ウグイス初鳴き

今日は早朝から、定期的に行っている谷戸の鳥類調査に行ってきました。気温は0度を若干上回っていましたが、谷戸の日陰はまだ霜の花が咲いていました。

寒いぶん、田んぼに映る青空は澄んでいてとてもきれい。

近くの川ではコサギが小魚を追いかけ回してぱくぱくと食べていました。

段丘崖を上がって日当たりの良い場所へ出ると・・、もうニワトコが芽吹いていました。

バンザイをしているような花芽と葉芽の組み合わせを見ていると、意味もなくワクワクしてきます。そんな写真を撮っていたら、下の方のヤブから「ケクキョッ」。

ウグイスの初鳴きをきいてしまいました!!まだ「ホー、ホケキョ」とは鳴けずに下手っぴでしたが、まぎれもなくさえずりです。春を発見!

日だまりではとっくにホトケノザやオオイヌノフグリも咲いていました。ついこの間まで雪の下だったろうに、たくましいですね。春はもう手の届くところまで来ています。

(生物担当学芸員 秋山)

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大きな成果!カザグルマのシンポジウム

今日午後、大会議室で行われたミニシンポジウム「絶滅危惧種カザグルマの保全に向けて」のようすをご報告します。

昨年設立された相模原のカザグルマを守る会会長で、今日のパネラーのお一人でもある西さんが、春の花であるカザグルマをなんと鉢で咲かせて持ってきてくださいました。

シンポジウムに来られた方もきっと驚かれたはずです。花芽形成のタイミングや春の平均気温を調べ、その温度に近い場所に鉢を置いて管理して今日のシンポジウムに合わせて咲かせたとのこと、お見事です。会場の鉢を囲んで質問攻めの西さんでした。

さて、シンポジウムはカザグルマ研究の第一人者である飯島眞さんの基調講演から始まりました。各地の自生地の現状から「気むずかしい自生種のカザグルマ」の保全の難しさを実感し、同時に、たくさんの写真から、多様で変化に富んだ花の美しさを堪能できました。

その後の事例報告では、西さんによる市内自生地の現状と保全の課題、県立中央農業高校草花部からは系統保存に不可欠な組織培養の研究成果と保全計画の検討、陣ヶ下自然愛好会の角南会長からは、横浜市の帷子川沿いにある県内最大の自生地の現状について報告がありました。

地域の自然を愛し、根気よく保全を進められているみなさんの活動に頭が下がり、高校生の清々しくも科学的にハイレベルな発表に希望の光を見ました。そして、締めくくりの総合討論では、パネラー、講師のみなさんと会場との質疑応答に。

そこで思わぬ大成果がありました。市内のある自生地は、株数が非常に少なく、ヤブに飲み込まれてしまいそうな状況で、消滅が最も危惧されている場所です。地主さんのご理解とご協力を得ようといくつかのルートから探していたのですが、行き当たらず困っていました。なんと今日、会場に地主さんのご親戚の方が来られていたのです。その方自ら発言してくださり、地主さんが市外におられること、自生株をご自宅でも育てておられることなど伺い、今後もご協力いただけることになりました。なんという成果!

このシンポジウムは、県内自生地の現状について情報交換し、市民のみなさんにカザグルマをもっと知っていただこうと考えて企画しました。そして、これをきっかけにさらに情報が集まってくれば・・と期待はしていたのですが。こんなに即座に、というか、その場で大成果があがるとは関係者一同驚嘆しました。

相模原、そして神奈川のカザグルマの将来は明るいかな、と思える幸せな時間となりました。お集まりいただいたみなさま、大変ありがとうございました。

(生物担当学芸員 秋山)

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地質調査日誌2/22 渋沢丘陵

2月22日、土曜日。晴れ。

今日は相模原地質研究会の皆さんと一緒に秦野市の渋沢鉱山跡と震生湖へ調査に出かけました。渋沢鉱山は昭和10〜20年頃に石膏を採掘してました。震生湖は大正時代の関東大震災の時の崖崩れにより川が塞き止められてできました。

