梅雨明けの雲

ちょっと雲つづきでくどいのですが、今日も雲の写真です。昨日、関東地方は梅雨明けが発表されました。帰りがけに見上げた空には、まだ上空の風が強そうな雲が浮かんでいます。家並みの間から見た時に一瞬「かなとこ雲!?」と色めき立ったのですが、広く見えるところに出てみたらぜんぜん低い。並雲とレンズ雲の中間のような感じです。

反対側の空を見ると、高積雲の塔状雲かなあ、これもちょっとわかりにくいなあ、という雲。でも、少し放射状になってとてもかっこいい。

さて、今日は朝から晴天。久しぶりに、たかーいところにできる巻積雲が見られました。小さいなまとまりのうろこ雲が出て、あっという間に消えていきました。

今週はしだいに太平洋高気圧が発達してくる予報です。積乱雲が期待できるかな。

(生物担当学芸員 秋山)

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今日のおかいこさま(7/6 お待たせいたしました!)

しばらくおかいこさまシリーズをアップできていませんでしたが・・。

じつは、なかなかメスが羽化をせず、オスはただひたすら待ちぼうけ、担当者はやきもきしていました。しかし今朝、めでたくメスが羽化!お待たせいたしました!

さっそく、誘引腺を出してフェロモンをふりまいています。おしりの先の黄色い部分が誘引腺です。

オスはもうこうなるとたまりません。羽をフルスルットルでばたつかせながら、必死にメスに近づきます。そして、めでたく交尾。

それにしても、オスは2日くらい羽をふるわせながら待ち続けていたため、鱗粉もはげおちて待ちくたびれた感が出てますね。午後には産卵させるために引き離してしまうのですが、まあしばらくはごゆっくり・・。

(生物担当学芸員 秋山)

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マンマ!

今日は朝から風が強く、湿った空気が大きく動いているようす。こんな日は、すばらしい空が期待できます。昨日のクモ好きの記事からバトンタッチして、今日は雲好きが撮った写真をアップします。

まずは、乳房雲。

比較的高い位置にきれいに並んだ乳房雲はちょっと珍しく、天体観測テラスに出て写真を撮っていたら、当館のもう一人の雲ヲタ・・いや、雲好きのプラネ解説員もカメラを持って駆け上がってきました。表題のマンマとは、雲好きが乳房雲を指して呼ぶ略称です。

そして、レンズ雲。

低めの空に散らばったているようすは、ちょっと荒れた雰囲気でゾクゾクします。上空の風が強いのでしょう。マンマにしてもレンズ雲にしても、不安定な気圧配置を目に見える形で表現しているものです。

それにしても、すばらしい空。多層に折り重なる雲は、色も多様でとてもきれい。個人的にはこういう空の模様がとても好きです。

(生物担当学芸員 秋山)

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小さいけれど、マネキグモ

6月6日にこのブログで紹介した、卵のうをガードするマネキグモ、この頃姿を見なくなったので「卵がふ化したんだな」と思っていたのですが、今日、ようやく見つけました。マネキグモの子どもです。

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2頭写っています。当たり前ですが、成体と同じポーズで「身を隠して」います。体長は、脚の先から腹部後端まで3mmほど。コンパクトデジカメ+老眼という装備では、ピント合わせが少々きびしいです。

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当たり前ですが、成体と同じように「招く」ような動作もします。

こんな風に、小さな幼体を見つけられるのも、毎日同じ場所で観察しているからです。「通勤途中しか観察の時間がない」とボヤいてますが、あながち捨てたものではありません。

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これはオマケ。ゴマダラカミキリです。何か思索に耽っているように見えて、面白かったので。

今日は「蒸しっ」としているだけに、虫との出会いも多かった気がします。(学芸班 木村)

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頭隠して・・

小さい頃、夏の早朝に探し歩いた記憶がよみがえる、あのニオイ。

博物館のまわりを歩いていたら、大きなクヌギの木から発酵臭がします。体が条件反射的に反応して歩み寄ると・・。やっぱりいました。

カブトムシのメスです。発酵した樹液から離れがたいのでしょう。しかし、一応隠れているつもりなのかもしれません。頭隠して尻隠さず、という感じですね。

ところで、咲き始めた花を一つ見つけました。アカメガシワの雌花です。雌雄異株なので、この木は雌株ということになります。

カブトムシもアカメガシワも、じめっとした空気によく似合う生きものです。

(生物担当学芸員 秋山)

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湿気天国!

