成人の日に生放送!

今日、閉館後にJ-COMの「夕なび」という番組で博物館からの生中継がありました。
閉館後に一体何を放送するのかというと、成人の日の今日「新成人応援特別企画」として今年の11月に開館20周年を迎える博物館を紹介して下さるという、我々にとっては大変ありがたいお話でした。
レポーターの方との掛け合いをするのは博物館長。
慣れないテレビ出演に緊張の面持ち。見ている方も緊張します(笑)。

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まずは天文展示室から。やっぱり相模原市立博物館というと「はやぶさ」とのご縁を抜きに語る事ができません。2010年の帰還カプセル展示風景の写真やイオンエンジンのエンジニアリングモデルを前に説明です(写真はリハーサル風景です)。

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プラネタリウムの紹介や、「学びの収穫祭」の説明をしながら自然歴史展示室の前へ。

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一度見たら(たぶん)忘れられないマンモスの前で「子どもの頃来たことがある新成人の皆さんも多いのではないでしょうか」と印象付けたところで、これからの事業についてもアピールさせていただきました。
考えてみると、この博物館は新成人の皆さんとほぼ同じ時間を歩んできた事になります。厳密にいうと博物館が成人式を迎えるのは来年なのですが、まあそんな細かいことは抜きにしましょう。成人、おめでとうございます。そして、これからも博物館をよろしくお願いいたします。(学芸班 木村)

おまけ。
上の3番目の写真、ちょっと変だと思いませんか?いつも博物館に来ている方ならお気づきと思いますが、明日の設備保守の準備で「のぞみ」がいつもと違う位置にいます。今日の放送を見た人は、特別バージョンの博物館を見られてラッキーですね!?

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今年最初の「さがみはら宇宙の日」

2015年最初の「さがみはら宇宙の日」は講演会、
『超大型30m望遠鏡TMTで見る宇宙』と題して、国立天文台TMT推進室の、家 正則(いえ・まさのり)さんにお話ししていただきました。

講演前に会場に流れていたアランフェス協奏曲は、なんと家先生の演奏を録音したもので、会場のみなさん、びっくり!

まずは、TMT の先輩格にあたる「すばる望遠鏡」の説明から。口径8.2mの「すばる望遠鏡」でもたいへんな苦心、苦労の結晶であることがわかります。

それをはるかに上回る、口径30mのTMT。「月の上のホタルの光が見える」、「東京から大阪にある1円玉を数えられる」という驚くべき性能の望遠鏡が、ハワイ島マウナケア山頂で、いよいよ建設が始まりました。

建設費は約1500億円! 日本は約4分の1を負担する、5カ国の国際協力事業なのです。
5カ国間の取り決めをきちんとまとめていく作業もたいへんそうです。

TMTの巨大な鏡には、熱膨張率がほとんどゼロという特殊ガラスの技術をもつ、相模原市のメーカー「オハラ」の製品が使われています。このガラスは、以前、博物館でも展示されました。

TMTの完成予定は2022年頃になる予定。どのような新たな宇宙の姿が明らかになっていくのでしょうか。
「はやぶさ2」の2020年末帰還とともに、TMT の描き出す宇宙にも楽しみです!

2時間を超える解説と、その後の質問攻めにもやさしく対応してくださった家先生、本当にありがとうございました!(天文担当学芸員 山田)

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冬晴れの城山

今日はお休み番でしたが、あまりにお天気が良いのでつい、津久井湖城山公園の城山へ行ってしまいました。

風がほとんどなくて穏やかな冬晴れ。猛禽類の出現に期待しましたが、ノスリがちょくちょく飛んでいただけでした。

それにしても猛禽類が青空をバックに飛ぶ姿は見ているだけで清々しく感じます。谷を上がる気流が良かったのか、何度もホバリングしていました。

今年はソウシチョウが多いようです。とても美しいのですが・・残念ながら特定外来生物に指定されている鳥です。

一昨年、雷で焼失した大スギ。焼け落ちてもなお、なんとなく威厳を保っています。

女坂ではいつも、カラ類の群(シジュウカラや近縁の鳥で構成される混群)に遭遇します。エナガがずっとかわいらしい姿を見せてくれていました。

今日も気持ちの良いハイキングでした!
(生物担当学芸員 秋山)

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観望会でラブジョイ彗星

今日は恒例の星空観望会。大変寒い晩でしたが、40人近い方が参加されました。
お天気はまずまず。観望対象天体は、すばる、オリオン座の大星雲、そして、今が見頃のラブジョイ彗星!
準備をしている時にはまだ空が明るくて、なかなか視野に入れる事ができなかったのですが、観望会では口径15cmの双眼鏡で皆さんに堪能していただく事ができました。

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ごめんなさい。間違えてストロボ焚いちゃいました。でも観望会の様子がわかる貴重な写真です。

