カイコは4齢、もりもりです!

5月26日に掃き立て(ふ化)したカイコは順調に育ち、現在4齢2日目の個体がほとんどとなりました。

ほれぼれするような立派なカイコになりました。まだまだ大きくなります!

現在、博物館では200頭以上飼育していますが、これくらい育てていると、何頭かは必ず小さな個体がいます(下の写真の下側の個体)。

でも、頭部を見るとちゃんと4齢にはなっています。こうしたカイコは葉の食いつきが悪かったりしてどうしても成長が遅れ気味です。でもだいたい、最終的には数日遅れてもちゃんと繭をつくります。

カイコにも個性があるんですね!

(生物担当学芸員 秋山)

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展示に挑戦!由野台中ふれあいゼミナール

今日午前中は、博物館から一番近い中学校である由野台中学校の「ふれあいゼミナール」に参加してきました。このゼミナールは、地域から外部講師を呼んでさまざまな体験型のプログラムを用意し、1年生から3年生まで学年の垣根を超えて参加してもらいます。博物館でも2年前から講師を派遣しています。

今回は、半日でミニ展示をつくってもらおうという大胆なプログラムを実施しました。3つのグループに分かれて構内の樹木などの葉を使い、工作、におい、クイズを切り口に展示をつくります。

においのする葉っぱを仕分けしています。その葉のにおいをいいと感じるか、悪いと感じるかのアンケートをとるそうです。

クイズのグループは、藤棚のフジを使って「難問」を用意してくれました。図や実物の使い方もばっちりです。

自分たちで小タイトルをつけてもらったのですが、工作のグループはサッと決めて抜群のセンスで展示パネルを作ってしまいました。

梅雨とはいえ、ざんざん降りの大雨で葉の採集が思うようにできず、工作の種類も少なくなってしまったのですが、そこはディスプレイのセンスでカバーしてくれました。

最後に記念撮影。

最初はちょっとおとなしい印象だった生徒さんたちも、作業が始まると全員がてきぱきと動いて、ちゃんと立派な展示をつくりあげてくれました。由野台中、すごい!
(生物担当学芸員 秋山)

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職場体験(6/6清新中)

昨日(6/5)から、市内中央区の清新中学校2年生2名が職場体験に来ています。いろいろな仕事を体験して、今日の午後は、動物標本の作製でした。なんてディープな仕事でしょう!

いきなり仮はく製づくりはちょっと大変なので、翼の標本をつくってもらいました。はじめはおっかなびっくり触っていましたが、そのうち、骨から筋肉をそぎ落としたりする作業も緻密にやってくれました。

その結果、とてもきれいな標本ができました。

この後、展示解説のデモをやったり、濃密な職業体験をこなして2日間の日程を終了しました。お疲れさまでした。

(生物担当学芸員 秋山)

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カイコは3眠と、少し4齢

カイコは順調に成長しています。ほとんどの個体が現在、3眠です。頭がもう二重になって下の新しい頭が見えています。

体全体も透けて下の新しい表皮が見えています。下は、一足早く脱皮した4齢幼虫です。頭の大きさが違いますね。

梅雨に入り、クワの葉を乾かすのが大変になってきました。これから雨のやんでいる間にクワを取りためておく日々が始まります。

(生物担当学芸員 秋山)

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梅雨間近

今日は梅雨に入る直前、おひさまの下でちょっと撮っておきたい写真があり、調査へでかけました。それは、緑区の小倉山に残る照葉樹林の中の、巨大なつる植物です。

この写真ではよくわかりませんが、モミの木によじ登って伸びるテイカカズラが上から盛大に垂れ下がって花が満開になっています。私のシロウト写真ではどうにもならない被写体でした。たびたびこのブログでもご紹介してきましたが、満開の姿を目の当たりにして、あらためてこの自然林のつる植物に圧倒されました。

ちなみに、テイカカズラの花はこんな感じです。手の届く下の方でかろうじて咲いていたものです。

道すがら、イナモリソウがかわいらしく咲いていました。

下山後、タイミングはどうだろうと思いつつ、モリアオガエルの産卵地を訪ねると・・

残念ながら、すでに産み終わった後でした。体力を使い果たしたメスが、静かに枝上で休んでいました。

お疲れさまでした!
さらにその後、ある場所の、水の入った水田のようすはと訪ねてみると・・イモリがいました。オタマジャクシが泳ぎ出すのを待ち構えているのでしょう。

あまり食べ過ぎないようにね!

