美濃加茂市でお蚕様

今日は岐阜県美濃加茂市の、美濃加茂市民ミュージアムで開催中の「里山のオカイコサマ展」のイベント「まるわかり!カイコ1 生きものカイコ」に講師としてお呼ばれしてきました。

とその前に、同ミュージアムが小学生と中学1年生を対象として年間とおしたクラブとして運営している「フォレスタクラブ」に参加しました。午前中、真綿づくりや敷地内に復元されている古民家の「まゆの家」でのワークショップなどを行うということで、早朝に相模原を出発しての参加でした。

カイコにかぶりつきで見入る参加者の子どもたち。いいですね、夢中で観察する子どもたちの頭を見ていると、とても幸せな気持ちになります。

真綿づくりを、ボランティアのみなさんからマンツーマンでおそわります。愛情あふれるボランティアのみなさんの指導に、子どもたちも集中して取り組んでいます。

あっという間に、球繭を上手に広げられるようになっていました。

そして午後は私の出番です。まゆの家で、お座敷でのアットホームな講義は、生きものとしてのカイコの不思議やすばらしさ、かわいらしさ、そしてカイコのこれからの利用などについてお話ししました。

たまたま、カイコを自由研究の題材にしようと考えていて、今朝、この講座を知って飛び入り参加してくれた親子もいました。熱心に質問もしてくれて、とても密度の濃い時間となりました。

カイコという共通項をとおして地域を見ると、同じところ、似たところ、そしてまるで違う言葉の使い方などもあり、私もたいへん勉強になりました。

(生物担当学芸員 秋山)

 

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カイコ始まる

昨日、信州上田から届いた蚕種(カイコの卵)。早速、お約束していた3つの小学校へ配布して、残りは博物館で育てます。

予定では、月曜日にふ化がピークとなります。タネの状態を見ても、だいたいそのくらいかな、と思います。

これから一気にカイコのシーズン突入です。日々、成長していくカイコをこのブログでもお伝えしていくことになります。お楽しみに!

(生物担当学芸員 秋山)

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地質学講座3日目.厚木市七沢での野外観察

今週の地質学講座も先週に引き続き,厚木市七沢での野外観察です.
今日も野外観察日和でした.

まずは集合場所の七沢バス停で愛川層群と丹沢層群の境界となっている断層地形の観察です.
山の麓,我々が立っている場所は谷になっており,この谷は断層運動によりもろくなった岩石が削られてできたものです.

今回も丹沢山地をつくる凝灰岩の仲間を観察しました.

木陰の道を歩いて次の見学地点へと向かいます.

この林道沿いは玉ねぎ状風化が至る所で観察できます.
大小さまざまな玉ねぎ状風化の様子を観察しました.この写真はかなり大きなものです.

最後の観察地点は,七沢石の石切場.特別ゲストとして参加していただいた横浜市歴史博物館民俗担当学芸員の刈田さんより民俗学的観点から七沢石の利用について解説していただきました.刈田さん,どうもありがとうございました.この場を借りてお礼申し上げます.

この後,石切場で偶然見つけた沸石とういう小さな鉱物を観察しました.結晶は大きくても1mmくらいなので,野外では写真はうまく撮れませんでした.
下見をした時は2回ともこの地点では雨でした.そのため,よく観察できなかったので,気がつかなかったようです.やはり,野外に出かけると何回も行った場所でも行くたびに新たな発見があります.

(地質担当学芸員 河尻)

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オープン!トーク!観察会!

開館とともにオープンした2本立ての企画展示、朝から出足も好調です。

10時半を過ぎた頃から展示室内に人が多くなりはじめ、土曜日午前中としてはかなりの人出です。そう、11時からの松橋利光さんのギャラリートークを目指して来られたみなさんです!

11時にスタートしたトークは50人以上の方が参加してくださいました。松橋さんも熱が入ります。

地元相模原で初めての本格的な写真展に関心の高さがうかがえます。トークは、子どもの頃の生きものとのつきあいから、頭の中の企画を本にするまでのこと、生きものとの間合いのとり方など、興味深く楽しいお話をたくさん伺いました。最後まで聴いてくださったみなさまには、こんなプレゼントが!

