地質調査日誌6/27 石老山

6月27日木曜日。晴れ。
昨日は梅雨の晴れ間。湿度も高くはなく、木陰に入ると涼しく、野外調査に出かけるのにちょうど良い天気でした。

石老山の中腹をめぐる林道沿いで資料採集を行いました。石老山礫岩と呼ばれているやや浅い海で堆積した礫岩の資料採集です。

礫岩に含まれている礫を取り出して採集しました。

林道沿いなので岩石が風化しており、取り出しやすいのは良いのですが、礫の表面が風化していたり、鉄分が沈着していたりと、礫の岩石種を見分けるのに苦労しました。
(地質担当学芸員 河尻)

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吉野宿ふじや、間もなく再オープン!

今日は博物館が管理している古建築「吉野宿ふじや」に行ってきました。ふじやは、元々甲州道中の旅籠だったのが明治29年の大火で焼失した後、明治30年頃に建てられたといわれる建物です。もちろん今でも甲州街道(国道20号)に面しているのですが、国道を拡幅する工事のため、しばらく休館して「曳き家」という工事を行っていました。
「曳き家」というのは、読んで字の通り、家を引っ張って移動させる工事です。

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元々、道路の際に建物がありました。向かって左に3メートル移動しました。

この度、無事に曳き家も完了し、7月2日(火)に再オープンします。当日は10:30からちょっとしたオープニングセレモニーを行い、9月1日(日)まで記念展示を行います。
この、展示を受け持つのが「NPO法人ふじの里山くらぶ」の皆さん。博物館との協働事業で、ふじやの活性化事業に取り組んでいます。
今日はオープニングの打ち合わせと、展示準備の最後の詰め。本当にもう秒読みです。
オープンした時に、またレポートしたいと思いますが、興味を持たれた方はぜひ、見にきてください。(学芸班 木村)

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ただいま準備中。

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展示について「ふじの里山くらぶ」の方が説明してくれました。

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美しいくも

今日、6月27日の夕方は、ほれぼれするような雲でした。ひさしぶりの雲の写真の記事です。クモでなくてスイマセン。

空に広がる巻積雲。

 

そして、波状巻積雲になりかけ。上の写真の雲も、下の写真の雲も、方角は正反対ですがどちらも放射状雲になっています。カッコイイ!

 

電柱も電線も、空を構成するパーツです。

高い空の雲は、美しいですね。

(生物担当学芸員 秋山)

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夏季企画展へ向けて

昨日発表された「イトカワの微粒子公開」。大変光栄な事に当館は2箇所ある公開場所のひとつになりました。
この展示は、夏季企画展の一角で期間限定で行います。
今回の「はやぶさ2」応援企画展 片道から往復へ~新たな宇宙時代の到来~
は、微粒子公開の件があったので、今まで「極秘裏に」準備を進めて来ましたが、ようやく大手を振ってPRできるようになりました。

というわけで、さっそく淵野辺駅改札前にポスターを貼りました。

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さて、これからが本番、ぜひ皆さんに「来て良かった」と思っていただけるよう、天文担当を始め、総力をあげて準備を進めていきます。どうぞ、お楽しみに。(学芸班 木村)

※顕微鏡を覗いての微粒子の観察は、事前申し込みか当日整理券いずれかが必要です。日によってどちらか一方が原則となりますので、お間違えのないよう、お気をつけください。詳しくは博物館ホームページをご覧になるか、相模原市コールセンター(電話 042-770-7777 午前8時から午後9時・年中無休)にお問い合わせください。

顕微鏡での「イトカワ」微粒子観覧のご案内 http://www.remus.dti.ne.jp/~sagami/30-02tenjiannai-tokubetu.htm#itokawabiryushi

企画展のご案内 http://www.remus.dti.ne.jp/~sagami/30-02tenjiannai-tokubetu.htm#kikaku-hayabusa2

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市民学芸員養成研修最終日

今日は研修3日目、先週のバス研修に参加した方は4日目になりますが、いよいよ最終日です。
今年度の研修の特徴は、実技があること。今日は、実際に作業をしていただきました。
基本はとにかく資料を傷めない事。そのため、「落ちる」「引っかかる」などの可能性がある名札や腕時計等は予め外しておく、胸ポケットに物を入れない、手はきれいに、などに注意しながら実習に臨みます。

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日常生活ではあまり馴染みのない掛軸。慎重に扱います…でも、この掛替えが季節毎の日常作業という家もあったかも知れませんね。

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壁にパネルを虫ピンで固定する練習。「壁の場所によって打ち込みやすさが全然違う」こんな事は経験してみないとわかりません。手前にあるのは列品の練習結果(私より上手かも)。

