あかつきトークライブ15

本日は、さがみはら宇宙の日「あかつきトークライブ」でした。
毎偶数月に、金星探査機「あかつき」チームの皆さんと一緒に、2015年に金星周回軌道再投入を目指している「あかつき」について、そのミッションを振り返り、応援をする企画です。
お昼ごろから雨が降り出すとの予報で、薄ら寒い天気でありましたが、70名のお客様が参加下さいました。

本日の講師は、JAXA宇宙科学研究所・研究員の杉山耕一朗さんです。「計算機の中の金星大気というテーマでお話しいただきました。途中にすごく難しそうな計算式を交えながらの講義でしたが、ご自身の研究内容を交えながら、分かりやすく、面白おかしくお話し頂きました。スーパーコンピューターも、一つ一つはそれ程、高性能ではないが、その膨大な数の集積により、すごい力を発揮していること、様々な科学者が個々の理論により予測をしても、その論拠により予測結果は大きく異なるため、観測(答え)との整合性が非常に大切であるとの点が、印象に残りました。

講義の後は、実験コーナーが始まりますが、その前に、いつもの写真撮影です。ほとんど全員の方に加え、今日はクリスマスツリーも参加してくれました。

いよいよ、実験開始です。今日は、「カルマン渦」と「雲」を作ってみようをテーマに行ていました。このテーマだけ見ると、何を使ってどうやって作るの?といった感じですが、カルマン渦は、牛乳パックを切ったものに養生テープを貼ることにより、簡易の水槽を作ります。その中に水を張り、少しだけ墨汁をたらし、約10秒位かけて割り箸で水槽中を横断していきます。墨汁が割り箸に引っ張られ、横断していくとともに渦ができたところに和紙を落とします。なかなか、渦を作るのが難しいですが、皆さん何回も挑戦し、和紙の上に素敵な渦がたくさんできていました。

雲の作り方はいたって簡単。ペットボトルに少量のお水を入れて、その飲み口に炭酸キーパーを装着した後に空気をいっぱい注入していきます。もう、これ以上入らないといったところで、栓を勢いよく開くと、一瞬にして中には白い雲が。非常にシンプルな実験ですが、多くの方が興味を持たれ、何回も繰り返し、たくさんの雲を作っていました。(ちなみに炭酸キーパーは500円程度で市販されているそうです)実験の後は、講師も交え、昼食会へと移行します。これにも多くの方が参加され、昼食とお話しを楽しまれていました。

あかつきトークライブは、今回で15回目をむかえました。次回は、2月7日(土)の10時から正午までの予定で、 JAXA開発員の成田伸一郎さんを講師にむかえ、「探査機の姿勢」をテーマにお話しいただく予定です。

本日は、ツリー等をお持ちいいただき、少し早いクリスマス気分を味わっていただけたのではないでしょうか。お蔭様を持ちまして、本年の最終回も無事に終了となりました。来年もよろしくお願いします。良いお年をお迎え下さい。(天文担当 有田)

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雨の日は館内で

今日は毎月恒例の「博物館のまわりのミニ観察会」の日・・でも、昼前から雨模様となりました。
最近は便利なもので、雨雲レーダーなどをネット上で気にしてみていると、かなり正確に降水の状況を予測できます。今日も、お昼くらいから本降りになりそうな予報だったので、早々に館内での実施に切り替えました。何をやったかというと、冬の室内の定番、葉っぱの工作です。

常連として来てくれている少年も、金魚に挑戦!エンジェルフィッシュにも見えますね!

