博物館お隣の樹林地は、今、紅葉のまっさかり。冬の足音に追われるかのように色付いた葉が次々と地面に落ちていきます。
晴れた朝は、とりわけ美しい色合いを楽しめます。
紅葉だけではありません。よくよく林内を見てみると、こんな強烈な色も自己主張しています。
クサギの果実です。星形に展開した萼の赤を背景に、黒紫色に熟した果実がひときわ目立ちます。
晩秋の森は、やっぱり賑やかで楽しい色があふれています。
(生物担当学芸員 秋山)
博物館お隣の樹林地は、今、紅葉のまっさかり。冬の足音に追われるかのように色付いた葉が次々と地面に落ちていきます。
晴れた朝は、とりわけ美しい色合いを楽しめます。
紅葉だけではありません。よくよく林内を見てみると、こんな強烈な色も自己主張しています。
クサギの果実です。星形に展開した萼の赤を背景に、黒紫色に熟した果実がひときわ目立ちます。
晩秋の森は、やっぱり賑やかで楽しい色があふれています。
(生物担当学芸員 秋山)
この3日ほど、博物館お隣の樹林地で、野鳥に足環をつける調査を行いました。
これは鳥類標識調査として環境省と(財)山階鳥類研究所が主体となって行っているもので、野鳥の分布や移動を調べるほか、なかなかデータのとりにくい外部計測値や形態に関する知見などさまざまな情報が得られる大規模で長期的な調査です。こんな足環を付けます。
しかし、足環をつけるからには、野鳥をつかまえなくてはいけません。また、直接野鳥を取り扱うわけですから、高度な専門知識と技術が必要です。その標識調査者の資格を持つ人と博物館が協同で調査を行ったわけです。カスミ網でつかまえた野鳥に手早く足環をつけ、さまざまな計測などをしてすぐに放鳥するのですが、野鳥が健康で元気なら、記録用の写真も撮影します。記録用と言いながら、エナガを捕獲したときは、そのかわいらしさに圧倒されました。
また、コゲラという小型のキツツキのオスは、ふだん間近で見ることができない、頭部の赤い模様の鮮やかさに驚かされました。
日の出前から日の入りまで、なかなかハードな調査でしたが、調査をしながらいろいろなことを学ぶことができました。
※カスミ網は、一般には販売や所持などが禁止されています。こうした調査に限って使用が認められ、調査者へ貸与されているものです。
(生物担当学芸員 秋山)
もったいぶったタイトルですが、博物館の展示室は、もちろん毎日、職員が開け閉めしています。
この時間、お客さんは誰もいません。
特に閉館作業の時、1人でシャッターを閉め、照明を消していると、ちょっと不思議な気持ちになります。
今日はその雰囲気をちょっとおすそ分けします。
学習資料展の会場の、蛍光灯を消したところ。スポットライトと展示ケースの照明だけになると、なんとも静謐な空間です。
こちらは常設展示室の照明を消したところ。写っているのはマンモスの頭骨。照明が当たっていないのに、ものすごく存在感があります。
照明を落とすと、様々な雰囲気がうまれます。情報を伝えるには照明が明るい方が良いのですが、雰囲気と呼んでいるものの中にも、大切な情報があるのかもしれないな、とふと思いました。こういうヒントが、何かにつながっていけば良いと思います。(学芸班 木村)
今日は曇りがちだった朝から、日が昇るにつれて気持ちの良い青空が広がりました。すると、頭の上に、ひさしぶりに見る肋骨雲が。飛行機雲が上空の強い風で流されたのかな。
昨日から、博物館近くの樹林で野鳥の調査を行っています。そのようすはまた後日お伝えしますが、森の中は秋のラストスパート。黄葉や紅葉の饗宴。風や青空が劇的な演出を加えます。
ひさしぶりに野外調査に明け暮れることができて、とても気持ちの良い晩秋の一日でした。
(生物担当学芸員 秋山)
先日、通勤途中の道ばたで見つけたタンポポ。こんな時期に咲いていることから、雑種を疑いました。でも今日、花粉を採ってきて生物顕微鏡で見ると・・
なんと、花粉は同じくらいの大きさの粒ぞろい。プレパラートをあちこち動かしてひととおり見ましたが、すべてこのような同じ大きさでした。形がちょっと違って見えるのは、向きの違いです。粒ぞろいなのは、正常な減数分裂が行われる在来の二倍体の証拠です。
従って、このタンポポはカントウタンポポということになります。まあ、秋にも少数の株が花をつけることはよく知られているのですが、こんな路傍でしかも11月下旬ということで、てっきり外来種との雑種だと思ってしまいました。状況だけ見て判断してはいけませんね。逆に、個体を見ただけで状況や環境を見ずに判断しても間違えることがありますから、生きものの識別は奥深いですね。
(生物担当学芸員 秋山)
先週のお話しですが、ドイツ団とめぐった中部地方のようすです。
11月21日は、前日のうちに移動した岐阜、美濃加茂市民ミュージアムを訪問しました。
ここは、昨年一緒にドイツへ行った日本団の団長さんが勤務されています。自然、歴史、美術を扱う総合博物館ですが、非常に地域色が強く、また、市民の文化活動の中心として確固たる地位を築いています。この日も地元の小学生がたくさん訪れていました。
ドイツのみなさんは、トヨタ博でもここでも、小学生がきちんと静かに話を聴いている姿に驚いていました。ドイツの小学生が騒がしかったという印象はありませんが、確かにとてもお行儀良い1年生のみなさんでした。
お隣の森に行ってドングリ拾い。「たくさんの秋を見つけよう」というプログラムですが、ボランティアさんが大活躍。博物館の活動にボランティアさんが深く関わっているという当館との共通点を見つけ、私も興味津々でした。
美濃加茂の伝統料理を作ったり食べたりするプログラムもあり、ここでもボランティアさんたちが煮炊きなどの指導をしてくれます。ドイツのみなさんも、楽しそうにかまどへ薪入れしていました。
プログラムの合間に、ディスカッション。美濃加茂市の藤井浩人市長もご挨拶にお見えになりましたが、若い!!それもそのはずで、28歳、全国最年少市長だとか。
私は都合によりここで退席、美濃太田駅から一人寂しく帰途につきました。ドイツのみなさんと五平餅を食べたかった!
