先日、知り合いのペットショップオーナーさんからものすごいカエルを貸していただきました。
アルビノのツチガエルです。いろいろな種類のカエルでアルビノは見られますが、こんなすごいのは初めて見ました。とにかく、色素というものが見られません。
ほんとうは何かの形で展示したかったのですが、ちょっと神経質な子で、展示には出せません。結局内輪で楽しんで、お返しすることにしました。
それにしてもかわいい!
(生物担当学芸員 秋山)
先日、知り合いのペットショップオーナーさんからものすごいカエルを貸していただきました。
アルビノのツチガエルです。いろいろな種類のカエルでアルビノは見られますが、こんなすごいのは初めて見ました。とにかく、色素というものが見られません。
ほんとうは何かの形で展示したかったのですが、ちょっと神経質な子で、展示には出せません。結局内輪で楽しんで、お返しすることにしました。
それにしてもかわいい!
(生物担当学芸員 秋山)
10月18日,金曜日.曇り.
18日は奥多摩湖の上流の丹波山村で資料採集を行いました.
奥多摩湖より,紅葉が少し進んでいます.この辺りの多摩川も谷が深いです.
今日も砂岩を中心に資料採集しました.多摩川沿いの崖.全体が砂岩でできています.
こちらは上の写真のすぐ対岸.泥と砂が交互にたまったものが固められた岩石です.それが,後から力を受けて砂岩が切れ切れになっています.色の薄い部分が砂岩です.川の両岸で露出している岩石が違います.
この辺りの川砂は上流から運ばれてきた黒雲母が表面にたくさん見られます.黒雲母は風化して金色に見えます.
多摩川の支流,後山川の支流.小さな沢ですが,傾斜がきつい上,水量が多く小さな滝の連続です.というか,沢全体が滝のようです.
ここでは泥岩の中に大小さまざまな岩石のかたまり(岩塊)が含まれている岩石(含礫泥岩)が見られました.プレートの沈み込みや,大規模な海底地滑り等によってできます.ここの含礫泥岩中の岩塊は砂岩や石灰岩です.
石灰岩の岩塊は時には数メートルを超えるものがありました.左の白っぽい部分が石灰岩の岩塊です.大きな石灰岩を採石していたようです.
今回調査したところが相模原の礫岩の礫の“ふるさと”かどうかは,持ち帰った資料を詳しく調べてみないと分かりません.採集した資料を顕微鏡で詳しく調べ,礫岩中の礫と比較していきます.地道な作業なので結果が出るまで,しばらく時間がかかります.
(地質担当学芸員 河尻)
10月17,18日と奥多摩湖周辺とその上流の丹波山村へ地質調査に出かけました.
今回はこの辺りに分布している白亜紀の砂岩の採集が目的です.相模原周辺に分布する礫岩の中には関東山地由来の礫(石ころ)が多く含まれています.数百万年前に川の働き等により,関東山地に分布する岩石が削られ,石ころとなって当時の海まで運ばれて堆積しました.それらが押し固めれて,相模原周辺で見られる礫岩となりました.石老山の礫岩もその一つです.
関東山地といっても広く,どの辺りの岩石が運ばれてきたのか?それが分かれば,数百万年前の地形の様子が分かります.今回の調査は礫岩中の礫の“ふるさと”探しの旅です.奥多摩・丹波山は礫の“ふるさと”の候補地の一つです.
前置きが長くなりましたが,ここからが「地質調査日誌」本編です.
10月17日,木曜日.曇り時々晴れ.
奥多摩湖周辺で資料採集を行いました.
まず,旧青梅街道沿いに向かいました.最初に出迎えてくれたのは,大きなクガビル!最も長く伸びた時は30cmを超えています.
多摩川の渓谷沿に旧道は造られています.道の山側も川側も切り立った崖です.こんなところに良く道を通したものだと思います.落石が多いらしく,写真の崖も落石防止工事の準備が進められていました.崖に露出しているのは砂岩です.
吊り橋を渡って,多摩川の対岸に渡ります.この吊り橋は3人までしか同時に渡れません.板のわずかな隙間から下が覗けます.下を見ると結構怖いです.
吊り橋の上から見た多摩川の流れ.左下に写っている岩場に降りました.岩場に降りる斜面に道はなく,滑落しないよう気を付けて降りました.
奥多摩湖は前日台風が通過したにもかかわらず,かなり水位が下がっています.
奥多摩湖の南岸は車は通行できませんが,徒歩なら歩くことができます.ここも落石が多く,防護ネットが張られていました.
この辺りの針葉樹は良く手入れがされています.こんなにきれいな針葉樹林は最近,あまり見かけなくなりました.
この後,多摩川の支流の支流へ行きましたが,午後4時を過ぎると沢の中は既に薄暗くなりました.かなり日が短くなってきています.秋も深まりつつあります.
