赤か黄か、それとも・・

毎年紅葉の時期になると、なぜ落葉前にこんな色へと変化するのだろう?と不思議な気持ちになります。

頭では、光合成色素や糖分、アントシアニン、活性酸素といった単語の組み合わせでいくらでも説明がつくのですが・・では、もっと根源的に「この色にはどんな目的があるのか??」という疑問に対する答えが見つかりません。余剰な糖分や色素の化学変化、そして活性酸素の生成阻害と言って済ませてしまうには、あまりにも主張が強すぎる光景だし、目的があるとしたら、その変化の具合があまりにもまちまちだと思うのです。
同じ種類の木でも、黄色で終わったり、朱色まで染まってみたり・・同じ株ですら、年によって差が出ます。

毎年コンスタントに真っ赤に染まる木は、青空をどこかで意識し通じ合っているのでは、とさえ思いたくなります。

人間に都合の良い解釈はいくらでもできるのですが、それは悠久長大な進化の大樹の末端にいる私たちの、視野の狭さを表しているにすぎません。科学の根元にはまだ、理屈で説明できないことばかりあるのだと自覚させられる季節です。

・・・って、ちょっと話がでかくなりすぎましたね。
(生物担当学芸員 秋山)

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学習資料展・ながさき原爆展、はじまりました!

平日からスタートする企画展示は珍しいのですが、それは学習資料展という、学校利用を前提としてつくられた展示だからです。本日、オープンしました!

毎年恒例の学習資料展では対象となる学年の想定が決まっているため、毎年おなじみの資料が登場することも多いのですが・・今年、入ってすぐのコーナーに設置された戦時中の民家の模型は、新作です!なんと、市民学芸員による手作り!
ハッキリ言って、プロの技です。

展示室の奥側には、「ながさき戦争・原爆被災展」。これは、核兵器廃絶平和都市宣言30周年記念事業2014市民平和のつどいの一環として開催している展示です。

犠牲者が着用していた背広や、原爆炸裂の瞬間の時刻で止まっている時計など、実物資料や被災状況の写真が展示されています。重厚なテーマの展示ですが、来年、戦後70年となるのを機に、改めて平和と核兵器廃絶について正面から向き合うためにも、ぜひご覧いただきたいものです。学習資料展もこれに合わせて、戦時中の暮らしについて扱っています。冷たい雨の降る中ですが、早速、今朝からたくさんの小学生たちが学習観覧に訪れています。
ながさき原爆展は2月1日まで。学習資料展は3月8日までとなります。
(生物担当学芸員 秋山)

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平和の大切さ

今日は休館日ですが、明日から開催する「ながさき 戦争・原爆被災展」の準備が行われました。
午後に資料と担当の方が到着し、展示業者の皆さんが、慣れた手つきで実物資料を列品したり、写真やパネルを壁に打ち付けていきます。

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原爆炸裂の時刻で止まった時計、溶けた瓶、表面が沸騰した屋根瓦など、熱線の凄まじさを語る資料の数々。そしてその時の街や人々を写した写真。それらは想像を絶する暴力がもたらした結果です。
同時開催の学習資料展も「戦争と生活」というテーマで、足並みを揃えました。
これらの展示を見ていると、ありきたりですが、平和の大切さを身に染みて感じます。皆さんもこの秋、博物館で平和について考えてみてはいかがでしょうか。この展示は来年2月1日(日)までです。(学芸班 木村)

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「学習資料展」順調に準備中!

今年も学習資料展のシーズンになりました。他の展示との関連で、ちょっと遅めというのと、同時開催が「ながさき 戦争・原爆被災展」という事もあり、「戦争と生活」という、例年とはやや異なるテーマ設定になっています。

もちろん、企画も列品も市民学芸員の皆さんの手によるものです。皆さん、もちろん戦中世代ではありませんし、館としてもそれほど豊富に戦時中の資料があるわけではないので、苦労もあったようです。それでも、準備は着々…というか、いつにも増して張り切って作業が進んでいます。どうぞご期待下さい。

この、学習資料展「大地さんと未来さんが見つけるちょっと昔のくらしXI ~戦争と生活~」は11月26日(水)から3月8日(日)、もちろん、昔の遊びが体験できる「チャレンジコーナー」も毎月やります!くわしくはこちらをご覧ください。(学芸班 木村)

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相模Ingress部

皆さん「イングレス」というゲームをご存知でしょうか?
グーグルが無償で提供する、位置情報を使った代替現実ゲームで、今や世界的な広がりを見せているのだそうです。
ここまで読んで??となった方。あなたは正常です。私自身、実はよくわかっていません。
なぜそんなものの話を書くかというと、昨年度から協働事業を実施している神奈川工科大学白井研究室の学生さんから「これを使って、若者がもっと博物に興味を持つようにしたい」という提案があったからです。
どんなゲームかというと、スマートフォンやタブレットなどを使って、地図歩きをするのですが、このゲームの地図画面には、あちこちに青や緑の炎がメラメラと立ち上がっているのです。

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例えばこれがお馴染みの博物館入り口。
それをゲームの地図上でみると…

