生物多様性地域戦略へ向けて

今日は相模原市立環境情報センターで相模原市の生物多様性地域戦略の策定に向けたワークショップ「生物多様性を考える相模原会議」が行われました。

東京お台場の日本科学未来館からお二人の科学コミュニケーターがサポートに入ってくださり、相模原の環境について生物多様性の観点から考えるディスカッションを進めます。私も生物多様性をとりまく現状について、あるいは地域戦略を市民の立場からどのようにとらえ、活用すべきかなどお話しさせていただきました。
グループディスカッションでは、さまざまな世代のさまざまな立場の方が積極的に意見を出し合います。参加者のみなさんがそれぞれ抱く相模原の自然についての思いを語り合い、グループごとにそれをまとめていきます。

さらにその環境の価値や理由についてまとめ、発表していただきました。

グループごとにとても個性的な意見や発表が行われ、これぞまさに生物多様性!と感じられるすばらしい内容でした。
ディスカッションの合間に記念撮影。

みなさん、相模原の自然について改めていろいろな見方、思いがあるんだということに新鮮な驚きを感じられていたようです。私も、みなさんの相模原という地域への熱い思いに率直に感動しました。
こうしたイベントを通して、相模原の生物多様性地域戦略が市民の立場から形になっていくとよいと思います。
(生物担当学芸員 秋山)

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今年もテンナンショウ

今朝、通勤途中に博物館となりの樹林地を歩いていたら・・今年も出ました!ミミガタテンナンショウ。

さすがに例年よりちょっと遅めでしたが、しっかりと耳が張り出した仏焔苞が怪しさいっぱいに伸びています。仏焔苞とは、中心に見えるこん棒状の花を包むように伸びる葉(花弁ではありません)のことです。マムシグサのなかま特有のこの不思議な形の花を見ると、毎年のことながらなんだか嬉しくなります。
ほかにも、もうすぐ咲きそう!という花がいろいろ控えていて、これから次々と開花情報がアップできそうです!
(生物担当学芸員 秋山)

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河原の春

今日は休館日ですが、ちょっと相模川の河原へ行ってきました。来年度の自然環境観察員野鳥調査の調査地ロケハンを行うためです。それにしても、すばらしいお天気!相模川神沢河原です。

トビも気持ちよさそうに青空に輪を描いています。

野鳥は今、渡りのシーズンでもあり、早めに繁殖する鳥たちが神経質になわばりを主張している時期でもあります。なんだか河原全体がわさわさとしていました。そんな中でも、サイカチの古木がどっしりと存在感を示しています。

何気なく拾ったネムノキのさやには種子が残っています。まるで腎臓!

帰りに寄った相模川自然の村公園では、満開のカワヅザクラの蜜を吸いにヒヨドリがたくさん集まっていました。よくこんな姿勢で蜜を飲み込めますね!

文句なしの、春満開でした!
(生物担当学芸員 秋山)

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西天のオリオン

昨日の星空観望会のときに、オリオン座をはじめ、おおいぬ座、こいぬ座、おうし座、ぎょしゃ座、ふたご座と、西天に輝く冬の星座を撮影しました。

(※画像クリックで拡大します。)

☆星の名前入り

春分を過ぎ、春の草木も咲き始まりましたが、星空も春の装いへと移り変わってきています。
明るい1等星が7個(りゅうこつ座カノープスを含めると8個)に加えて、“夜中の明星”の木星と、とてもにぎやかな冬の星座が西天に、しし座、おとめ座、うしかい座など春を代表する星座が東天に、冬と春、両方の星座を楽しめるシーズンとなっています。
春がすみで、特に低い空が見えにくい条件ですが、4月上旬以降は火星が、5月中旬以降は土星も見ごろになってきますので、季節の移り変わりを星座を見上げて楽しんでみてください。

(天文担当 有本)

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博物館のまわりの開花情報(3/23)

3連休最終日、今日も快晴です。博物館のまわりや中庭でも、あまり目立っていませんが花が咲き始めています。
今満開なのが、ウグイスカグラです。

小さな花が下向きに咲くスイカズラ科の低木です。青空が似合いますね。
そして、駐車場のフェンス際にはオオアラセイトウ(別名ショカッサイ、アブラナ科)。ピークには日当たりを求めるようにフェンス際を薄紫の花が覆い尽くします。でも、まだ今は数株だけの開花です。

樹林内のタチツボスミレ(スミレ科)です。この花も林床を埋め尽くさんばかりに咲き乱れますが、まだ数株。しかも地面から1センチほどのところでようやく咲いています。

あと1週間もすると、見違えるような数の花が咲き出すことでしょう。またその都度、ご報告していきます。
(生物担当学芸員 秋山)

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春の植物とミニ観察会

今日のミニ観察会はなんだかとっても大勢のみなさんにご参加いただきました。というのも、ドラえもんの全天周映画を早めに来てチケットをゲット!さて上映時間まで何をして時間をつぶそう・・・ということでふらりとご参加いただいた方が多かったようです。そういう時、私たちはやる気が倍増します。ふらりと来られた方に自然への関心を高めてもらうのが、この観察会の目的なのです!
さて、最初にミニ展示でロゼットの説明をしました。

野外に出て、前庭のつくしを見ていただき、続いてお隣の樹林地へ。ここではハルジオンのロゼットや、だいぶ咲き始めたカントウタンポポを観察。

そして、あと1週間ほどで咲くフデリンドウをご紹介しました。最後に、ミズキの冬芽をみんなでむいてみます。何が出るかな?

