めざせ!生きものマスター 1日目

昨日、8月20日に相模大野図書館との共催事業「めざせ!生きものマスター」が相模大野図書館で開催されました。

なにやら怪しげな生きものマスター3人(しかも一人はシークレット!)が講師となり、子どもたちに向けて生きものの観察のしかたや見つけ方、見分け方などをご紹介します。

博物館学芸員のお話の後は、ブックトーク。生きもの好きが子どもの頃、通過儀礼のように親しんできた図鑑や生きもの絵本を、図書館のスタッフが絶妙な語り口で紹介してくれています。子どもたち、前のめりで聴いていました。

そして、図書館ならではの「本探しクイズ」。分類番号とそれにまつわる本の内容がクイズになっていて、探し当てられたらプレゼント贈呈!生きものカメラマン松橋利光さんの作品を使った「両生類カード」6枚セット!

後半は、松橋さんが自らの作品を使ってよく似た生きものの見分け方をレクチャー、そして「どこにいるかな?」クイズ。とても盛り上がりました。

それにしても、今回の参加者のみなさん、かなりの生きもの好き揃いです。写真を見て専門的な種名がポンポン飛び出してきました。来週は博物館で実施です。実際の生きものを使って、飼い方や持ち方を学びます。
(生物担当学芸員 秋山)
※この講座の申し込み受付は終了しています。

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クイズラリー、準備完了!

今度の土日、8月23日、24日は「探検!クイズラリー」を開催します。
展示室を回りながらクイズに答えると、記念品や認定証がもらえるというこの企画、すっかり夏休みの定番となりつつありますが、企画・準備・運営は全て「市民学芸員」の皆さんによるもの。今日はその最終準備。

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ミーティングで当日使うものや、クイズ内容の最終チェック。

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設問パネルをつくり、回答用紙や解説などを印刷して、ナンバリングを打って最後の仕上げ。真ん中あたりにいる若いメンバー2人は、インターンシップ研修生。当日もスタッフとして参加します。

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これも市民学芸員さんの手作りですが、何に使うのでしょう?…当日ご来館いただければわかります(笑)。

楽しく参加できて、ちょっぴり勉強になるクイズラリー、夏休み終盤のお楽しみ&宿題対策にピッタリかも。
両日とも10:00から16:00まで、初級編と上級編があるので大人の方も楽しめます。ぜひ、参加しにいらしてください。(学芸班 木村)

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羊毛フェルトの動物たち

博物館1階のエントランスの一画に、かわいい動物たちが出現しました!

先月、カイコとクワコの羊毛フェルト作品をこのブログでご紹介しましたが、作者の市山美季さんの作品をご紹介するミニ展示が今日からスタートしました。羊毛フェルトという素材の質感を生かしたリアルでかわいい作品です。

ホルスタインやホッキョクグマは、私が今まで見た中で最大級の羊毛フェルト作品です。クワコのオスはできたてホヤホヤの新作!

今朝、作者の市山さんご自身が設置してくださいました。来月中旬まで展示の予定です。(実際の展示はアクリルケースをかぶせてあります)

そのほかの作品や作品展、販売情報などはこちらのウエブサイトをご覧ください。
なお、先月予告していた夏蚕の飼育は、産卵後の処置と浸酸処理(休眠打破)がうまくいかず、ふ化しなかったため中止に・・(泣)。再度挑戦して、なんとか今年中にもう一度、育てたいと考えています。
(生物担当学芸員 秋山)

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「はやぶさ2」最新情報講演会開催しました


このブログを読んでいる方はご存知かもしれませんが、今年11~12月(日程未定)に「はやぶさ2」という探査機の打ち上げが予定されています。
2010年に帰還した「はやぶさ」の後継機で、前回とは違うタイプの小惑星のサンプル採集に向かうためです。
今日はそのミッションマネージャーである吉川真先生(JAXA宇宙科学研究所准教授)
をお招きして、講演会を開催しました。
内容は小惑星探査の意義、「はやぶさ」ミッションの振り返り、「はやぶさ2」の機体やミッションの解説、そしてその後の小惑星探査に及ぶ、網羅的で詳細なものでした。

小惑星探査で調べるのは宇宙のどんな事?

