明日はミニ観察会

明日、4月27日(土)の12時から「博物館のまわりのミニ観察会」を実施します。

今年度、第四土曜日12時から30分間と定例化した第1回目となります。明日は、春の花、最終章ということで、だんだんと緑に埋もれつつある林床の花々を観察します。そして、お天気が良ければ…

こちらも春のお仕事をそろそろ締めくくる、ビロードツリアブにも期待しましょう。上の写真は、トキワハゼで吸蜜。下の写真は、ヤブヘビイチゴ。

春先は、モコモコした体があったかそうだなーと思いながら眺めていたのに、今日、木もれびで見た彼らはなんだか夏に毛皮のコートを羽織ってガマン大会をやっているかのようです。

そろそろ見納めの春を満喫する30分間にしたいと思います!

事前申し込みは不要ですが、参加希望者が20名ほどになったところで締め切らせていただきます。

(生物担当学芸員 秋山)

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アツアツ(?)のカタツムリ

昨日、野外調査の帰りに緑区の篠原へ立ち寄りました。その時、カタツムリの交尾を見ました。

交尾といっても、なんと頭と頭を向かい合わせています。これって交尾って言うのかな?生殖器は口のすぐ下から出ています。拡大すると…。

カタツムリは雌雄同体で、お互いに生殖器を相手の体へ射し込み、精子の入ったカプセル(精莢)を送り合います。もちろん、産卵もそれぞれが行うという不思議な繁殖形態です。

写真は、まだ交尾が始まったばかりだと思われます。おそらくこの後、さらにくっついていって、本格的に精莢がやりとりされるのでしょう。カタツムリの交尾は時間が長いので、残念ながら上の写真を撮って現場を離れてしまいました。

その近くでは、センチコガネがイヌ(?)のフンをころがしていました。これも、幼虫を育てるための大事なゆりかご兼、餌になるはずなので、繁殖活動の一端とも言えるでしょう。

春ですね。

(生物担当学芸員 秋山)

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雨に映えるみどり

このところ雨と相性がよくなってしまい、今日の野外調査もばっちり朝から降られました。緑区綱子から、雨具を決め込んで山梨県境の入道丸(714m)へ登ります。

でも、新緑は雨に映えます。すばらしく複雑で、あざやかなみどりです。

その複雑な色合いをかもしだしているのは、こんな色の新緑があるからです。写真はヌルデの芽吹き。

足もとでひっそり咲いていたヒメハギ。微細にして華麗なこの花の美しさには、いつも感心させられます。

いつでも引き返すつもりで登り始めたものの、降ったり止んだりの雨は調査の邪魔にならず、暑くもなく寒くもなく、心地よい山歩きとなりました。途中、スミレの楽園を通過。写真はヒゴスミレです。

下山して少し時間があったので、近くの里山へ立ち寄りました。ゲンゲ(レンゲソウ)もまた、雨に映える花です。

この美しすぎる新緑も、あと半月ほどでしょうか。ゴールデンウィークを過ぎれば、もう初夏。それはそれで楽しみな季節です。

(生物担当学芸員 秋山)

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困ったトタテグモ

3月6日のブログで紹介したキシノウエトタテグモ。はやく皆さんに「トタテグモ探し」を堪能してもらいたいと、土の入った容器に入れたのですが…

ごらんの通り、一向に住居をつくる気配もなく、土の上でじっとしています。
もしかして至近距離でストロボを光らせたのが影響してはいまいかと、もう1頭採集してきましたが、これも同じ状態。
その辺でとってきた土が気に入らないのかと、採集した場所の土に変えてみましたが、相変わらずじっとしたまま。

そして、新たに土をとって来たときに偶然採集した個体は…

痕跡もありません。
あっという間に土に潜ってしまい(素潜り?)、住居をつくっていません。

唯一、住居ができたのがこれ。

直径1mmほどの超ミニサイズ。
これは3月6日に、偶然混入していた幼体です。
すぐに土に潜って住居をつくってくれたのですが、これじゃちょっと展示には小さすぎます。
相手は生き物、こちらの思ったようにはいかないなあ、と、またしても思い知らされています。(学芸班 木村)

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さがぽんのお友達(4/23)

「ボク、さがぽんのお友達。博物館のお隣に住んでるよ。今日はおひさまがほんわかあったかくて気持ちいいから、外へ出てみようかな。くんくん。」

「よし、出でてみるか。」

「ほんと?ワタシも出てみようかしら。くんくん」

「ほんとに大丈夫?へんなおじさんがカメラ構えてるけど、あやしくない?くんくん。」

「まあいいんじゃない、見かけほど悪い人じゃなさそうだよ。」

「まあいいわ。ほうっておきましょ。さて、これからどこへ行こうかしら。」

という会話が交わされていたかどうかわかりませんが、このあとのんびりとお食事してました。ちなみに、今のところ雌雄もよくわかりません。

(生物担当学芸員 秋山)