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メラメラしてます。
この炎みたいなものは「ポータル」というもので、誰でも設置できます。ただし、それがユニークなものであると、事務局に認めてもらう必要があり、どうやらオブジェや石造物、変わった建物などが認定されやすいようなのです。
実際、神社仏閣や石碑などが「ポータル」になっている例はかなり多いようです。
しかも「ポータル」には説明をつける事ができます。細かいルール説明は省きますが、その場に行かないとプレイ出来ないつくりになっており、確かに「スマホを使って文化財めぐり」みたいな事ができそうです。
さて、そんなわけで「相模Ingress部」というものが活動を開始しました。部活動です。
活動の様子や注目のポータルなどの情報をブログ形式で紹介するページもできました(一部工事中)。
さあ、これからどんな展開をするのでしょうか。実は打ち合わせをしていても、いまひとつ飲み込めてない私ですが、今後に期待して見守りたいと思います。(学芸班 木村)

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今日も行き当たりばったり!ミニ観察会

毎月第4土曜日のお昼恒例の「博物館のまわりのミニ観察会」。今日は快晴の下で行いました。
まずは、前庭に出て木々の間をじーっ・・

何を見ているのかと言うと・・・偶然見つけた、ジョロウグモのお食事です!

ハチのような昆虫をぐるぐる巻きにしてじっくり食べています。
次に、今が盛りの紅葉の落ち葉を観察。ひとくちに紅葉と言っても、じつに微妙で繊細な色の変化があります。

それを実感していただくために、これも恒例の、落ち葉の色相環をみなさんでつくってもらいました。美しい!!

樹林地に入ったとたん、シジュウカラの群に遭遇したり、目のいい参加者の方が、上空を飛ぶオオタカを発見!遠い遠い高空でしたが、大スターの出現にみなさんびっくり。
こうして行き当たりばったりの観察会が、いちばん充実して楽しいですね。
次回は12月20日(土)12時から。年末休の関係で、第3週の実施となります。
(生物担当学芸員 秋山)

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黄金の季節

通勤路のイチョウが色づき始めました。紅葉、黄葉のラストを飾る真打ちの登場です。

今日は「博物館のまわりのミニ観察会」を実施します。12時から約30分。博物館にはイチョウは植えられていませんが、そのほかの様々な落ち葉を観察します。申し込み不要なので、お気軽にご参加ください!
(生物担当学芸員 秋山)

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思わせぶりな果実

博物館お隣の樹林地で今、実りの季節を迎えているものの一つに、カラスノゴマがあります。まるでマメ科の植物のような果実(朔果)ですが、現在の分類ではアオイ科に分類されるまったく別のなかまです。

初秋に咲く花の頃は、こんな可憐な黄色い花が見られます。

さて、この朔果、熟すとどうなるのかな?と、なんとなく気になります。サヤが反り返ってはじけたりするのかな・・
ちょっと開いたものがありました。上(付け根側)から開いて、なんだか次の展開が気になります。

お!すっかり開いたものも!あれ?お豆(種子)がきれいに並んでいます。

どうやら、カラスノゴマはサヤが開いても、しばらくは種子が中に入っていた頃のまま整然と並び、少しずつぽろぽろと落ちていくようです。もっと大胆な仕掛けがありそうなのに、ちょっと思わせぶりですね。
(生物担当学芸員 秋山)

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特展室リニューアル

昨日から行われてきた特別展示室の照明交換と偏光スクリーンの交換が無事終了しました。見違えるような明るさ!

じつは、昨年度にも移動壁(パーテーション)のランナー(車輪のようなものですね)交換、壁の塗り直しなどを行っていて、一連の特別展示室のリニューアルが完了したことになります。明るくなった特別展示室で最初に行われる企画展示は、11月26日からスタートする「学習資料展」と「ながさき 戦争・原爆被災展」(同時開催)です。明日から急ピッチで列品作業が進められます。
荷解梱包室のLED化も完了して格段に明るくなったのですが、こちらは明るすぎてバックヤードの整理整頓の悪いのがバレバレなので、写真の掲載は控えさせていただきます・・。
(生物担当学芸員 秋山)

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ラジオに出演しました

今日はNHK-FM横浜放送局の「横浜サウンドクルーズ」という番組の取材がありました。
「中継!かながわ鉄道沿線さんぽ」というシリーズで、JAXA相模原キャンパスと博物館が取り上げられたのです。
今月末の「はやぶさ2」打ち上げを控えて、打ち上げパブリックビューイングや、今週末の星空観望会の事を紹介していただきました。
スタジオと現場中継を切り替えながら進むのですが、事前準備も含め猛スピードで進行します。

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打ち合わせ。

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リハーサル。

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プラネタリウムで機材のセッティング。ここで接続がうまくいかないと、大変な事になります。こっちまでちょっと緊張。

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キャスターとスタッフの方は雨の中、JAXAと博物館を駆け足で行ったり来たりでした。

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中継を終えて、最後に望遠鏡の前で記念撮影(さすがに番組中に写真を撮る余裕はありませんでした)。
あいにくの天気で、星をみていただけませんでしたが、館の良い宣伝になった上、スタジオとクイズのやりとりをしたり、楽しい時間を過ごす事ができました。
それにしても、素人の出演者(私の事です)を相手に、時間ピッタリに進行するのは、大変だったのではないかと思います。本当にありがとうごさいました。(学芸班 木村)

催しなどの情報は、博物館ホームページでご確認ください。

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