白もじゃから青葉へ

台風11号が風を残して関東から遠ざかりつつあります。お隣の樹林地に大きな落枝や倒木は無いか、見回りにいきました。

目立った被害は無く安心しましたが、風がまだ強く、昨日まで遊歩道の柵に張られたロープついていたセミの抜け殻は、おおかた落ちていました。でも、木の幹にはたくさんこんなものが・・

淡い緑の葉っぱのかけらのようなもの、ほんの一月前は、こんなふうに白いもじゃもじゃだったものが・・

ほとんどが成虫に羽化しています。アオバハゴロモです。同じ虫だという証拠に、顔はほとんど変わっていません。

白くてもじゃもじゃしていたのが、立派な青葉に変身しました!

(生物担当学芸員 秋山)

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土砂降りですが・・

今朝は台風11号の接近に伴う大雨が降っています。

さがぽんは「博物館日和~♪」なんてのんきなことを言っていますが、ひどい降り方です。ご来館される方は足下に十分お気を付けください。また、駐車場を出入りする車も視界が悪くなっています。駐車場内を移動されるわずかな時間も十分ご注意ください。

お天気はひどいですが、プラネタリウムはじめ、博物館は通常どおり営業しております!
(生物担当学芸員 秋山)

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子ども鉱物教室2日目

今日は子ども鉱物教室の2日目です.今日も,相模原地質研究会と相模原青陵高校地球惑星科学部の皆さんにスタッフとしてお手伝いいただきました.

また,地質分野の博物館実習生は分野別実習のカリキュラムの一環として,午前中は準備,午後からは教室の運営補助を手伝ってもらいました.

受付は実習生にお願いしました.

まずは,先週育成を開始したミョウバン結晶の観察です.1週間でかなり大きくなりました.例年はコンペイトウみたいになってしまうのですが,今年はきれいな形の結晶が多かったです.

ミョウバン結晶の観察の後は,鉱物の硬さ比べを行いました.
石英,滑石,正長石,ホタル石,方解石,コランダム,クギ,爪の硬さを比べて,硬さの順番を決めます.かなり難しいです.

鉱物や岩石に興味を持ってくれる子どもたちが少しでも増えてくれればと思います.
参加していただいた皆さん,お手伝いしていただいた皆さん,2日間,どうもありがとうございました.

(地質担当学芸員 河尻)

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ツクツク抜け殻

通勤途中に博物館お隣の樹林地を歩いてくると、この季節はたくさんのセミの抜け殻を見ることができます。
ほとんどが茶色くて大きなアブラゼミなのですが、10個に1個くらいでしょうか、白っぽくて小さめの抜け殻があります。

抜け殻でセミの種類を識別するには、触覚が大きなポイントになります。拡大してみると・・

8節に分かれていて、なおかつ、付け根から4節目が3節目と比べて大きさに差がありません。なので、ツクツクボウシと判断しました。
4節目の方が明らかに大きくて長ければ、ヒグラシの可能性があります。今朝は通勤途中に見つけられませんでしたが、見つけたらまた写真をアップしたいと思います。
(生物担当学芸員 秋山)

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太陽と杉

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この写真、樹齢約2000年の屋久杉の切り株をスライスしたものです。年輪には西暦とその頃起きた歴史的事件を示すピンとキャプションがついています。これを見た人は「へー、すごいね、歴史の目撃者みたいだね」と、感心してくれます。
でもなんかちょっと変。というのはこの屋久杉、現在開催中の企画展「太陽にいどむ〜日時計から太陽観測衛星まで〜」の会場に展示してあるのです。何故?歴史の企画展じゃないのに?
その理由は、この杉が過去の太陽活動を推定する研究に使われたものだからです。
太陽系外からやってきて、常に地球に降り注いでいる「宇宙線」というものがあります。これが大気と反応して、炭素の放射性同位体「炭素14」をつくります。一方、太陽からは「太陽風」というものが出ており、これが宇宙線の到達が妨げられます。このため太陽の活動が活発だと、地球に降り注ぐ宇宙線は減り、炭素14も減ります。逆に太陽の活動が弱まると、炭素14は増えます。
炭素は、光合成により植物にとり込まれ、植物が身体を作るのに使われます。このため、年輪ごとに炭素14の比率を調べると、その年の太陽活動が活発だったかどうかがわかるのだそうです。
物知り顔で書きましたが、完全に受け売りです。実際にどのような作業が行われたかは知りません。きっと大変だったんだろうな、という事は想像できますが…
というわけで、これからこの企画展を観に来る方、屋久杉を見たら歴史だけでなく、太陽と杉の2000年に及ぶ意外な関係にも想いを馳せてみてください。会期は8月31日までです。(学芸班 木村)
*この屋久杉は東京大学宇宙線研究所から借用したものです。