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これはオリオン座付近。この写真の視野は、ラブジョイ彗星のいるあたりと、「はやぶさ2」がいるあたりをカバーしています。どうぞ「心の目」でじっくりご覧ください(笑)。

このラブジョイ彗星、次に見られるのは8000年後との事。それを星空観望会で見ていただく事ができて、大変ラッキーでした。寒い中、ご参加いただき本当にありがとうございました。

おまけ。望遠鏡をカメラで覗いてパチリ。オリオン座の大星雲です。今日はうっすらと雲がかかっていましたが、大変よく見えました。(学芸班 木村)

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冬の果実の消費動向その1

博物館前庭には、冬に果実が実る植物が何種類か植えられています。こうした木の実の特徴は、派手で大きくて、でも栄養価が少ないこと。冬鳥たちがこれもせっせと食べなくてはいけないのかどうかで、その年の冬鳥たちの食糧事情が推察できます。毎年、このブログでも状況をご紹介していますが・・今年はどうでしょう?まずはマンリョウです。

まだたわわに実っているな、と思って近づいてみたら・・

半分近く食べられていました。例年、1月いっぱいくらいは食べられずに残るのですが、今年はちょっと早いようです。マンリョウの次に食べ出すヤブランはどうでしょう。

ほとんど残っていて、食べられている形跡があまりありません。写真ではだいぶ果実がもぎとられているようにも見えますが、この果実は落下しやすいので、食べられたとは限りません。食べられている場合は総に残る果実がもっと少なくなるはずです。
そういえば、自宅の近所のピラカンサ(トキワサンザシ)に最近ちょくちょくヒヨドリやムクドリが来ています。下の写真は食べられる前のものですが、この果実は残る年では春先まで食べ残されます。

昨年はカキの実りが良かったようで、今でも木に残っている果実が多く、メジロやムクドリ、ヒヨドリなどが群がっています。
そんなことを考え合わせると、カキなど一部の栄養価の高い果実は実りが良かったものの、新年早々マンリョウやピラカンサに手を付けだしたということで、若干食糧事情が悪いのか、冬鳥の飛来が例年よりやや早いか多いか、ということかもしれません。今後も注意深く見ていきたいと思います。
(生物担当学芸員 秋山)

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シャクトリモドキ?

今朝、博物館の前で枝からぶらぶら下がっている幼虫のようなものを見つけ、「シャクトリ虫?」と手にとってみたら…

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本物の枝でした。
それにしてもよく似ています。幼虫に。
もちろん、幼虫の擬態が素晴らしいという事なのですが、クモの糸か何かに引っかかってぶら下がって騙すとは、枝といえどもあなどれません。

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せっかくなので、愛用のアオバセセリストラップと2ショット。
こちらも値段の割によくできた作り物。
ニセモノ同士で、絵になります(?)。(学芸班 木村)

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フクロウの風切羽

1月4日に市内で拾得したフクロウの死体については、この前の前の記事で紹介しました。
その記事の中で予告したとおり、飛翔時にほとんど音がしないフクロウの羽の構造についてご紹介します。
まず、今日、たまたま標本作製作業に使っていたコジュケイ(キジ科)の初列風切羽(しょれつかざきりばね)です。

風切羽とは、翼の前方を除く外縁を構成する羽で、飛翔する時の推進力や浮力を得るために最も重要な役割を担う羽です。次に、フクロウの同じ部分を見てみましょう。

外弁(写真の上側)のギザギザに注目してください。

このギザギザ構造をセレーションと言い、ほかの鳥には見られないものです。これが、飛ぶ時に気流の逆流を防ぎ、いわゆる「風を切る音」を小さくしているそうです。これは日本の新幹線のパンタグラフに応用され、走行音の軽減に役立っています。このように生物のからだの仕組みや形態を応用した工学技術を生物模倣技術(バイオミメティクス)などと呼びます。
フクロウの羽のこんな構造にも驚きますが、それに気付いて新幹線に応用した鉄道技術者もすごいですね!
(生物担当学芸員 秋山)

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「ふちのべIngress 初詣」開催しました!

お正月、三が日明けの今日、神奈川工科大学情報メディア学科白井研究室との共同事業の一環で、位置情報ゲーム「Ingress」を使ったイベントが行われました。

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淵野辺駅の「宇宙兄弟」「銀河鉄道999」の看板の前に集合し、まずは駅前の「小原式日時計」のある場所へ。

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急な告知だったにもかかわらず30人近い方が参加されました。
さらに鹿沼公園に移動。ここでチーム戦を約20分間。

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上級者が子どもたちや初心者に教えながら、ゲームが進行します。

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思い思いの位置でプレイする皆さん。ちょっと不思議な光景ですが、画面の中では共通のものを見ている…はずです。