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エビネが咲き始めました

博物館の中庭や前庭に、エビネが植えられています。今年は例年より少し早く、花が咲き始めました。

ということは、いくつか市内でチェックしている自生地も気になります。今年も無事に咲いているでしょうか。なにしろ、目立つところに咲くとことごとく盗まれてしまう野生ランです。こんなに綺麗な花をたくさんの人に見て欲しいのに、間違っても場所を公開するなんてことができません。野外でこの花を見ると、いつもジレンマを感じます。

もうひとつ、前庭のアマドコロも咲きました。こちらは最近、まわりに咲くシャガに押され気味で、だんだん株が小さくなってきているのがちょっと気になります。

ほかにもムラサキケマンなどが色をそえて、前庭は花盛りです。

(生物担当学芸員 秋山)

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花びらがチラリ

朝アップしたフデリンドウの閉じた花の続編です。

正午の時報に合わせたかのように雨が上がったので、お隣の樹林地へ行ってきました。晴れ間がのぞいていればもうちょっといろいろな展開途中のようすが撮れたのかもしれませんが…

花弁が開きかけて、なんだかチラリと見せているような花がいくつもありました。5枚の花弁が合着したラッパ形の花なので、プリーツの入ったスカートを細くきちんとたたんで、さらにぎゅっと絞ったような閉じ方です。晴れれば毎日、朝ひろげて、夕方たたんでと、几帳面な作業をやっているんですね。服のたたみ方がなってないといつも家族に怒られている身としては、尊敬に値します。

ところで、タンポポは綿毛が濡れてみじめな形になっていました。でも、乾けば何事もなかったようにフワフワが復活するのですが…。

雨は、普段見慣れた身近な自然のちょっと違った表情を見られます。傘をさしながらの自然観察が、けっこう好きです。

(生物担当学芸員 秋山)

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冷たい雨の下

今朝(4/21)は、というより昨日の夕方から冷たい雨が降り続いています。

博物館、がんばります!こんなふうに朝から雨模様の日は、博物館日和。ほんわかあったかい館内で、常設展も企画展もプラネタリウムもフルオープン!(あたりまえですが)。足もとにお気を付けてぜひ博物館へいらしてください。

さて、出勤途中にお隣の樹林地をのぞいてみると…。さすがに名前にたがわず、ミズキは雨が似合います。花もチラホラ咲き始め、濃いめの色合いの新緑が艶やかに輝いています。

でも、林床の花はちょっと雨が苦手。カントウタンポポは、寒くて虫も来ないのに花を開いてられないよ!とギュッと花をすぼめています。

フデリンドウも、こちらはきれいにらせん状に花を折りたたんでいます(これ、つぼみじゃありません)。見事な開花のコントロールです。どんなふうに閉じたり展開したりするのか、長時間撮影してみたいな、と思ったりします。

くどいようですが、博物館は通常開館です!こんな日はぜひ、博物館でのんびり楽しいひとときをお過ごしください!

(生物担当学芸員 秋山)

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新緑も戸惑う相模湖の春

今日(4/19)は、相模湖へ行ってきました。相模原市環境情報センターによる自然環境観察員野鳥部会の相模川における鳥類調査の下見に随行するためです(息継ぎしないと窒息しそうですね)。早い話が、市民参加型調査で行う野鳥調査のロケハンです。昨日までとはうってかわって肌寒い曇り空でしたが、相模湖は新緑まっさかり。いろいろな緑色がモザイク模様をつくっていました。弁天橋付近です。

途中、定点調査を設定するために、本番と同じく30分間、実際に同じ場所に留まって調査を行いました。見晴らしのよい公園で調査していたら、きっとこの公園を根城にしているのであろう野良ネコが近寄ってきました。なかなか目つきのよろしいネコです。

食べ物をなんにもくれないと悟ったのか、やがて一つ伸びをしてにゃあとも言わず、去って行きました。

鳥の方は、まだ4月中旬ということで夏鳥の囀りもほとんどきかれませんでした。でも、フジが満開に近く、ホオノキまで咲き始めていました。足もとではまだニリンソウやイチリンソウが咲いていて、なんだか行きつ戻りつの季節に植物も惑わされているかのような風景でした。

(生物担当学芸員 秋山)

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今年も丸まっています

博物館中庭のコナラが新緑まっさかりです。花穂をつけている木や、瑞々しい若葉が展葉してきている木など、同じ新緑といっても表情はさまざまです。

そんな萌える緑をじっくり見ていると…、今年もありました。葉っぱが3分の2くらい、丸められています。

ヒメクロオトシブミのしわざです。親が近くの葉っぱの裏に静かにとまっていました。

丸めた葉っぱの中には、1ミリにも満たない小さな卵が一つ、入っているはずです。

よく見ると、他の葉っぱには早速穴が空いていて、近くに小さな毛虫もいました。新緑が始まるとともに、動物たちの動きも活発化しています。

(生物担当学芸員 秋山)

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