霜柱は地面の下?

冬至も過ぎ、すっかり寒くなりました。
博物館のまわりの地面にも、朝、霜柱が立っています。
と、書くつもりで写真を撮ろうとしたのですが、あれ?見当たりません。
そして、なぜか霜柱が踏み荒らされた跡ばかりが見つかります。

それで改めてよーく探してみると、
実は、普通の地面に見えていたのは、霜柱に載って浮き上がった土でした。

ちょっと目には地面に見えるけれど…


踏むと霜柱が…

霜柱は、地表付近の土中の水分が凍り、その下の水分が吸い寄せられるように氷となって成長する現象です。そのため、氷柱の上に土が乗っています。
なるほど、その通りになっています。
朝からちょっぴり良い観察をしました。

ところで、霜柱って結構いろいろな形がある事に気づきました。

カール状とか…


こんなもじゃもじゃしたのとか…


ひょろひょろしたの…


アップにすると、滝のよう…

なんでこんな形に、という疑問もさることながら、見ていると楽しいですね。

寒いのは苦手なのに、つい夢中になって写真を撮ってしまいました。(学芸班 木村)

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ワークショップ「砂を顕微鏡で見てみよう」

本日はワークショップ「砂を顕微鏡で見てみよう」を開催しました。
博物館のボランティアグループ「相模原地質研究会」と「相模原青陵高校地球惑星科学部」の皆さんにご協力いただきました。

日本各地の砂や海外の砂を20種類、顕微鏡で観察していただきました。子供さんだけでなく、大人の方も、熱心に観察していました。

希望された方は、実物の砂入りのカードを作ることもできました。

砂カードは3種類の中から一つを選んで作ります。そのうちの一つはこんな感じです。

今回、見ていただいたのは特別な砂ではありません。砂漠の砂もありましたが、その他は普通に川や海岸で見られる砂です。顕微鏡を覗くとゴツゴツした粒やキラキラ光るもの、なかには、生物の破片が見られる場合もあります。また、一口に砂といっても場所によって全然違います。今まであまり見ることのなかった砂の世界の美しさや多様性を知っていただくことができました。多くの方に楽しんでいただけたようです。

(地質担当学芸員 河尻)

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今年さいごの「チャレンジ体験」。そして「砂を顕微鏡で見てみよう」

今日も博物館では「学習資料展」の会場で昔の遊びや道具の使い方を体験する「チャレンジ体験」コーナーが開催されています。指導役は黄色い上着ですっかりおなじみになってきた「市民学芸員」の皆さんです。

盛況すぎて、テーブルの上が見えません。
昨年から始まった紙芝居の上演も大好評です!

今日の子ども達たちは食いつきがいい!たくさんリアクションしてくれました。
今日12月22日(日)のチャレンジ体験コーナーは、閉館時刻の午後5時まで開催します。ぜひおいてください!
今日これなかった人は来年2月まで、月2回開催しているので、その機会にどうぞ。
http://www.remus.dti.ne.jp/~sagami/30-02tenjiannai-tokubetu.htm#challenge

今日は、2階の実習実験室でもワークショップ「砂を顕微鏡で見てみよう」を開催中です。

「わー、きれい」と歓声があがります。砂ってきれいなんですね。

こちらは「相模原地質研究会」「相模原青陵高校地球惑星科学部」の皆さんが指導役で活躍中です!
直接会場へ来れば観察できますので、どうぞ、いらしてください。16時までの開催です。

(学芸班 木村)

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モグラのトンネルにビックリ!ミニ観察会

朝、予告したとおり、今日のミニ観察会は「天体観測テラスから見た丹沢の眺望」と、「モグラのトンネル観察」の二本立てでした。まずは、屋上の天体観測テラスへ上がり、晴れ渡った景色と丹沢の眺望を満喫しました。

望遠鏡を持って行ったので、丹沢最高峰で県内最高峰でもある蛭ヶ岳(1672.7m)を覗いてみると・・。山頂の山小屋、蛭ヶ岳山荘がかすかに見えます。参加されたみなさんのほとんどが、県内最高峰の蛭ヶ岳が相模原市に含まれるということをご存じありませんでした。これだけでも、観察会をやったかいがあります。