草履、カタツムリなどをみんなで作って、お土産に持ち帰っていただきました。

たまには室内も楽しいですね!
次回は1月24日(土)12時からです。
(生物担当学芸員 秋山)

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相模Ingress 部、イベントやります。

11月23日のブログで紹介した、相模Ingress部。ついに博物館近辺でのイベントを開催する事になりました。
日程は1月4日。「まだ正月じゃん」という方は正解です。
題して、「スマ歩相模原:ふちのべIngress初詣」!!
対象はどちらかというと、ゲーム初心者
ですが、ベテランの方のサポートも募集しています。詳しくはこちらのサイトでどうぞ。
http://ingress.sagamiharacitymuseum.jp/event-hatumoude/
ところでこのIngress、いよいよ広がりが出てきたようで、昨日、横須賀市が観光振興のため導入したというニュースがリリースされました
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20141218-00000104-it_nlab-sci
公式サイトに行ってみると、なんかかっこいい。カッコよすぎて、違和感があるくらい。
公式サイト:http://cocoyoko.net/ingress/
これで観光なんて、どれだけお金を使わせようという魂胆…と、変な勘ぐりをしながら、今日、どんな経緯でこの取り組みを始めたのか、担当部署に電話で突撃インタビューしてみました。すると…全然う印象が…。
「ちょっと違う切り口で観光してもらえたらと思っています」「これで横須賀を訪れる人が1人でも増えてくれればと考えています」と、極めてまっとうというか、控え目な答えが返ってきました。聞くと、このかっこいいサイトも、担当の方の手作りとの事(それはそれで凄い)。
さらに、相模原ではこのゲームを使って、文化財の情報を共有したり、文化財めぐり的な事をやりたいと考えている事を話すと「いいですね!」と、賛同の言葉をいただき、とてもうれしい気持ちなりました。
このIngress、Google という一企業が提供している無料ゲームですが、使い方によって、色々な可能性が開けているように感じました。
ともあれ、相模Ingress部としては、まずは初詣イベント。事前申し込みが必要ですが、興味をお持ちの方、お手伝いいただける方は、ぜひご参加を!(学芸班 木村)
※特に「青」陣営の高レベルの方にお手伝いいただけると助かります。もし参加可能な方がいらっしゃいましたらご連絡ください。

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収録

今日は午後から、エフエムさがみ「エコで行こう相模原」の収録に行ってきました。

博物館学芸員として見た相模原の自然環境や、特色となる生きものの話、そして生物多様性の面から見た地域の自然の大切さなどについてお話ししました。パーソナリティの斉藤さんは環境情報センターの職員でもあるので、わかりやすい切り口でスムーズに進行してくれました。
放送はなんと!平成27年1月1日(元旦)の午後7時~8時です。お聴き逃しなく!
(生物担当学芸員 秋山)

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ジョロウグモも凍る朝

今日は日本各地で大荒れの天気が報じられてていますが、幸い博物館のある相模原近辺は、風がやや強いものの、一日中晴れていました。
とはいえ寒さは一段と厳しくなっていて、あたりはすっかり冬の景色です。今朝の通勤路では…

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街路樹の影だけ、まだ霜が残っています。

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そしてなんと、ジョロウグモが凍りついていました。1シーズン限りの命とはいえ、はかなさを感じる光景でした。(学芸班 木村)

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渡良瀬遊水地

相模原には湧水はたくさんありますが、こんな広い遊水地はありません。
今日はお休みをいただいて、栃木県と群馬県にまたがる広大な渡良瀬遊水地へ行ってきました。

目的の一つ、チュウヒというタカです。ひらんひらんと飛びながら、キョロキョロ下を向く独特の飛翔で私たちを楽しませてくれました。

渡良瀬遊水地を代表する植物群落である広大なヨシ原。冬のヨシ原の住人、オオジュリンです。立ち枯れたヨシの茎をつついて何かを食べています。

いつも博物館で動物標本の作成を手伝ってくれている若者たちと行ったのですが、彼女たちが顔を近づけて夢中で見ているのは・・・

猛禽類が不消化物をダンゴにしてはき出した「ペリット」です。生きもの好きって、客観的に見るとやっぱりヘンですね。
寒風が吹きっさらしの遊水地でしたが、ほかでは見られないシチュエーションで探鳥を楽しむことができました。冬の嵐が来る前に、渡良瀬を後にして帰ってきました。
(生物担当学芸員 秋山)