渋沢鉱山跡にはこのような坑口が3箇所ほど残っています。

坑口付近は石英の多い白っぽい岩石で、写真では小さすぎて見えませんが小さな黄鉄鉱の結晶をたくさん含んでいます。

震生湖へ向かう途中、渋沢丘陵からは秦野盆地と丹沢山地がきれいに見えました。

梅の花が咲いていました。風も冷たく、まだまだ寒い日が続いていますが、春は近づいています。

「震生湖」のバス停近くにあった関東大震災で亡くなられた方の供養塔です。

川が塞き止められてできたが震生湖ですが、谷地形は残っているものの水は流れていません。湖に流れ込む川はありません。

写真中央の石組のあたりで川が塞き止められました。今は駐車場になっています。

調査のために寺田寅彦も震生湖を訪れています。そのとき詠んだ句が句碑になっています。

秦野駅周辺には湧水がたくさんあるのですが、時間が無くて訪れることができませんでした。いずれ訪れてみたいです。

(地質担当学芸員 河尻)

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ミニ観察会 今回は館内で

今日は毎月第4土曜日恒例のミニ観察会です。

ただし、先週の大雪がまだたっぷり地面に残っているので、今回は館内で顕微鏡観察をしました。いつもと違う風景・・。

それでもプラネタリウムに来ていた子ども会のみなさんが熱心に観察してくれました。

観察したのは・・まもなく私たちの目や鼻を悩ませるこんなモノ。

スギ花粉です。大きさ約30ミクロン。リンゴのへたのような突起があるのが目印です。「これが原因か!」と恨めしそうに見つめる人も。スギ花粉だけではつまらないので、今、まさに花真っ盛りのツバキの花粉も。

大きい!50ミクロン以上あります。

やっぱりメジロやヒヨドリなど、鳥に運んでもらう花粉だからでしょうか。そして、花粉症の原因と誤解されやすい、セイタカアワダチソウ。

意外と小さいですね。でもセイタカアワダチソウは、黄色い花弁を持つ虫媒花。やや粘着性があって風で花粉は飛びませんから、花粉症の原因にはなりません。観察されている方に“えん罪なんですよ”と説明すると、意外そうな顔をされていました。

それよりも、ちょっと驚いたことがあります。観察会終了後に、せっかくなので花粉の写真を撮ろうと画面を動かしていたら・・

なんと、花粉管を伸ばしてる花粉を見つけました。ちなみにこの花粉は、数年前に採集された乾燥標本からとったものです。プレパラートを作るために水滴をたらしただけなのですが、それが刺激で花粉管が発芽したようです。恐るべき生命力!

外来植物の強さの秘訣を垣間見たような気がしました。ちなみに同じ頃、カバーグラスを封入しなかったので、スギは乾燥と共にほとんどの花粉がパカンと弾けて割れてしまっていました。

(生物担当学芸員 秋山)

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インターン3日目&身近な自然探索

午前中は植物標本の作製ということで、マウントを作業をしました!

植物標本は壊れやすいので、時間を掛けて丁寧に作業を進めました。
半田ごてを使って植物を台紙に固定していく作業を長時間行ったので、指先が筋肉痛になりました(笑)
でも、時間を掛けたからこそ、完成したときはとても嬉しかったです(*^_^*)
午後は博物館周辺の自然を観察しました。

雪もだいぶ溶けてきて、アジサイの芽もだんだん大きくなってきました!

春はもうすぐですね(^^)
ですが、春の植物はまだ見あたりませんでした。
しかし、鳥が秋から冬のエサとして食べる、ヒサカキ、ヤブランの実がたくさんなっていました!

不思議なことにマンリョウの実はすべて食べられていました。おいしいってことなのかなぁ?

