X字型が好きなクモ

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写真は、コガタコガネグモ。ついこの間「幼体みつけた!」と喜んでいたと思ったら、瞬く間にこんなに立派になりました。コガネグモの仲間に特長的なX字型に脚を揃えたポーズをとり、X字型につけた「かくれ帯(白帯=はくたい)」に載せています。
そして、よく見ると網の裏側にはオスがいて、これまたX字型に脚を揃えてとまっています。どうしてここまでX字型にこだわるのか、不思議です。

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オスの側から撮影。オスはメスに比べて小柄です。

因みに、「コガタコガネグモは音に敏感で、音を感じるとすぐ網から飛び降りる」と言われる事があります。でもこのクモ、カメラを近づけて撮影している間、全く無反応でした。個体差なのか、地域差なのかわかりませんが、やっぱり生き物の世界は例外だらけなのですね。(学芸班 木村)

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微粒子公開3日目

今朝はちょっとさわやかな風を感じました。真夏のそんな日はたいてい、高い空に巻積雲が出ています。果たして博物館の上空にはすじ雲が。もつれ雲もちょっと見えています。

今日も開館前にには60名以上のお客様が並ばれていました。風はさわやかでも、晴天のために気温はぐんぐん上がりました。暑い中ありがとうございました。

本日、トップでご観覧いただいたお客様からは「いつもブログ読んでますよ」と大変うれしいお言葉をいただきました。

今日もたくさんの方に気持ちよくご観覧いただけるよう、スタッフ一同万全の体制でお待ちしております!

(生物担当学芸員 秋山)

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ワキグロサツマノミダマシはどこが黒い?

2012年7月29日に「サツマノミダマシ」という記事で紹介したクモ、「ワキグロサツマノミダマシ」。その「ワキグロ」ぶりを写真で見てみたいと思います。

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こんなクモです。この角度だとわかりづらいのですが、腹部のへりに黒い線が見えるでしょうか?
横から見ると…

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確かに「ワキグロ」っぽいです。

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さらにひっくり返すと…

なんと、腹部全体が黒っぽいのでした。これじゃ「ハラグロ」ですね。
一つ前のAさんの記事と内容が被ってしまいましたが、生き物を遠くから見るだけでなく、手にとって見ると、また違った姿が見えますね。(学芸班 木村)

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マメコガネのシマシマ模様の正体

先日の記事の中で、マメコガネの写真をアップしました。その時の写真では腹部のきれいなシマシマ模様をお目にかけられなかったので、改めて今日、写真を撮りました。

カメラを近づけると、やっぱり後ろ脚をぴんっと上げます。それはさておき、このシマシマ模様をよく見たら、腹部の表面にシマシマ模様の色がついているわけではありませんでした。

なんと、白い線の正体は毛!ふだん、虫はまったくの専門外のうえに、あまりにも普通に見ている昆虫だったので、私もミクロな視点で見たことがありませんでした。写真を拡大してみてはじめて気づきました。ブログを書いていると勉強になるなあ。

(生物担当学芸員 秋山)

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今日も微粒子公開中!

探査機「はやぶさ」が小惑星イトカワから持ち帰った微粒子の公開2日目となりました。今朝も開館時には50名以上のお客様が並ばれていました。暑い中ほんとうにありがとうございます。

お昼前には、加山俊夫相模原市長が観覧に訪れました。市民のみなさまと歓談しながら列に並びます。

担当者から説明を受け、「宝石みたいだね」との感想をいただきました。

現在(正午)、10分程度お待ちいただくと顕微鏡でご観覧いただけます。午後のプラネタリウム上映の前後はもう少し混み合うかもしれません。

お待ちしております!

(生物担当学芸員 秋山)

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微粒子公開1日目 阪本先生によるサプライズ解説も!

今日は「はやぶさ」が小惑星イトカワから持ち帰った微粒子の一般公開1日目です。朝一番にお並びいただいたのは、世田谷から来られたお客様。早朝からありがとうございました。

9時30分の開館時には約80人ほどの列になりました。

今日最初のお客様にはサプライズがありました。JAXAの顔、阪本成一教授による臨時の展示解説があり、みなさん熱心に耳を傾けられていました。

現在のところ、待ち時間なく観覧していただけます。時間帯によってはお待ちいただくことになると思います。状況はできるだけ「さがぽんツイッター」などでもお知らせしますが、刻々と変化していく現場の状況をお伝えしきれないこともあると思います。ご了承ください。

(生物担当学芸員 秋山)

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コクサグモの団地

今朝は小惑星「イトカワ」微粒子公開の初日。もしかしたら行列ができてしまうかも…という事で、数人の職員が朝早くから出勤しています。
いつもより1時間早く淵野辺駅につきましたが、いつものように通勤途上の観察をゆっくりしているヒマはありません。
急いでいかなきゃ、と思いつつ、目の前の植え込みを見ると…