美しい白毛に包まれた葉っぱの赤ちゃんを観察しました。帰りがけ、切ったミズキの枝先からぽたぽたと水滴がしたたっているのも観察しました。まさしく水木!

たまたま待ち時間に参加した小学校4年生の3人組、とても熱心で、この後もいろいろと植物で遊んでいってくれました。「もともと植物が好きなの?」とたずねると「今好きになった!」
涙が出るほど嬉しかったです!
(生物担当学芸員 秋山)

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ミニ観察会やります!

今日は毎月第4土曜日恒例のミニ観察会を実施します。すばらしい快晴の下で、早春の植物を観察しませんか?
早春の植物と言っても、花ばかりではありません。昨日から、相模原の遺跡展の入り口横でひっそり始まったミニ展示「ロゼット葉で見分けよう!クイズ」にちなんで、野外でロゼット葉の観察もします。

そして、出たばかりのツクシ(スギナ)、咲き始めたカントウタンポポ、タネツケバナ、オオアラセイトウ、タチツボスミレなどの花を片っ端から観察したいと思います!春分を過ぎてアクセルがかかりはじめた春に乗り遅れないようにしなくちゃ!
ミニ観察会は本日12時から約30分間の予定です。
(生物担当学芸員 秋山)

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春にバンザイ!企画展も始まりました!

春の3連休初日の今日、博物館中庭のカザグルマのつるから、新しい芽が伸び出していました。対生(茎の同じ場所から複数の葉が出る葉のつき方)の新芽や萌芽しかけの冬芽って、なんだかバンザイしているみたいですね。

同じく中庭のガマズミの冬芽も、まもなくみずみずしい若葉を展開しそうです。

さがぽんもつぶやいていましたが、スギナのつくしんぼうも頭を持ち上げてきました。

そんな博物館ですが、今日から企画展「相模原の遺跡2014 境川流域の開発と暮らし」がオープンしました。開館早々から考古ファンの方々が観覧に訪れています。

そして、冬休みに大好評だった全天周映画「ドラえもん宇宙ふしぎ大探検2~太陽系のひみつ~」の特別上映期間も今日から。この3連休は1:30(第2回)と2:40(第3回)、一日二回の上映ですが、今日の1:30の回は早くも満席に近いお客様が観覧されました。3月25日以降の春休み期間は、一日一回(1:30)となります。
博物館も本格的な春シーズンを迎えています!
(生物担当学芸員 秋山)

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地質調査日誌3/19 三ッ峠山麓

3月19日、水曜日。曇り。

三ッ峠山の麓〜中腹へ礫岩の調査に出かけました.この礫岩は石老山をつくっている礫岩と同じようなものと考えられています。

日陰はまだこんなに雪が残っていました.

麓にはデイサイト質の凝灰岩が分布しています.

柄杓流川上流にかかる神鈴の滝です.約400mにわたって小さな滝が連続して何段も続きます.この地層は砂岩と泥岩が交互に重なってできたものです.ところどころ礫岩が挟まれています.滝にそって遊歩道が整備されています.

一番上に立派な滝があると思ったら,自然の滝ではなく堰堤でした.この堰堤は自然の岩石に似せて造られていました.

堰堤のすぐ下流では礫岩よく観察できます.礫が規則的に並ぶインブリケーションが見られます.写真の右から左(東から西)に向かって礫が運ばれたことがわかります.

礫岩には貝の化石も含まれていました.

10時頃は日も射しており,暖かかったのですが,次第に雲が厚くなり,気温もどんどん下がってきました.春の日差しが恋しい一日でした.

(地質担当学芸員 河尻)

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企画展準備真っ盛り!

明日、3月21日(金)からスタートする企画展「相模原市の遺跡2014~境川流域の開発と暮らし」、いよいよ準備もラストスパートです。

ボランティアの皆さんや文化財保護課の職員もやってきて、準備作業。

しかし、今回は(も?)展示する遺物が多いですね。本当に会期に間に合うかちょっと心配になる量。でも、きっと迫力ある展示になると思いますので、どうぞご期待ください。
ところで…

こちらは相模原縄文研究会の皆さん。企画展準備の頼もしい助っ人です。
同じ部屋で振り返ると…

「福の会」の皆さんです。
そう、5月24日(土)から始まる収蔵品展「蔵の中の世界2」の準備が、既に始まっているのです。
こうしてみると、ボランティアの皆さんの活躍が本当に博物館の一部になってきたな、としみじみ感じました。こちらの展示も、期待しましょう!(学芸班 木村)

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