鈴木さんが実際に味見してみたところ・・・
ヤブランは少し甘く、ヒサカキは苦かったそうです(笑)
遠くの方では鳥たちが地面をつついて何かを食べているようです。

鳥がいなくなった後、地面を探ってみましたが、何も見あたりませんでした。

いったい、何を食べていたのか気になります(・_・?)
(桜美林大学 牧・鈴木)

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インターンシップ2日目

今日は職業体験で来た中学生と一緒に植物標本の整理をしました!

中学生は初々しかったなぁ(笑)
みんなで分担して作業を行ったので予想よりも早く終わりました。

それにしてもキク科とイネ科の標本多かったなぁ(^^;)
事前に標本を科ごとに分けていたので、収蔵庫ではスムーズな作業が行えました。
でも、収蔵庫での作業はまだ終わっていません。明日も頑張ります!

(桜美林大学 鈴木・牧)

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市民学芸員ミーティングの後は…

今日は市民学芸員の月例ミーティング。ひととおりの連絡事項等を済ませた後、時間があるので先月から始めた「分野担当者による展示解説」。

今回は地質担当学芸員が、常設展示の解説をしました。

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まずはマンモスの頭骨の前で。ここで地質年代のスケール感や考古学との違いなど、基本的なイメージを掴んで先へ…

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地形模型の前では、段丘と台地の解説。

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普段「よくわからない」と、素通りしがちな地層剥ぎ取り標本の前で。皆さん食いいるように説明を聞いています。あまりに反応が良いので、予定時間を少しオーバーして、1時間近い解説となりました。
実はこれでも地質のコーナー「台地の生い立ち」を半分説明できたかどうかです。門外漢である私にとっても「勉強になるな〜」という経験でしたが、コーナーが持つ潜在的な情報量の多さに、改めて気づかされました。それをどう見せるか、工夫次第で今までとは全く違う展示になる可能性があります。展示というのは本当に奥が深いと思います。

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展示解説の後は、メンバーが見つけた「トキ」の紙芝居の実演。「チャレンジ体験」の時に「朱鷺色」の話をしていた方ががいて、その関連です。いやー、本当に勉強熱心です。
ボランティアの皆さんからの要望で始めたミニ研修ですが、確かにモチベーションが高まり、知識の幅が広がる事が感じられました。これからも皆さんの熱意に負けないよう頑張らなくては、と思いました。(学芸班 木村)

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今日からインターンシップ

私たちは桜美林大学から来ました、牧と鈴木です!
今日から5日間インターンシップが始まります!
意気込みはバッチリでしたが、、朝一でネズミの標本作りを見学をして、ちょっと落ち込みました(笑)

午後は植物標本の再整理作業をしました!たくさんある資料の中から、目当てのものを見つけるのは大変でした。時間を忘れて作業に没頭していました(笑)

2日目もがんばります!

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ゆりかごは強し

9月26日のブログに掲載したクサグモの卵のう

先日の大雪にもかかわらず、残っています(葉をつづった中に卵のうがあります)。
しかし、周囲の葉はあらかた落ちてしまっているのに、なぜ?


実は、落ちないように糸で補強されていました。
そうでなければ生き残れないのでしょうが、いや、大したゆりかごだと思いました。(学芸班 木村)

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職業体験1日目(相模原中等教育学校)

今日から3日間、相模原中等教育学校中等部の生徒さん4名の職業体験が始まりました。午前中はプラネタリウムで小学校の学習投影対応、午後は植物標本のマウント(台紙貼り)作業です。いつものように、相模原植物調査会のみなさんがやさしく指導してくれます。

この体験の重要なところは、専門性の高いボラティアさんたちが地域博物館の活動を支えているのを実感してもらうことです。そして、実物の資料を扱う繊細な作業の体験。全員、かなり肩をこわばらせて作業していました。

明日、あさってと、引き続きさまざまな分野の仕事を体験する予定です。

(生物担当学芸員 秋山)

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