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次は、初詣イベントらしく、小惑星探査機「はやぶさ」とも縁のある新田稲荷神社へ。
ここでは市の登録文化財にもなっている「呼ばわり山」が迷子探しにご利益があるという話や、かつてこのあたりは草原であった事、近辺には鹿沼等の大きな沼地があった事などを解説し、しばし自由行動。

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お参りの後は、もちろんのように皆思い思いの場所で…画面の中にはきっと共通の風景が…

続いて、JAXA相模原キャンパスへ。実は、ゲーム内に淵野辺駅前から博物館へとめぐるコース設定があり(そういうのを「ミッション」と呼び、ある程度の上級者が自分で設定できる仕組みになっています)、JAXA相模原キャンパス内にも行く必要があるのです。

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もちろんここでもこうなるのですが…

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中には初めて来た方もいらっしゃるので、駆け足ですが展示室も見学しました。

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最後は博物館でこのイベントを開催した経緯の簡単な説明、クイズ、各種表彰など、盛りだくさんな内容でしめくくりました。

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記念撮影。手前は写真ワークショップでもお世話になった、写真家の阿部さん。今回、記録撮影のため、同行してくださいました。

今回のイベントでは、途中、意図的に文化財などの説明を行いました。博物館で開催するからには、これは、外せません。
とはいえ、参加者の皆さんに聞いてもらえなければ、イベントとしてなりたちません。「場違いでは」と、やや心配しながら始めた解説ですが、皆さん真剣に聴いてくださり、励まされました。参加者の中には「民俗探訪は、よく参加しますよ。今回、興味があってIngress始めました。」という方までいらっしゃって、非常に心強く感じました。もしかしたらこの試み、これからの発展が期待できるかもしれません。

ところで今日、地下ホワイエでは市民学芸員の皆さんが「チャレンジ体験コーナー」を開催していて、博物館は大変賑やかでした。

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新年早々、協働事業、ボランティア、イベント参加者…と、博物館は多くの方に支えられてスタートしました。一日を振り返るとちょっと胸が熱くなります。
これからもこれに甘える事なく「市民とともにつくる博物館」を発展させる事ができればと思います。
今年もどうぞよろしくお願いいたします!(学芸班 木村)

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仕事始めにやってきた貴重な資料

今朝、仕事始めにふさわしい(というより、とてつもなくビックな)連絡が入りました。
緑区の某所で、フクロウの死体が落ちているというのです。連絡をくれたのは、郷土の文化や自然を探求し、発信している城山エコミュージアムのメンバーの方です。早速駆けつけました。

死んでしまったフクロウはかわいそうでしたが、自然界では、死はいつもどんな場所にも存在します。自然の摂理に従って土に還るのがもっとも理にかなった死体の行く末ですが、これほど状態の良い標本はめったにありません。博物館としては、相模原の動物相を後世に残すための資料としてとして活用させていただくべく、拾得することにしました。
博物館へ持ち帰ると、早速、フクロウの研究をしている学生さんが駆けつけてきました。

あれこれ計測して、羽根や各部位の状態などを観察します。やっぱり、フクロウといえばこの足。羽毛の生えた指に、大きな爪。これで掴まれたら、ノネズミはイチコロですね。

翼を広げたところ。一見、ほかの猛禽類と違いがないのですが、微細な構造が異なります。また後日詳しく写真をアップしようと思いますがフクロウの羽毛は、飛翔中に音が出ない構造になっています。夜行性のフクロウが、食物であるネズミなどを闇の中で襲うのに都合がよいからです。

この構造は、生物模倣技術(バイオミメティクス)として、パンタグラフの空気抵抗による騒音の軽減に役立てられています。
ちなみに、こうした死体を扱っていると、ワラワラと羽毛の表面を動くものがいます。ハジラミの一種です。

この仲間は、羽毛の繊維を食べているようです。このフクロウは外傷がなく、かなり痩せていたので、衰弱死したものと思われます。衰弱した個体は、ハジラミが増えないようにするためのケアである羽づくろいをじゅうぶんできないため、たくさんのハジラミがついていることが多いのです。
今後、解剖して胃内容物を見たり、標本づくりのなかまたちとはく製にして、博物館資料として最大限に活用していきたいと思います。
(生物担当学芸員 秋山)

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まだいた。

あけましておめでとうございます。
今日は2015年最初の開館日です。

久しぶりに通勤路をきょろきょろしましたが、さすがに寒くて生き物の姿が薄いです。
仕方がないので博物館敷地内の樹名板をめくると、ヤモリが…

実はこのヤモリ、昨年12月18日にもここにいました。

12月18日の写真。うーん、見分けがつかない。
どうやらこの冬はここで過ごすようです。

昨年末に産卵したジョロウグモも、まだ水槽の中で生きています。

こちらは通常であれば越冬はしないので、いつまでいるのでしょうか…

今年も通勤路とクモの話題を中心に担当したいと思います(笑)。
どうぞよろしくお願いいたします。(学芸班 木村)

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