今日のおかいこさま(6/17:新幹線?)

このところ月曜日(休館日)恒例のホームステイ、今週も自宅でもりもり食べ続けています。大きさも7センチを超えました。ほぼ、マックスです。

ここからはもう、繭を作り始める熟蚕までのカウントダウンです。おそらく水曜日くらいにはウロチョロしはじめるのが出てくることでしょう。博物館のクワの葉も、取りやすいところのよい葉を取り尽くしたかんじで、あとは高枝切りばさみで高いところからでないと大きな瑞々しい葉がとれません。ラストスパートという感じです。ところで、先日知り合いがオモシロイことを教えてくれました。その人の親戚の子がある理由でカイコをとても好きなんだとか。

なんと、カイコの顔(頭と胸ですが)は新幹線みたいだから!!

だとか。なるほど!乗り物好きの子どもの発想に脱帽。こんど、学校への出張授業でカイコが苦手な子がいたら、その手を使ってみよう。

(生物担当学芸員 秋山)

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さがみはら宇宙の日(6月)

★ちょこつきくん梅雨バージョン

昨年8月から開催している金星探査機あかつき応援企画は、今年度から、当館で開催する新規事業『さがみはら宇宙の日』の位置づけに加わり、引き続き偶数月に開催しています。

そして、本日は「金星探査機あかつきトークライブ」第6段を開催しました。
今回は「金星の天気と季節」をテーマに、神山(こうやま) 徹さん(産業技術総合研究所研究員)の講演会と、実習“スーパーローテーションの風速を求めてみよう!”を行いました。

講演会では、兄弟星と例えられる地球と金星とを比較して、似ている点や異なる点について、とても分かりやすく説明してくださいました。地球の平均気温が15度に対して、金星は460度もあることや、スーパーローテーションと呼ばれる秒速100メートルの風が吹いていること、硫酸の雨が降っていること。また、スーパーローテーションには季節があるかも知れないことなど、とても興味深い内容でした。

後半は、研究者の方たちも行っているスーパーローテーションの風速を求める「クラウドトラッキング」の実習です。具体的には、Venus Express によって観測された金星の雲の画像を使って、一定時間に雲がどちらにどれくらい流れたか(上下左右の移動)を測る作業をしました。

特徴的な雲の模様を特定するために、蛍光灯の光を透かしてみたり、パラパラ漫画の要領で、重ね合わせた2枚の画像を、上の1枚をめくり上げたり、重ねたりを繰り返して、見慣れない雲の画像に挑戦していました。

移動した距離(画像上の長さ)を神山さんが計算式に入力して、風速を算出しましたが、想定された傾向に概ね一致するといった、優秀な成績を105人の参加者が一致団結して導き出すことができました。(結果は後日、金星探査機あかつき サイトにアップしていただける予定?です。)

講演会と実習が終わった後は、研究者の方々を囲んでの“あかつきランチ”タイムです。今日の講義の質問や、研究とは全く関係の無い日常の話題など、講師と聴講者の垣根を越えて、お互いの距離が縮まる楽しいひとときでした。

次回以降の「さがみはら宇宙の日」
7月28日(日)14時~はやぶさ2応援企画展開催記念講演会
「やっぱり小惑星はおもしろい!」
 講師:布施哲治さん(情報通信研究機構主任研究員)
8月31日(土)13時30分~金星探査機あかつきトークライブ 第7弾
 講師:戸田知朗さん(JAXA宇宙科学研究所准教授)

(天文担当 有本)

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そこが違うのか!

雨の風景に似合う花は、アジサイだけではありません。
博物館の駐車場やお隣の樹林地にたくさん生えているミズキもその一つです。

あれ?でも、だいぶ前、4月の記事でミズキの花が紹介されていたはずじゃあ・・・。そんなに花期が長いの?

