【最終日】探検!発見!クイズラリー2023

こんにちは、民俗担当の博物館実習生です。
8月6日、当館のボランティア「市民学芸員」によるクイズラリー2023が最終日を迎えましたので、その様子をレポートいたします。

この3日間でのクイズラリーの参加者数は600人を超える大盛況となりました。
最終日である本日は、通り雨に見舞われながら多くの来館者の方がお見えになり、クイズラリーを始めとして「岩石かあさんのパフォーマンス」などを楽しまれている様子でした。

 

私たちも実習の一環として、市民学芸員の皆さんとクイズラリーの運営をご一緒させていただきました。

流れとしては難易度別に○×クイズとクロスワードクイズの二種類を受付で配布し、来館者の方に常設展の流れに沿って解答していただきました。

私たちも午前のはじめはクイズを解きながら常設展を回り、解いていく最中で気になったポイントを確認しました。

その後は、受付係・答え合わせ係・展示誘導係に分かれて、交代しながら市民の方とのかかわり方を学ぶと同時に、市民学芸員と博物館のつながりを実感しました。

答え合わせの後は市民学芸員の皆さんが手作りした記念品をお渡ししました。
折り紙の独楽(こま)や押し花のしおりなどを悩みながら選び、笑顔で帰っていくお子さんの姿を見送りました。

当日は日曜日でクイズラリー最終日と言うこともあり、多くの来館者と学びに恵まれる一日となりました。
クイズラリーが開催される際は、また多くの皆さんに楽しんでいただけると嬉しいです。

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アシナガバチが巣をつくる場所の意味

8月6日、久しぶりの雨模様となりました。といっても、晴れ間と豪雨が交互に入れ替わる、激しい天候でした。雨が降り出すと、バケツをひっくり返したような・・という表現がぴったりの降り方で、博物館エントランスの中庭は滝が出現する演出でもしているかのような雨だれでした。

軒から滝のように落ちる雨だれ

そんな中、あのキアシナガバチの巣はどうなっているのか見てみると・・

まったく濡れていない!

なんと、この豪雨でもまったく濡れていません。キアシナガバチが、ここなら雨にあたらないということを、どのように理解して選んだのか不思議です。
この日は猛暑に加えてこの不安定な天候もあり、来館者も多く、たくさんの方がこの巣を観察していました。

少年の指先に、ガラス越しのキアシナガバチの巣

このご家族はハチたちが幼虫のお世話をするのを見て、「かわいいねー」と連発していました。餌の肉団子(イモムシなどほかの虫を捕らえて丸めたもの)を持ってきているところも見られて、間近で見るハチの子育ての様子に感動されたようです。

かぶりつきで見上げられるチャンスはそうそうありません!

まだしばらく、この巣に注目していきたいと思います。
(生物担当学芸員)

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探検!発見!クイズラリー2023

本格的な夏の訪れとともに、今年もこの季節がやってきました。当館のボランティア「市民学芸員」による夏休み恒例イベント、「探検!発見!クイズラリー2023」を8月4日(金)~6日(日)の3日間開催しています!

エントリーは受付で問題用紙をもらうだけ!

受付で問題用紙を受け取るだけで参加完了!展示室にある資料を観察し、クイズの正解を見つけ出します。
今年は難易度別に「クロスワードクイズ」と「○×クイズ」の2種類をご用意しました。小さなお子さまから、クイズに自信がある方まで、幅広くお楽しみいただけると思います。

お祭りの屋台みたいに選ぶのが楽しい!市民学芸員の手作りです。

最後までクイズに挑戦いただいた方には、参加証や選べる記念品もプレゼントしています。夏休みの思い出にぜひご参加ください。

好評!岩石かあさんのパフォーマンス

また、8月5日(土)、6日(日)は、市民学芸員有志の“岩石かあさん”による「相模原の台地のでき方」も実演しています。元気いっぱいの岩石かあさんが、楽しく・わかりやすいパフォーマンスで相模原台地について教えてくれます。
イベントの詳細はこちらをご確認ください。

(歴史担当学芸員)

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‟どうする家康”関連ミニ展示、今回は若竹園へ

NHK大河ドラマ「どうする家康」が絶賛放送中ですが、これに関連して相模原市立博物館ではミニ展示「相模原にもあった!?徳川家康ゆかりの地」を開催しました。
昨年の大河ドラマ「鎌倉殿の13人」の関連巡回ミニ展示が大変好評だったことから、本年もドラマの放送期間に合わせ、市内各所で巡回展示を実施しています。