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目つきが・・・

今日はお休みを利用して、恒例の水鳥調査にとあるダム湖へ行きました。
駐車場で近づいてきたハクセキレイを撮影したら、なんともかわいらしい仕草。

これはさい先いいなと、いろいろ写真を撮りました。オオバンの写真を撮って・・

確認のため拡大してみたら・・

こんなに目つき悪かったっけ!?
続いて、湖畔のホンシュウジカの親子をぱちり。

これも拡大してみたら・・

「私のおしりを写しているんじゃないわよ!!」
そんな声が聞こえそうな目つき・・何か悪いことしたかなあ・・それとも、これから悪いことが起きるのか・・

果たして今日は調査の最後にとんでもない結末が待っていたのですが・・今日は仕事ではなくプライベートな調査なので、ここまでといたします。
(生物担当学芸員 秋山)

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丹沢大山再生報告会

昨日になりますが、12月13日(土)、小田原にある神奈川県立生命の星・地球博物館で2014年度丹沢大山自然再生活動報告会が行われました。これは、神奈川県の屋根、丹沢大山の自然環境にまつわるさまざまな問題や、そこで活動する団体が報告を行うシンポジウム形式の発表会です。第1部では、行政、NPO、企業、市民活動団体などさまざまな立場から、報告が行われます。

丹沢大山は都市近郊の身近な大自然として多くの人から親しまれている一方で、ニホンジカの増加やそれにともなう下層植生の衰退、表土流出、樹木の枯死など、多くの問題を抱えています。その対策に立ち向かうみなさんの、最前線の活動が報告されました。また、第2部では、ワークショップ形式で①森林再生、②登山とツーリズム、③山里再生という個別のテーマについて議論が行われました。

切り口が違っても、その解決に向けた課題や展望を抽出してみると、多くの共通点があることがわかりました。
長い道のりになりますが、丹沢大山の将来を見据えて、地道に活動していくことが大切だということを再確認して終了しました。
(生物担当学芸員 秋山)

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ランプ切れ直りました。

今日、天文展示室にある、太陽望遠鏡の映像を映すテーブルには「調整中」の貼り紙が。

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そう、プロジェクターのランプが切れてしまったのです。

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そのプロジェクターは、天井から吊り下がっています。

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ランプ交換は、こんな風に大きな脚立を使う作業なので、閉館後の作業になります。

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切れたランプ。

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新しいランプ。やっぱりピカピカです。
交換は無事完了。
ご迷惑をお掛けしましたが、明日からまたリアルタイムの太陽をご覧いただけます。(学芸班 木村)

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ミョウバン結晶の不思議

以前のブログで2年以上かけて育成したミョウバン結晶について書きましたが,今回もミョウバン結晶の話です.

この黒っぽい結晶もミョウバンのなかまです.クロムを含んでおり,濃い紫色をした結晶です.大きな結晶を育てようとしたのですが,うまく行きませんでした.そのときにビーカーの底にできた1〜3mmの結晶をチャック付きの袋に入れて,しまっておきました.数年後,取り出してみてびっくり!いくつかの結晶が大きくなっていました.1cmを超えるものもあります.袋の中で成長したようです.

こちらはミョウバンではなく,硫酸銅の結晶です.
飽和水溶液の中に種結晶を1週間ほど吊るして育成したものです.

これは約1年かけて,2リットルのペットボトルの中で育成した硫酸銅です.

このときに,ペットボトルの底で大きくなった硫酸銅の結晶です.

さて,ミョウバンと硫酸銅の飽和水溶液を混ぜるとどのような結晶ができるのでしょうか?

答えは,別々に結晶となって,モザイク状になります.

結晶って,不思議ですね.

(地質担当学芸員 河尻)

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