野外と室内

今日は振り替え休日をいただいていましたが、早朝から博物館お隣の樹林地へ。
野鳥を捕獲して足環をつけてから放鳥する標識調査(バンディング)のお手伝いをするためです。ふだん、双眼鏡越しに見ている鳥たちを間近で見られる機会です。いろいろ勉強になったのですが、とりあえずエナガという鳥の顔のアップを。

天使のようなかわいらしさです。
日が高くなってきた頃、鳥たちに後ろ髪引かれながら、横浜へ。午後から日本野鳥の会神奈川支部の研究発表会「BINOS発表会」に参加するためです。これはやはり、プライベートで取り組んでいるボランティア仕事のひとつですが、今回は博物館で標本づくりに来てくれている若い人たちも発表しました。

しっかり、当館での活動も話題にしてくれていました。
またしても、休日なのか仕事なのかボーダーレスな一日でしたが、野外も室内も楽しく清々しい時間を過ごすことができました!
(生物担当学芸員 秋山)

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いつのまにか

今日は博物館のお隣の樹林地で調査をしています。風が出てくるとぼたぼたと紅葉した葉が落ちてきます。
やはりこの時期の紅葉は、ツタがメイン。

ミズキも渋い黄葉です。

じつは今日の調査、網を広く張っての調査なので、落ち葉はあまり嬉しくないのですが・・。
きれいなのでつい色を楽しんでしまいます。
(生物担当学芸員 秋山)

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研修のため山梨へ。

今日は「ユニバーサルデザイン天文教育研究会分科会」のワークショップに参加して来ました。

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場所は山梨県立科学館。この館では視覚•聴覚障害者と一緒に見るプラネタリウム番組をボランティアの皆さんと制作したり、手話通訳や要約筆記のついた投影を実施しています。
今日は幼児向け番組と、手話通訳のデモンストレーションを見た後に他館の事例発表とグループ討議というメニューでした。
こう書くと「なんだ、普通の研修じゃん」と思えますが、聴覚障害のある方々も参加されており、初めて経験する状況に、グループ討議ではどうやって喋ったものかと緊張しっぱなしでした。
要約筆記の事を考えるとダラダラ喋るわけにもいかず、頭の中はフル回転です。
短い言葉で必要な情報を伝えるのって、本当に難しいですね。
でも、伝わった事を確認しながらのゆっくりしたコミュニケーションは、心地良くすらあります。日頃の情報過多、スピード過多に気づく良いきっかけにもなりました。プラネタリウム番組も、もっと伝える事を絞っても良いのかも。
討議の中で印象的だったのは「プラネタリウムに興味はあったが、解説が聞こえないから来られなかった」「初めて見て内容がわかって感動した」という意見が何度も出た事でした。こういう「来ない人の声」が聞けたことも、参加して得られた収穫です。

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こうした取り組みは少しずつ広がっているそうです。当館は…うーん、残念ながら何もできていません。今の機材ではハードル高いし、人材の確保も…と、つい言い訳じみた言葉が出そうになります。でも、何か考えなければいけませんね。とりあえず…良い企画があったら教えてください!(学芸班 木村)
※写真は山梨県立科学館の風景です。

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夕暮れ時に観望会

昨日と今日は、とてもよく晴れていたのて、開館時間内の夕方、突発的に観望会を開催しました。
対象は月。半月(上弦の月)になるちょっと前です。
プラネタリウムの最後の回が終わる頃に館内放送で呼びかけ、天体観測室へ。

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望遠鏡を通して見る月の姿を堪能していただきました。

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よく「満月ならもっときれいに見えるのでは」と質問されるのですが、クレーターなどの地形は、太陽光が正面から当たっている満月の時よりも、横から光が当たって、影ができている欠けた月の時の方が観察しやすいのです。

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天体の観望はお天気次第なのですが、コンディションの良い日には、こんな風に少しでも宇宙を身近に感じる機会を設けていかれればと思います。(学芸班 木村)

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秋の谷戸で研修

勝坂谷戸。秋も深まってきました。カラスウリの強烈な朱色が青空に映えます。

そんな中、今日は丸一日かけて、県内の高校から生物担当の先生方が集まりました。自然観察の手法の研修です。谷戸と遺跡公園を回っていろいろな生きものを紹介した後、用水路のアメリカザリガニの駆除体験。

小さなザリガニがワンサカとれました。
そして、お昼ご飯の後は特別講師に「鳩川・縄文の谷戸の会」代表の倉橋さんが来てくださいました。谷戸の水田復活の歩みを解説してくれました。

午後は、実際に自然観察のネタを見つけて先生方がそれぞれ発表。さすが、みなさん現役の先生です。興味を引きつけて、なおかつ学習効果の高い内容の観察をご披露してくれました。私もイタダキ!というネタがたくさんありました。

職業体験の大野台中学校の2名の生徒さんも同行して、生徒役としてがんばってくれました。

谷戸の秋の一日、楽しく充実した自然観察を満喫しました。
(生物担当学芸員 秋山)

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働き者のジョロウグモ

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このジョロウグモ、枯葉につかみかかって何をしているのかと思ったら…

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網にひっかかって邪魔なので片付けている様子。

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おりゃー

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よっこらしょ

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あと、ひといき…
と、ここでうっかり網に触ってしまい、作業中断。枯葉を落とすところまで見届ける事ができませんでした。
残念。
今日は気温が低く、のろのろ動いていたので、恐らく葉を取り除いた後は網の修繕も難儀なのではないかと思います。

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こちらは多分、そんな網。
ぽっかりと穴があいたままです。
だんだん冬が近づいてきたのを感じます。(学芸班 木村)

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絶好のタイミングと最高のお天気

今日は午前中、市内上大島のビレッジ若あゆへ行ってきました。今、市立鵜野森中の1年生が体験学習に来ていて、そこで授業をするためです。前半は室内で座学でしたが、少し早めに切り上げて、外へ!先週の下見は雨模様でしたが、今日は秋晴れ、野外学習には最高のお天気です。少しずつ木々も色づいてきました。

河原への道すがら、てっぱんネタをご披露。サクラの古木で何を探しているのかな?