さて、続いてお隣の樹林地へ移動。じつは、今回は珍しく午前中のうちに、「仕込み」をしておきました。モグラのトンネルに、発泡ウレタンフォームを注入しておいたのです。

はやる気持ちを抑えながら、まずは基本なので、モグラ塚をふつうにどかして、穴を探り当ててもらいます。上手に穴を見つけてくれました。

そしていよいよ、注入した発泡ウレタンを掘り出します。みなさんにシャベルと軍手をお渡しして、掘っていただきます。

まずは小さい方のトンネルから上手に掘り出されました。こうして見ると、モグラの体の大きさを実感できます。

ちょっと時間をオーバーしましたが、立派なトンネルの「型」が掘り出されました。こんなにしっかりトンネルを掘っているんだ!足下に、野生動物のこんな「生活」があるということに驚きの声があがりました。

力仕事になりましたが、とても盛り上がりました。ご参加いただいたみなさま、ありがとうございました。

(生物担当学芸員 秋山)

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今日のミニ観察会は・・ちょっと大きい?

今日は「博物館のまわりのミニ観察会」を実施します!通常、第4土曜日が実施日なのですが、来週土曜日は博物館がもう年末年始休に入ってしまうため、1週早く、今日実施します。今朝、出勤途中にお隣の樹林地を通ったら・・。

モグラ塚に、すばらしい色合いの霜が降りていました。

そして、空は快晴。天体観測テラスへ出てみると・・・。

丹沢に積雪、光り輝くスカイライン。すばらしい眺めです。今日はこの二つを素材に使うことに決定!いつもよりちょっと大きく移動して、大きな視点で観察します。

モグラ塚は、いつもとちょっと違う観察方法にチャレンジします。見えないトンネルを形にする!?

丹沢の眺望の方は、雲がかからないことを祈るばかり。でも、たまには「ミニ観察会」で観測テラスを使ってみるのもいいかもしれません。丹沢が見通せるかどうかは運次第ですが、望遠鏡を持って行って、眺めを楽しみたいと思います。

ミニ観察会は本日12時~12時30分お申し込み不要です。お気軽にご参加ください。

(生物担当学芸員 秋山)

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地質調査日誌12/20 厚木市七沢

12月20日、金曜日。曇りのち雨。

今日は相模原地質研究会のメンバーと一緒に厚木市七沢にある鐘ヶ嶽の山腹へ調査に出かけました.

広沢寺温泉入口バス停から少し歩いたところに,この辺りでみられる石で造ったベンチ?のようなものがありました.上面は磨いてあるので,断面の様子が観察できます.

写真中央の谷のあたりを牧馬-煤ヶ谷構造線と呼ばれる地質境界の大きな断層が通っています.

今日調査した林道には凝灰岩のタマネギ状風化がたくさん見られました.写真は特に大きかったものです.大小さまざまな大きさのタマネギ状風化が見られました.

石切り場の跡もありました.ここでは凝灰岩のなかまを切り出していました.「七沢石」と呼ばれている石材です.

切り出した時の跡が残っている石もありました.

動物の頭骨も落ちていました.

お昼頃は雲も少なくなり,日差しも暖かかったのですが,天気が急変し,石切り場の調査中にはあられが降り出しました.その後,雨に変わり,激しく降り出したので調査を中止して帰路につきました.途中,雪に変わりましたが,麓の県道まで降りてくると雨になりました.ある程度の標高以上は雪が降ったようです.

(地質担当学芸員 河尻)

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相模原の自然をみつめて

今日は午後、相模原市環境情報センターで自然環境観察員制度まとめ誌「相模原の自然をみつめて」の刊行記念式が行われました。博物館も平成13年度の制度立ち上げから深く関わってきたため、式典に参加させていただきました。写真は調査員を代表して、初年度から登録して活動されてきた方の中から7人のみなさんへ、記念誌が手渡されているところです。

この制度についてはブログページの中ではとても書き切れませんので割愛しますが、1点だけ。行政が主体となった市民参加型の自然調査が、10年以上継続している例というのは非常に珍しいことです。これは環境情報センターという拠点の存在が大きく、運営にあたられているみなさんと、登録して実際の調査にあたられているたくさんの市民のみなさんの熱意に心からの敬意を表します。

さて、記念式に引き続き、恒例の活動報告会も行われました。昨年度行われた全体調査と植物、野鳥、河川生物、湧水の各分科会からの充実した報告がありました。

続いて交流会も行われ、アトラクションでは観察員制度のカルトクイズなどで大いに盛り上がったあと、サプライズ企画でスタッフによるハンドベルの演奏も!

