【明日10/21から!】令和5年度学習資料展「子どもの遊び いま・むかし」を開催します

当館のホームページやX(旧Twitter)等では少しずつお知らせしてきましたが、いよいよ明日10月21日(土)から、令和5年度学習資料展「子どもの遊び いま・むかし」を開催します。

子どもの遊び いま・むかし

当館では例年、収蔵資料を紹介しつつ、小中学生の皆さんの学習に役立てていただくために、学習資料展という企画展を開催しています。
この学習資料展は、当館の博物館ボランティア「市民学芸員」との協働によるもので、毎年テーマが異なります。本年のテーマは、展示タイトルにもあるとおり‟子どもの遊び”です。各世代の子どもたちが成長の過程で手に取ってきた昔懐かしいおもちゃから、現代の子どもたちも知っている遊びまで、幅広い世代にお楽しみいただける展示となっています。

博物館の屋外看板も学習資料展仕様に模様替え

特別展示室の中はどのようになっているのか…、展示の見どころも追って本ブログで紹介したいと思います。

また、10月22日(日)午前10時~午後3時は、学習資料展の関連イベントを実施します。学習資料展恒例の「ぶんぶんゴマ」作りと、ジオラマの中に入って記念撮影ができるイベントの2本立てです。詳細はこちらをご確認ください。
皆さまのご来館、心よりお待ちしております!

(歴史担当学芸員)

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フライングキャッチ!

前の記事で、10月18日に実施した植物調査の様子を紹介しました。その時、河原でエゾビタキを見ました。せわしなく飛んでは枝に戻り・・という行動をしていたので、よくよく見ると・・

エゾビタキ まわりに小さな昆虫がたくさん飛んでいるのが見えます

エゾビタキのまわりを、小さな羽虫がたくさん飛んでいます。これを飛びながらつかまえて食べていたのでした。

フライングキャッチ!

注意深く探すと、まわりに3羽以上のエゾビタキがいて、同じような飛び方をしていました。エゾビタキは北方で繁殖し、日本を中継地としてさらに南下して東南アジアなどで越冬します。まだまだこの先、長い旅が続きます。たくさん食べてエネルギーを蓄えてほしいですね。
(生物担当学芸員)

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秋の河原の植物調査

10月18日、相模原市緑区の相模川の河原や周辺の水田地帯で、博物館を拠点に活動するボランティアグループである相模原植物調査会のみなさんと植物調査を実施しました。地域植物相を把握する上で、この時期に確認すべき重要な植物を確認してまわりました。
まずは、カワラハハコです。

カワラハハコ

大きな河川中流部の河原特有の植物ですが、2019年の台風19号で大群落が流失して以降、なかなか群落が回復しません。わずかな株が残っているのですが、外来植物に負けそうでちょっと心配です。
こちらは少し離れた場所で確認したタコノアシです。以前、このブログで花を紹介したのですが、果実が実ると赤く染まり、ゆでだこのように見えます。

タコノアシ

こちらはホシクサです。かつては水田周辺にたくさんあったと考えられていますが、現在は限られた水田でしか見ることができません。

ホシクサ

希少な植物だけではなく、こんな植物も。特定外来生物のナガエツルノゲイトウです。

ナガエツルノゲイトウ(特定外来生物)

明らかに株数が増えており、要注意ですね。
さらに、植物調査をしていたらこんな昆虫も。マメハンミョウです。

マメハンミョウ

うっかり触れて怒らせると、皮膚に炎症を起こす液を分泌します。ちなみに、在来の生物です。

相模原植物調査会のみなさん

そんな観察も含めて、秋晴れの下で気持ちの良い調査となりました。
(生物担当学芸員)

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秋の花粉についての取材に対応

10月16日、相模川の河原でテレビの撮影クルーが収録をしていました。

カナムグラ群落の前で撮影

狙いはこちら。カナムグラです。在来のつる植物ですが、ちょっと困った一面があります。

カナムグラの花

それは、カナムグラが秋の花粉症を引き起こす原因植物の代表格だからです。今年は夏が長くて暑く、その時期に十分につるや葉を展開しました。そして、長すぎた真夏並みの気温で少し夏バテ気味かと思いきや、ここにきて雨と低温が開花を促したのか、一斉に、そして大量に花を咲かせています。

花粉を飛ばすカナムグラの花

スギほどもうもうと煙のように花粉を飛ばすわけではありませんが、身近な植物なだけに、影響は小さくありません。

花粉を飛ばすカナムグラの花

今回の取材結果は、日本テレビで10月16日夕方のニュース番組、「newsevery」と翌朝「Oha!4」の中で取り上げられました。
じつは市内の内科医院でも、今年は例年よりも秋の花粉症の症状を訴える人が多いとの話を伺いました。マスコミも注目していて、今回の取材も2回目、先週はNHKから取材を受けました(ニュースウオッチ9で放映)。オオブタクサやブタクサはすでに花期が過ぎましたが、今ちょうどカナムグラの開花のピークとなっています。花粉症の方はどうぞお気を付けください。
(生物担当学芸員)