「はやぶさ」では様々なトラブルを乗り越えて地球帰還を果たしたことが、人々の共感を呼びましたが、もちろんトラブルはない方が良いに決まっています。「はやぶさ2」では、担当する各部門が徹底的に「想定外」をなくすための工夫をしているというお話が印象的でした。

「はやぶさ」のCG映像を使って「はやぶさ2」ミッションと比較。

また、既に次のミッションとして「トロヤ群」(木星軌道上の小惑星群)への探査計画が動き出している、というお話もありました。しかも、2024年打ち上げ、2056年帰還という息の長い話で、宇宙を相手にする仕事のスケールの大きさを感じます。もしかして、今の小中学生の中から、それに関わる人材が現れるのかもしれませんね。そう考えると、宇宙の事を子ども達に教えるのって、結構責任重大だとも思います。
約1時間30分の濃密な講演の後の質問はレベルが高く「なぜ今回もオーストラリアが帰還地点なのか」とか、「前回よりも大きなロケットで打ち上げるのに、機体の大きさがあまり変わらないのはなぜか」など、傍で聞いていてもためになるやりとりが交わされました。

目標天体「1999JU3」の模型を掲げて、「イトカワ」との比較。

講演会はちょうど全天周映画「HAYABUSA2 RETURN TO THE UNIVERSE」の上映直前まで行われたので、終了後プラネタリウムに向かう方もかなりいらっしゃいました(上映終了後には拍手が巻き起こったそうです)。

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吉川先生から参加者全員にプレゼント。「はやぶさ2」のペーパークラフトとシール。

お忙しい中、講演をしていただいた吉川先生、また、お盆休み最終日の暑い最中に博物館まで足を運んでいただいた皆様、ほんとうにありがとうございました。博物館としても、こうした宇宙を調べる新たな取り組みについて多くの方に知っていただき、皆で応援できれば良いと考えています。(学芸班 木村)

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久々の星

今日は「夏休み星空観望会」でした。

このところ星空観望会は天気に恵まれず、プラネタリウムでの解説のみが続いたのですが、雲はあるものの、観望可能な天気。事前申し込みをしたほとんどの方が参加され、大変盛況でした。


望遠鏡で見たのは火星、土星、アルビレオ。途中、二つも人工衛星が見えたり、ちょびっと流れ星を見た人も…
そして、なんといっても夏の大三角形!4年生は、これが夏休みの宿題です。みんな、ちゃんと覚えたかな?


土星と衛星が見える〜。ずっと見ていたい…とため息をついていたお子さんもいました。

8月の星空観望会は事前申し込み制のため、あとは8月29日に少し空きがあるだけですが、学習相談なら開館時間中にいつでもお受けしています。「星の事が知りたい」と思ったら、どうぞ博物館に来て下さい。(学芸班 木村)

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葉っぱのご苦労

今日はお天気がいまひとつ、そしてお盆の中日。ということでたくさんのお客様をお迎えしました。
そんな中、博物館の駐車場周辺のフェンス際をふと見ると・・

たくさんのつる植物がからみついています。もともとつる植物が大好きなので、じっくり観察していると、この時期は虫喰われだらけの葉っぱが目立ちます。いったい誰がこんな葉っぱにするのでしょう?

このブログにたびたび登場するマメコガネも、そのひとつ。

ほかにも、こちらはセスジスズメの若齢幼虫でしょうか。ヤブカラシのつるにしっかりくっついています。

ほとんど葉脈しか残っていないような葉っぱもあります。

日当たりのよい場所ほどこうした虫喰われの葉っぱが多く、ちゃっかり他力本願で伸び放題のつる植物ですが、それはそれでたいへんだなあと感じました。
(生物担当学芸員 秋山)

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マミジロハエトリ


写真は、通勤途中に当然いそうなのに会えなかったクモのひとつ、マミジロハエトリのオスです。平地から山地にかけて、割合普通にみられる種です。メス7-8mm、雄6-7mmとちょっと小ぶりですが、オスは頭胸部前端に真っ白な帯状の斑紋があるのが特徴で、名前は「眉白」からつけられたものです。


触肢も白いのがわかるでしょうか。この触肢を交互にちょこちょこ動かしながら移動するので、非常に目立ちます。

プラスチックの壁を「スパイダーマン」のようにすいすい登っているところ。ハエトリグモ類ならではの軽業です(という事はあの能力はハエトリグモのもの??)。
ところでいつも思うのですが、ハエトリグモ類の正面顔って、何かとぼけて見えませんか?(学芸班 木村)