(生物担当学芸員 秋山)

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カイコは3齢に

博物館のカイコは3齢になりました。

下の写真は2齢の時のものです。

2齢と3齢は大きな変化があります。それは、頭部の色です。真っ黒だった2齢までと異なり、3齢からはベージュになります。頭も一回り大きくなって、食べる量も格段に増えます。気温も高めで、順調な成長ぶりです。
ところで、先週はずっとキアシドクガが博物館周辺で神秘的な群飛を見せてくれていました。今朝通勤途中に樹林内を歩くと・・

キアシドクガの成虫の死骸が無数に散らばっていました。成虫として短い繁殖期間を終えたのでしょう。めざといアリが早速運び出しにかかっていました。
(生物担当学芸員 秋山)

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見つめられて

・・というタイトルのわりに、ロマンチックな内容ではありません。

今日は休館日、職員も休日ですが、あまりのお天気の良さに思わず私的な調査へ出かけてしまいました。ダム湖での水鳥を中心とした調査です。空には気持ちの良い巻雲の鈎状雲。

今日はなぜか、いろいろと見つめられました。湖岸を歩くニホンカモシカに・・

我々の接近に驚いて飛び立ったアオサギに・・

やはり湖岸のイタチハギを食べていたホンシュウジカに・・

水際にいたコチドリに・・

なんていうのもあたりまえで、野生の生きものたちはみな、私たちが彼らを見つけるよりも先に、私たちの存在や気配に気付いています。見つめているわけではなくて、単に警戒しているだけです。ちなみにコチドリはその後すぐ、千鳥足で駆け出しました。

そんなこんなで調査は無事終了しました。すばらしい成果も出ました。それにしても、暑かった!!

(生物担当学芸員 秋山)

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初夏の花

博物館の前庭はすっかり初夏の彩りです。キキョウソウがかわいい花をたくさんつけています。

よく見ると、近縁のヒナキキョウソウも並んで咲いています。

違いがわかりにくいのですが、名前のとおり小ぶりで、葉が細長いのが特徴です。また、キキョウソウのように葉が茎を抱きません。

どちらも外来植物ですが、とても好きな花です。

木陰になっているところでは、ドクダミがたくさん咲いています。

あれ?なんか雰囲気がヘンですね。よく見てみると・・

花びら状の白いものが余計についてる!

ドクダミの花本体は、中心に立っている穂状の部分です。黄色く見えるのが雄しべの葯で、白くて三つに分かれているのが雌しべのの柱頭です。花弁は無くて、花を支える白い花弁状のものは総苞片です。

先ほどの総苞片が余分についているように見える花は、雌しべの下にある小苞(下の写真の赤丸の部分)が、白く花弁状に発達したものです。

じつは、ドクダミにはたまにこうした花が見られます。もっと大きく発達して、まるで八重咲きのようになった花もあり、園芸では珍重されます。下の写真は昨年、ある場所で撮ったものです。個人的には珍しいというだけで、きれいだとは思えないのですが・・。

ドクダミは群落がだいたい地下茎でつながっているので、一つ見つけると、まわりの花もだいたい同じような特徴を持っています。

(生物担当学芸員 秋山)

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地質学講座終了

全4回の地質学講座は今日で無事終了しました.

今日は,博物館で,先週と先々週の野外観察のまとめと丹沢山地の成り立ちについて解説しました.

今日の配布資料です.以前は1ページにスライド6枚分を印刷していたのですが,小さくなりすぎてわかりにくいので,1ページに2枚分を印刷したものを配布資料としました.

講座に参加していただいた皆さん,最後までとても熱心に話を聞いていただき,ありがとうございました.野外観察も2日間とも天気に恵まれ,気持ちよく講座を進めることができました.

また,ボランティアとして講座を支えてくださった相模原地質研究会の皆さん,どうもありがとうございました.

(地質担当学芸員 河尻)

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ジョロウグモ「まどい」中!(閲覧注意)

実は今シーズン、ジョロウグモの卵のうが全然みつけられなくて「目、悪くなったなあ」と、少々凹んでいたのですが、卵のうから子グモが出てくるシーズンになって、ようやくその存在を確かめる事ができました。ただし、今年はまだ1箇所だけです。

集まってます。ぐちゃーっと。なんか二腹分ありそうな形をしているまどいです(このように、子グモが出のう後に集団になっている状態を「まどい」といいます)。


アップにすると、おお、確かに子グモと脱皮殻です。この腹部の模様がジョロウグモ幼体の特徴。遠目にはガイコツ模様っぽく見えます。

なぜ「まどい」をつくるのかはわからないのですが、ちょっとした刺激に反応して動く様子は、見ていて飽きません。


これは、おまけ。
偶然とおりかかったアリグモ。とっさにシャッターを切ったわりにはいい感じに撮れたので…、やっぱりアリに似ています。当然ですが。(学芸班 木村)

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