クワの再生力

6月末に剪定してすっかり丸坊主にした博物館のクワの木は、すでに新しい枝と葉を展開して青々としています。

おもしろいのは、こうして強く剪定した後に出る葉には、極端に切れ込みの大きな葉が多いことです。まるでカイコに食べられたような形です。

かと思うと、丸くてクワらしからぬ雰囲気の葉も出ています。

典型的なクワの葉だってあります。

一度に葉が失われると、その後出る葉の一部の葉面積を小さくして、そのぶんたくさんの葉をつけることで、リスクを分散しようということなのでしょうか。

いずれにせよ、1本の木でこんなに形の違う葉がついているというのもクワならではです。

さて、これだけ葉が伸びてくれば、次のカイコも4齢くらいまではこの木の葉でまかなえそうです。クワの再生力はすごいですね。

もうひとつ・・・、近くでマメコガネが交尾の体勢でとまっていました。7月から何度も写真を載せいますが、おもしろかったので再び・・。

雌雄そろって後ろ脚上げポーズ!

(キマッタ!)

(生物担当学芸員 秋山)

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セミの羽化、こんどこそ

先日はJAXA特別公開のさなかで羽化を見届けずに帰宅してしまったのですが、今日はいったん帰宅して、腹ごしらえをしてから家族にライト持ちを頼んで一緒に出動。博物館お隣の樹林地のあちらこちらで羽化しているアブラゼミを撮影しました。時系列ではなく個体はすべて違うものなのですが、なんだか段階を追っているかのように撮影できました。

まずは羽化の場所を探して歩き回る幼虫。

背中が割れて今まさに羽化がはじまってます。

胸あたりまで出てきました。

もうぶら下がっている状態。

早々に羽化した個体はもう翅ものびきっていて、木杭の上で乾くのをじっと待っていました。

羽化はやっぱりどこか神秘的です。

それにしても、わかっていたとはいえ、蚊の猛攻には参りました。

(生物担当学芸員 秋山)

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子ども鉱物教室1日目

子ども鉱物教室を今年も開催します。ミョウバン結晶の育成・観察と鉱物の硬さ比べを行います。
今日はその1日目。種結晶をミョウバンの飽和水溶液に入れるところまで作業します。

いつもどおり、相模原地質研究会と相模原青陵高校地球惑星科学部の皆さんにスタッフとしてお手伝いいただきました。

受付は地球惑星科学部の生徒さんにお願いしました。

作業中はスタッフがテーブルを回ってアドバイスをします。種結晶をエナメル線に結びつけているところです。この作業は意外と難しいです。

ミョウバンの飽和溶液を作るため、ミョウバンをお湯に溶かします。

熱湯を注いでかき回すだけでは、なかなかミョウバンが溶けないので、最後はホットプレートの上で暖めながら完全に溶かします。この作業はスタッフの仕事です。

飽和溶液が冷めてから、種結晶を入れます。
種結晶を入れてから15分くらいたった様子です。すでに結晶ができはじめています。

結晶ができる様子をしばらく観察して今日はおしまい。

来週までにどんな結晶ができているのでしょうか?

(地質担当学芸員 河尻)

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アズマヒキガエルをもう少し

昨日(7/31)の生藤山の写真の中で、アズマヒキガエルがとても好評だったのでもう少し。

行き(登り)に見たのは登山道を横切り、法面をのしのし登っているところです。

ひとやすみ。ほんと、いい顔してますね。

帰り道ではこんな感じでした(右下に鎮座ましましてます)。思わず通行手形を見せたくなるような風貌と存在感。通行手形なんて持ってませんが・・。

ついでに、山頂近くでたくさん咲いていたヤマユリ。

甘い香りが湿気をともなった空気に混じって濃厚さを増し、あたりにぷんぷん漂っていました。

 

(生物担当学芸員 秋山)

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真夏の生藤山

今日は微粒子公開関連で休みを出勤にした日数が多かったので、その調整のためにお休みをとりました。

しかし、休みは家でのんびり、とか遅くまで寝て、なんてことができないのが、イキモノ屋の悲しい性です。休みの日こそ、いそいそと早起きしてしまうのです。

というわけで、今日は早起きをして小仏山地の市内最北端の山、生藤山(しょうとうさん)へ行ってきました。お休みということで、ただ撮ってきた写真を解説なしで羅列します。

まずは霧にくもる林内で露をまとって光るクモの巣。これじゃ丸見えで開店休業ですね。

今日のおめあてのひとつ、バイカツツジ。

枝にとまってじっとしていた、エダナナフシの亜成虫

行きに見つけて写真をバシャバシャ撮って、帰り道ではおしりを半分土に沈めてじっとしていたアズマヒキガエル。すばらしい存在感!

