特別展「北里の弟子たち」オープン近づく!

今週の土曜日(10月25日)から,北里研究所創立100周年・北里大学創立50周年特別記念展「北里の弟子たち-北里柴三郎博士の贈りもの-」が始まります.

オープンに向けて準備が進められています.
高さや間隔をはかりながら,解説パネルを壁に打ち付けていきます.

パネルの打ち付け終了!

展示資料もほぼ並び終えましたが,内容はご来館いただいてのお楽しみ!

今回の特別展では、近代日本医学の黎明期を築いた北里柴三郎博士とその後継者達の業績を紹介します.
北里博士の門下生には,赤痢菌を発見した志賀潔や黄熱病を研究した野口英世など,日本の医学の発展を支えた多くの方々がいます.
今回の展示を通して,日本の近代医学の発展過程を理解していただければと思います.

「北里の弟子たち-北里柴三郎博士の贈りもの-」は10月25日から11月16日まで#開催いたします.ぜひ,お越しください.

(地質担当学芸員 河尻)

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雨とカワラノギクの花

朝から雨模様。でも、今日は相模川の河原へちょっと確認に行かなくてはいけないことがあり、ひとっ走りしてきました。堤防から見ると、河原一面に草が生えています。

そのほとんどが、コレ。コセンダングサです。

今やひっつきむしを代表する植物と言えるくらい、河原をはじめ、道ばたや放棄地などで大繁殖しています。そんなコセンダングサ群落を分け入って歩くと・・ありました!

カワラノギクです。雨に濡れた花が一段と美しい!
来週、ここをフィールドに市内の中学校の授業を行います。絶滅危惧種について学ぶ絶好の舞台と、ばっちりの季節です。コセンダングサに埋もれるカワラノギクを見て、中学生たちは何を感じてくれるでしょうか。
(生物担当学芸員 秋山)

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津久井湖城山

今日は一日中事務仕事や細々したデスクワークに追われ、おまけにお天気も雨模様で気楽に写真を撮れるシチュエーションではなかったので、先週末の写真です。18日土曜日、お休み番でしたが、撮っておきたい写真があり津久井城趾城山へ。
若々しいホコリタケが出ていました。

老菌になるとてっぺんに小さな穴が空き、ちょっと押すとパフッと胞子が煙のようにはき出されます。キツネノチャブクロという別名の方が味がありますね。
北側の登山道ではサラシナショウマが見頃でした。理系の私はどうしても、試験管ブラシを思い出します。

最後に、同行してくれた生きもの好きの少年がつかまえたカナヘビ。まだ子どもでしたが、なんともいいお顔でした。ほれぼれしますね。

秋晴れの城山、生きもの好きのご家族と楽しくノンビリ山歩きできました。
(生物担当学芸員 秋山)

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協働事業提案制度公開中間ヒアリング

なんだか堅苦しいタイトルで申し訳ありません。
今日は表題のとおりのイベント(?)にいってきました。
博物館ではボランティアグループとの協働以外に、市役所の市民協働推進課が所管する制度を使って、外部団体との協働を行っています。その年度途中の中間発表です。
博物館で実施しているのはつぎの3つ。何れも協働相手の団体の方がプレゼンをします。

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尾崎行雄の業績と咢堂桜を広める事業(尾崎行雄を全国に発信する会)

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吉野宿ふじや活性化事業(NPO法人 ふじの里山くらぶ)

相模原市立博物館情報ネットワークセンター事業(神奈川工科大学情報メディア学科 白井研究室)は、すみません、私自身が担当として前に立ったので写真がありません。
そのかわり、プレゼン資料を含めた記事が既に公開されているので、そちらにリンクを張ります。

博物館を見学しても、なかなか見えて来ないかもしれませんが、こんな風に色々な人たちが一緒に博物館活動を盛り上げ、活動の幅を広げてくれています。
もちろん、プレゼンの結果はどれも好評で、審査員の皆様から暖かい言葉を頂く事もできました。(学芸班 木村)

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アサガオの季節、再び

何度もこのブログに登場するアサガオの仲間ですが、それはもう正直に言って、個人的な好みによります。ヒルガオ科の植物が大好きなので、ついつい、道ばたで見かけると写真を撮ってしまいます。アサガオというと、梅雨明け頃が旬と思われがちですが、じつは野生の(外来雑草の)ヒルガオ科植物の多くは、秋に咲きます。
今日はお昼前から出張で出かけたのですが、その道すがらのフェンスに絡みついていたアメリカアサガオ。

径3センチほどのかわいらしい花です。さわやかな水色がとてもきれい。そして、すぐそばに咲いていたのは、強烈に深い色合いで主張するマルバアサガオです。

真夏から晩秋にかけて深紅、あるいはこうした濃紺の花を咲かせます。
道ばたでヒルガオ科の花を見つけると、その日はなんだかとてもハッピーな気分で過ごすことができます。我ながら単純です!
(生物担当学芸員 秋山)

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やあ、ヒラタくんじゃないか!(クモ)

昨年12月13日のブログでも紹介したヒラタグモ。博物館の敷地内にある木の幹に立派な住居をつくっていました。

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実は先日の台風の後、樹名板が風で裏返っていて、そこに隠れていたのがわかったのです。
直径3〜4cmあり、なかなか立派です。

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ちょっと意地悪して、玄関先まで出てきてもらいました…予想通り、大きめの個体です。

ここは毎年冬になると、ヨコヅナサシガメがグチャグチャに固まって越冬する場所なのですが、今年はどうなるのでしょう?捕食者vs.捕食者ですが、共存するのでしょうか?どんな結末になるかちょっと楽しみです。
因みにタイトルは、このクモを見つけるとつい口走ってしまう私の口ぐせです。あまり気にしないで下さい。(学芸班 木村)

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地質調査日誌10/12 伊豆の国市

10月12日,日曜日.晴れ.

