今年も博物館実習が始まりました

今日から博物館実習が始まりました.

博物館実習は大学で学芸員の資格を得るために必要な科目の一つです.相模原市立博物館では毎年,博物館実習生を大学からの依頼に基づき受け入れています。今年は15名の学生を受け入れました。

今日から3日間は共通実習で,実習生全員が同じ内容で実習を行います.
今年は共通実習期間中に,5年次研修の高校の先生を4名,受け入れました.4名の先生方も実習生と全く同じ内容で実習に取り組んでいただきます.

今日は座学と博物館内の見学です.
座学では管理業務の概要と学芸業務の概要の講義を受けました.

博物館内は,機械室,展示室,プラネタリウム,収蔵庫や整理作業室等のバックヤードを見学しました.

明日からは実技が始まります.

(地質担当学芸員 河尻)

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夏休み親子天文教室、開催しました!

毎年人気のこの教室、今年もたくさんの方が参加しました。

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まずは大会議室で望遠鏡キットの組み立て。

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慎重に…

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できた!

プラネタリウムで今日見る星の解説を聞いた後、近隣の小学校のグラウンドに移動して、自分の作った望遠鏡で観望です。

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今日は月と火星と土星が見頃…なのですが、あいにくの曇りがちなお天気。

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それでも月は皆見ることができたようです。運と粘りで全て見た人もいました。

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最後は博物館駐車場に戻って、国際宇宙ステーションの通過を観賞。頭上高くを通りすぎる姿に、思わず拍手!
皆で同じ空を見上げる良さを感じる瞬間です。
午後3時30分から午後8時という、長時間の教室でしたが、中身もぎっしりでした。
簡単な望遠鏡組み立てキットを入り口にした教室ですが、これをきっかけに、自分の世界を広げてくれる子どもたちがいてくれると良いなあ、と思います。
そして長時間の間サポートしていただいた相模原市立博物館天文クラブ、市民学芸員、インターンシップの学生の皆様、本当にありがとうごさいました。(学芸班 木村)

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相模原公園で鳥のおはなし

今日は県立相模原公園内のサカタのタネグリーンハウスで開催中の「相模原公園の野鳥展」に関連して、野鳥についてのお話をしてきました。
話の中心は、相模原市の野鳥って何種類いるのか?そもそも野鳥の種類って誰がどんなふうに数えているのか?そして、相模原を特徴づける野鳥って?・・というようなことをお話ししました。でも、冒頭、「鳥にあって人間にないもの」「人間にあって鳥にないもの」についてみなさんに考えていただきました。

そこで活躍したのが、骨格標本です。博物館では鳥の骨格標本を持っていないため、いつも標本作製を一緒にやってくれているSさんからお借りしました。サギの骨格です。

なぜ個人でこんなものを持っているのかということはおいておき、この標本がとっても役立ちました。じつは、前出の問いのような「違うところ」よりむしろ、「同じところ」の方がずっと多いのです。ちなみに答えは、鳥にあって人間にないものとして嘴、翼、羽が会場から出ました。すばらしいですね、そのとおりです。人間にあって鳥にないものとしては、歯があげられます。でもほかはというと・・じつはなかなかその先は難しい・・。人間と鳥って、二本足で立つところなんてじつはよく似ているのかも。
共通点が多いことは、骨格の足や翼の骨の構造を見るとわかります。人間が持たない翼にしても、じつは相同器官ということで言えば人間の腕と指にあたります。そんなことを考えながら、楽しい90分を過ごすことができました。お集まりいただいたみなさん、ありがとうございました。
(生物担当学芸員 秋山)

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子ども鉱物教室1日目

今日は子ども鉱物教室の1日目でした.毎年開催している2週連続の教室です.ミョウバン結晶の育成・観察と鉱物の硬さ比べを行います.

例年どおり,相模原地質研究会と相模原青陵高校地球惑星科学部の皆さんと地質分野の博物館実習生にスタッフとしてお手伝いいただきました.博物館実習生はまだ実習期間前ですが,ボランティアとしてお手伝いに来てくれました.

今日はミョウバンの種結晶を飽和水溶液に入れるところまで行います.

種結晶をエナメル線に結びつけた後,ちょうど良い高さに調整して固定します.

ミョウバンを熱湯で溶かして,飽和溶液をつくります.

かき回しているうちに,お湯が冷めてきてしまってミョウバンが溶けきらないので,途中から,ホットプレートの上で暖めながら完全に溶かします。

飽和溶液が適温まで冷めてきたら,種結晶を入れます.このタイミングがなかなか難しいです.種結晶を入れると数分で小さな結晶ができ始めます.

結晶が大きくなる様子をしばらく観察して,今日は終了です.来週,大きくなった結晶を観察します.

(地質担当学芸員 河尻)

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今年のセミは・・

今日から8月です!夏真っ盛り!
と言いたいところですが、生きものの世界ではもう夏が終わりに向かって走り始めています。博物館お隣の樹林地には、体がだいぶ赤くなってきたコノシメトンボがとまっていました。

クズやタケニグサなど威勢の良かった草本類も、だいぶムシに食われたり、果実が実ってきて立ち姿に疲れが見えてきました。
さて、それでもやっぱり、ムシの世界は夏真っ盛りです。遊歩道の杭の間に張られたロープには、たくさんのセミの抜け殻がついています。

アブラゼミがほとんどです。もう少しすると、ツクツクボウシやミンミンゼミ、ヒグラシなどがチラホラと見つかるようになると思います。

ところで、今年はアブラゼミが少ない、あるいはセミ自体が少ないという声をききます。確かに、ニイニイゼミの鳴き始めがちょっと遅く、今もアブラゼミの声は蝉時雨と言うにはほど遠い感じです。それにしてはツクツクボウシの鳴き始めが早かったり・・
梅雨の初期の豪雨が影響しているのでは?という意見もありますが、こればっかりはわかりません。セミのような昆虫の発生数や発生のタイミングは、もともと年によって大きく変動します。そのため、その年の出方だけ見て、安易に気候や天候と結びつけるべきではありません。何年にもわたるデータから客観的に傾向を見なければわからないことなのです。
セミ暦(こよみ)を毎年地道につけていくのが一番なのですが・・つい、メモし忘れてしまうことが多いので、今年は憶えているうちに書いておこうと思います。
(生物担当学芸員 秋山)

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地質調査日誌7/29 秦野市水無川

7月29日,火曜日.晴れ.