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進む秋

二十四節季の寒露(かんろ)の10月8日を過ぎてから、突然秋がやってきた感があります。博物館のまわりの植物も、慌てて秋の装いをまとうかのように色合いを変えています。
ヌルデの葉が、渋い色合いになってきました。

ヌルデの葉 紅葉の準備も万端のようです

ひと足早く赤く色づくウルシの仲間なので、間もなく見事な紅葉を見せてくれるでしょう。
こちらはカラスノゴマです。先月「まぎらわしい植物名」として紹介した黄色い花が終わり、果実が実りました。

カラスノゴマの果実

ススキの穂がだいぶふわふわになってきましたが、中には花をつけているものもありました。

ススキの花

どこが花?と思われるかもしれませんが、穂から垂れ下がっているのは雄しべで、花びらこそありませんが、これがれっきとした花です。
こちらはフェンスに絡みついていたヤブマメ。秋空のような清々しい色合いです。

ヤブマメの花

雨と秋晴れが交互にやってくるので、植物の季節の進み方が加速しているように感じられます。見逃さないように注意深く秋の花を堪能したいですね。
(生物担当学芸員)

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星空と生演奏にうっとりした1時間でした。プラネタリウムオータムコンサート!

「宇宙を身近に感じられるまち さがみはら」で10月11日(水)16時15分から、市民会館とコラボしたオータムコンサートが行われました。昨年度に続き、2回目の開催となり、今年も大好評でした!

市民会館開催のランチタイムコンサートに出演された、林愛実さん(フルート)、櫻井音斗さん(パーカッション)、原礼以菜さん(電子ピアノ)が駆けつけてくださり、プラネタリウムで息の合った素晴らしい演奏を披露してくださいました。

素敵な生演奏と県内最大級・直径23mのプラネタリウムに映し出された満天の星や、曲のイメージに合わせた映像に酔いしれた会場の様子を紹介します。

あっという間に宇宙空間へ。宇宙での生演奏を堪能しました♪

当館名物、星空生解説!みんなで見上げましたね。

演奏は前半、後半に分かれており、間に星空生解説をはさみます。地上が明るいから見えないけれど、ほんとはもっとたくさん見られるそうです。写真はドームいっぱいに星座を一斉に示した場面。会場からは「お~!」というざわめきが聞こえました。

秋のメドレーを聴きながら・・

映像のどんぐりはなんと!当館で拾ったものをこのイベントのためにプラネタリウム操作スタッフが映像化してくれたそうです。ドームをくるくる回転してました。

国際宇宙ステーションからの眺め。最後の曲、瑠璃色の地球を聴きながら私たちの地球に思いを馳せ・・

鳴りやまない観客席からの拍手にアンコール曲を奏でてくださいました。会場の熱気は最高に。

お客さまの退場の際、お見送りをいただきました!!ありがとうございました🌟またお願いします。

星空の下で秋の音色の生演奏を堪能できました。あっという間の1時間でした。このコンサートはどなたでも鑑賞できるので、大人はもちろん未就学児のお子様のクラシックデビューにもおすすめです。10月から市内在住・在学の小・中学生は無料でプラネタリウムを鑑賞できるようになったことも影響してか、たくさんのこどもたちの姿もみられ、楽しい時間を過ごしてもらえたようでした。また来年もプラネタリウムコンサートが開催できますように・・!

(プラネタリウムイベント担当)

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考古分野も出張します!麻布大学いのちの博物館で出張ミニ展示

考古出張ミニ展示「コクゾウムシが教えてくれた!~縄文土器研究最前線~」

いのちの博物館エントランスにて展示しています。            生きたコクゾウムシもご覧いただけます。

7月~9月3日まで博物館で開催されていたミニ展示が、麻生大学いのちの博物館へ出張展示されています。現代人を悩ます米びつに潜むコクゾウムシの痕跡が、縄文土器から発見されました。コクゾウムシの生態からみえた当時の暮らしや思想と土器の新たな研究方法を紹介します。ぜひ、お立ち寄りください。

会期:11月30日(木)まで
午前10時~午後3時30分
(土・日・祝日ほか休館。詳しくは同館ホームページで)
会場:麻布大学いのちの博物館
料金:無料

入館:電話による事前予約制 ※入館希望日の3開館日までに同館へ
☎042-850-2520

展示(入り口側)