そう、ヨコヅナサシガメです。「うえぇっ!」大歓声です。

ちょっとおとなしくてお行儀が良すぎる生徒さんたちでしたが、このあたりから元気が出てきました。そして、今日のメインイベント、カワラノギクの花の観察です。ただ観察するだけではなくて、相模川のカワラノギクの現状として、コセンダングサの群落に埋もれている状況を体験しました。体中にひっつき虫にひっつかれるという体験です。

そして、カワラノギクのまわりのコセンダングサを少し抜き取ってもらって、保全作業の即席体験も。

地球上でも相模川水系、多摩川、鬼怒川にしかないという絶滅危惧種カワラノギクが咲いているところを、実際に現地で観察できるなんて!何千人もの相模原の中学1年生の中でも、このタイミングで若あゆに宿泊して、なおかつ私の授業を受けた鵜野森中の25名の生徒さんだけです。なんというタイミング!
すばらしい体験をしていただきましたが、同時に、コセンダングサの洗礼も強烈な印象として残ったようです。若い先生は大変ですね。背中はあっと言う間にこんな感じでした。

絶好のタイミングの授業、最高のお天気。こんなことは1年のうちに1度、あるかないかです。
(生物担当学芸員 秋山)

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特別展記念講演会「北里博士の理念を継承した門下生たち」

今日は,昨日から開催している特別展「北里の弟子たち—北里柴三郎博士の贈りもの」の記念講演会を開催しました.
講師の北里柴三郎記念室次長の森先生より,「北里博士の理念を継承した門下生たち」と題して,お話しいただきました.

日本の近代医学の礎を築いた北里柴三郎博士と,その理念を継承し,医学の発展にご尽力された門下生たちの業績について,ご講演いただきました.

偉大なる先人たちの理念は,現代にも十分通用するものであり,学ぶべき点が非常に多くあります.

森先生のお話はとてもわかりやすく,たいへん勉強になりました.この場を借りて,先生に改めてお礼申し上げます.どうもありがとうございました.

(地質担当学芸員 河尻)

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ドングリでミニ観察会

今日は毎月恒例の「博物館のまわりのミニ観察会」の日。お天気が良すぎて、博物館はお客さんがちょっと少なめ。はじめはほとんど参加者がいなかったのですが、では外へ・・と出発したらワイワイと増えて・・。

14人の参加者のみなさんと楽しい観察会になりました。今日は、ドングリを観察。みなさんにドングリを拾っていただいてます。
ドングリの頭はどっちだろう?芽はどこから出るの?ドングリの中身ってナニモノ?なんていうことをあれこれみなさんと考えました。

そして、コナラのドングリの味見を。

勇気のある少年の感想は・・「うぇえ・・」さいしょはもっと渋いお顔でしたが、写真を撮るのが遅れてふつうのかわいいお顔です。でも、舌には独特の渋みが蔓延中。
味は形容しがたかったようです。それもそのはずで、今、渋みをほかで味わうこともほとんどないので、未体験の味ですね。
そして、参加者のお一人が見つけてくれたキノコ!駐車場に突如出現したササクレヒトヨタケです。これは盛り上がりました!

一日でぼこっと出て、翌日にはしおれてしまう短命なキノコです。それにしてもインパクトありますね。手前には、別の方が見つけてくれたスッポンタケの幼菌も。みなさん目がいいですね。
やっぱり想定外のものが出てきた時が一番楽しく盛り上がります。次回は11月22日(土)12時からです!
(生物担当学芸員 秋山)

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小学校で写真展

今日は南区の谷口台小学校へお邪魔しました。今、「学校へ行こう週間」ということで地域や保護者のみなさんに学校の活動を見ていただこうという期間でしたが、そんな中で、PTAのみなさんが素敵な企画を立ち上げてくれました。
今年5月~6月に当館で開催した「松橋利光写真展 相模原の生きもの、見つけた!」の展示パネルの中から抜粋した20点弱を、教室の1室を使って展示してくれたのです。

訪ねた時間が授業中だったため生徒さんたちの姿はありませんが、PTAのスタッフのみなさんが生きものの折り紙をたくさん作っていました。これも展示のひとつです。こんなふうに、展示といってもパネルを飾るだけではありません。写真を見ればわかるクイズがあって、全問正解した人には生きものマスター認定証がもらえます。

これが大人気だそうで、何度も挑戦に来る子が多いとか。
さらに、松橋さんの著書もたくさん集めてくださいました。

写真パネルの人気投票!やっぱりカブトムシが人気!

松橋さんへのメッセージカードも!松橋さんも喜ぶだろうなあ。

保護者のみなさんならではのアイデアや配慮が行き届いていて、とてもよい企画でした。博物館で製作したパネルも有効利用できたし、何より、松橋利光さんという相模原出身の生きものカメラマンが、身近な場所で撮ったたくさんの作品を、子どもたちに知ってもらえることもすばらしいことです。
学校ではこんな企画ができる、という参考例として活用させていただき、ほかの学校へも広めたいと思いました。
(生物担当学芸員 秋山)

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