企画展準備、進行中!

今日も昨日に引き続き、資料の搬入です。
展示の目玉とも言えるものが2つやってきました。

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重そうに運んでいるのは屋久杉の大木をスライスしたもの。さて、太陽とどんな関係があるのでしょう。

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右奥に見える丸いものは、神奈川工科大学 情報メディア学科 白井研究室の皆さんによる「全身・太陽圏」。「太陽を全身で知る」ことをイメージして、なんと、この企画展のために開発したシステムです!ぜひ、お子様と一緒に体験してください。
以上、小出しの宣伝でした。7月12日(土)から始まる企画展「太陽にいどむ〜日時計から太陽観測衛星まで〜」、どうぞよろしくお願いいたします!(学芸班 木村)

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モフモフさん誕生!

5月末から育ててきたカイコは、繭になったもののほとんどは乾燥済みです。立派な繭がたくさんとれました。

でも、じつは数個の繭を乾燥させずにとってあって、これが予定通り、この週末から今朝にかけて羽化しました。カイコガの誕生です!

私は虫というよりも獣、いや、なにかそういう分類を超越した存在に見えてしまうので、「モフモフさん」と呼んでいます。なんてカッコイイ!

上の写真はメスです。お腹に卵を持っているので、どんっと落ち着いて誘引腺(フェロモンを出す器官)を出して構えています。でも、オスはというと・・翅(はね)をばたつかせてぐるぐるまわり、フェロモンの出所を無我夢中で探しています。必死です!

このあと、無事に交尾へたどりつきました。かわいそうだけど、夕方には引き離しておいたので、明日までにはメスは産卵を始めることでしょう。
(生物担当学芸員 秋山)

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「のぞみ」旅立ち、企画展準備はじまる。

まるで季節の言葉みたいですが、今日の博物館はまさにそういう日でした。

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博物館エントランスに、まるで常設展示のように置いてある「のぞみ」実物大が、幕張メッセで開催される「宇宙博」に向けて、搬出されて行きました(「のぞみ」実物大はJAXAからお借りしているものです、念のため)。

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トラックに積むためにアンテナを取り外します。このアングルから見るのは初めてかも。

そして、特別展示室には、今週末から始まる企画展「太陽にいどむ〜日時計から太陽観測衛星まで〜」で展示する資料や資材が運び込まれ、いよいよ準備が本格化してきました。

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展示のための台を組み立て中。

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さて、これは何でしょう?
知りたい人はぜひ見にきてください!

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看板もできました。

今週は、企画展開催に向けて張り切って準備です。どんな展示になるか、どうぞご期待ください!(学芸班 木村)

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あらためて、3年3カ月後

大船渡市碁石海岸での自然観察指導員講習会が終了し、後泊して今日は3年3カ月後の津波被災地をめぐりました。碁石海岸のすぐ南部の陸前高田市広田地区。ここは、南北の湾から津波が押し寄せ、陸上でそれが打ち合うように合わさる「波あい」が起きた場所です。2011年3月24日、なにもかもが流された跡です。

あまりの惨状に呆然と立ち尽くすしかなかった場所の今日、2014年7月7日のようすです。

青々をとしたイネが育ち、水田が復活していました。

続いて、大船渡市北部の三陸町越喜来(おきらい)地区。越喜来小学校の真新しい校舎の屋上まで津波にのまれてしまいました。地域の核として機能し、誇りでもある小学校の被災した姿を地元の方々がどう受け止めたのか、考えただけでも胸が張り裂けそうになりました。

同じ場所の、今日の風景です。校舎は撤去され、高台への移転工事が進んでいました。

ある場所では、自然の再生能力を超えるスピードで復旧し、ある場所はほとんど手つかず。そんなまだらな復興のようすを改めて見て、考えさせられる一日でした。
(生物担当学芸員 秋山)

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碁石海岸の講習会

今日もお休みを利用した岩手県大船渡市の講習会です。2日目の朝、さわやかな海風の吹く晴天です。なんて美しい三陸の海!碁石海岸です。

この風景のどこにも、震災の爪痕はありません。でも、くるりと西側を向いた先々には、いまだに生々しい津波の跡が残っています。

朝、宿の食堂に飛んで入ってきたミヤマクワガタです。大きい!さすが三陸!