コクサグモの網が団地のようにたくさんかかっていました。
朝早くに小雨が降ったせいでしょうか、細かな水滴がついて、白くふんわりと浮かび上がって見えます。
いつも「観察」などと言っていますが、結局はこういうものを「きれい」「面白い」と思うところから始まるんだな、とふと思いました。
忙しさのおかげで思いがけず原点を思い出す事ができた気がします。(学芸班 木村)

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速報!はやぶさ微粒子公開のプレス発表

今日は休館日ですが、明日から始まる「はやぶさが小惑星から持ち帰った微粒子の一般公開」にさきがけて、報道発表会を行いました。

テレビ、新聞社など16社が集まったところで、微粒子のキュレーション(はやぶさカプセルから微粒子を取り出してそれぞれ標本化し、分類、分析を行う作業)を担当されている安部正真准教授から分析の最新情報などについて説明が行われました。

実際に研究者が分析に用いているのと同型の顕微鏡で、観覧していただきます。

じつはこの後、大きなイベントがありました。お隣の市立弥栄小学校6年生のみなさんが「はやぶさ2」へ応援メッセージを届けてくれたのです。どっさりと重いメッセージの束を、弥栄小学校児童会を代表してお二人の生徒さんから「はやぶさ2」のミッション・マネージャーの吉川真准教授へ手渡します。

銀河連邦のヒーロー「サガミリオン」からも市民のメッセージを阪本成一教授へ手渡します。

「がんばれー!」とみんなでエールを送って記念撮影。「はやぶさ2」は来年旅立ち、地球へ戻ってくるのは7年後、この6年生のみなさんが19歳になる年です。未来への希望を宇宙へ運ぶ「はやぶさ2」、重責ですね。

その後は、世界初の一般公開の、まさしく一番乗りとなる6年生のみなさんによる顕微鏡観覧。想像以上に美しい微粒子に、みなさん驚きの声をあげていました。

落ち着いて整然と行動してくれていた生徒さんたちも、本物の微粒子やたくさんのテレビカメラの前でだんだんと興奮していきます。吉川准教授と記念撮影。

さらにたくさんの生徒さんが集まってきます。

目をキラキラと輝かせながら吉川准教授や阪本教授へ「はやぶさ2」について質問する生徒さんもいました。吉川准教授も「この中からはやぶさ2が持ち帰ったものを研究する人が育ってくれたら」と期待を寄せていました。

最後はきちんと整列して元気よく挨拶して学校へ戻って行かれました。弥栄小学校のみなさん、ありがとうございました。

明日からいよいよ公開が始まります。私たちも今、整理券の配布準備など進めています!ご期待ください。

(生物担当学芸員 秋山)

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カッコイイ擬態

ハエドクソウの花が咲き始めたので、おとなりの樹林地へ写真を撮りに行ったら、すてきなヤツに出会いました。

ヨツスジトラカミキリです。アシナガバチあたりへの擬態でしょうか。なんてカッコイイ!県内では沿岸部に分布していた種のようですが、最近は内陸の相模原でも見られるようになったそうです。ところで、もともと相模原では、近いなかまのトラフカミキリ(トラカミキリ)の楽園だったはず。クワにつくトラフカミキリは、かつて桑畑におおわれていた相模原台地を代表するようなカミキリムシ。もちろん、クワにとっては食害虫ですが、あまり見られなくなるとやっぱりなんだか寂しい気がします。

そうそう、目的のハエドクソウは・・。

全体を写すと、なにがなんだかわかりません。花穂にクローズアップ。

さらにアップすると、美しい顔つきの花が見えてきます。

ハエ除けに使われたその名によってなんだかおどろおどろしい雰囲気になってしまいましたが、花は小さいながらにとてもかわいらしいですね。

(生物担当学芸員 秋山)

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今日のお客様~神奈川大学理学部から

今日は神奈川大学理学部の学芸員課程の学生さんが見学実習に来られました。

エントランスで簡単な自己紹介のあと、生物科学科の学生さんもいらっしゃるということで、植物資料の収蔵状況と資料の意義、植物相やレッドデータブック、生物多様性との関わりなどレクチャーしました。その後、ハーバリウム(植物標本庫)に実際に入ってもらって、棚に詰まった標本を見てもらいました。

常設展示では、ジオラマの前で「どの部分に本物を使っているでしょう?」と展示の本質とは関係のないクイズに挑戦してもらいました。でも、学芸員を目指す上では無駄ではない知識ですね。

みなさんとても熱心に話をきいてくれて、ジオラマのクイズも「さすが!」という答えでした。今日の実習を通して地域博物館の活動の理念や資料収集と保存の意義を感じ取っていただければと思います。

(生物担当学芸員 秋山)

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