伊豆の国市の伊豆石の石切場跡と「地震動の擦痕」を見学してきました.

伊豆石は火山灰が固まってできた凝灰岩のなかまです.

伊豆長岡の古奈地区にある湯谷神社脇にある伊豆石の石切場跡です.

湯谷神社には多くの伊豆石が使われていました.

町の中には伊豆石で造られた蔵もありました.

韮山の反射炉にも伊豆石が使われています.下の方の黒っぽい部分が伊豆石です.

「地震動の擦痕」は昭和5年の北伊豆地震の時に,展示されていた魚雷の表面についた傷跡で,国指定重要文化財です.この魚雷は海軍より下付されて展示されていたものです.地震動によって台石が魚雷の表面を削り,傷がつきました.韮山駅の西方約1kmの小学校跡地の一角にあります.

揺れはじめの縦揺れと,続いて起こった横揺れが明確に記録されています.

(地質担当学芸員 河尻)

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楽園の侵入者

一昨日の河原歩きを、一つ前の記事で「楽園」として紹介しました。でもじつは、ちょっと嬉しくない見つけものもありました。それは、これです。

小さな子どもの手のような足跡。かわいいですね。でもよく見ると、指先には鋭い爪の跡もついています。これは、アライグマの前足の足跡です。
根強い人気のテレビアニメで一躍人気の動物となったアライグマですが、人間の手に似た前足を持つため、手先が器用。知能も高く、木登りも得意。そして何より、気性がものすごく荒い・・。人慣れしにくいため、ペット動物としてはまったく不向きです。ところが、アニメの愛くるしいイメージからペットとして輸入され、飼い主の想定外のどう猛さや鳴き声のうるささが災いして・・
その後どうなったかは現在の野生化の状況どおりです。特定外来生物にも指定されています。
相模原市内では旧市域を中心に全域に分布しています。科学的に検証してはいないのですが、谷戸などでアライグマの足跡が見つかってしばらくすると、カエルが激減しているように思います。
さて、新しくて非常に状態よく残っている足跡なので・・

石こうで型どりをしてみました。アライグマを含めて野生ほ乳類の多くは夜行性のため、なかなか生息状況をつかみにくく、痕跡(フィールドサイン)による情報がとても重要です。フンや食痕と違って足跡は持ち帰ることが難しいため、写真に加えてこうして石こうで型どりをしておくと確実な証拠として残せます。

アライグマの生息の証拠はあまり嬉しくはありませんが、資料としてしっかり残しておきたいと思います。
(生物担当学芸員 秋山)

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楽園の秋

今日は休館日。個人的に集めておきたい写真素材があり、市内の相模川の河原をあちらこちらさまよいました。でも、結果はイマイチ…。徒労に終わったわけですが、生きもの屋は便利です。目的のものがなくても、目的外のもので十分に楽しめます。
まずはカワラノギク。昨晩、本州を通過した台風19号にもめげることなく、でもちょっと疲れた雰囲気で咲いていました。

もひとつ、カワラハハコ。カワラノギクほど絶滅の危険があるわけではありませんが、大河川中流の河原特有の環境に生育する植物です。

こんな大規模な群落は、おそらくほかにありません。

カワラハハコの写真を撮っていたら、後ろでチーッと特徴的な鳴き声が。カワセミです。増水後の減水で取り残された水たまりの小魚を狙っていたのです。カメラを構えていると、ボチャンという音とともに水に飛び込んでくれました。

続けざまに3頭ほど魚を捕らえていました。こちらをふっと向いてサービスしてくれた後、迷いもなく一直線に飛び去っていきました。

帰り道、気の早いヌルデが紅葉していました。

秋も深まっていますね!

(生物担当学芸員 秋山)

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雨に備えて(クモ)

台風19号が接近する中、今日は朝から雨模様でした。

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ジョロウグモは、雨が降り出したとたん、網を半分こわしてしまいました。写真では向かって左側の網がなくなっています。
よく見られる行動なのですが、はっきりした理由はわかりません。
これをやるのはジョロウグモだけかと思っていましたが、すぐ近くでギンメッキゴミグモも網の下半分を壊していました。

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よく見ると、タテ糸はきれいに残っています。雨があがった時に、ヨコ糸だけ張れば済む工夫でしょうか。
天気が悪いと、生き物がいつもと違った行動をするので、見ていて飽きません。
もちろん、台風がいよいよ近づいてきたらそんなこと言っていられませんが。(学芸班 木村)

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