コクサグモと雨粒

今朝、植え込みの上に張られたコクサグモの網に、雨粒がきらめいて、とてもきれいでした。

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この時期、クサグモにみたいだけど、まだまだ幼体だな、と思ったら、まずコクサグモと考えて良いでしょう。
典型的なコクサグモの幼体は、腹部先端に赤い斑があります。

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こんなふうに。
これなら見間違えませんね。
以前もご紹介したのですが、写真が見づらかったので、再び紹介させていただきました。(学芸班 木村)

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明日最終日、写真展に松橋さん登場!

明日は現在開催中の松橋利光写真展「相模原の生きもの、見つけた!」の最終日です。

明日(29日)午後3時頃から閉館まで、松橋さんご本人が在室の予定です。ミュージアムショップでは最新刊の販売も行っています。ぜひお気軽にお出かけください!
さて、話題変わって今日は恒例のミニ観察会の日でした。雨でも傘をさしてのんびり観察・・と思っていたら、それどころではない大雨。

正面入り口前の通路で、葉っぱの工作などして過ごしました。写真は、シャガの葉でつくったカタツムリ。もうちょっと弱めに降ってくれたら、かえっていろいろおもしろい観察ができたのに・・。雨は決してきらいではないのですが、ちょっとうらめしい雨でした。
(生物担当学芸員 秋山)

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パンダみたいなゾウムシ

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クズの葉の上などでよく見かける「あの虫」。白黒模様でゴツゴツしてて…その名は「オジロアシナガゾウムシ」。結構大きくて目立つし、見覚えがあるのに、ちょっと覚えにくい、長い名前。その模様から「パンダゾウムシ」とも呼ばれるようです。うん、そっちの方が、しっくりきますね。

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捕まえてきましたが、すぐに死んだふり…鳥のフンに擬態していると言われています。なるほど。

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しばらく動きません。

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やがてゆっくり体を起こして…

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やれやれ、といった表情。

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その後、コケたりしてました。
なんだか動きもパンダみたいでユーモラスです。じっと見ていると面白くてたまりませんが、仕事にならないのでほどほどにして、もとの場所へ返してきました。(学芸班 木村)

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地質調査日誌6/27 相模原市緑区小渕

6月27日,金曜日.くもり.

今日は相模原市と上野原市の境界,つまり,神奈川県と山梨県の境界を流れる境川へ調査に出かけました.相模原で“境川”といえば,町田市との境界を流れる川の方が有名ですが,こちらも境川と呼ばれています.

相模原市・上野原市境界の境川の下流部には数千万年前の地層と数百万年前の地層が分布しています.

これは数千万年前の泥岩の地層中の断層です(中央の白い部分).断層運動により岩石がもみくちゃにされて,粘度と角礫が混じった状態になっています.

これは数百万年前の砂岩です.緑色に見えるのは表面に苔が生えているからです.この砂岩は本当は薄い灰色をしています.ハンマーで割って新鮮な面を出すと本来の色が見られます.

こちらは数百万年前の地層中の断層です.こちらも断層運動により岩石がもみくちゃにされて,粘度と角礫が混じった状態になっています.

4年半前に調査した時には無かった露頭が現れていました.数百万年前の泥岩です.

すぐ下流には,崩落した跡が.これも4年半前に調査した時にはありませんでした.下に落ちている大きな岩石の塊はハンマーで簡単に割ることができます.岩石がかなり脆くなっているようです.

お昼頃に少し雨に降られましたが,車の中でお弁当を食べているうちに止みました.それ以外は調査中には降られませんでしたが,博物館に戻ってきたら土砂降りでした.梅雨の時期,雨に降られずに無事,調査を終えることができて良かったです.

(地質担当学芸員 河尻)

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ねむの木の咲く季節

このところ、梅雨の晴れ間を狙ってちょこちょこっと調査へ出ています。今日は谷戸と河原へ。
瑞々しい色があちらこちらにあって、生命力のみなぎる感じがとても気持ちいい。

河原へ行くと、ネムノキが咲いていました。

梅雨まっただ中におよそ雨の似合わない花を咲かせます。
青空と風が似合う花です。
(生物担当学芸員 秋山)

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美女登場(クモ)

今朝の通勤途中、特徴的な円網を発見。

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ヨコ糸が張られていないエリアがあり、網の中心部から外に向かって、網の面から離れる方向に糸が一本。
網の主はこれ。

