不思議な点線

博物館の前庭に向いたガラスに、不思議な線がついているのに気づきました。

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最初はカタツムリか何かが這った跡だろうと思ったのですが、なんだか点線っぽい。

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よく見ると、糸をジグザグにすりつけた感じです。
地面の方へたどっていくと、どうやらヤマトガケジグモらしき網が。

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正体はこいつか!と、言いたいところですが、こんな行動をとる理由が想像できません。一体どんな動きをしたらあんなふうになるのか。
そんなわけで、謎は謎のまま残されました。
今度、地面のクモをちゃんと確認しなくては。(学芸班 木村)

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あかつきトークライブ 12

今日はさがみはら宇宙の日「あかつきトークライブ」でした。
毎偶数月に、金星探査機「あかつき」チームの皆さんと一緒に、2015年に金星周回軌道再投入を目指している「あかつき」について、そのミッションを振り返り、応援をする企画です。
今日の講師は、JAXA宇宙科学研究所教授 石井信明さん。

「日本の月惑星探査と『あかつき』」というテーマでお話していただいたのですが、探査機とは何か、日本はどのように宇宙探査を進めてきたか、など、とても分かりやすいお話でした。

タイトルだけ聞くと、地味そうなイメージですが、サービス満載で、笑いが絶えない、楽しいお話しでした。
そして講義の後は…


壇上で会場とやりとりしながら「あかつき」を組み立てます。司会の大月さんが名づけて「石井先生の3分間クッキング」!
探査機のそれぞれのパーツがどんな役割で、どのように熱から守られているかということがとてもよく分かりました。


「3分間クッキング」の後、いつものとおり記念撮影をして、実験コーナー。


ビー玉を使った重力と楕円軌道のモデルと、磁石と鉄球を使ったスイングバイのモデル実験。
皆、楽しそうにゲーム感覚で楽しんでいらっしゃいました。

そしてその傍らでは…講師を囲んで質問コーナー。

その後、希望者はランチタイム。研究者と参加者が同じテーブルについておしゃべりをしながらお弁当を食べました。。
このイベントも12回を数えるまでになりましたが、ますます楽しくなってきました。いつも参加して下さる方も多く、ちょっとした同窓会のような雰囲気で、楽しく、そしてとてもためになるトークライブでした。この熱気が、金星に向かう「あかつき」の成功を後押ししてくれると良いですね!(学芸班 木村)

梅雨バージョン「あかつきくん」。参加者の方のお心遣いです。いつもありがとうございます。

次回、「さがみはら宇宙の日『あかつき』トークライブ」は8月24日(日)午後2時からの予定です。
また、7月の「さがみはら宇宙の日」は、7月21日(月・祝)午後2時から3時30分
、タイトル「太陽観測衛星『ひので』の発見」。講師は 殿岡英顕さん(JAXA開発員)です。企画展「太陽にいどむ」と連動した講演です。

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ハナグモ訂正

昨日のブログで、ハナグモを紹介しましたが、改めて写真を見ていて「??」となりました。
なんと、脚が6本しかないではないですか!
あわててクモに麻酔をかけ、ひっくりかえしてみると…

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第1脚が、両方とも根元からとれていました。
うーん。左右均等にだまされた。なんか華奢だな、くらいにしか思いませんでした。うかつです。
従って、ハナグモのオスは「第1脚が長い」のではなく「第1脚と第2脚が長い」というのが正解です。写真には写ってませんが。

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もう一つ、オスの補助生殖器である「パルプ」の内側です。触肢のあたりを少しアップにしてみましたが、なんとなく複雑な形をしているのがわかるでしょうか。この部分は種ごとに形態が異なるので、種を見分けるのによく使われます。「クモは幼体では正確に同定できない」という理由の一つがここにあります。(学芸班 木村)

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なぜ、おしりに飾り??

次々に繭をつくるカイコたち。

でも、まだクワを食べているカイコが数十頭います。そんなのんびりカイコたちに、まだクワの葉をとってこなくてはいけません。
クワをあげてヤレヤレと事務机に戻ってしばらくすると、パソコンの上を白い毛が動いています。

ありゃりゃ、葉っぱについていた虫を連れてきてしまったようです。クローズアップすると・・。

見れば見るほどヘンな虫。カメムシ目の、ハゴロモのなかまです。セミやヨコバイに近いなかまです。ベッコウハゴロモの幼虫でしょうか。おしりから出ている毛は、幼虫時代に分泌されるろう状の物質だとか。

いったいなんでこんなものをくっつけて歩いているのでしょう?まるでラインダンサー?
といっても、ラインダンサーって若い人には通じないですね。
ともかく!どうしてこんなものつけているの??昆虫と言葉が通じたら、まずきいてみたい質問です!
(生物担当学芸員 秋山)

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やっと会えたハナグモ

通勤途上でクモ探しをするのがほぼ日課なのですが、当然いるはずなのに、何故か出会わない種、というのがいくつかあります。

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そのひとつがこれ。ハナグモです。
はっきりいって、どこにでもいるクモ。こんな風に、花の上で獲物を待ち構えます。
写真はオス。腹部のメタリックな緑色がきれいです。

