109日目の緑の力

この写真は、今年1月17日の朝、お隣の樹林地で撮影したものです。

雪の翌朝の、青く反射する林床の雪が美しいですね。そして、下は今朝、同じ場所を撮影した5月6日の写真です。上の写真から数えて109日目。緑の力、すばらしいですね。

今日は連休最終日。この緑の美しさとパワーに敬意を表して(?)、臨時でミニ観察会を実施することにしました!(こじつけなんて言わないで!)開花中のカザグルマはもちろん見ていただこうと思いますが、メインはクワの木です。枝に目を近づけてみると…

誰かがここでお洗濯?いやいや、なんだろコレ?さらに葉っぱを見てみると、新緑なのにくしゃっとなっているのがあります。

内側をのぞいてみると…

なんだこの白いもじゃもじゃは!? 観察会で、その正体をあばいちゃいます!!

臨時の「博物館のまわりのミニ観察会」は、12時から。正面入り口付近に集合で、定員20名(先着)です。

そうそう、企画展「相模原市の遺跡2013」は今日が最終日。14時から展示解説が行われます。お見逃しなく!!

(生物担当学芸員 秋山)

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ミニ観察会を紹介していただきました

福音館書店の月刊予約絵本「ちいさなかがくのとも」6月号の「おりこみふろく」という小冊子で、「博物館のまわりのミニ観察会」のようすなどを紹介していただきました。

定期購読の形で販売される絵本の折り込みなので、残念ながら一般書店では見ることができません。内容はインタビュー形式で、私たちのミニ観察会が観察対象を一方的に紹介していくのではなく、一緒に見つけていくことを心がけている点を強調するものとなっています。参加者に落ち葉を拾ってもらって形や色の多様性を発見したり、子どもがたまたま見つけた昆虫やキノコをメインの観察対象にしたりといった、いつもこのブログに書いているような流れをご紹介しています。

ちなみに、「ちいさなかがくのとも」6月号の本編は、「てんとうむしみつけた」(文:岡島秀治、絵:稲田務)で、ナミテントウの斑紋の多様性が視覚的に感じ取られるすばらしい内容です。

(生物担当学芸員:秋山)

追伸:相模大野図書館の職員さんから連絡が入り、市内の図書館4館(相模原、相模大野、橋本、相武台分館)では「おりこみふろく」を含めて閲覧できるそうです!

さらに追伸:博物館の職員の調査(?)によると、市内のいくつかの書店では、「ちいさなかがくのとも」を扱っているそうです。もちろん、おりこみふろくも入っています。税込み410円!でこのクオリティなので、ぜひご購入のうえご覧いただければと思います。

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星空観望会、満員御礼。

今日は定例の星空観望会開催日。昼間は大変良い天気だったのですが、夕方になると北から西にかけて雲がかかり、だんだんこちらに流れて来るような、まさに「怪しい雲行き」となってしまいました。
そんなお天気にも関わらず、一旦閉館した正面入口前には早くから列が…やはり連休だからでしょうか。
観測テラスのスタッフは、まだ明るい空の下、流れる雲の間を縫うようにあの天体なら見えるか、こっちはどうか、と観望対象を胃が縮む思いで探します。
いよいよ受付が始まると、あっと言う間に定員オーバーとなってしまい、止むを得ず受け付けを締め切らざるを得なくなりました。

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急きょ書いた受付締切の表示

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賑わう館内

お天気の方は幸い、土星のあたりに雲がなく、口径40cmの望遠鏡で楽しんでいただく事ができましたし、おおいぬ座の一等星シリウスを大型双眼鏡で見た子から「きれい!」と言う感想をもらう事もできました。途中、雨がぽつりと当たったり、完全に曇ってしまい、観望を中断したりしましたが、なんとか観望会を終える事ができました。

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曇天にもマケズ。皆さん楽しそうに星を見ています。

それにしても、せっかく来ていただいたのに、参加出来ない方がいらっしゃったのは大変申し訳なく思いますし、残念です。今回の反省を生かして、より多くの方に(もちろん安全に)星空観望を楽しんでもらえるようにしていきたいと思います。(学芸班 木村)

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ワカバグモと脚の数


写真は、ワカバグモのオス。博物館の敷地内で撮りました。都市部から山地まで広く分布し、草や木の葉の上を徘徊しているところをよく見かけるクモです。体長はメス9-12mm、オス7-11mm。オスの成体は頭部前方や第1・2脚の付け根などが赤くなります。メスは全身緑色なので、その印象でいると「なにこれ?新種?」みたいな勘違いをする事になります。

野外での写真があまりうまく撮れなかったので、採集して館内で再度撮影。

さて皆さん、何か変だと思いませんか?
そうです。脚の数が変です
クモの脚は8本。この個体は7本しかありません。
そして、左右の第1脚(一番前の脚)を比べると、長さが違います(左の方が短い)。
クモは脱皮して大きくなりますが、ケガなどで脚を失っても、次の脱皮までに新たな脚が生えてくるのです。
ただし、元と同じ長さという訳にはいかないらしく、こんな風に長さが違ってしまうのです。
現在、この個体は右の第2脚を失っています。成体なので、もう脱皮はしません。ですから、残念ながらこちらは3本のままという事になります。クモを捕まえると、脚が少なかったり、左右の長さが違うことはさほど珍しくありませんので、ケガをする事は比較的ありふれたことのようです(ケガをすると「自切」といって、自分で噛み切ってしまう事もあるそうです)。
こんなふうに多少脚が減っても平気だったり、再生しているのを見ると、やっぱり我々人間とはずいぶん違う生き物なのだな、と改めて思います。(学芸班 木村)