さて、今回は自然観察指導員の講習会です。さまざまなプログラムや講義をきいて、最後に自分で5分間のミニ観察会を企画、実施していただきます。

みっちりメニューが詰め込まれた講習会。今日、新しく誕生した約40名の自然観察指導員のみなさん、地域に戻って自然観察の楽しさ、すばらしさを広めていって欲しいです!
(生物担当学芸員 秋山)

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3年3カ月ぶりの大船渡

夏休みをいただいて、この週末は岩手県大船渡市へ来ています。NACS-J(公益財団法人日本自然保護協会)の自然観察指導員講習会のお手伝いをするためです。昨日、前日入りして、景勝地碁石海岸へ。その途中、細浦港を通りました。下の写真は2011年3月20日の写真です。

そしてこちらが昨日、2014年7月5日の写真です。なんとコメントしていいのか、現場に立ってみると言葉が見つかりませんでした。

碁石海岸は、いつもの美しすぎるリアス式海岸の海鳴りが響いていました。

陸中海岸国立公園は現在、三陸復興国立公園として新しい枠組みで整備が進んでいます。

神奈川県にあったら珍しすぎて大騒ぎになるノハナショウブが、ぼこぼこと普通に咲いていました。

感慨に流されることなく、講習会を進めていきたいと思います。
(生物担当学芸員 秋山)

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晴れ間を狙って

この時期は、晴れ間を見てサッと出かけられるようにしています。今日も、午前中の晴天を見て、中央区田名のある田んぼへ出かけました。目的はこれ。

ミソハギです。お盆花として有名なため植栽もありますし、県内では低地の水田にふつうに見られる雑草です。しかし、相模原市内では生育地が限られ、見かけるとちょっと嬉しい花です。写真を撮っていたら、まわりをミヤマアカネが飛んでいました。

乾いた休耕地にたくさんあったネジバナです。

これも雑草ですが、やっぱり野生ランにかわりありません。ズームアップして見ると、しっかりとランの形をした美しい花です。

今日は午後も晴れそうですが、事務仕事がたまっているので必要な写真を撮ってから慌てて博物館へ戻りました。
(生物担当学芸員 秋山)

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写真展終了、そして撤収

昨日、松橋利光写真展「相模原の生きもの、見つけた!」が無事に終了しました。ご来場いただいたみなさま、大変ありがとうございました。

最終日の昨日も、たくさんの方がご来場。この展示の特徴は、展示室の滞留時間が長いこと。みなさん、一枚一枚食い入るようにご覧になっていました。

あ、走らないで!と言わなくちゃいけないけど、本のコーナーを見て駆け出す姿・・気持ちわかります。

閉館と同時に、いつものなかまが集まって撤収作業。

1時間もかからず、あっという間に撤収完了。最後に記念撮影。

展示を終えて、まっさらになった展示室。さて、次は宇宙色に染まる予定。楽しみ楽しみ・・

(生物担当学芸員 秋山)

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梅雨の晴れ間の瑞々しい色

しっかり雨が降る梅雨まっただ中。ちょっとのぞいた晴れ間を見て、外へ飛び出しました。この時期の花の写真で、撮っておかなくてはいけないものがあったので・・。

それにしても、そこには瑞々しく強烈なコントラストの風景がありました。

遠くには巻積雲の鈎状雲。足下には、咲き始めの純度高い橙色を主張するヤブカンゾウ。

葉の上で温度が上がるのを静かに待つキマダラセセリ

帰りがけ、空が広い場所に出たら、並雲に成長しかけた積雲の扁平雲がぽこぽこと青空に浮かんでいました。

梅雨の合間のはかない色合いを堪能しました。午後は一気に崩れてきそうです。
(生物担当学芸員 秋山)

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4500年前の土器から出てきたもの

本日、山梨県からお客様が来られました。
土器に付いた植物圧痕について研究をされている高名な研究者の方々です。

目当てはこの土器。

勝坂遺跡から実に40年近く前に出土した土器です。(残念ながら勝坂式土器ではなく、連弧文土器と呼ばれるものです。)ずっと博物館ではない場所に保管されていました。

写真ではよく見えませんが、表面にたくさんの穴が開いています。私が初めてこれを見たときは「この穴はなんだろう??」程度にしか考えなかったのですが、どうやらこれは植物の圧痕らしいということで、調査に見えられました。


注意深く観察。


そして特殊なシリコンを注入。

こんな感じです。

そして採れたのが....、

4500年前のマメの原生種のレプリカです。

なぜか縄文人たちは、土器にマメを埋め込んだようなのです。
特にこの土器は、欠損部分が有るにも関わらずなんと70箇所ものマメの圧痕が見つかりました。これには長年研究されている先生も、こんな土器は初めてだ、と驚かれていました。

もちろん縄文研究会の皆さんにもご参加いただきました。

博物館には、公開されずに収蔵庫に眠っている収蔵品がたくさんあります。特に土器の破片は、おそらく数十万個に登るでしょう。
これらの土器を市民の皆さんと手分けして調べ、植物の圧痕が見つかればシリコンでレプリカを作り、縄文時代の植物のデーターベースを作ることが可能になってきます。縄文時代の植物環境や食生活について、新しい発見が得られるかもしれません。

今更ですが新しい知見を得ることができて、学芸員としても非常に勉強になった一日でした。
(考古担当 正)

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