相模原自然カードという5年ほど前の「スキスキ大好き!カエル展」で作成したカード6枚組!すべて、松橋さんの写真です。

12時ちょうどに終了し、「だいち2号」発射のパブリックビューイングに行かれる方、ミュージアムショップへ行って松橋さんの著書を買ってサインを求められる方、みなさん満足そうでした!

そして13時からは「博物館のまわりのミニ観察会」。いつもと違う時間での開催でしたが、熱心な参加者のみなさんとクワの木についている虫やニワゼキショウの果実、脱皮したばかりのアカスジキンカメムシなど観察しました。

写真の黒い方がアカスジキンカメムシの脱皮殻、薄い黄色い方が脱皮したての成虫です。

観察会の時はもっとうすくて柔らかそうな黄色でしたが、観察会終了後に写真を撮ったので、だいぶ模様が見えています。

慌ただしかったものの、どちらも熱心な参加者のみなさんと楽しい時間を過ごすことができました!松橋利光写真展「相模原の生きもの、見つけた!」は6月29日まで開催中です!

(生物担当学芸員 秋山)

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明日はギャラリートークあります!

いよいよ明日、松橋利光写真展「相模原の生きもの、見つけた!」と収蔵品展「蔵の中の世界2~市民の力で博物館資料へ~」がオープンします。今日はもう、微調整や可動壁の最終的な固定をして、館内のサインを整えました。

そして明日は、11時から松橋利光さんのギャラリ-トークが行われます。展示作品を前に、相模原で生まれ育って生きものに夢中の子ども時代のこと、撮影のヒミツ、本づくりへの思いなどを語っていただきます。ぜひご来場ください!

そして忘れてはいけないのは、明日はミニ観察会もあります!いつもと時間が異なり13時からです!こちらもぜひどうぞ!
(生物担当学芸員 秋山)

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ほぼ完成!写真展「相模原の生きもの、見つけた!」

たびたびお伝えしています今週末5/24スタートの松橋利光写真展「相模原の生きもの、見つけた!」は、作品の列品やライティングなども完了し、ほぼ完成の状態です。

じゃあ明日から開ければいいのに・・という声が聞こえてきそうですが、そうもいきません。これからキャプションや解説パネルの誤字脱字のチェックや室内清掃など、いくつかの作業が残っています。

今日も松橋さんご本人が来て、閲覧コーナーに著書を並べてくれました。

といっても、これはほんのほんのごく一部です。たくさんの著書の中から、最近のものを中心に選びました。

写真展と同時開催の収蔵品展「蔵の中の世界2」もほぼ完成し、同じようにキャプションのチェックなどを進めています。あさってのオープンとなりますのであわせてご期待ください!

(生物担当学芸員 秋山)

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写真展の準備が大詰めです!

今週末の5月24日(土)から始まる松橋利光写真展「相模原の生きもの、見つけた!」の準備が大詰めです。今日のお昼までに展示する作品のプリントアウトとパネル化が完了し、あとは列品作業です。

がらんとした展示室ですが、まず、配列を考えながらパネルを仮置きします。そして、松橋さん自ら、壁に打ち付けてくれています。

いつも大事なところで助けてくれる友人たちも来て、一緒に列品。

ここは細かく切り抜かれた作品がたくさん・・、なんのコーナーでしょうか?

じつは、松橋さんのたくさんの著書を閲覧するコーナーです!お子さんたちがリラックスして本を見られるように雰囲気づくり。

あとは、コーナータイトルや細かいキャプション、そしてライティングで完成です。ようやくここまでこぎつけました。

そうそう、オープン初日の24日11時から、松橋さんのギャラリートークがあります!相模原に生まれてカメラマンになるまでのことや、生きものたちの表情をとらえる撮影のヒミツと裏話などを存分に語っていただきます。事前のお申し込み不要ですのでお気軽にご来場ください!