日常業務に加えてまとめ誌の編集やこの会の準備に忙殺されたであろう中、いったいいつ練習したのでしょう?すてきなクリスマスソングの演奏がみなさんにプレゼントされました。

若い力と感性に支えられ、たくさんの方が楽しく精力的に調査に携わるこの制度は、相模原市が誇れる大切な宝です。これからもこの調査活動に関わっていきたいと強く感じました。

なお、刊行されたこの記念誌は環境情報センターで購入できます。詳しくは環境情報センターのE-mail アドレス

kankyo@eic-sagamihara.jp

へお問い合わせください。

(生物担当学芸員 秋山)

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仮はく製づくり

今日は朝からバックヤードの洗浄乾燥室という部屋で、なにやら怪しげな集団が頭をつきあわせて鳥や獣の遺体を切り刻んでいます・・。

というのは言い方がよくありませんね。じつはこれ、資料保存のための大切な仕事の一つです。博物館では事故などで拾われた鳥獣の遺体が、冷凍庫に収められています。あるものは展示に使用するため、業者さんへお願いして本はく製にするのですが、ほとんどは仮はく製という処理をして、収蔵庫へ収めます。今日はその作業を洗浄乾燥室で行っていたというわけです。

経験豊富な市民の方に作業していただいたのですが、せっかくの作業なので、試験休み中の近所の生きもの好き高校生が見学に来ました。

これは、アカネズミのフラットスキンという標本形態です。採集データや計測値がしっかりと残されていれば、こうした形は収蔵スペースもとらず、学術的価値も非常に高い標本となります。

午後からは、光明学園相模原高校理科研究部の顧問の先生も来られて、一緒に実習です。高校生たちも、先生とは学校が違いますが、同じ生きもの好き同士、消化管内容物などを出して興味深そうにあれやこれやと議論しながら観察しました。

はっきり言って、地味な汚れ仕事ですが、こうした作業の積み重ねが、地域の動物相を後生に残していくための重要なステップとなります。技術を若い人たちに継承しつつ、地道に作業を続けていきたいと思っています。

(生物担当学芸員 秋山)

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船の上から

今日は休館日でしたが、宮ヶ瀬湖で定期的に行われている水鳥の調査へ参加してきました。船を出していただき、宮ヶ瀬湖内の水鳥や猛禽類のカウントを行います。

湖面の風をもろに受けるので、防寒対策ばっちりで双眼鏡とカウンター使いこなしながら、舞い上がる水鳥をかぞえます。

よく、船の上で双眼鏡なんてのぞじて酔わないの?ときかれますが、酔ったことがありません。ダム湖は波が高くなく(高い日は調査をしません)、たえず吹きっさらしで、しかも集中力が要求される調査なので、酔っているヒマがないのです。

途中、こんな鳥も出現するので、楽しくて酔っている場合じゃない、ということになります。魚を専門に食べるミサゴいう猛禽類です。

お昼休憩で上陸したときには、湖畔の鳥も調査します。ガマの穂がバクハツしてました。

今年の冬はオオバンという鳥がとても多いようです。輝く湖面に何十羽ものオオバンが忙しく動き回っていました。

気温は低いものの、穏やかでとても気持ちの良い調査でした。ちなみに、宮ヶ瀬湖は今、オシドリがたっくさんいます!

(生物担当学芸員 秋山)

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サネカズラの赤い果実

先日調査に行った小倉山で、登山道沿いに真っ赤な宝石がぶら下がっていました。

サネカズラの果実です。

別名ビナンカズラ。マツブサ科の、どこにでもある木性つる植物ですが、この時期の赤い実はやっぱり目立つし、透明感があってきれいです。

大人向けの自然観察会ならこんなうたをご紹介すればうけるかもしれません。

名にし負はば逢坂山のさねかづら人に知られでくるよしもがな(百人一首 藤原定方)

でも私はこの分野はからきし弱くて足が出るし、なにより似合わないのでやりません。

それにしても、登山道の脇で目に付く場所です。よく鳥にも獣たちにも食べられずに残っていたものです。じつはあまり美味しくなかったりして・・。

(生物担当学芸員 秋山)

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