三階の鬼蜘蛛

今日は8月31日、去りゆく夏を惜しんで、ちょっと怪談めいたタイトルにしてみました。
先日の星空観望会の際「天体観測室入口横のガラスの外に大きなクモがいる」と、スタッフに教えていただき、現場に急行!
おー、体長3cmはありそうな立派なオニグモ。
さっそく見に行って携帯でパチリ。

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で、満足して帰ってしまったのですが、ご覧の通りぼやぼや写真。
今日、改めて写真を撮り直しました(あまり代わり映えしないかもしれませんが…)。

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場所は、この左手のガラスの外側。ここは3階です。よくこんな高いところに網を張ったものです。

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いたいた。直径1.5mはありそうな大きな網です。

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いかにもクモっぽい姿をしていて、「ザ・クモ」という感じですが、いまや街中ではめったに見かけません。
写真を撮っているうちに、甲虫が2匹飛んできて、あわや網に引っかかる寸前で去って行きました。こんな高い場所に網なんか張って、と思いましたが、案外良いエサ場なのかもしれませんね。(学芸班 木村)

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今日の実習は動物標本

生物分野の博物館実習6日目(共通実習含む)は、動物標本の作製です。博物館の冷凍庫に眠っていた貴重な標本を解凍し、仮はく製に仕上げます。

ズームアップはちょっとはばかれるので、作業風景です。午前中はネズミ、午後は鳥の仮はく製をつくりました。

驚いたのは、途中、某女子大の博物館見学実習ご一行が立ち寄ったときです。慌てて「ちょっとニオイがきついです、すいません、ここから先は近づかない方が・・」と言ったのに、ずんずん近寄って興味深そうに見学。どうやら生物系の学生さんが多かったそうです。嬉々として質問したり生きもの談義を交わしていました。
実習もいよいよ来週は大詰め。これらの標本をミニ展示にします!
(生物担当学芸員 秋山)

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雨の河原で植物採集

今日は雨が降ったりやんだり。そんな中、相模川の河原へ植物採集へ行きました。学芸員実習の3名の大学生も一緒です。例年、猛暑の中で大量の汗をかきながらの採集になるのですが、今年は雨と引き替えに気温が低めでした。そんな中、河原ではもう、こんな植物が満開に。

アメリカネナシカズラです。7月のブログで紹介した、あの寄生植物です。花はこんな感じです。

寄生根もしっかり出しています。

ちょっと離れた場所には、ネナシカズラもありました。こちらはまだ花が咲いていませんでしたが、お互いの茎にからみついてよじれて、ロープのようになっています。自分自身に寄生根を食い込ませて、わけのわからないことになっています。

実習生たちは、博物館へ戻ってから、現場で仮押ししてあった標本の本押しをします。自分で採集した植物標本が、博物館資料として後生に残ります。

来週は標本ラベルを清書して、データベースへ登録します。それまでにしっかり乾燥してくれるように、しっかり重しをのせておきました!
(生物担当学芸員 秋山)

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あかつきトークライブ13

8月24日は、さがみはら宇宙の日「あかつきトークライブ」でした。
毎偶数月に、金星探査機「あかつき」チームの皆さんと一緒に、2015年に金星周回軌道再投入を目指している「あかつき」について、そのミッションを振り返り、応援をする企画です。

今回の講師は、JAXA宇宙科学研究所助教の山﨑敦さんです。
山﨑助教は「あかつき」に搭載された紫外イメージャ(UltraViolet Imager:UVI)の担当者です。今回は、「紫外線での惑星観測~色のなりたち~」との表題で講演頂きましたが、参加者の方に質問を投げかけつつ、紫外線の話に赤外線や光の三原色の話等を交えつつ、面白おかしくお話下さいました。

講義の後は記念撮影です。
いつもの定番の撮影を行った後に、今回はこんな風にも撮ってみました。


普段は体験できない撮影体験に、参加者の皆さん満足そうでした。

休憩を挟んで実験です。
懐中電灯や蛍光灯に赤、緑、青のセロファン紙をつけて、先程の講義でも説明のあった、光の三原色の実験です。赤と緑が重なると黄色に、緑と青が重なると水色に、青と赤が重なると紫色に、そして赤、青、緑が重なると白色になるはずです。参加者の方が、各々、画面に色を重ねていきます。画像では充分に伝えきれませんが、黄色、水色、紫色、白色が浮かび上がり、ため息や歓声が起こりました。