いえいえ、そうではありません。上の写真はミズキに近い種類のクマノミズキの花です。博物館の駐車場にはどちらもたくさん生えていて、葉っぱだけみても違いがよくわかりません。葉の付き方や冬芽を見れば一目瞭然なのですが、遠目ではほとんど同じ木に見えます。

なるほど、花も葉っぱもそっくりだけど、花期が1か月半ほど違うということが、近縁である二つの植物の最大の違いというわけです。両種の長い歴史の中で、別々の種として同じ環境に共存してきた理由です。専門的な言葉では、生殖隔離と言います。ところで、ミズキの方はというと・・。

今はもう青い果実がふくらんできています。これもまた、雨に似合います。この果実が黒く実る頃には梅雨も終盤でしょうか。

(生物担当学芸員 秋山)

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アサヒエビグモ

今朝通勤途中に植え込みを覗いていると…
葉の陰に何かいます。

アサヒエビグモのメスです。体長はメス5-7mm、オス4-5mmで市街地でも普通に見jられるクモです。
どうやら卵のうをガードしているようなので、ちょっと博物館まで来てもらい、写真撮影。

野外から拉致してきてしまったので、これも子グモが出てくるまで、館内で見守る事にします。

因みに、こちらはオス。
近くを徘徊していました。素早く動くので、静止した瞬間に写真をとるのがやっとでした。
こういう時、コンパクトカメラだとちょっと追い切れなくて困る時があります。
この時期、いろいろいろな種類のクモが卵を産んだり、子グモが出てきたりします。
梅雨というと雨が降ってうっとおしい季節ですが、小さな体でも乾燥しにくく、エサも豊富という事を考えると、実は豊かなシーズンなのかも知れませんね。(学芸班 木村)

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今日のおかいこさま(6/15:ものすごい勢いの食いっぷり)

5齢になって3日目、食いっぷりも絶好調です。大きさは5センチを超えました。

大きめの葉っぱをあげても、見る見る間に葉脈だけになってしまいます。私たちは展示が主目的なので、夜は閉館後にどばっと山盛りに上げて、朝までそのままです。出勤すると、おとなしく食べ残しのクワの上でじっと新しいクワを待っています。

しかし、この時期の栄養が繭の大きさに影響するため、かつて養蚕農家では24時間、数時間おきに家族が交代でクワやりを繰り返していたそうです。

でも、見ていて飽きないのもこの時期。生命力を感じてなんだか元気が出ます。

(生物担当学芸員 秋山)

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「はやぶさの日」記念無料上映

3年前の今日(6月13日)は、小惑星探査機「はやぶさ」が地球に帰還した日。
そう、「はやぶさの日」です。

  「はやぶさの日」とは?
   JAXAの施設がある相模原市、能代市、大船渡市、佐久市、肝付町、大樹町で組織する
  『銀河連邦』が、はやぶさの開発、運用に関わった人々の「あきらめない心」、「努力する心」
  を全国の方々に伝え続けていこうと、はやぶさが地球帰還した6月13日を「はやぶさの日」
  と制定しました。(平成24年)

そんな「はやぶさの日」を記念して、本日、はやぶさ関連のプラネタリウム番組と全天周映画を無料で上映しました。
整理券を正午から配布しましたが、何と!! 早い方は9時前に到着し、3時間ほどお待ちいただきました。配布開始時点で70~80人の方が並んでいらっしゃり、関心の高さを感じました。(3回の投影結果は次のとおり)

 13:30 プラネタリウム「はやぶさ2の挑戦」127人
 14:40 全天周映画「HAYABUSA BACK TO THE EARTH」171人
 15:50 プラネタリウム「はやぶさ2の挑戦」94人

今回、「はやぶさ」のミッションを振り返っていただくこと、「はやぶさ2」ミッションを知っていただき、応援していただくこと、そして、何よりもプラネタリウムを楽しむきっかけとしていただきたいと考えて開催しましたが、平日でしかも雨にもかかわらず、たくさんの方々にご利用いただき、本当にありがとうございました。

博物館のプラネタリウム番組、全天周映画は、6月16日(日)まで「はやぶさ週間」の特別プログラムで上映していますので、ぜひご利用ください。

(天文担当 有本)

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今日のおかいこさま(6/13:5齢になってモリモリ)