今日は小田急小田原線秦野駅前の水無川へ河原の礫の採集に行きました.ある大学の考古学の研究者と一緒に進めている石器についての研究のための試料採集です.

水無川は名前の通り,水が流れていません.秦野盆地は扇状地なのでそこを流れる川は伏流水となっています.

水無川の河原の石は,丹沢山地から運ばれてきたもので,ほとんどが凝灰岩のなかまです.

今日,採集したのは凝灰質砂岩です.

これらの凝灰質砂岩は実験をして,遺跡から出土した石器と比較します.どのような実験なのかは,結果の公表前なのでまだ内緒です.

(地質担当学芸員 河尻)

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もふもふおカイコさまが・・あれ?

テーブルの上にカイコの成虫が・・・ん?なんだかおっきいな。

なんとこれ!つくりものでした!羊毛フェルトを素材とした市山美季さんの作品です。羊毛フェルトの質感がカイコのモフモフ感にぴったりですね!

クワコ成虫もいました!かわいい!

これらの作品、じつは博物館で展示する予定です。
今日、春蚕の卵を浸酸処理という方法で休眠打破しました。通常、翌春までふ化しませんが、この処理によってあと1週間ちょっとでふ化します。夏蚕を少しだけ育てて、また展示をしたいと考えています。この展示に合わせて、羊毛フェルト作品のカイコなども展示する予定です。
(生物担当学芸員 秋山)

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JAXA特別公開 アストロバイオロジー!

JAXA特別公開2日目!今日の大会議室は、午前中がアストロバイオロジーに携わる研究者によるトークライブです。

アストロバイオロジーってなに??それは、このトークライブを聴いてのお楽しみですが・・極限環境に生きる生きものたちの体のしくみや生理生態から、宇宙環境に生きものがどう適応するか、というようなことを探る研究をしているそうです。ちょっと突き抜けた感じの研究者たちが多いのが、この分野の特徴です。きっとおもしろいトークライブになるはずです!
そして今日も、全天周映画「HAYABUSA2 RETURN TO THE UNIVERSE」は第4回の通常投影と、臨時投影として第5回(16:50~)があります。第5回は、16:30で終了のJAXA特別公開のあと、ゆっくりと博物館でHAYABUSA2を堪能できる贅沢な企画です!お見逃しなく!
そういえば昨日の臨時投影では、はやぶさ2ミッションの渦中にいる研究者や技術者のみなさんが見に来られていました。はやぶさ2の開発や製作に携わる方々とHAYABUSA2の映画を見るって・・なんだか不思議ですばらしいことですね!
(生物担当学芸員 秋山)

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JAXA特別公開スタート、そしてこんなコーナーも!

今日と明日の二日間にわたって行われるJAXA特別公開がスタートしました。JAXA相模原キャンパスと東京国立近代美術館フィルムセンター、そして当館を会場に盛りだくさんのイベントが用意されています。宇宙につながる街の大イベントです!ぜひお越しください。
さて、賑わう博物館会場の一角に、こんなブースがあります。

相模原市広聴広報課が設けた撮影ブースなのですが、市民のみなさんに「相模原のこんなところが好き」というところをボードに書いていただき、そのボードと一緒に記念写真を撮らせていただいています。

博物館では、やっぱりさがぽんになっていいただいての撮影が人気です!

この写真は、来年の市制60周年に向けた記念イベントや広報さがみはら、そして記念誌などで使用、掲載されるかもしれないとのこと!ご協力いただいた方には、こんなプレゼントが・・(お一人さま、どちらか1つ)

ただし、このバッジは数に限りがありますので、実施中になくなってしまうかもしれません。ご了承ください。
さて、博物館ではこの特別公開に合わせて、全天周映画「HAYABUSA2 RETURN TO THE UNIVERSE」の臨時上映を16:50から行います。こちらはまだ席に余裕があります(7/25 10:30現在)。JAXA会場が終了してからの時間、ゆったりとHAYABUSA2を堪能できます!
特別公開の情報は随時さがぽんTwitterや、特別公開Twitterでも流しています。そちらもぜひフォローしてみてください!
(生物担当学芸員 秋山)

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おお、アシナガグモさん、なんてこと…

通勤途中、横目で見ながら通り過ぎようとしたジョロウグモの網。??何か変?

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そう、網の真ん中にいるのばどうやらジョロウグモではない茶色いやつ。

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なんと、アシナガグモさんではないですか!
しかも、傍らにはジョロウグモさんらしき残骸が…

アシナガグモはれっきとした円網を張る種ですが、よく他のクモの網に侵入しているのが見られます。このようにジョロウグモの網に占座している例もあり、今回の場合、状況からして、網の主を捕食してしまったようです。
網を張る種が他種の網に侵入する。そこで餌盗みをしたり、場合によっては宿主も食べてしまう。うーん、やる事が柔軟すぎです。それにちょっと怖い。
念のため、採集して記録しようと思ったのですが…逃げられました。実に悔しい朝でした。(学芸班 木村)

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