実験終了後は、希望者でのお茶会です。参加者同士、山﨑助教を交えて話は尽きませんでしたが、本日は午後からの開催のため、閉館の時刻も徐々に迫ってきます。閉館20分前、皆さん、いっせいに片付けに入ります。つい先程まで並んでいた机や椅子等があっという間に片付いてしまいました。いつもご協力ありがとうございます。小人数ですと結構大変ですが、助かりました。
次回、「さがみはら宇宙の日『あかつき』トークライブ」は10月5日(日)午前10時からの予定です。
また、9月のさがみはら宇宙の日は、9月23日(火・ 祝)午後2時から3時30分、タイトルは「彗星と小惑星」で、講師は当館の天文担当学芸員 山田陽志郎です。10月20日に火星への大接近が見込まれるサイディング・スプリング彗星や、小惑星1999 JU3に向けて今年末に打上げ予定の「はやぶさ2」を中心に、彗星と小惑星に関する最近の話題について解説する予定です。(天文担当 有田)

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めざせ!生きものマスター 2日目

はじめまして。今回は生物分野の学芸員実習生の3人がブログをアップします。
今日は小中学生を対象にした「めざせ!生きものマスター!!」という教育普及事業を行いました。
前回は8月20日に相模大野図書館で開催したそうですが、今回は相模原市立博物館で実際に生きものに触ったり、扱い方について教わりました。
講師は生きものカメラマンである松橋さん、ペットショップオーナーの後藤さん、相模原市立博物館学芸員の秋山さんでした。
午前中に私たち3人は準備を行いました。写真はお土産として渡したストラップを作っている様子です。

午後の2時から「めざせ!生きものマスター!!」が始まりました。
前半は「生きものの飼い方・育て方」ということで、参加者の子どもたちにグループに分かれてもらって、各グループごとにお題として出された生きものの飼育ケースを製作しました。
写真は出来た飼育ケースのどこを工夫したのか発表して、講師がアドバイスしている様子です。

後半は「生きものの持ち方・扱い方」で、実際にウサギやイグアナなどとのふれあい方を学びました。怖がっている子もいましたが、みんなとても楽しそうでした。

中にはこんな子も……

巨大アオダイショウにほおずり!
子どもたちのパワーに圧倒されました。

東京家政大学 吉野
首都大学東京 中嶋
帝京科学大学 前田

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日本鳥学会

専門家、特に研究者の集まりを○○学会と呼びますが、休館日の今日は、日本鳥学会大会に参加してきました。日本の鳥類学研究の中心となる学会です。会場は池袋の立教大学です。じつは、今回の鳥学会は特別で、先行して第26回国際鳥学会議(IOC26)が同じ会場で行われていました。文字通り、世界の鳥の研究者が集う国際学会です。池袋駅から立教大学への通りにはこんなタペストリーが。

国際鳥学会議は先週1週間かけて行われていて、私はそちらには参加しませんでした。参加費が高いということもありますが、鳥の研究をなりわいにしているわけではないので、夏の繁忙期にそんなに長く仕事を休めません。学芸員になる前は、「博物館の学芸員ってあんまり学会に出てこないな、研究意欲があまりないのかな」と思っていましたが、学芸員になってみて、理由がわかりました。客商売だから、必ず週末を中心に開催される学会へ悠長に出られる立場の学芸員なんてそうそういないのです。
でもやっぱり、今回は休みをつぶしてでも参加したかいがありました。

鳥類学研究のトレンドを概観できることはもちろん、第一線の研究者たちの顔を見て二言三言交わすだけでも、なにがしかの刺激になります。

はき出すだけではいつか枯渇します。年に何回かは、こうして吸収する機会を無理をしてでもつくっていきたいと考えています。
(生物担当学芸員 秋山)

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城山でライトトラップ

今日は仕事が終わってから、一路、津久井城址城山へ。
県立津久井湖城山公園パークセンターと博物館のボランティアグループの一つ、相模原水生動物調査会が行う公開のライトトラップ調査に参加するためです。ライトトラップとは、夜、スクリーンにライトをあてて、光に虫を集める調査です。明るいうちにセットします。

日没後、10分くらいしてからカメムシやバッタなどが集まりはじめます。
数十分していつの間にかあたりが暗くなると、蛾の仲間や甲虫、カメムシの仲間など無数の昆虫が集まります。
写真は、アゲハモドキ。ジャコウアゲハそっくりですが、れっきとした蛾です。

ハートマークがかわいいエサキモンキツノカメムシは、スクリーン上で交尾してました。

ちょっとレアなツノトンボ。

暗くなり始めた頃にぽつぽつと雨が降り出しましたが、ほどなく止みました。じつは、じめっとして無風、新月(今日は新月!)というのがライトトラップの最適条件です。今日はなかなかの盛況でした。
(生物担当学芸員 秋山)