花は少なめでしたが、ムラサキニガナがぼちぼち咲いていました。なんだかこの花、ニガナのなかまの中でちょっと異端児っぽくて好きなんです。

結局なんだか解説めいたことを書いてますが・・。朝早く登りはじめたので、お昼前には生藤山(標高990m)、茅丸(かやまる 1013m)とピークに立って、さっさとおりてきました。やはり標高1000mは風も涼しく、心地よい山登りとなりました。

(生物担当学芸員 秋山)

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ヤリグモ

今朝、ジョロウグモの網で見つけたのは、ヤリグモ。
体長はメス6-11mm、オス6-8mmという、どちらかというと小振りなクモです。
このクモは他のクモの網に侵入し、その網の主を襲って食べます。特定の種に限って襲うわけではないようですが、ジョロウグモやクサグモの網で見かけることが多いようです。
それにしてもなんとも不思議な形をしていますのでご覧ください。


中央上の方にヤリグモ、左下にジョロウグモが写っています。


近づくとこんな感じ。


さらに捕獲してアップで。やっぱり不思議な形です。


不気味感をあおるアングルで。ちょっと「宇宙生物」みたいな感じ。

【おまけ】

例によって「おっ、マネキグモがゴミに擬態してる!」と思い、棒でつついてみました。その結果…


本当にゴミでした…
いかにマネキグモの擬態がよくできているか、わかりますね!!(学芸班 木村)

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休眠打破

なんか物々しいタイトルですし、写真もまさに実験道具。でも、ひさしぶりにカイコネタです。

今月はじめに産んだカイコの卵は、そのままだと休眠して来春、ふ化します。でも、今年もう一回育てたいので、眠りについた卵を強引に起こします。それが、浸酸処理という方法による休眠打破です。

ホルマリンに5分ほど浸けたあと、湯煎で少し温めた塩酸に浸けます。なんて乱暴!と思いますが、じつはこの方法、江戸時代から行われていたそうです。驚きですね。

塩酸に浸した後は流水で洗います。そして風乾すると、ここから2週間弱でふ化するはず。楽しみですね!

(生物担当学芸員 秋山)

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今日もやります!さがぽんへんげ特集

今日もたくさんのお客様をお迎えして、やっぱり大興奮のさがぽん、たくさん変身してくれました。

手つきがリアルでかわいい女の子さがぽん!

キメるときはキメるぜ!将来楽しみな男の子とそのお父さんお母さんさがぽん!

おなかじゃなくてアタマをぽんぽんさがぽん!

かっわいぃでしょーーー!こんなにかわいくちっちゃくなれるんだよー!

そして最後は!ひげぽん!!かっちょいー!

動きどおしで大変だったけど、ほんとに楽しい2日間でした。さがぽんお疲れさま。そしてご来館いただいたたくさんのみなさま、ほんとうにありがとうございました。

※今回も写真はすべてご承諾をいただいて掲載しています。

(生物担当学芸員 秋山)

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微粒子観覧に川口先生も

JAXA特別公開&「はやぶさ」が持ち帰ったイトカワの微粒子一般公開、やはり最後の締めはプロジェクトマネージャーの川口淳一郎先生です。

「光を当てて見るとやっぱり立体的に見えて宝石みたいだね」

うれしそうにご覧になる姿が印象的でした。

当館の微粒子観覧はいよいよ明日が最終日です。明日は事前申し込みのお客様のほか、640枚の整理券をご用意しています。整理券の配布は9時30分から、当日整理券による顕微鏡観覧のご案内時間は11:20から順次となっています(観覧時間のご指定はできません)。まだご覧になっていない方はぜひどうぞ!

(生物担当学芸員 秋山)

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JAXA特別公開 いろいろな人気のコーナー

JAXA特別公開2日目もたくさんのお客様にご来館いただいています。

今日も大好評の、JAXAキュレーションチームによるナマ解説。微粒子を実際に取り出して分析している研究者のみなさんによる解説は、微粒子に秘められた太陽系誕生のヒミツへのアプローチや現場の苦労話など、短い時間の中でとっても濃密なお話です。微粒子観覧の待ち時間も有意義に使える、キュレーションチームのとっても粋なはからいですね。

そしてちょっと人気のコーナーは、博物館正面入り口の「のぞみ」。JAXAからお借りしている常設展示物ですが、妙にリアルな模型・・とつい立ち止まる方が多いのです。それもそのはずで、これはエンジニアリングモデルといって、実際に宇宙へ旅立った「のぞみ」とほぼ同じ部品によって組み立てられた実験モデルです。“模型”というよりも、限りなく“実物”に近いのです。特別公開に来られるみなさん、さすがにお目が高い!

「はやぶさ2」への応援メッセージを寄せ書きするコーナーも大人気です。みなさん心を込めて書いてくださっています。

もう一つ、ミュージアムショップも大忙し。

展示やプラネタリウムだけではない、特別公開の一コマでした。

(生物担当学芸員 秋山)

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