写真展の準備が進んでいます!

来週末(5月24日)からスタートする松橋利光写真展「相模原の生きもの、見つけた!」の準備作業が急ピッチで進んでいます。今日は朝から松橋さんご本人と、いつも一緒に生きもの探しをしている仲間などが集まり、作業を手伝ってくれています。

その脇では、ミニ展示「究極のカブト・クワガタ」の中島波樹さんが、新聞社からの取材を受けています。

活気いっぱいの作業で次々と作品パネルができあがっていきます。

さてさて、どんな展示になるのか、担当者も楽しみです!

(生物担当学芸員 秋山)

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カイコの授業(大野台中央小3年生)

今日は午後、市内の大野台中央小学校3年生に向けて、カイコの授業をしてきました。昨年はやはり3年生が秋に育ててくれたのですが、今年はもっと条件のよい初夏に育ててくれるということで、私も張り切って授業をしてきました。

しっかりと集中して聴いてくれているのが、後ろ姿でわかりますね。生きもの好きの子が多いというのを事前に先生からうかがっていたのですが、ほんとうに好奇心の風圧を感じるほどでした。

お約束のカイコクイズ。眼はどれかな?という引っかけ問題にうまく引っかかってくれて、とても盛り上がりました。

そして、農業とは、命に責任を持つお仕事ですよ、という私が一番伝えたいことも、しっかりと受け止めてくれたようです。どんなふうに観察をして育ててくれるか、私も楽しみです。

(生物担当学芸員 秋山)

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ボランティア連絡調整会議(5月15日)

今日は午後からボランティア連絡調整会議を開催しました。

この会議は博物館を拠点に活動するボランティアグループのメンバーであればどなたでも参加できます。昨年から、この会議にはミニレクチャーがもれなくついてきます。今回は、天文担当の山田学芸員による「膨張する宇宙」というレクチャーです。

アインシュタインの一般相対性理論からビッグバン、最新の電波観測の成果であるコスモロジーの成果まで、スケールの大きな話題を約1時間にわたってレクチャーしてくれました。ボランティアさんという博物館の「内輪」へ向けて、一番得意な好きな話題を学芸員がお話しします。

その後、来週末からはじまる収蔵品展「蔵の中の世界2」の準備状況をチラ見。

蔵とその中の資料を所蔵されているご当主じきじきに解説をいただきました。

ちなみに、同時開催の松橋利光写真展「相模原の生きもの、見つけた!」は、この週末から本格的な展示準備を行います。

博物館のボランティアさんが「おいしい」時間を過ごしていただくための会議です。次回は7月です!

(生物担当学芸員 秋山)

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今日もケムシ

直前の記事が「楽園」の美しい写真なのでちょっと気がひけるのですが、またケムシの話題です。
昨日は博物館の前庭側での発見でしたが、今日は普段、人が行かない建物裏に「毛虫がいっぱいいる」と言われて、さっそく見に行きました。

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これです。
名前はキアシドクガ。

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サナギはこんな感じ。やはり蛹化するために木から移動してきたようです。
恐ろしげな名前ですが毒はありません。ミズキ、クマノミズキが食草です。
時々大発生して「不快害虫」として駆除されるそうです。

中庭には、また別のケムシがいました。

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マイマイガです。様々な植物を食べる広食性で、時々大量発生して森林に被害を与える「森林害虫」です。

どちらも害虫ですが、私は「不快害虫」という言葉が好きではありません。実害がなくても「不快である」という理由だけで駆除するという行為に、差別に通じるものを感じてしまうからです。最近、クモをターゲットにした殺虫剤なども売られているので、余計そう思うのかもしれません。
とはいったものの、次の写真は毛虫が嫌いな人には無理でしょうか?私はなかなかかっこよく撮れたと思うのですが…

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(学芸班 木村)

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楽園再訪

今日は、先月訪れた楽園の野みちを再訪しました。目的は、絶滅危惧植物の種子を採取することです。県内でも数カ所と考えられる貴重な自生地の一つですが、ひとたび人間の管理の手が離れれば絶えてしまいかねません。そこで、管理されているお宅の許可を得て、種子をいただきに行ったというわけです。その楽園には、ノアザミが咲き始めていました。

昨日のアメリカオニアザミと比べると、野草としての風格、気高さを感じます。必要以上のトゲもありません(完全なひいき目ですね)。

種子の採取を終えて、時間があったので、昨年見つけた、これまたとんでもない希少種の開花を確認に行きました。

着生ランの、カヤランです。ちょうどきれいに咲いていました。市内緑区でも、確実に見られる場所がほかに思い浮かびません。

ほかにも今日はギンランも見かけました。あまりに可憐な咲き姿に、ちょっとドキドキしてしまいました。

こちらは絶滅危惧種ではありませんが、林道を歩いていたらハンミョウが道案内をしてくれました。

なんて美しいんだろうと写真を撮っていたら、突然くるっとこちらを向きました。

あまりの顔の恐ろしさにちょっとびびってしまいました。

(生物担当学芸員 秋山)

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痛そうな(というよりホントに痛い)アザミ

一つ前の記事で、博物館でなぜか大発生したイモムシの痛そうな写真がアップされていますが、こちらは本当に痛い草です。でかい!直径70センチほどの株です。

ここ5年くらいの間に急激に分布を広げている外来植物、アメリカオニアザミです。数年前までは、相模原では国道沿いを中心に分布していましたが、今は全域で普通に見られます。とにかく、必要以上にトゲトゲ!

