丹沢環境学習セミナー

今日は県立相模原公園研修室で行われた丹沢環境学習セミナーで講師を務めてきました。
県内で環境学習の講師やリーダーを務めるみなさんへ、神奈川県の野鳥の生息記録から見たその特色、そしてバードウォッチングを自然観察に取り入れる方法と実践例などを、講義と実習を交えてお伝えする講習です。

午前中に室内講義。午後はお隣の横浜市水道局相模原沈殿池で実習です。風は冷たかったけど、お天気がよくて絶好の野外活動日和でした。

実習の一つ。カモの塗り絵をクレヨンで描いてもらい、それを嘴や頭部などバラバラに分けて、再構成するプログラムです。力を合わせてグループごとに絵を完成。

じつは、このグループ分けや、絵の描き方、切り分け方など、一つ一つの進行に、自然観察会としての工夫が隠されています。
今日はそういう一つ一つのスキルを受講者が持ち帰り、それぞれに自然観察会に役立ててもらうのが目的です。
みなさん、笑顔を絶やさずに取り組んでくれて、まずは自然観察の「楽しさ」が伝わったようです。私も受講者のみなさんのアイデアに感心したり勉強になったり。実りの多い講習となりました。
(生物担当学芸員 秋山)

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やっぱり青い、雪の上の影

去年か一昨年も書いた気がしますが・・。
降雪から一晩明けて快晴の朝。

博物館お隣の留保地の影。やっぱり青くて美しい。
朝の何時間か、空の色が映るのでしょうか。
(生物担当学芸員 秋山)

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職業体験(相陽中)

28日(水)から3日間、南区の相陽中から4名の生徒さんが職業体験に来ていました。1日目は市民学芸員基礎講座で大人に混じって資料の取り扱いや展示パネルの設置をやってみたり、プラネタリウムの学習投影のお手伝いをしたり、盛りだくさんな内容の職業体験をしてきました。そして今日はいよいよ3日目。最終タームの午後は、植物標本のマウント作業(台紙張り)と、展示解説体験です。

ボランティアさんから手ほどきを受けて、慣れない手つきではんだごてを使い、押し葉標本を台紙に張っていきます。90分ほどの作業でしたが、最後の方はだいぶ慣れてきて、きれいに張ってくれました。

その後、動植物資料収蔵庫で標本が実際に収蔵されているようすを見学。今回は扱いませんでしたが、鳥の仮はく製を手に持ってその風合いなどを感じてもらいました。

そして最後の課題は、展示解説。自分たちで資料を調べ、模擬解説をしました。緊張してます!

みなさん、とても前向きに、真面目に取り組んでくれました!お疲れさまでした!
(生物担当学芸員 秋山)

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頭上の虫こぶ

虫こぶ、というのをご存知でしょうか?
植物に昆虫が卵を産むなどした事が原因で、植物体の一部が変形したものです。「ゴール」「虫(ちゅう)えい」とも呼ばれます。
今朝、通勤途上で見つけました。


クヌギの枝に相当な数がついています。


「クヌギエダイガフシ」という虫こぶです。
「クヌギエダイガタマバチ」がクヌギの若枝に産卵したことによりできます。
晩秋に成虫が羽化するので、既にもぬけの殻ですが、面白いのはその時の成虫が全てメスという事。そのメスが今度は花芽に産卵して「クヌギハナコツヤタマフシ」という虫こぶを形成、そこからオスメス揃った成虫が羽化して若枝に産卵…というサイクルになっている事です。
節足動物の中には時々こういった複雑なライフサイクルを持つものがいますが、何でそうなっているのか実に不思議ですね。
それにしてもこの虫こぶ、夏頃からずっと通勤路の頭上にあったはず。今まで全く気づきませんでした。いつも下ばかり見て歩いていてはいけませんね!(学芸班 木村)

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プロミナー

使い込まれた望遠鏡です。コーワTS-2。

これは、先週末に実施していた新規収蔵資料のくん蒸が終わり、くん蒸していた部屋から出して収蔵庫へ移動した資料の一つです。これがなぜ博物館資料?
そう、これは高度経済成長期が終焉し、バードウォッチングがブームとなりつつあった昭和50年代、ベテランバードウォッチャーの必須アイテムだったものです。プロミナーとはコーワというメーカーの商標ですが、当時からつい最近まで、バードウォッチングに使われる望遠鏡の総称として「プロミナー」、あるいは略してプロミが使われていました。

昭和60年頃にはすでに光学性能が格段に優れた製品がいくつかのメーカーから販売され、主役の座は奪われていきました。しかし、この細身ですらっとしたフォルムと、渋い色合いは、子ども時代の私の憧れでもありました。プロミナーを自分で博物館資料にするなんて、年月を感じます。

このプロミナーは、撮影の必要があってベテランさんからお借りしたところ、もう使わないからとそのままご寄贈いただいたものです。幾多の探鳥行に同行したであろうプロミナー。これからは博物館で永久に保存されることになりました。
(生物担当学芸員 秋山)

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地質調査日誌1/28 相模原市緑区寸沢嵐

1月28日,水曜日.晴れ.