当館、吉野宿ふじや、麻布大学いのちの博物館と続き、4ヶ所目となる今回は施設からのご依頼により、市内南区若松にある老人福祉センター若竹園で展示をしています。

会場の様子

展示期間は8月5日(土)~8月27日(日)と、これまでの会場より短めですが、会期中は毎日開館しています!
これまでご覧になれなかった方も、もう一度ご覧になりたい方も、万全の暑さ対策でぜひお越しください。

(歴史担当学芸員)

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【開催中!】市史ミニ展示 津久井郡内郷村の民俗研究者・郷土史家-鈴木重光コレクション-

8月1日(火)から、当館の常設展示内で市史ミニ展示を行っています。

テーマは「鈴木重光(しげみつ)」です。
鈴木重光は旧津久井郡内郷村の民俗研究者・郷土史家です(1887~1967)。民俗学者の柳田國男とも親交が深く、多くの著作を残しています。

鈴木重光(左端)昭和16(1941)年撮影

当館では鈴木重光が集めた資料約8万点を収蔵しています。近年、当館歴史ボランティアグループである「水曜会」により目録が整備され、その全体像が明らかになりました。いずれも大正~昭和の貴重な資料です。

今回の展示では鈴木重光の略年譜、研究業績を紹介し、膨大な資料の中の一部を展示しています。

着せ替え人形

おばけかるた

展示の様子

このミニ展示は9月10日(日)まで開催していますので、ぜひご覧ください。
また、9月、10月には日露戦争や内郷村周辺の民俗をテーマとして、展示の内容を変更しますので、お楽しみに。

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セミの受難

このところ、セミの羽化など夜の自然観察について頻繁に投稿しています。その中で、7月29日に実施した大野南公民館でのセミの羽化観察会のために、公民館の実行委員のみなさんと7月27日に現地を下見しました。その際、衝撃的なシーンに出会いました。羽化しかけたセミの幼虫に、スズメバチが襲い掛かっていたのです。

スズメバチの一種に食べられる羽化直前のセミの幼虫

ちょうど羽化が始まって背中が開いたところを、スズメバチの一種が目ざとく見つけて食いついたのです。セミの幼虫はなすすべもなく体をちぎられて肉団子にされていました。5年余りを地中で過ごし、やっと地上へ出て成虫になろうというところで起きた悲劇です。
・・と書くのは、セミの側からの一方的な見方ですね。生態系を客観的に見れば、スズメバチにも事情があり、おそらくこのセミの肉団子は、巣へ持ち帰ってスズメバチの子育てに使われるものです。
そもそもスズメバチがそうして増えると危なくて困る、というのは人間の側からの見方です。スズメバチやアシナガバチなど肉食性のハチがいなければ、イモムシなどが増えすぎて植物が食べて尽くされてしまう可能性もあります。

羽化場所を探して地上を歩き回るアブラゼミの幼虫

懸命に羽化の場所を探して歩き回るセミの幼虫を見ていると、応援したくなるのは当然です。でも、たとえそれが鳥やハチなどに食べられたとしても、そうした関係性も含めて生態系のバランスが保たれていることを、しっかり伝えていきたいと考えています。
(生物担当学芸員)

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相模大野でセミの羽化を観察

7月29日、大野南公民館の主催でセミの羽化観察会が行われ、生物担当学芸員がお手伝いをしてきました。なんと65組の親子の申し込みがあったそうですが、野外での観察もあるため、20組の定員で抽選となり、40名ほどの親子が参加してくれました。まずは公民館内で、セミの一生や生活、抜け殻から見分けるセミの種類についてお話をしました。

公民館内でセミについてのお話

その後、いよいよ近くの相模大野中央公園へ向かいます。探し始めて5分ほどで、歩いているアブラゼミの幼虫が見つかりました。そして、10分ほどで羽化が始まっているところも!見やすい位置で羽化しているところにみなさん注目しています。