正面から見たところ。実は歩くための脚の前にもう1対「肢」があります。昆虫で言う「触角」のようなもので「触肢」と言います。クモのオスの触肢の先は精子を保持し、メスに送り込むための複雑な形をした器官になっており、外見も丸く膨らんだ形をしています。上の写真とも見比べてみてください。

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プラネタリウム新番組の収録

本日午前中、6月から始まるプラネタリウム番組の収録を、天文展示室で行いました。
「コスミックシアター」に映し出される「はやぶさ」の映像の傍らに佇み、お話をしてくださったのは、JAXAの吉川真准教授(「はやぶさ2」ミッションマネージャ)です。

そう、すでにご存じの方もいらっしゃると思いますが、今投影している「もっと知りたい土星のなぞ」の次は「はやぶさ2」についての番組なのです。
「はやぶさ」が2010年に帰還したのが6月13日。それに因み、2014年に打ち上げ予定の「はやぶさ2」についての番組を9月1日まで投影する予定です。また、7月中旬~9月1日に開催するJAXAと連携した企画展も「はやぶさ2」に関係ある内容となる予定です。
さて、肝心の収録ですが、吉川先生にビデオ出演してもらうための画像撮りです。お話ししていただいた内容はもちろん「はやぶさ」「はやぶさ2」について。
え?もっとくわしく知りたいですか?
申し訳ありませんが、現時点ではこれ以上のコメントは控えさせていただきます。どんな内容になるか楽しみにお待ちください。
今日は団体の展示見学と日程が少し重なってしまい、順調に収録できるか心配したのですが、出演者の吉川先生が、プラネタリウムスタッフの指示(?)に実に的確に対応してくださるので、NGもなく、あっという間に収録が終わってしまいました。スタッフ曰く「こんなに早く終わったこと、ないです…」吉川先生、お忙しいところ本当にありがとうございました。そして皆さん、新番組にご期待ください!(学芸班 木村)

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小さな青いオニ

今朝見かけたクモは、アオオニグモです。赤鬼、青鬼、という訳ではなく「オニグモの仲間で、腹部が緑色をしているから」ついた名だと思われます(因みにアカオニグモというのもいます)。

因みにどんな姿をしているのかというと…

んー、あまり青くないですね。腹部がぼんやり白くて、黒い模様があって、ちょっと不気味…
でもひっくり返すと…

こんな風にきれいな緑色をしています(写真は死んだふりをしているところです)。

体長はメス9-11mm、オス5-6mm(写真はメス)。出現期はちょうど今頃から夏にかけてです。平地~山地まで広く雑木林や林道、生け垣などに垂直円網(一部のヨコ糸を省略しているので「キレ網」と呼ばれる事もある)を張ります。似た種類に、主に秋に見られるビジョオニグモがいます。

ところでこのアオオニグモ、普段はなかなか姿を見る事ができません。というのは、網の近くの葉に天幕状に糸を張って隠れているという、ちょっと面白い習性があるからです。自分は身を隠していて、エサがかかったらいただこうという、ちゃっかりした戦術ですが、食う、食われるという生き物の関係の中で、身を守りつつ生存を確保するというひとつの方法です。

それはともかく、陰に隠れて糸をつかんでいる姿をみつけると、なぜか嬉しくなります。ちょっとした発見をしたような気分になるからでしょうか。いかにも子どもっぽい理由ですが、そんなわけで、今日は朝からからちょっと良い気分になりました。(学芸班 木村)


葉に「天幕」を張って隠れているところ。左下に向かって一本の糸が伸びているのが見えるでしょうか。この糸は円網の中心部分に繋がっていて、その振動で獲物がかかった事を感知します。

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カザグルマ全開!

こんな表題を付けると、なんだか弥七さんが大活躍して不埒な悪玉をバッタバッタと…みたいな感じですが、これはもちろん、当館中庭に咲くキンポウゲ科のつる性木本植物、カザグルマのことです(言うまでもないですね…)。

連休始めにゆったりしっとりと開きかけていた花も、すでに全開となりました。キンポウゲ科なので、花びらに見えている白い部分は萼片です。しかしそんなことはどうでもよくて、とにかく大きな花です。直径約10センチ。毎年のことながら、気品と明るさを兼ね備えた堂々たる咲きっぷりに感嘆させられます。まだつぼみもたくさんあるので、しばらくは楽しめます。中庭のほか、プラネタリウム入り口前のガラス越しにも見ることができます。ご来館の際にはぜひご覧下さい。

もうひとつ、前庭やお隣の樹林地にたくさん生えているミズキも満開です。

(生物担当学芸員 秋山)