今日は石老山中腹の林道で石老山礫岩の調査を行いました.

昨日の暖かい天気とは打って変わって今日は真冬の寒さが戻ってきました.相模原では夜のうちに雪が降り,うっすらと積もりました.それでも,博物館周辺では朝9時には雪はほとんどありませんでしたが,石老山中腹の林道は雪で真っ白!

露頭にも雪が少し積もっていました.

今日は礫岩と砂岩を調査・採集しました.
これは礫岩です.

こちらが砂岩です.

砂岩の玉ねぎ状風化も見られました.

林道の途中からは,津久井湖や城山が見渡すことができました.

天気予報を見て寒さは覚悟していましたが,まさか雪とは!かなり着込んで外に出ましたが,それでも雪の中の調査は寒かったです.

(地質担当学芸員 河尻)

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市民学芸員基礎講座+職業体験

今日は新しい市民学芸員登録希望者向けの基礎講座、3回目が行われました。実習中心で、人文系資料の取り扱いと、展示技術について2班に分けて実施しました。また、今日から職業体験に来ている相陽中学校の2年生4名も加わりました。
こちらは人文系資料。巻物の取り扱いは、手元が緊張しているのがわかります。

展示技術は、解説パネルやキャプションをスチレンボードに張り、カットしてそれを壁面へ打ち付けるところまで行います。

シンプルな作業なのに、意外と難しいことにみなさん驚いていました。中学生もがんばって参加。

この基礎講座を受講したみなさんは、最終的なご本人の希望を確認した上で市民学芸員に登録されます。今回の実習は実践的なものなので、すぐにでも即戦力になってくれることでしょう!
(生物担当学芸員 秋山)

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椎の実

ちょっと季節外れの話題ですが・・。スダジイの写真を使う必要があり、近くの鹿沼公園へ撮りに行きました。スダジイとは、いわゆる「椎の木」の一種です。ドングリの仲間なのですが、一般的なコナラやシラカシと異なり相模原市内ではほとんど自生していません。たまに屋敷林や公園などに植えられています。

鹿沼公園の一角にはスダジイが植えられているので、撮影に行ったというわけです。
こんな時期にまだドングリがあるかな?と足下を探してみると

ありました!コナラやシラカシのドングリとだいぶ趣が違います。殻斗に完全にくるまれたような形なので、なんとなく奥ゆかしい感じがします(完全な主観ですが・・)。
正面から見ると、三稜形。ふんわりと、三角錐の形をしています。

もう一つの大きな特徴は、アク抜きしなくても生で食べられることですが、それは個人的な好みなどもあるので、深く言及しないこととします。写真の方はなんとか間に合わせましたが、こんな真冬に慌てることのないよう、今年の秋はちゃんとスダジイの写真を撮影しておこうと思います。
(生物担当学芸員 秋山)

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大盛況!繭うさぎにチャレンジ体験

今日は年一回の恒例となった繭うさぎづくりと、学習資料展関連事業のチャレンジ体験コーナーの日。午前中から来館者も多く、11時のスタートと共にお客さんで賑わいました。繭うさぎづくりを上から見たところ。

チャレンジ体験コーナーも。

文部科学省から相模原市教育委員会へ研修に来られている山本さんがこの日は博物館勤務ということで、繭うさぎづくりコーナーに入ってもらい、即戦力として大活躍してくれました。

繭うさぎ、とってもかわいらしく作ってくれました。

この繭は博物館や、指導にあたっている市民学芸員さん(博物館HPの「ボランティアの窓」参照)などいろいろな人が大切に育てたものです。こうして作品に仕上げてくれて、私たちも大変嬉しいです。
おなじみの紙芝居。お子さんたち、食い入るように聴き入っています。

薬研(やげん)など、教科書でしか見たことのなかったような昔の道具を実際に体験。

チャレンジ体験コーナー、次回は2月8日(日)です。お楽しみに!
(生物担当学芸員 秋山)

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にぎやかなミニ観察会

今日は恒例の「博物館のまわりのミニ観察会」の日でした。たくさんのみなさんにご参加いただき、今日は20人を超える参加者でわいわいと楽しく実施することができました。
はじめ、もうちょっとお天気が良いことを予想していたので、天体観測テラスへ上がって雪化粧をした丹沢の山並みを・・と思っていたのに上半分が雲の中で、これはちょっとみなさんに申し訳ない結果となりました。
気を取り直して下に降り、生きもの観察に。樹名板の裏をそっとひっくり返して・・・。

冬の定番、ヨコヅナサシガメの越冬です。でも今年はちょっと少なめ。
ヒラタグモの住居もありました。

さて、本日のメインです。先日、K学芸員がクモの探索中に見つけた、樹名板の裏で冬眠中のヤモリです。

これはみなさん興味津々!

イモリ(両生類)とヤモリ(爬虫類)の違いや、冬眠は言わば仮死状態であることなどお話しして終了!
と思いましたが、今日は半分以上が小さなお友達だったので、おまけとして、これも冬の恒例、ヤブラン鉄砲(果実とばし)でちょっとひと遊び。果実の汁を服につけないでね!と願いながらの終了となりました。
(生物担当学芸員 秋山)

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