昨日のジョロウグモ、今日は?

今日は朝から雨。昨日「横糸を途中でやめちゃったジョロウグモ」を紹介しましたが、今日、同じ個体を見てみると…

なんだか昨日と様子が違っています

腹面側から見ると…

昨日はあったはずの向かって左側のヨコ糸の網がなくなっています。
これが「雨の日に網を半分壊す」行動です。
因みに、右側のヨコ糸は中途半端なまま。
途中で放棄したとはいえ、どちらが新しいかちゃんと覚えていて、古い側から壊したのかもしれませんね。そう考えるとちょっと人間くさくて面白い気がします。(学芸班 木村)

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涼しくなって網も…

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写真は、毎度おなじみのジョロウグモの網。画面の左上の辺りにメスの個体が写っています。
個体から右下のほうに向かって、ヨコ糸が張られていますが、途中、ぽっかりと空白の部分があるのが見えるでしょうか?
普通クモの「円網」は、タテ糸にヨコ糸をぐるぐると螺旋状に付着させてつくるのですが、ジョロウグモは左右に往復しながらヨコ糸を張ります。
このため、網を張り替えるときも、半分だけ張り替えたりできるのですが、この空白はその特徴の現れと言えます。
自分で壊して張り替えていたのか、何かの原因で破れたのを修復していたのかはわかりませんが、急に涼しくなった今朝、どうやらヨコ糸を張るのを途中でやめてしまったようです。ヨコ糸を張るガイドとなる足場糸はきれいに張られているので、いかにも「あきらめた」感じがします。
いよいよ、秋も本格化してきたようです。(学芸班 木村)

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なぞの草

今日は横浜市旭区のとある場所に、なぞの植物を見に行きました。じつは、1年前から地元の方から種類のわからない草があるんだけど・・、と相談されていたのですが、写真を送ってもらってもまったくわかりませんでした。去年は直後に草刈りで消滅してしまって、今年は逃すまいと現地へ行きました。場所は、こんな感じ。

谷戸の際で、幹線道路の高架下の路傍です。その植物じたいは、非常に地味。

イラクサ科やクワ科が疑わしいのですが、手元にある図鑑で調べても、植物に詳しいボランティアさんなどにきいてもわかりません。

雌雄異花で、雌雄の花がそれぞれ穂状花序をつくっています。写真は雄花序です。

これはもう、海外の図鑑をあたるしかなさそうです。種類が判明したら、またご報告します。

(生物担当学芸員 秋山)

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文化財レスキュー情報交換会

昨日(10/2)は真鶴町立遠藤貝類博物館で開催された、文化財レスキューに関わる情報交換会に行って来ました。

東日本大震災で被災した陸前高田市の博物館・図書館等に所蔵されていた標本・資料の救出・復元についてのお話を伺うことができました。国や県から指定を受けているものだけが“文化財”ではありません。博物館等に所蔵されている1点1点の資料は全て、地域の歴史・文化・自然を後世に伝える重要な“文化財”です。

少人数で、会場の様子も気楽な感じですが、お話の内容はとても濃く、たいへん勉強になりました。被災地の外からレスキューに行った、または、被災地の外で標本の修復に携わった方のお話はたびたび聞く機会がありました。しかし、被災地の博物館に勤務されて、ご自身が被災されながら、文化財レスキューに取り組まれている方のお話を聞くのは、今回が初めてです。全ての言葉が心に響きました。
この情報交換会に参加して、博物館等に所蔵されている資料の重要性を改めて認識させられました。それと同時に、今後、できるだけ資料が被災しないよう、そして、もし被災してしまったら速やかに資料をレスキューできるような仕組み作りが急務だと感じました。

非常に有意義な時間を過ごすことができ、講師の方々やご準備をしていただいた方々にこの場を借りて改めてお礼申し上げます。ありがとうございました。

(地質担当学芸員 河尻)

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大野台中央小でカイコの授業

今日午前中は、市内南区の大野台中央小3年生に、カイコの授業をしてきました。私は授業をやっているので、残念ながら授業中の写真はありません。持って行って見せたまぶしと繭の写真でごまかします。

何を重点的にお話ししてきたかと言うと、カイコを飼うということは、「農作業」だということです。農作業とは、命に責任を持つ仕事です。食べるため、衣類を得るために、生きものたちの命をいただきます。それだけに、命に責任を持つ、つまり、愛情を持って育てることが一番大切なこと、という内容です。カイコを飼うことが農業だということを理解していただかないと、繭をとるのが目的で、その時、中のさなぎを殺さなくてはいけないことに納得してもらえません。

そして、カイコが野生では決して生きられないことや、成虫は食べる口を持たず、1週間くらいで死んでしまうことや、卵は1頭のメスから500粒くらい産まれることなどお話しして、安易に成虫にしてはいけないことも納得してもらいます。ちなみに、上の写真は授業で見せた生糸です。当館の資料ですが、先生方でも本物の生糸を初めて見た、という方が多く、その上品な風合いが印象的だったようです。