昨日の記事で予告のとおり、今朝までにはほとんどの個体が5齢に脱皮しました。

でかい頭でモリモリと食べています。

今日から展示もアクリルケースをはずし、じかに見られるようにしています。なでなでしていく人もいますが、まあここまでくれば、多少触られてもだいじょうぶです。

ところで、昨日から降り続く雨は、カイコを育てるのにちょっと手間を増やしてくれるいやな天候です。カイコは水気を嫌う生きものなので、雨に濡れたままのクワの葉をあげるわけにはいきません。剪定したクワの枝についた葉を、いったん乾かします。

乾いた葉からあげていきますが、あまり乾かしすぎると葉が干からびてしまいます。一ぺんに何日分もとるわけにはいかないので、雨の中、日に何度かクワ摘みをすることになります。

まあそれも、この1週間を乗り切ればおしまいなのですが・・・。

(生物担当学芸員 秋山)

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市民学芸員養成研修2日目

先週水曜から始まった研修、今日は前半、各分野の担当から「分野の概要」というタイトルで、資料と展示の観点からお話しをしました。後半はバックヤード見学。ちょうど話題に上った事を確認するような形で見学ができ…と、さも順調にいったかのように書きたいのですが、実際は前半のタイムキープが甘く、駆け足の見学になりました。これは反省せねばなりません。そもそも「1分野につき20分ずつ」というのはかなり気を引き締めなければならない時間配分なので、予備の時間をもっとシビアに管理すべきでした。伝えたい事がうまく伝わった事を祈るばかりです。
さて、次回は再来週、いよいよ資料取り扱いの実際です。ああ、もう最終日、あっという間だなあ、と言いたいところですが、現役の市民学芸員さんから「8月のクイズラリーの準備を始めたいので、参加して下さい」という声がけがあったり、来週の(やはり市民学芸員による)視察研修に任意参加したりと、既におお忙しの気配が…。どうか「大変だなあ」ではなく「博物館に関わっていくきっかけ」と考えていただければいいな、と思っています。(学芸班 木村)

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会議室での座学ですが、実物を使っての講義もありました。

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今日のおかいこさま(6/12:4眠です)

昨日はブログを更新するヒマもなくバタバタ動き回っていましたが、カイコは順調に食べては休み、食べては休みを繰り返していました。で、昨日からほとんどの個体が4眠に入りました。

すでに頭部と胸部の前面が割れています。今晩には5齢(終齢)に脱皮でしょうか。

ところで、上の個体はオスのようです。なぜなら、一昨日の記事の写真のような眼状紋がほとんどありませんし、全体的に白っぽい。これが限性斑紋形質を持つ品種の特徴です。幼虫期に色で雌雄が識別できるなんて、さすがカイコ!(もちろんこれは蚕遺伝学の粋で、ふつうは幼虫期の色では見分けがつきません)。

下の写真は、カイコ版「寝相アート」

美しい寝姿、といいたいところですが、フンが出かかったまま眠に入ってしまったのはご愛敬ですね。

そんな写真を撮っていたら、ひとつ脱皮殻があり、そのそばで猛然とクワの葉を食べている個体が。

そう、早くも5齢に脱皮した個体が1頭だけいました。頭の大きさが終齢の迫力を醸し出しています。このぶんだと、午後くらいにはポツポツ脱皮する個体がいそうです。カイコは一生に食べるクワの量(約25グラム)の、8割以上を5齢の1週間で食べます。ここからが勝負です!!

(生物担当学芸員 秋山)

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巣立ち

今朝(6/10)、カイコの世話をしていると外から「クチュクチュジュリリ・・」と声がします。ベランダから外を見下ろすと、ツバメの巣立ちビナが。いっちょまえに羽づくろいなどしています。

親が近づくと、声の限りで「ちょーだいーっ」と甘えます。

1羽ずつですが、ちゃんと交互に与えています。

ところで、ツバメのクラッチサイズ(一腹卵数)は4個から6個くらいがふつうです。ここにいるのが2羽ということは、ほかは事故や捕食などにあったのでしょう。かわいらしい姿の中にも厳しい野生の試練が垣間見えます。

写真を撮っていると、親が真っ正面にとまりました。

「うちのこどもたちに何か?」と言われているような気がしたので、レンズをひっこめてカイコの世話に戻りました。

(生物担当学芸員 秋山)

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