葉に当たる日光の量が減るので、かわいそうですがあとで伐採してしまおうと思います。
(生物担当学芸員 秋山)

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掃き立て二日目のカイコ

昨日掃き立てをしたカイコの二日目です。

1齢なので毛はありますが、すでにカイコっぽい体つきです。マル一日、柔らかいクワの葉を食べてしっかりと成長しています!
(生物担当学芸員 秋山)

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ふ化、そして掃き立て!

今日、カイコの卵をチェックしてみると・・

ふ化が始まっていました。

でも、慌ててクワをあげたりしてはいけません。育てる卵のほとんどがふ化するのを待たないと、生育段階がばらついてしまいます。
夕方まで待ち、ほぼ出そろったのを見届けました。そして、枝の上の方についている、太陽光をたっぷりと浴びて瑞々しく開いたクワの葉を刻んで与えます。いよいよ、掃き立てです。

クワの葉を置くと、それまでおとなしく卵の殻の上に乗っていたカイコがぞくぞくと葉へと向かっていきます。誰に教わるでもないのに・・、不思議なこの瞬間がとても好きです。

それでもちょっと離れた場所にいるカイコは、絵筆の先につけて移してあげます。羽ではないけれど、やっぱり掃き立ての雰囲気があります。

これから毎日のように、カイコの成長のようすをアップしていくことになると思います!
(生物担当学芸員 秋山)

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ハツリグモ増殖

昨日、博物館の前の植え込みを眺めていたら、ハツリグモの網があるのに気づきました。

これがその写真…わかりませんね(笑)。

この赤丸をつけたところ。枯葉が見えますが、クモはこの中に隠れていて、周りに円網があるという変わった網です。網に葉を吊るので、この名がつきました。

脚だけ見えています。

餌が掛かった時や、網の補修の時は出てきます。かなり赤い体色をしたクモです。

背面はこんな感じ。体長は1cm前後。赤い体色です。

周辺を見回すと「あ、そこにも!ここにも!」という感じでいました。以前からここにいるのは知っていましたが、今年はどうやら「当たり年」のよう。何が原因かわかりませんが、生き物を見ていると、毎年様子が違うので飽きません。(学芸班 木村)

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今年度最初の!カイコの授業

今日は午後から近所の青葉小学校へ行き、カイコの授業をしてきました。

3年生60名近くのみなさん、ものすごく集中して授業を受けてくれました。クイズにも積極的に参加してくれたし、「カイコを飼うことは農業」という、こちらが伝えたいことはじっくりと聴いてくれました。

すでに蚕種(卵)はお渡しして、来週までにふ化する予定です。虫が苦手な人は?と手を上げてもらったら、3分の1くらいでした。これが、カイコを飼育しきった後になると激減するはずです。
どんな学習成果が上がるか、今から楽しみです!
(生物担当学芸員 秋山)

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黄金色に輝く網


これ、何の写真かわかるでしょうか。
もちろん、クモの円網ですが、なぜか金色に光っています。

網の主はしばらくまえからここにいるアオオニグモ。網の右側にクモが隠れている葉も見えます。近い仲間のクモの糸がやや黄色っぽく見えるのは知っていましたが、そもそも、クモの糸がこんな輝き方をするのを初めて見ました。光線の角度も関係ありそうです。
朝から美しさに見入ってしまうひとときでした。(学芸班 木村)

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いよいよ始まる、カイコの日々

本日5月14日、蚕種(カイコの卵)が届きました!
パラフィン紙にたいせつに包まれています。

まもなく掃き立てとなります。掃き立てとは、ふ化したカイコを蚕座へ移す作業のことで、つまり、飼育開始を意味します。数ミリの1齢幼虫を移すのには羽箒を使うため、こうした言葉が使われます。養蚕独特の言葉ですね。
卵をアップして見ると、すでに透き通っている卵は中で幼虫の体ができあがっています。少し先にふ化しそうです。

おそらく、週末から来週初めにかけてふ化し、出そろったところで掃き立て、クワの葉をあげ始めます。いよいよです!
ところで今日、中庭にこんなイモムシがいました。

ヒメヤママユのようです。ヤママユに近いなかまの蛾ですが、ヤママユの飼育されているものは天蚕と呼ばれ、緑色の光沢を持つ天蚕の繭から作られた絹糸は、絹のダイヤモンドと呼ばれる超高級品の織物を産み出します。
天蚕を、自然状態で育てたカイコと誤解されることがあるのですが、そうではありません。まったく別の種類の蛾です。上の写真はヒメヤママユですが、ちょっとつながりがあったのでご紹介しました。
(生物担当学芸員 秋山)

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キシノウエトタテがこんにちわ

毎日のように出勤途上で様子を見ていたキシノウエトタテ。
地中に袋状の住居をつくり、入り口に丸いふたを作る事から「戸締まりをすり=戸を立てる」ことからトタテの名がつきました。

そしてその名のとおり、大抵はこんな風に戸は閉まっています。
ところが、昨夜のどしゃ降りの雨で住居の周りの土が少々くずれてしまったようで、今朝はどこにいるのかよくわかりません。「この辺かな?」とピンセットで軽くつついたところ…

出てきてくれました。脚だけちょこんと。
実は、にこんな写真が撮りたくて、毎朝様子を見ていたのでした。狙って見るものです。
タイトルは、語呂がよいのでこうしましたが、本当は朝撮ったので「おはよう」です。(学芸班 木村)

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