(生物担当学芸員 秋山)

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ふしぎなツバメの巣

ツバメの巣ときいて高級食材を使ったスープを思い出したら、とんでもない食通です。しかし、あのツバメはジャワアナツバメという岩礁などに巣をつくるアマツバメに近いなかまの鳥です。唾液を成分としたタンパク質の塊がその食材なので、私たちがふだん目にする軒先のツバメの巣とはまるで違うものです。あのツバメの巣をスープにしても・・・枯れ草の浮いた泥水にしかなりません。

そんな話はいいとして、今日は午後、環境情報センターの自然環境観察員制度によるツバメの巣分布調査に関連して、調査方法の実地講習がありました。場所は、博物館にも近いサーティーフォー相模原球場。なぜここかと言うと・・。

イワツバメの巣が間近で見られるからです。ツバメの巣はふだんから見慣れている方が多いので、今回はちょっと間違えやすいこちらの巣をしっかり見ていただこうということで、集団繁殖しているこの球場を訪れました。ツバメとのちがいは、天井にぴったりとくっついていることです。出入り口は穴状で1カ所です。

そして、管理者の許可を得て特別に球場内へ入れていただき、こちらの巣も観察。

ふしぎな巣です。巣の上側に鳥の羽根がいっぱいくっついています。じつはこれ、ヒメアマツバメの巣なのです。ツバメと名につくものの、分類上はツバメとはかけ離れていて、先ほどのジャワアナツバメに近い種類です。このヒメアマツバメが、イワツバメの巣を横どりして自分の巣にしてしまうのですが、その時、穴がぽっかり空いているのが嫌なのでしょう。穴をふさぐように自分の羽根をむしったりして、入り口に貼り付けます。入り口の穴が大きかったり、使い古しの巣で大きく崩れたりしていると、こんなふうに羽根をたくさん貼り付けることになります。ヒメアマツバメは地面に下りないため、泥を持ち込むことができないのでしょう。それにしても、こんなに羽根をむしって丸裸にならないのか心配ですが・・。

そんなことを話ながら、観察員のみなさんと楽しく巣を観察しました。ちなみに、ヒメアマツバメの巣についている羽根をよく見てみると、違う種類の鳥の羽根も若干混じっています。空中をふわふわ飛んでいる羽根も採取しているのかもしれませんね。

(生物担当学芸員 秋山)

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今日の雲

>このところお天気がよくて、しかもさわやかに晴れ上がる日が多いですね。毎日、今日はどんな雲が出ているかな?と空を見上げています。今朝は、一番高い空にできる巻雲の中で、肋骨雲とも鈎状雲ともつかないような雲が出ていました。

専門家ではないので、無理に分類しません。でも、なんだか気持ちいい。

お昼頃、絵に描いたような積雲の並雲がぽこぽこと浮かんでいました。これも扁平雲とするべきなのかよくわからないのですが、まあよしとします。

いろいろと好きな雲はあるのですが、ごくごく普通に見られるこうした並雲や扁平雲がやっぱり好きです。

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地質学講座2日目.厚木市七沢での野外観察

今日は地質学講座の2日目.厚木市七沢で野外観察を行いました.

天気に恵まれ,野外観察日和でした.新緑もきれいです.

まずは集合場所にあった石のベンチの観察からスタート.丹沢山地の凝灰岩を使ったベンチで,岩石を構成している粒子の様子がよく観察できます.

途中,石造物の石材を観察しながら,露頭へ向かいました.

皆さん非常に熱心に観察していました.

弁天岩とその向かいにある露頭の観察です.

この後,玉ねぎ状風化を見学し,今日最後の見学地点,大釜弁財天に向かいました.

大釜弁財天では,ポットホール(甌穴:おうけつ)と凝灰岩を観察しました.上流の工事の影響で水が濁っていたため,ポットホールがわかりにくかったのが残念でした.

日当りの良い場所は暑いくらいでしたが,木陰は風がさわやかで涼しく,気持ちよく野外観察を行うことができました.

来週も野外観察なので,よい天気になってほしいです.

(地質担当学芸員 河尻)

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