在来のノアザミやキツネアザミなどにも、もちろんトゲはあります。でも、ノアザミはそもそもこんな路傍に咲かないし、キツネアザミは時折植え込みなどでも見かけますが、上品でかわいらしく、むしろ歓迎すべき野草です。

ところがこのアメリカオニアザミは・・攻撃的とも言える頑丈で鋭いトゲだらけ。この中心から間もなくつぼみが立ち上がり、幅3センチほどの花を咲かせます。

花が咲くとその後には、風でどこまでも飛んでいけそうな綿毛をつけた種子が大量に・・。増えるわけですね。本当なら、春先のロゼット葉の時に抜けばまだトゲも柔らかいのでよいのですが、その段階で気付くのはちょっと難しいでしょう。

ここまで育ってしまったら、直接触らずに済むような大きな器具が無いと抜き取れません。抜き取っても、その後の処理が大変です。そのままビニル袋に入れても、あっという間に裂けて穴だらけになってしまいます。素手で触れば大怪我をします。なんともやっかいですね。

(生物担当学芸員 秋山)

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痛そうなケムシ

今日、博物館の正面入り口前や前庭になんとも毒々しい毛虫が大量発生。
これです。

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触ると痛そうですが、別に毒虫ではありません。ヒオドシチョウという、タテハの仲間の幼虫です。
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エノキなどを食草にするのですが、どうやらサナギになるために移動していたようで、外壁や窓枠に鈴なりになっています。

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それにしてもすごい形。

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幼虫もサナギもトゲトゲです。何もそこまでしなくても…と思いつつ自然の造形はすごいなあ、と、つい見とれてしまいます。(学芸班 木村)

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気になる白い花

今朝、相模川沿いの段丘崖で見かけたコバノタツナミソウです。この時期、淡い青紫色のかわいらしい花を咲かせます。

上の写真の株は生えている環境から自生のものに間違いありませんが、このところ、住宅地の庭先に真っ白な花のコバノタツナミソウが咲いているのをよく見かけます。

野外でもまれに白花のコバノタツナミソウは見られるのですが、これは明らかに園芸由来です。プランターや花壇ではなく、アスファルトの隙間からモサモサ生えていることもあります。おそらく、種子にエライオソームというアリの誘引物質がついていて、アリがご丁寧に種子を地面に運んでくれるタイプの分散をする植物なのでしょう。

野外に逃げ出した園芸植物でも、その地域の自生品に近縁種が無ければ問題ないのですが、この白花品の場合はほぼ同じ種類と言える自生品があります。そうなると、遺伝子の浸透という生物多様性の保全上、非常にやっかいな危機要因となってしまいます。

路傍で美しく咲いている白花品にはちょっと申し訳ないのですが、そんな憂鬱な気分を抱かずにはいられない花なのです。

(生物担当学芸員 秋山)

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地質学講座が始まりました

今年度の地質学講座が始まりました.

今年度のテーマは「厚木市七沢の地質」.丹沢山地をつくっている地層を観察し,丹沢山地の成り立ちについて学びます.
今日から5月31日までの毎土曜日,全4回です.

初日の今日と,最終日の31日は博物館での解説です.

参加された方々は皆さん熱心で質問もたくさん出ました.鋭い質問も多く,皆さんの探究心の強さを窺い知ることができました.事前に準備していても,すべての質問に100%満足の行く回答をできるわけではありません.やはり,日頃から精進しなければと,毎回講座を開催するたびに思います.

来週17日と再来週24日は厚木市七沢での野外観察です.
野外観察は雨でも実施するので,良い天気になってほしいです.

(地質担当学芸員 河尻)

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自然環境観察員制度 活動報告会

今日は午後から相模原市環境情報センターで自然環境観察員制度 第3回環境学習セミナーと、平成25年度活動報告会が行われました。

報告会に先立って、環境学習セミナーがあり、私は今年の全体調査テーマであるツバメの巣の分布調査に関連したお話をさせていただきました。

ツバメとはどんな鳥なのか、なぜ巣の分布調査を行うのか、その意義などをお話ししました。

続いて、平成25年度の活動報告会が行われ、全体調査の結果や、各分科会の調査結果が発表されました。

花ごよみ調査や野鳥のラインセンサス調査、河川生物、湧水調査など、多岐にわたる調査が10年以上にわたって続けられているこの制度は、相模原の自然の今をとらえる重要な位置づけを持ってきました。3巡目となるツバメの巣の分布調査の結果も楽しみです!

(生物担当学芸員 秋山)

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