コクゾウムシの動画も見られます

 

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むかごの季節

博物館の駐車場に、ヤマノイモ(通称ヤマイモ)のつるが伸びています。

ヤマノイモのつる

よく見ると、つるの途中に黒いものが・・

むかご

これは「むかご」です。植物用語では、無性芽と言います。つまり、種子ではなく、クローンを増やす新しい芽で、これがぽろりと地面に落ちると、そこから根や芽が出て生長していきます。ヤマノイモのむかごは食用になり、これをご飯に混ぜて炊き、「むかごめし」が季節の風味として食べられてきました。
むかごには様々な形態があり、下の写真はコモチシダのむかごです。

コモチシダのむかご(明るい緑色の葉)

明るい緑色の葉がある時ぽろりと落ちて、そこから新しい植物体が成長します。コモチシダの名も、むかごに由来しています。昔から植物の性質をよく観察されていたことがわかりますね。
(生物担当学芸員)

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自然観察のヒント探し

10月7日、秋晴れの下、博物館前庭やお隣の樹林地で、自然観察学習会が行われました。これは、公益財団法人日本自然保護協会が主催する自然観察指導員の相模原連絡会「さがみはら緑の風」の新入会員を対象にした勉強会で、定期的に実施しています。この勉強会の受講者の中から、当館で行われる自然観察会のサポートスタッフになってくださる方が何名もいます。

身近だからこそ面白い自然観察実施中

今回のテーマは「得意な“定番”を持とう」です。「この季節なら、この場所なら、いつでもどこでも」という自分のお得意ネタを持っておけば、いつでもどこでも誰とでも自然観察会ができます。まずは、当館の「生きものミニサロン」などでも定番のプログラム、「落ち葉の色相環」です。

みなさんで力を合わせて落ち葉を並べます

みなさんで落ち葉を拾い、似た色同士が隣り合うように並べて環(わ)をつくります。

正確には「色相環」ではありませんが・・環にすることがミソです

その場で拾った落ち葉を並べただけで、こんなに美しい!
そんな身近な自然観察を中心に、みなさんでああでもない、こうでもないとディスカッションしながら歩きました。こんなアートな一瞬も。

木の葉に写った虫のシルエット

アカスジキンカメムシの幼虫でした。

同じ葉ではありませんが、近くでは至る所にいました!

カナヘビが日向ぼっこ。急に気温が低くなったので、少し体を温めてから動き出すのでしょう。こんな風景も秋を感じる一瞬です。

日向ぼっこ中のカナヘビ

駐車場では、樹木の状態に詳しい参加者から、洞(うろ)が広がってしまったミズキの状態を教えていただきました。

幹を叩くと、方向によって音の高さが異なりました

教える、教わる、という関係だけでなく、双方向のコミュニケーションで全員が学び楽しむ会となりました。
(生物担当学芸員)

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野鳥の世界も秋

相模原市内ではないのですが、10月5日に近接地域の緑地へ調査へ行っていたら、モズの高鳴き(秋のさえずり)が聞こえてきました。モズは主に肉食性なので、秋から冬も1羽ずつなわばりを持ち、食糧を確保します。声の方を見ると、ネムノキの枝上でなにやらくわえています。

カナヘビをくわえたモズ

くわえられていたのは、カナヘビでした。まだ抵抗して動いています。食べるわけではなく、枝におしつけるような動作を繰り返していましたが、そのうちモズはカナヘビをくわえたまま飛び去りました。

カナヘビをくわえたまま飛ぶモズ

しばらくして戻ってきたら、すでにカナヘビはいません。その前の動作から推測すると、おそらく食べたのではなく、どこか尖った枝などに串刺しにしてきたのでしょう。

戻ってきたモズ

モズは秋の後半から冬にかけてこうした行動をとり、「モズのはやにえ」と呼ばれています。貯食の意味もあると言われていますが、そのわりには、捕まえた虫やカエル、時にはメジロやモグラといったものまで、目立つ場所に堂々と刺してあります。おそらく、なわばりの誇示の意味もあるのでしょう。
残念ながら今回は「はやにえ」となった状態そのものは見つけられませんでしたが、これからの季節、モズのいる場所にはたいていありますから、また紹介したいと思います。
近くでは、エゾビタキがミズキの果実を食べていました。

ミズキの果実を食べるエゾビタキ

エゾビタキは北方で繁殖し、東南アジアなどで越冬するため、秋には日本各地の緑地や公園を通過します。ミズキが渡り途中の野鳥の栄養を支えていることがよくわかります。
ここ数日ですっかり秋めいてきました。野鳥の世界はすでに秋風が本格的に吹いています。
(生物担当学芸員)

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