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インドアでミニ観察会

今日の「博物館のまわりのミニ観察会」は、室内で実施しました。雨、そして雷・・。
通常、少々の雨だけなら外で実施するのですが、雷となると無条件で野外中止です。そこで・・

実習実験室に実体顕微鏡を出して、事前に採っておいたセミの抜け殻をじっくりと観察。種類やオス、メスを見分けました。でも、せっかくなので、もう1つネタを。最近、こんな感じでクヌギの枝が落ちていることがよくあります。

枝先ごと落ちて、枝の切り口には必ず若いドングリがついています。まず、その切り口を観察します。

試しに剪定バサミで切って、切り口を比較してもらいました。参加者の少年が「のこぎりで切ったみたい」。すばらしい表現ですね。そうです、折り取ったような跡ではないものの、鋭利な刃物で切った切り口と比べると、ギザギザとしています。
そして次に、枝についている若いドングリの側面に空いている穴を探してもらいます。

こちらは木工具の「きり」でぐりぐりと空けたような穴です。では・・いよいよ、この穴に沿って、カッターでドングリを割ってみます。

左側の断面の右上、茶色くなった部分に注目してください。なにかポチッと粒が見えています。拡大すると・・

卵でした!これは、シギゾウムシのなかまの卵と考えられます。母親が口吻(細長いくちばしのような形の口)でドングリに穴を空け、その中に産卵します。そして、そのそばの枝をやはり口吻で切断し、枝ごと地面へ落とします。卵はやがてふ化し、幼虫はドングリの中身を食べて育ちます。いよいよ蛹になろうというとき、幼虫は中から穴を空けてドングリを出ると、土の中へもぐって蛹になり、しばらくすると成虫へ羽化する・・母親が枝を落とした理由はそこにありました。身近な小さな世界に秘められた物語に、みなさん関心をもっていただけたようです。たまには室内の実施もよいものですね。
(生物担当学芸員 秋山)

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探検!クイズラリー実施中!

今日、明日(8月24日)の二日間、恒例となった「探検!クイズラリー」を実施しています。
午前中からたくさんのお客様が参加されています。どんなふうにクイズに挑戦するかというと・・
まず入り口正面の受付で問題用紙を受け取ります。そして向かうのは、まず天文展示室から。

なにやら隕石にさわっています。

イイにおいがするよ!と教えてくれました。
自然・歴史展示室も回って、展示資料の中にある答えを見つけていきます。ちょっとしたお絵かきがあるかも!

答えをぜんぶ書けたら、受付に戻って答え合わせ。インターンのお兄さん、お姉さんが、やさしく答え合わせしてくれます。

全問正解すると、「認定証」、そして市民学芸員さんお手製の星のペンダントと・・

さがぽんの携帯クリーナーをプレゼント!

ご家族全員でクイズに挑戦していただければ、もちろん全員にプレゼントを差し上げます!

仕上げに、とびきりかわいいさがぽんになって喜びを表現してくれました!

探検!クイズラリーは明日も10時~16時まで実施します。ぜひお気軽にご参加ください!
(生物担当学芸員 秋山)

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初めての野外調査!

昨日、博物館に配属されて初めて、野外調査に出ました。もちろん、クモの調査です。
配属から5年目ですから、実に待望の、という感じです。
普段、事務仕事や館内の様々な事に追われているうちに1日が終わってしまう事が多く、野外に出る事は半ば諦めていたのですが、昨日は急ぎの資料作成も会議もイベントも来客もなく、半数勤務でもなく、お天気も良いという、奇跡のような日でした。
午後は研修に出席しなければならなかったので、調査は午前中だけでしたが、それでもまとまった時間が数時間とれるなんて、珍しい事です。
という訳でこの日撮った写真です。

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ナナフシ…ではありません。

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オナガグモです。
まだ幼体で、体長1センチメートルくらいしかありませんが、その不思議な姿は親と変わりません。数年前には通勤路にもいたのですが、最近なぜか見かけなくなりました。

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チリイソウロウグモと卵のう。

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カグヤヒメグモと卵のう。

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シロブチサラグモ。
博物館周辺にもいますが、ここのは大きくて、つやつやしています。

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トゲグモ。
博物館の辺りでは見かけません。特別珍しいわけではありませんが、それほどしょっちゅう見つけるクモではありません。

本当はこの日、生息を確認したい種があったのですが、生息場所すら発見できないという残念な結果でした。数年前の情報なので、環境が変わってしまったのかもしれません。
それでも自分の肌で感じながらデータを集める事はやっぱり大事だと改めて思いました。これからも機会を作って、調査を実施したいと思います。(学芸班 木村)

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