それにしても、大野台中央小の3年生のみなさんは、とてもよく集中して話をきいてくれました。すばらしい感想もいただき、しっかり挨拶もしてくれて、とても気持ちよく授業を終えることができました。

(生物担当学芸員 秋山)

 

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博物館協議会を開催しました

今日午後2時から、相模原市立博物館協議会を開催しました。

今回は、第9期協議会の任期最後の会議となります。「博物館の活動状況に関する評価について」の答申案について審議していただきました。

建設的で活発な議論が行われ、職員にとっても大変有意義な会議です。今日の会議の結果を受けて、後日、会長から館長へ答申される予定です。

会議の後、特別展示室で開催中の3つの企画展示をご観覧いただきました。

特に水曜会の展示は、現在の博物館の活動方針や重点課題を体現するような展示です。熱心にご観覧いただきました。

(生物担当学芸員 秋山)

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高田橋で化石採集

今日はお休みでしたが,家族で高田橋下の相模川河床へ化石採集に出かけました.運動会の代休の息子たちと一緒です.

数年前に行ったきり久しぶりの場所.以前は楽に採集場所までたどり着けたのが,草が覆い茂っていてビックリ!藪漕ぎをしてなんとか採集場所までたどり着きました.

川の水は普段よりも多め.川岸が狭くなっています.

あまり採集できませんでしたが,今日の最大の成果はウニです.残念ながらからは溶けて残っていません.

(地質担当学芸員 河尻)

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クモを数える

7月7日のブログで紹介した通勤途上のネコハグモ、その後も時々カウントを続けています。

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このフェンスに造網しています。

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こんな具合に。

その変化を並べてみると…
7/9 94個体
7/16 83個体
7/22 63個体
8/4 52個体
8/13 36個体
8/28 15個体
9/7 23個体
9/17 27個体
9/20 27個体
9/26 23個体
ずいぶん数が減りました。
数が減っただけでなく、最初は、はっきり幼体とわかる個体ばかりだったのに、今はほとんどが成体です。まもなく卵のうが増えて、冬に向かっていくのでしょう。
こんな風に、個体数を数えると、その生き物のライフサイクルが見えてきます。
ところで、このクモ、金属製のフェンスという、非常に安定した環境にいるため、剪定や悪天候の影響を受けず、とても数えやすいのです。自然状態ではその名のとおり、葉の上にいて、天幕状の小さなシートに隠れていたりします。

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私には人工環境より、こっちの方が居心地が良さそうに見えるのですが…(学芸班 木村)

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天高く、タカ渡・・・らず

今日は早朝から緑区の陣馬山山頂へ。最短ルートの和田峠から、光明学園相模原高校理科研究部の有志のみなさんらと登ります。

目的は、サシバやハチクマなどの渡り鳥のタカが天高く渡るのを調査しようと・・

天気はかなりヨシ!この1週間、好天が今日までの3日ほどに集中しているので、北から順次移動してきているタカが次から次へと渡るだろうと大いに期待していたのですが、結果は・・・ダメでした。9時から14時頃まで粘りましたが、ハチクマ1羽が渡りらしい飛行をしただけ。ノスリが山頂上空をくるくる回ってくれましたが、これはどうも渡りという飛び方ではありません。

山頂は八王子側からもタカの渡りを狙って登ってきていた人や、秋の登山シーズンでかなりの人出でした。望遠鏡などで同じ方向を凝視する一団は目立つようで、何人もの方から「何を見ているんですか?」と尋ねられました。

まあ、秋の花が咲き乱れる山頂で青空を眺めるのは気持ちがよく、いろいろなスケジュールをこじ開けて登ったかいはありました。

帰り道、シモバシラの花がきれいに咲いていました。

懲りずにまた挑戦しようと誓いながら帰途につきました。

(生物担当学芸員 秋山)

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今日のミニ観察会はドングリ

今日はお昼から、博物館のまわりのミニ観察会を行いました。今日のテーマはコレ。

ドングリです。博物館のまわりでは、クヌギ、コナラ、シラカシのドングリが落ちています。これに、学校や公園に植えられているマテバシイを加えた4種を見分けてみました。葉っぱとドングリの組み合わせがわかるように、袋にセットで入れます。

参加してくれた小学生のみなさんは、袋に入れた実物図鑑を「これ学校に持って行こう!」と言ってくれました。 さらに、小さな穴の空いたドングリをカッターで切ってみました。すると、中にはとても小さな卵が!おそらく、ハイイロチョッキリか、近いなかまの卵でしょう。

虫めがねで見ると、透明に光っていました。 今日は、お隣の樹林地はまだスズメバチの巣の撤去をしたばかりで、戻りバチが来ていて危ないため、博物館の前庭やJAXA前の歩道で観察しました。お天気はいいし、涼しいし、とても気持ちの良い観察会でした。

(生物担当学芸員 秋山)

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