(地質担当学芸員 河尻)
8月の河尻学芸員に続き、さがまちコンソーシアムのオーサーズカフェでお話をしてきました。「相模原は生きものの宝庫?じつはこんなにある絶滅危惧植物」と題して、当館で確認した市内に生育する絶滅危惧植物を紹介しました。
オーサーズカフェはゆったりとしたスペースで気軽に話を聴いていただけます。話す方も、講座や講演会とちょっと違って肩の力を抜いて話せます(いつも抜けていますが)。
こんな植物の写真を何枚も写しだしながら、お話ししました。これは、ヒメフタバラン。
神奈川県版レッドデータブックでは、しばらく記録が途絶えていたため絶滅種とされていますが、じつは市内の1カ所で生育が再確認されています。
知られざる相模原の自然について、機会があればまたお話ししたいと思います。
(生物担当学芸員 秋山)
先日、イエオニグモの事を思い出したついでに思い出した当たり前の事。「多くのクモは夜行性である」。
実は朝、通勤途中に見ているのはほとんど夜行性でない種です。イエオニグモも昼間は見かけなくて夜、帰宅する時に駅の蛍光灯をみると、せっせと網を張っていたりして、見ていると飽きません。
ところでこれは、通勤途中の標識の裏側(朝)です。
そして同じ箇所(夜)。
ズグロオニグモです。橋の欄干などでよく見かける種です。
ちゃーんと夜になると出てきています。よく「夜のクモは縁起が悪いから殺していい」などといわれますが、単なる行動時間帯の違いです。勝手に縁起が悪いと言われて殺されてはたまりませんね。
因みに、朝夜のクモの縁起の良し悪しは地方によって異なっていて、「どちらも良い」とするところもあるそうです。縁起なんて、そんなものなんですね。(学芸班 木村)
この頃めっきり涼しくなって、通勤途上であまり目新しいクモをみかけなくなりました。少々がっかりしながら通勤していたのですが、ふと気づくと、盲点がありました。駅です。
写真はイエオニグモ。体長:メス8-12mm、オス5-7mm、建物の外壁など、人工物のまわりに円網を張る種です。なぜか駅の蛍光灯によくいます。
なんでそんなに駅が好きなのかは謎ですが、おかげで駅の蛍光灯で円網をみかけたら、まずこの種だと思って間違いありません。皆さんも今度から「あ、クモがいる」ではなくて「あ、イエオニグモがいる」と思って、いつも通りかかる場所にも「名もなき者」ではなく、ちゃんと名前がある生き物がいるという事を思い浮かべていただけると嬉しいです。(学芸班 木村)
夜、帰宅しようと博物館から外へ出てみると・・。
まだ上空の風が強く、雲が勢いよく動く中を明るい月が出ていました。
めまぐるしく表情を変える夜空。台風が各地に残した爪痕の大きさを思うと、のんきにきれいだなんて言えず、複雑な気分になりました。
(生物担当学芸員 秋山)
今朝、関東地方近くを通過した台風26号。こうした強い風雨のあとは、博物館は臨時で施設の点検をしなくてはなりません。開館前に、出勤した職員が手分けをしてひととおり、チェックしました。幸い、特段の被害はありませんでした。見回っていると、台風が残していった風に、中庭からの木もれびが揺れていました。
といっても、風は写真で表現するのが難しいですね。ふとガラス壁面を見ると、タカオカエデの葉がぺたりと張り付いていました。紅葉しかけたところで強風にちぎり取られてしまい、なんだか葉っぱの未練を感じました。でも、きれいです。
光窓からは、青空。
なぜかこのあと、台風一過とはならず、ふたたび厚い雲がおおってきましたが、ともあれ、博物館は通常通り開館しました。
それにしても、今回の台風は「10年に1度の」という枕言葉がつけられ、ずいぶんと報道でも使われていました。しかし、こうした確率上の数字というのはなかなかくせ者です。読み方を間違えると誇大にも過小にも受け取れてしまいます。それについてはまたこんど、どこかに書きたいなと思っています。
(生物担当学芸員 秋山)
今日は休館日ですが,大型収蔵庫,実習実験室,市民研究室に殺虫剤を散布するので,その立ち会いのために出勤しました.実習実験室と市民研究室は来館者やボランティアの方が利用する場所なので,休館日でなければ作業できません.
コンピュータやコピー機をビニールで覆って殺虫剤散布がかからないようにします.
準備が終わったら殺虫剤散布.部屋の中は真っ白になります.この状態で数時間放置します.
その間に,収蔵庫等にしかけてある害虫調査用のトラップ(えさのないゴキブリホイホイの様なもの)に害虫がかかっていないか調べます.この作業も殺虫剤散布と同じ業者が行います.
害虫の調査は大切な資料を虫の被害(食べられたり,糞で汚されたり等)から守るために行います.早めに害虫を発見すれば被害に遭わずに済むか,もしくは,最小限の被害で食い止めることができます.
こちらは飛んでくる虫用のトラップです.こちらには特定の虫が寄ってくる“におい”を出す薬剤が入っています.
収蔵庫内のトラップには資料に重大な影響を及ぼす害虫はおらず一安心.
今回,殺虫剤をまいた部屋は,前回の調査でトラップに虫が多くかかっていた部屋です.深刻な被害となるような虫ではありませんでしたが,大きな被害を受ける前に対処しました.
大切な地域の文化財を後世に残していくためには,日ごろからこまめに対処していくことが重要です.
(地質担当学芸員 河尻)
普段、実習実験室にいるクモ。いつか展示に使おうと思ったり、確かめたい事があって飼育しているのですが、明日、休館日にこの部屋に殺虫剤を散布する事になり、今日は一時的に別の場所に移動しなければなりません。自分の机がある市民研究室も対象なので、そこには置けません。
幸い、全館燻蒸ではないので、それ以外ならどこでも置けるのですが、警備や清掃の人達に不審物と思われるのも嫌です。ちょっと悩みましたが、物置きに使っているある場所に移しました。
それにしても、並べてみるとアシダカグモ、ジグモ、キシノウエトタテグモと、我ながらマニアックと言われても仕方ない感じです。おまけに釣り道具屋さんで買ったエサ虫もいます。
うーん、早く展示したい。でもやってる時間がない。悩ましいところです。(学芸班 木村)