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ジオラマ遊び

博物館のエントランスにあるジオラマ。

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かつて市町合併後の市域をを表現するために製作され、市役所ロビーに飾られていたものです。
実は、このジオラマには個人的に不満がありました。
それは、「立っている」事。
やっぱりジオラマは水平に置いて欲しい。
それはなぜかというと、それぞれの方角から覗いて、見える風景の違いを感じるのが、ジオラマの醍醐味だと思うからです。
これを納得してもらうには、このジオラマにカメラを設置して…とか、面倒な事を考え始めてからふと、気づきました。
「カメラで撮ればいいじゃん」。
で、やってみた結果がこれ。

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淵野辺から見た山々。普段、見慣れた構図です。

さて、次は…

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道志村方面から見た相模原台地。
遠くて、平べったい。あんなところに何十万人も住んでるんだ…

おまけ。

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蛭ケ岳から相模原台地方面を臨む。
お手軽なバーチャル・リアリティという見方もできますが、私は「視点の転換」だと思っています。
実は、地図もこんな風に色々な方向から見てみると、結構、発見があって面白いものです。
今度、どこかでジオラマを見かけたら俯瞰してみるだけでなくて、ぜひ、見る方角による違いを楽しんでみてください。オススメです。(学芸班 木村)

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昆虫レストランの真珠

博物館駐車場のフェンスには、さまざまなつる植物がからまっています。そのうちのひとつ、ヤブカラシが花盛りです。マメコガネをはじめ、たくさんの昆虫が集まっています。

ヤブカラシの花は二色あります。ランタナ(七変化)ほど華やかではありませんが、やわらかな橙色と桃色の絶妙なバランスがとてもかわいらしい花です。花はたっぷりと蜜をたたえ、甲虫やハチなどたくさんの昆虫の食料となっています。そして、なぜ橙色と桃色かというと・・

花が咲き始めた当初は、四本の雄しべと外周に反り返った緑色の花弁が見えます。これは雄花期で、花は橙色です。しかし、わずか数時間で、雄しべと花弁が脱落してしまいます。すると、中心の花柱が伸びてきて、なんと雌花に変身するのです。

この時、花はいつの間にか桃色になっています。小さな花のドラマチックな性転換、驚きですね。
もう一つ、ヤブカラシには不思議があります。花柄や葉柄、葉の裏などをよく見ると、小さくて透明なつぶつぶがついています。

なんだろうと思って拡大してみても、正体がわかりません。虫の卵?いやいや、違います。ヤブカラシの汗?それにしては、表面がブツブツしていて、カプセル状に見えます。

これは、真珠体(真珠腺)と呼ばれるもので、ブドウ科などいくつかのつる植物によく見られます。なぜこんなものがつくのか、理由はよくわからないのですが、虫に対するサービスではないかと言われています。つまり、植物体そのものを食べられないように、食害虫を食べる虫を誘引してボディガードを任せているとか・・。
ヤブカラシは、庭の手入れの悪さの象徴としてビンボウカズラなどという別名があります。しかし、虫たちにとってはこの上なくサービス旺盛なレストランなのです。
(生物担当学芸員 秋山)

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ヤブランが見頃です

お盆期間に入り、博物館は朝からたくさんの来館者をお迎えして賑わっています。

前庭を見ると、花の少ない真夏にひときわ賑わって咲いている花があります。ヤブランです。

淡い紫色の花が無数に咲いています。「ラン」と名前にありますが、ラン科ではなく、ユリのなかまです。その証拠に・・

花被と呼ばれる花びらに相当する部分が6枚あり、しかもよく見ると、内側に3枚、外側に3枚あります。外側を外花被と呼び、通常の花の萼にあたる部分が花弁状に変化したものです。これは、ユリやアヤメ、ヒガンバナなどのなかまに共通の特徴です。ランのなかまは花弁と萼片がそれぞれ3枚と数は似ているのですが、花弁と萼片と呼び名からして違うように色や形がはっきりと分かれています。
ヤブランは花期が長いので、これから9月頃まで見頃が続きます。
(生物担当学芸員 秋山)

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