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正面から。オスは特に長い第1脚が特徴です。そして、触肢の先端はが丸くふくらんでいて、オスの補助生殖器である「パルプ」になっているのがわかります。
しかし、いてもおかしくない種や、数年前は結構いた種がいないのは、どうしたわけでしょう。単なる個体数の変動か、何か別の理由があるのか。興味は尽きません。(学芸班 木村)

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自然観察を授業に 先生たちの研修会

今日午後、市内の小学校の先生方が集まり、研修会が行われました。総合学習センターが主催する生活科の技能研修講座です。博物館では、自然観察を授業の中に取り入れるための考え方や実践的な技術について学んでいただきました。

まず、室内で自然観察の考え方についてお話をした後、野外で実際に、先生方にクイズ、またはゲーム形式の自然観察プログラムを考えてもらいます。ネタとなるポイントを事前に説明しているようすです。

知識を要求されるような設問やプログラムを避けることと、お互いにいろいろな発想や表現を楽しむことが、自然観察の本質です。樹林の中に立ち、「この中から、○○を探してください」という設問で、一つのグループはこの葉っぱを「アヒルの足」と表現しました。「水かきつき」という補足も。すばらしい発想ですね。

また、「トゲトゲの赤いボールを探してください」という問いの答えはこれ。

地面にクローズアップしないと見つけられないお題。見方、クローズアップの仕方を提案するという自然観察の基本がしっかりおさえられています。また、「動物のしっぽをみつけてください」という問いで、私の方から「一つのものを正解にするのではなく、それぞれが見つけたものについて、それはなんの動物ですか?と尋ねましょう。」とアドバイスしました。すると、秀逸な答えが。

ブタのしっぽだそうです!すばらしい!出題側の想定外の答えでした。

私も改めて自然観察のおもしろさを実感し、新しいネタをいただくことができました。

アヒルの足がトウカエデということも、トゲトゲの赤いボールがヤブヘビイチゴということも、ブタのしっぽがクズの新芽だということも、ここではそんな種名を使わなくてもじゅうぶん自然観察が成立しました。

このほかにも、色や大きさなどいろいろなネタを使って問題を考えていただきました。こちらも勉強になった研修会でした。

(生物担当学芸員 秋山)

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ぞくぞく熟蚕

いよいよカイコのみなさん、熟蚕になってきました。まだ、もりもりとクワの葉を食べているカイコの脇で、容器の隅で頭を立ててこんなになっているのや・・

天に向けて頭をふりふりしているのは・・

熟蚕になったカイコです。体の色を確かめて、透き通った飴色になっていたら、まぶしへ移します。

じつは今朝、容器に敷いた新聞紙の角でまゆを作り始めていました。今年の繭第一号!

ぞくぞく、熟蚕になっています!

(生物担当学芸員 秋山)

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熟蚕間近

カイコは5齢に脱皮して6日目。

昨日あたりまで、プリプリパンパンだったカイコたちが、持ってみるとちょっとだけ、ふにゃ、としてきました。

写真ではちょっとわかりにくいのですが、真ん中の個体はなんとなく、後ろの方が黄色っぽくなってきています。これは、間もなく繭をつくりはじめる「熟蚕」が近づいた証し。おそらく、明日には半数くらいのカイコがウロウロ、頭ふりふりと挙動不審になり、本格的に糸を吐き始めることでしょう。いよいよクライマックスが近づいてきました!

(生物担当学芸員 秋山)

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裏側までよく見えます(クサグモ)

博物館に入って正面の中庭を囲うガラスに、こんなものが。

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タイトルにある通り、クサグモの住居です。
普通は植え込みの枝やら葉やらが入り組んだところにつくるのでまず全体を見ることはできません。

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中にクモがいます。メスの幼体かな?
管状の住居には、出入り口が2箇所あるのもよくわかります。あれ?3箇所ありますね?直接観察ならではの発見です。

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糸がガラスについているところは、なんかモヤモヤした感じのものがついています。「付着盤」といって糸を貼り付けるためにクモがつくるものです。
いや、飼育の手間をかけずにこんなにじっくり観察できるなんて、実にお得な気分です。

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付箋を貼っておきましたので、興味のある方はどうぞご覧ください。(学芸班 木村)

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おじさんは山へクワを刈りに・・

今年は本格的な梅雨前線が北上してくる前に、カイコへの給桑のピークが過ぎようとしていてホッとしています。と言いつつまだぜんぜん過ぎていなくて、ほんとうにすごい勢いで食べるカイコたち。彼らを前に、もしこれが梅雨の長雨の最中だったらと思うと、おそろしくなります(実際、そういう年も必ずあるのですが・・)。

今日はいつも行っている谷戸まで足を伸ばして、クワをとってきました。もう、ちょっと道ばたに生えているクワをいただいて・・という量では済まなくなっているので、ドサッとひとかかえとれるところまで出張してきたというわけです。

ここ数日の日照で、イネも元気に育っていました。

ところで、とってきたクワをカイコにあげていたら、こんなのがいました。

クワコの若齢幼虫です。カイコの原種にもっとも近い野生の蛾と言われています。今はほかの多くのイモムシ同様、鳥のフンに擬態しています。ところが終齢幼虫になると・・このブログページのトップ写真の一つにもあるとおりです。これについてはいろいろとネタがありますので、クワコもこれから育てて少しずつご紹介していきたいと思います。

(生物担当学芸員 秋山)

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