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地質調査日誌4/28 上野原市

4月28日、日曜日.晴れ.相模原地質研究会と相模原青陵高校地球惑星科学部のメンバーと一緒に上野原市へ蛇紋岩類の調査・資料採集に出かけました。天気も良く、まさに調査日和でした。

長靴に履き替え、川に入る準備。最初の調査地点はこの川を少し遡ったところにあります。

最初の調査地点での露頭観察と資料採集。

2番目の調査地点へ向かうため、道のない急斜面を下ります。

模原青陵高校地球惑星科学部の新入部員が初めての岩石割りに挑戦!なかなかうまく割れませんでした。岩石割りは簡単そうに見えますが、力ではなく、コツが必要です。

夕方4時頃、中央道上野原インターチェンジ付近。3連休の中日なので上り車線は渋滞しています。これでもまだましな方でしょうか。

今回は、普段の調査に比べ楽だったとはいえ、新入部員には、少々、ハードだったようです。それに加えて、内容はかなりマニアックでした。野外調査のやり方を多少なりとも理解してもらえればと思っております。
(地質担当学芸員 河尻)

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金星探査機あかつきトークライブ⑤

昨年8月から開催している金星探査機あかつき応援企画は、今年度から、当館で開催する新規事業『さがみはら宇宙の日』の位置づけに加わり、引き続き偶数月に開催することになりました。

そして、本日は新年度、第1回目となるさがみはら宇宙の日として、「金星探査機あかつきトークライブ」第5段を開催しました。
今回は「赤外線で温度を測る」をテーマに、福原哲哉さん(北海道大学大学院理学研究院特任助教)の講演会と、中間赤外カメラ(LIR)での実験をしました。

講演会では、“光”とは?の基本から、中間赤外カメラの開発の話し、異なる波長で観測をする意義、そして、あかつきミッションのおさらいと今後の計画のことを、とても分かりやすい内容で説明してくださいました。

また、LIRでの実験では、この人だかりを見れば一目瞭然、参加者の皆さんの興味関心が半端ない状況でした。

発する温度によって、色が違って見えるいわゆるサーモセンサーですね。露出している顔や手は黄色~赤色っぽく、メガネ着用の人は、メガネの部分だけ青色を呈します。みなさん、日常にないカメラを存分に楽しめたようです。

講演会と実験コーナーが終了した時点で、参加者全員で記念撮影。受講者は85人でした。初回から5回連続の方や、遠く新潟県からお越しいただいた方まで、ご参加くださりありがとうございました。

そして、正規の日程終了後に研究者を囲んでの茶話会(=あかつきカフェと勝手に命名)を希望者の皆さんと行いました。研究者の方々と参加者の方々との距離が近くなる、あかつきトークライブには欠かせないイベントですね。

今日のお茶菓子は、特注「あかつきせんべい」でした(*^_^*)

「これは食べられないなぁ~(^_^;)」って声も聞かれましたが、記念に取っておくのでしょうか?賞味期限が切れる前に食べてくださいね。このお茶菓子ですが、あかつきチームを裏で支えていらっしゃるスタッフの方が、色々と考えて手配してくださっています。いつもありがとうございます。
次回のお茶菓子は、何かしら?(あ、、、なにげにプレッシャー??)

あっ、そうそう、そう言えばこんなスペシャルゲストが来てましたので、あかつきくんと2ショット(^_^) あかつきくんがかぶっている兜は、今回、参加された方が作ってきてくださいました。

次回の「金星探査機あかつきトークライブ」は6月16日(日)10時から開催する予定です。
また、さがみはら宇宙の日の次のイベントは5月26日(日)14時から講演会「イカロスの太陽系飛行、未来の宇宙探査」と題して、津田雄一さん(JAXA宇宙科学研究所宇宙飛翔工学研究系助教)にお話をしていただきます。
ぜひ、ご参加ください。

(天文担当 有本)

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ミニ観察会を実施しました

今日(4/27)12時から、博物館のまわりのミニ観察会を実施しました。

昨日の書き込みのとおり、春の花の見納め…といいつつ、今朝から開き始めたカザグルマを、まず見ていただきました。

ゆっくりと、もったいぶって開いています。女王の風格ですね。

さて、観察会は20名近くの方にご参加いただき、熱心な子どもさんも多くて密度の濃いものとなりました。フデリンドウもしっかり見納めました。

そして、若いカナヘビがカサコソと動いていたので、すかさず捕まえたのですが…

尾を自切して逃げられてしまいました。残念!というか、かわいそうなことをしてしまいました。でも、切った後のクネクネ動く尾を初めて見たという方も多く、それはそれで、大きなインパクトのある観察会となりました。カナヘビ君ごめんなさい。でも、おかげでいい観察ができました!

さらに、小さなお子さんを連れたお母さんが、「これなんですか??」見ると、ヒトヨタケの幼菌でした。

下見の時にはまったく気づきませんでした。やっぱりたくさんの目があると、いろいろなものが見つかります。

やっぱり自然観察は、行き当たりばったりが一番楽しいですね。

(生物担当学芸員 秋山)

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