羽化に注目

観察しやすい高い位置で羽化しているセミも

また、ニイニイゼミの幼虫を見つけてくれた人もいました。7月中旬くらいに羽化のピークとなるので、この時期に見られるとは思いませんでした。

羽化場所へ向かうニイニイゼミの幼虫

さらに、こんな珍しいものも!ミンミンゼミの成虫の腹部(左側)に白いものがくっついています。

ミンミンゼミについたセミヤドリガの幼虫

これは、セミヤドリガという寄生性の蛾の幼虫です。なぜかヒグラシについていることが多いのですが、ミンミンゼミについているのはちょっと珍しいと思います。
参加者全員が羽化の様子、特に逆さになっている状態から、頭をもたげて腹の先が抜け、翅が伸びていく劇的な変化を見ることができました。
抽選倍率が高く、外れてしまったみなさんには申し訳なかったのですが、セミの羽化はこの季節の夜7時半頃に樹木の多い公園などに行けば必ず見ることができます。家の近くなどでぜひ観察してほしいですね。
(生物担当学芸員)

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梅雨が明けて目に付く昆虫

梅雨が明けて真夏のお天気が続いています。そんな中、目につくようになってきた昆虫がいくつかいます。まずはこちらの、ヨツスジトラカミキリです。

ヨツスジトラカミキリ

タイガーカラーはスズメバチやアシナガバチの仲間に見間違えて一瞬どきっとしますが、まさにそんな効果を狙った配色(ハチへの擬態)とされています。
そして、こちらのトンボはナツアカネです。

ナツアカネ

まだ未成熟なので全体的に黄色っぽいのですが、秋になると真っ赤に変わり、いわゆる赤トンボの一種となります。
そして、樹木の洞(うろ)などで目を凝らすと、こんな昆虫も。

キマダラカメムシ(幼虫)

キマダラカメムシの幼虫です。この複雑な模様を拡大して見ると、何となくインカ帝国の遺跡から出てきた遺物を連想してしまいます。ちなみに、秋に成虫になると、関東では最大級のカメムシです。

キマダラカメムシ(成虫:秋に撮影)

日中は暑すぎるのか、虫もあまり活動していません。洞や葉陰などでひっそりと休んでいるようです。
(生物担当学芸員)

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黄色いオオシオカラトンボ

博物館の建物の周囲には排水溝があり、そこにトンボがいることがよくあります。7月28日、酷暑の中で黄色いトンボがとまっていました。

オオシオカラトンボ

オオシオカラトンボです。オスは鮮やかな水色のトンボですが、とまったり飛んでいたりするのはいずれも黄色く、メスばかりだな、と思っていました。

別の日に撮影したオオシオカラトンボ(オス)

しかし、あまりにもメスばかりなのでふと思いつき、図鑑で調べてみました。すると、羽化したばかりのオスはメスと似て黄色いことがわかりました。写真を見直してみると、この個体は腹部の先に膨らみもないことから、やはりオスだということもわかりました。もう少し時間が経つと、オスは全身が黒くなり、さらに灰白色の粉で覆われることで水色に見えるそうです。近い仲間のシオカラトンボの水色も同様です。

シオカラトンボのオス 複眼も青いので、黒いオオシオカラトンボと区別できます

羽化直後のオオシオカラトンボがいるということは、やはり博物館の排水溝でヤゴが育ったということです。こんな流れの不安定な場所でどうやって成虫にまで成長したのか、ちょっと不思議ですね。
(生物担当学芸員)

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カラスウリの花咲く夜 その2

カラスウリの開花を先日のこのブログで紹介しましたが、しっかり撮影してみようと、7月25日のまだ少し明るい18:50にまず様子を見てみました。

カラスウリの1枚目

まだレースの花弁はつぼみにほぼ収まっています。しかし、20分後の19:00には、少しほぐれるように開いています。

カラスウリの2枚目

10分後の19:10は・・

カラスウリの3枚目

そして、19:20には、だいぶ開きました。

カラスウリの4枚目

ここからは少しゆっくり開いていったので、20:00に改めて見てみると、しっかりレースを広げていました。

カラスウリの5枚目

近くのクヌギの幹から樹液の発酵臭がしていたので確認すると、ちょっと小さめのノコギリクワガタが来ていました。

ノコギリクワガタ

アブラゼミの羽化もあちらこちらで見られました。

アブラゼミの羽化

ニホンカナヘビはススキの葉の上でお休み中・・ライトを当てて起こしてしまいましたが・・。

ニホンカナヘビ

夏の夜の生きもの観察は、蚊やハチの対策をしっかりして臨むと、見どころがたくさんありすぎて忙しいくらいでした!
(生物担当学芸員)

 

 

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