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ビジョオニグモの幼体(たぶんメス)です。生体の体長は、メス8-10mm、オス5-6mm、腹部の腹側が、独特の美しい緑色をしたクモです。生体出現期は8-10月。言ってみれば「秋のクモ」。写真の個体はだ体長3-4mmほどでした。
よく似た種にアオオニグモがいます。網の形も、見た目もそっくり(腹部の斑紋がちょっと違います)。ただし、その生体出現期は5-7月。どちらかというと「春のクモ」です。そっくりな2種が、あたかも季節を棲み分けているようです。本当のところはどうなのでしょう。
それにしても、青鬼と美女。名前は随分違いますね。(学芸班 木村)

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雷雲(その2)今日は目的達成

昨日は雷とにわか雨であえなく退散してきましたが、今日は朝から緑区の道志川へ。午前中の晴天を利用してばっちり調査してきました。
相模原植物調査会のみなさんと、道志渓谷。

何を調査したかというと・・渓岸の岩に何か朱色のものが

この花です!

え?あの、植込みとか庭のどこにでもある、サツキ??
そうなんです。じつは、サツキの本来の自生地は、渓谷なのです。しかも、市内の自生地(今日の調査地ではありませんが)は、サツキの分布東限!つまり、相模原より東には、サツキの自生地は無いということなのです。渓岸の岩場という過酷な立地条件に生育することから、道路の植込みのような、乾燥や強い日照にも耐える性質を利用して、植えられているというわけです。
渓谷では、こんなカエルも顔を出しました。

渓流と言えばカジカガエルですが、これは、ツチガエル。田んぼのカエルと思われがちですが、渓流でもふつうに見られます。
そして、岩場の葉の間をするすると動いてコンニチハ!

若いヤマカガシでした。この運の悪いヘビ君は、このあと、ヘビ好きの悪いおじさんにつかまれて、あれやこれやと写真を撮られてから、やっと放たれました。
お弁当を食べて渓谷から国道へ上がったところで、ぽつりぽつり。もう一カ所の調査地へ着いた頃から遠雷が聞こえてきました。そそくさと写真を撮ったり標本を採ったりしているうちに本降りに。帰りはどしゃぶりの中、博物館へ戻りましたが、目的を達成して満足の調査日でした。
(生物担当学芸員 秋山)

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雷雲

今日は午後、近場でしたが調査へ出かけたのはよいのですが、空はゴロゴロ、雷鳴がとどろき始めていました。ぽつぽつと雨も降り始め、やむなく退散。

積乱雲が近づき、遠くには写真のような層雲が波状雲をつくっていました。これじゃあ、どこも雨ですね。

ところで、カイコから隔離して飼っているクワコも、もう4齢です。

いつ食べてるのか?と思うくらい、動きの少ないイモムシですが、着実に成長しています。

(生物担当学芸員 秋山)

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やっぱり大きい春蚕の繭

続々と上蔟したカイコたち(シャレじゃありません、蔟=ぞく=まぶし=カイコに繭をつくらせる格子状の入れ物)。

今回はいろいろとタイミングが良くて、5齢で良質のクワをたっぷり食べさせたこともありますが、繭が大きい!

3.5センチ画の蔟をつくったのですが、結構いっぱいな感じ。短辺が3センチ近くあります。なんだか嬉しいですね!やっぱり春蚕(はるご)は成長は揃うし、繭は大きいし、気持ちのいい飼育ができます!

(生物担当学芸員 秋山)

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火山灰の中の宝石

今日は「火山灰を顕微鏡で見てみよう」を開催しました.今年も相模原地質研究会と相模原青陵高校地球惑星科学部の皆さんにお手伝いいただきました.

火山灰の中に含まれている鉱物を実体顕微鏡(立体に見える顕微鏡)で観察したり,火山灰中の鉱物の洗い出し作業を行ったりしました.

下の写真は箱根が約6万6千年前に大噴火を起こしたときに噴出された火山灰の顕微鏡写真です.これ相模原市内で採集したものの写真です.

実際に顕微鏡をのぞいてみると,予想以上にきれいな世界が広がっていたので,皆さん熱心に顕微鏡をのぞいてみました.

鉱物の洗い出し作業も体験していただきました.ただの茶色い土から洗っていくうちに,ごま塩のような鉱物が現れてきます.

顕微鏡観察も鉱物の洗い出しもどちらも楽しんでいただけました.雨の中,たくさんの方にご参加いただきました.どうもありがとうございました.

また,相模原地質研究会と相模原青陵高校地球惑星科学部の皆さん,今年もお手伝いいただき,ありがとうございました.

(地質担当学芸員 河尻)

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