朝からどんより低い雲がたちこめています。室内もべたべた、朝一番に開いた新聞もしっとりしていました。

でも、野外の生きものたちにとってこんなすばらしいコンディションはありません。博物館おとなりの樹林地では、サクラの古木がなんだか原生林のような雰囲気を醸し出していました。湿気を味方につけています。

林床に倒れかけていたミミガタテンナンショウの果実。妖しげですね。

あとで、もうちょっと湿気を喜ぶ生きものの姿を探しに行きたいと思っています。

(生物担当学芸員 秋山)

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アキノタムラソウ

ひさしぶりに博物館お隣の樹林地の花です。

少し前から、アキノタムラソウが咲き始めました。

シソ科なので、よく見るとおもしろい形をした花です。いかにも、昆虫に花粉を運ばせるためのしかけがありそう。

それにしても、こんな初夏に咲くのに、アキノタムラソウとは・・?近いなかまにナツノタムラソウもあるのに。

まあ、「秋まで咲くタムラソウ」とでも解釈しましょう。実際は、日当たりの良い場所なら市内でも5月下旬から咲き始め、10月くらいまで見られます。花期の長い花ですね。ナツノタムラソウの方は低地にはなく、山の花で花期はほんとうに夏の間に限られます。さらに、ハルノタムラソウという種類もありますが、これは県内では自生が確認されていません。

(生物担当学芸員 秋山)

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吉野宿ふじや再オープンしました!

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昨年11月から「曳き家」のために休館していた「吉野宿ふじや」が、本日再オープンしました。かつて「ふじや」で使われた品々や古い写真などの展示に囲まれて、担当から曳き家の経過を説明した後、来賓のあいさつがあり…と、ちょっとした式典を行ったのですが、なんといっても嬉しかったのは、地元の幼稚園と高校生によるオープニングの合唱です。
これには皆、聞きいってしまいました。地域で大切に思われる施設って、こういうものなんだな、という実感がわきました。

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展示パネルの向こう側に参加者が見えています。

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ふじの幼稚園による合唱。後ろからしか撮れなくてすみません。

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園児と生徒だけで約60人。土間に並んだ靴の数で実感していただけるでしょうか。

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ひととおりのセレモニーが終わった後は「ふじの里山くらぶ」による展示解説(もちろん、展示をつくったご本人方です)。
ここにも地域パワーが発揮されています。

きょうのオープニングは総じて「ふじや」という場所のあり方を象徴していたようにも思えます。ひとことで言うと「アットホーム」。ただ歴史的建造物というだけでなく、人々が支えてくれている、そんな雰囲気が終始漂っていました。
今日から9月1日まで、オープニング記念展示は継続します。どうぞ見にきていただければと思います。(学芸班 木村)
ふじやの紹介URL:http://www.city.sagamihara.kanagawa.jp/shisetsu/library_etc/017350.html

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今日のもう1人の立役者。「ミウル」。相模原市緑区のマスコットキャラクターです。写真は出番待ちの様子。

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登場したとたんに、園児はざわめき、高校生からは「カワイイ!」の声。

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最後は写真撮影大会でした。ミウル君、おつかれさま。そのうちさがぽんも連れて来たいものです。

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今日のおかいこさま(7/2 羽化第1号)

繭を作り始めてちょうど2週間が経ち、今朝、1頭のオスが羽化していました。ケースのふた越しに、真っ正面から。

かわいいですね。野生のクワコは野趣を感じさせるかっこよさがありましたが、カイコの成虫を見ていると、なんだか昆虫という感じがしません。モコモコしていて、ほ乳類のような感じでとてもかわいい。

でも、上から見ると、やっぱりまぎれもなく蛾です。

この個体はオスです。腹部が小さく、おしりには誘因腺、つまりフェロモンを出す部分がありません。今はこうしておとなしくとまっているだけですが、メスの出すフェロモンを感じ取ったとたん、バタバタと飛べないながらに羽をふるわせて激しく動き回ります。今日はこの1頭だけの羽化のようなので、明日以降まで、交尾相手となるメスの羽化を待つことになります。もうしばらく辛抱してね。

(生物担当学芸員 秋山)

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今日のおかいこさま(6/29クワの剪定)

繭はすっかり乾燥させて、あとはケバ取りをするだけです。今年の繭人形作りに足りるかな?

足りないといけないので、今年2回目を育てようということで、数ペア分のサナギを生かしてあります。来週には羽化の予定です。

そして今朝は、駐車場前のヤマグワの木を剪定しました。下の写真はビフォア。すでにカイコのためにたくさんの枝を落として葉をとったので、すっきりしているのですが・・・。

アフターです。さらにばっさりと枝を落としました。丸坊主です。

じつは枝がちょっと上に伸びすぎてきてしまって、しかも虫の入った枝や、下の方の枝が込みすぎたりして不健康な葉が目立つところがありました。そんなこともあり、今回は文字通り大なたをふるったというわけです。夏のカイコには間に合わないかもしれませんが、これだけ切ってもまた来年までには何事もなかったようにたくさんの枝が伸びてきます。カイコのために、クワの木にもがんばってもらわねば・・・。

(生物担当学芸員 秋山)

 

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