ドイツ団はこの後東京へ戻り、23日深夜に羽田空港から帰国したそうです。
(生物担当学芸員 秋山)
ワークショップ「落ち葉のカレンダーをつくろう」は好評のうちに終了し、一日で80名以上の方が来場されました。この豊富な押し葉や花殻、果実殻など。これらはすべて、相模原植物調査会会員のみなさんが時間と足を使って集め、押し葉にして乾燥しておいてくれたものです。
そんな丹精込めた素材を使い、丹精込めて作られたクラフト作品が、すばらしくないはずはありません。
本日ご来場第1号のお客様(小学生のお子さん)の作品。そのセンスの良さに脱帽です。
さがぽんも紹介してくれていた、押し葉のさがぽん。
ご家族でみなさんすばらしい作品をつくってくれました。
これは、小学生の女の子が作っていた作品ですが、すばらしいセンス!多層的でオリジナリティあふれる素材の使い方により、風景画のような落ち着いた作品に仕上がっています。
楽しい作品には楽しい笑顔がセットでした。
素材づくりから準備、運営まで全面的に担ってくれた相模原植物調査会のみなさん、お疲れ様でした。
(生物担当学芸員 秋山)
今日は10時から、2階実習実験室で「押し葉のカレンダーづくり」を開催中です。オープン早々、お二人の姉妹が取り組んでくれています。
お母さんによると、当館が発行している「イベントカレンダー」を見てご参加いただいたとか。なんとエプロン持参!なみなみならぬ集中力で製作中!
材料はたくさんご用意していますが、なにしろすべて自然材料。よい素材は早い者勝ちです。午前中はすいていますので、おはやめにどうぞ!
(生物担当学芸員 秋山)
あれ?博物館のまわりのミニ観察会って毎月第4土曜日にやってるんじゃなかったっけ?
と思ってくれた方、正解です。
今回初めてだったのは、担当者のほう。
いつもはベテランの秋山学芸員が職人芸的に進行しているのですが、今日は木村がクモの観察を中心に開催しました。
まずはわかりやすいクモの網を…とギンメッキゴミグモのところにいったら…ない!朝はきれいな網があったのに!!
いきなりのトラブルでやや緊張のスタート。
という訳で、次に話す予定だったジョロウグモの説明から入りましたが、お子さんが多くて、あまり難しい説明はできません。
これも不慣れなおかげで想定外。もう頭の中は白くなりかけてます。
とにかくわかりやすいものを見せなきゃ、という事でルーペつきの容器にクモを入れて、じっくり見ていただくことに…。
写真はジョロウグモ。普段じっくり見ることがない生き物なので「なるほどね」と思っていただけたようです。ほっと一安心。
しかし早くも間がもたなくなりかけているので、小さなお子さんが興味を示したヤブランの実をむいて時間稼ぎ(?)。
地面に投げて「ほら、はずむでしょ」とやってみましたが、あまり大きな反応なし。
そこで急いで「寒い時期にムシをさがすなら樹名板めくり」という、伝家の宝刀を抜きました(早すぎ)。
プラスチックの板の裏にはクモやカメムシなどいろいろな生き物が寒さをしのぐために隠れています。また木によって違うものがいるのも不思議です。このへんでようやく正常な軌道に修正できた感じです。
ところが、あたふたしている担当者をよそに、子どもたちは好奇心旺盛。何でも一生懸命に見てくれますし、樹名板も片端からめくって、いろいろ見つけてくれます。まったく感謝の念にたえません。
最後は定番のヨコヅナサシガメ。いつものようにクヌギの樹名板の裏で越冬中。
「うへー」「なんで集まってるの?」などと、大人の方も興味津々。
実は参加者の皆さんも、ミニ観察会は初めてとの事。
うれしかったのは「クモは苦手」という方が容器をのぞきながら「これならよく見れるね」と言ってくださった事。
いやあ、やりがいがあります。
不慣れな進行でしたが、最後には「楽しかったです」と言っていただけました。ありがとうございました。
機会があれば、ぜひまた参加してください。(学芸班 木村)
太陽系のはるか彼方から、ひとり静かに旅を続けるアイソン彗星。
今朝、明け方の空に、水星、土星とともにスリーショットの記録写真を撮れました。
明日以降は、さらに太陽に近づくため、徐々に明るくなりつつある低い空に見つけ出すのは時間との闘いになりそうです。
※アイソン彗星が太陽に最接近する11月29日(金)とその前後数日間(11月25日から12月2日ごろまで)は、彗星が太陽のすぐ近くにあり、誤って太陽を見てしまうおそれがありますので、観察は控えてください。
12月上旬に再び明け方の東天で観察できるようになり、このころが一番の見ごろになります。
肉眼でも確認できるほど明るいその姿を見せてくれることを期待して待ちましょう。
(天文担当 有本)