この養成研修の狙いは博物館の基本的な考え方を理解していただく事にありますが、限られた時間の中でどれ位の事が伝わったか、心配です。毎回提出していただいている日誌には時に厳しい意見もあり、反省材料として今後に活かさなければならない、とも思います。
とはいえ、これだけやれば、もはや皆さん即戦力。あとは登録していただくだけですが…さて、結果はどうなるでしょう。1人でも多くの仲間が増えて、お互いにプラスとなるような活動を広げて行かれれば良いな、と思っています。(学芸班 木村)

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ちょっと嬉しいヘビが

嫌いな方には先にゴメンナサイ、と謝ります。

昨日、博物館の職員が緑区鳥屋でシロマダラというヘビを発見しました。あまり記録の多くないヘビで、市内ではこれまで、確実な記録が数例しかありません。しかし、小型でおとなしく、昼間はほとんど動き回らないことから気づかれないだけで、それほど珍しいヘビではないはずです。でも、やっぱり見つかると嬉しい!なんといっても、この美しさ!

はい、やっぱり嫌いな人には「美しいなんて言われてもさあ!」と怒られそうです。

今は博物館にいますが、数日観察したら元いた場所へ放そうと考えています。

(生物担当学芸員 秋山)

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今日のおかいこさま(6/25:玉繭)

繭をつくり始めてもう1週間。中身はすでに蛹へと脱皮しているはずです。そろそろ、乾燥処理をしなくてはいけません。生きものを殺すわけですから、「かわいそう」という気持ちがないわけでもありません。しかし、養蚕はあくまでも、繭をとることが目的です。成虫にするのは、系統保存やタネ(卵)の生産などごく限られた目的の場合のみです。そこをはき違えないようにしないと、カイコを育てることはできません。

さて、6/20の記事でご紹介した、2頭で1つの繭をつくってしまうパターンですが、こんな繭ができました。右側が2頭でつくった繭、左側が通常の繭です。

このような繭を「玉繭(たままゆ)」と言います。実際、形が丸いですね。生糸にするにはこの後、十数個の繭から繊維を1本ずつ取って撚(よ)るのですが、玉繭は中で2本の繊維が絡み合っているので、うまく取り出せません。そこで、このような繭はお湯でほぐしていき、正方形にひろげます。それが、「真綿」です。結構な頻度でこの玉繭ができるので、玉繭だけを別に集めて利用したというわけです。それにしても今、真綿がシルクであるということも一般的には忘れ去られようとしているようです。

ところで、6/23の記事でご紹介したクワコですが、くどいようですが、もう1枚。ほんとうにカッコイイ!この脚、触角、眼!自然の造形美ですね。

(生物担当学芸員 秋山)

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幼体オンパレード

梅雨時はじとじとしてうっとうしいですが、通勤路はすごい勢いで生き物が増えています。私が注目するのはクモばかりですが、本当に色々な種類の幼体が現れて、育っています。

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ジョロウグモの幼体が昆虫を捕らえています。だいぶまだら模様が出てきました。

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オニグモ類の幼体。網に光る雨粒が綺麗です。

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マルゴミグモ幼体も補食中。やはり子グモが育つためのエサが豊富な季節なのでしょうか。

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ワキグロサツマノミダマシの幼体。成体に比べ、淡い色合い。

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ネコハグモ幼体。成体と全くちがう赤い色。

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コガタコガネの幼体。網につけたギザギザ(かくれ帯)がレース模様みたいです。

まだいろいろいます。「爆発的に増えている」と言いたくなるほどで、我を忘れて写真を撮り続け…ると、遅刻するので程々にして立ち去ります。非常に名残惜しい思いで。(学芸班 木村)

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今日のおかいこさま(番外編:野性味の美しさ)

カイコは全員すっかり繭の中に入ってしまったのですが・・

先日、カイコへあげるクワをとっていて気づいたクワコの繭が、いつの間にやら羽化していました。クワコは、カイコの祖先の野生種と非常に近いなかまの昆虫と言われています。

繭には羽化した成虫が出てきた穴があいています。この穴は、シルクの繊維を切って出てきたものではありません。糸と糸をくっつけている糊成分を成虫が口から出す酵素によって溶かして、ほぐして出てきているものです。

せっかくなので、外のヤマグワの木に放しました。

それにしても、野趣というか、やっぱり野生はかっこよくて美しいですね。

(生物担当学芸員 秋山)

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火山灰を顕微鏡で見てみよう

今日は「火山灰を顕微鏡で見てみよう」を開催しました。日本各地の火山灰の地層の中に含まれている鉱物を顕微鏡で観察しました。

相模原地質研究会と相模原青陵高校地球惑星科学部の皆さんにお手伝いいただきました。

希望された方には、火山灰中の鉱物の洗い出し作業も体験していただきました。

洗い出した鉱物は、カード付きのおみやげとなります。

今年の参加者は例年に比べるとやや少なかったですが、多くの方に楽しんでいただけました。

(地質担当学芸員 河尻)

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