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博物館実習−展示解説の実践

今日は共通実習,3日目.展示解説の実践です.常設展示室から資料を1点選んで,3分間の展示解説をします.

午前中は文献を調べたり,学芸員に質問する等して,解説のシナリオをつくります.

午後からは,常設展示室で展示解説です.初めての経験なので,かなり緊張していたようですが,皆さんがんばりました.お疲れさまです!



5年次研修の先生方も,同じように解説を行いました.さすがはプロ!聞き手を引きつける話術が違います.

共通実習は今日で終わり.明日からは分野ごとに分かれての実習となります.日程も分野によって異なります.

(地質担当学芸員 河尻)

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刈り込まれた葉陰の小さなクモ

今年もこの時期が来てしまったか、という気持ちです。覚悟はしていたのですが…
通勤路の生き物観察スポットだった植え込みが、きれいに剪定されました。

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もちろん、文句を言う筋合いはありません。人間の都合で植えたのだから、責任をもって管理しなければなりません。
でも、昨日までのあの勢い良く茂った葉と、そこでうごめいていたたくさんの生き物の事を思うと、一抹の虚しさというか寂しさがよぎります。
その刈り込まれた葉陰で、ちょっと嬉しい出会いがありました。

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すっかりお馴染みになったマネキグモ…の子グモ。大きな獲物にありついたのでしょうか、身体とは不釣り合いな大きなお団子をかかえています。
この間まで卵のうをガードしていたクモの仔でしょう。無事育って欲しいものです。それにしても剪定のたびに軽く凹んでしまうこの気持ち、生き物好きをやっている限り、ついてまわるんだろうなあ、としみじみ思いました。(学芸班 木村)

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博物館実習−資料取扱実習

今日は博物館実習の共通実習2日目です.資料取扱実習を行いました.
内容は資料の梱包,人文系資料の取扱い,自然系資料の取扱いです.

資料の梱包は土器の梱包を行いました.

人文系資料の取扱いでは,掛け軸と巻物の広げ方や巻き方などの扱い方を学びました.

自然系資料の取扱いでは,ボランティアの相模原植物調査会の方から指導を受けながら、植物標本を作成しました.

担当の学芸員が見守る中,実際の資料を取り扱うので,実習生も緊張して取り組んでいたようです.

(地質担当学芸員 河尻)

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ツバメ スペクタクル!

今日は夕方お休みをいただき、生きもの好きの仲間たちと中央道の某パーキングエリアへ行きました。お目当ては・・・

そう、ふつうのツバメです。でも、日没から徐々に空の簿明が淡くなると・・

どこからともなくツバメの大群が現れ、頭の上をぐるぐると飛び回ります。

やがてその数は数千、いや、もっとかも。なにか見えざる力に操られているかと思いたくなるようなうねりが断続的に続き、視野360度の一大スペクタクルが繰り広げられます。
そして、ひとしきり飛び回った後、いくつかの木に降り立ちます。

といっても、これだけのツバメがいると、そう簡単には落ち着きません。いつになったら寝るのかな?

空がすっかり暗くなったころ、こちらも家路につきました。生きものっておもしろい!!
(生物担当学芸員 秋山)

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不規則網と呼ばれていますが…

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写真は、どこにでもいるオオヒメグモの網。立体的に張られていて「不規則網」と言われています。
確かに一見ごちゃごちゃしていて「不規則」なようですが、じっと見ていると、籠状の物を四方八方に引っ張る事で支えているように思えてきます。その様子はある種の建築を連想させます。
さて、これは本当に不規則なのでしょうか?いつも気になって仕方ありません。(学芸班 木村)

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