今、市民学芸員が熱い?!

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この写真、何かの発表会のように見えますが、実は「市民学芸員」の定例ミーティングのひとコマ。
昨年度も「身の回りの気づいた事」を皆で持ち寄る、という事をやり、それが11月の「学びの収穫祭」でのポスター発表に結びついたのですが、今年度はそれをもっと積極的に進めて、毎回のミーティングで必ず誰かが発表しよう、という事になりました。今日の発表者は2人。テーマは「境川の生き物」と「かるた」(ネタバレになるといけないので、詳細は伏せます)。どちらも面白く、次の何かに発展しそうなお話でした。「あまり面白い話をされると次が困る!」という声もありますが「肩の力を抜いて、自分の興味をひいたものを持ち寄ろう」と始まったこの企画、長く続いて、蓄積が出来てくると良いな、と思います。「気になったモノを集める」というのは博物館的だと思いますし、アイデアが飛び交い、活動が形になっていく場に居合わせていると思うと、担当職員の私まで、元気が出てきます。というか、ボランティアの皆さんに、熱意で負けてるのでは、と感じてしまいました。(学芸班 木村)

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発表の形式は各人自由。ルールは「前に立って話す」事だけ。

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ミーティング終了後も、集まって意見交換。熱いです。

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フタバアオイ

先日(4/10)調査で訪れた丹沢の登山道に、フタバアオイの群落がありました。

この葉っぱを見てすぐに家紋を思い出す人は、通です。そう、あの決めゼリフとともに目の前に突き出される印籠に描かれた御紋。そのモチーフとなっている植物です。

しかし、あの家紋は三葉葵のはずでは…。

じつは、三葉葵は架空の植物です。二葉葵紋という由緒ある家紋も別にあるようですが、ともかく、葉そのものはどちらもこのフタバアオイを文様化したものだそうです。

フタバアオイは、ギフチョウの食草で知られるカンアオイに近いなかまです。特別珍しいわけではないのですが、なぜか、山中で出会うとちょっと嬉しい植物です。小さな頃からすり込まれた印籠の効果でしょうか。

(生物担当学芸員 秋山)

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臨時のミニ観察会(4/13)

今年度から、「博物館のまわりのミニ観察会」を毎月第4土曜日の12時からと定例化しました。

でもでも、今日は臨時でミニ観察会を行いました。なぜかって、こんなにたくさんのきれいな花が咲いているのに、観察会をやらないテはない!というわけです。

12時から、ぽかぽか陽気の樹林地を歩きます。フデリンドウに、トキワハゼ、タチツボスミレ、キランソウと、青~紫系の小さな花を堪能します。

ふと上を見ると、ウワミズザクラも満開。たくさんのハナアブが訪花していました。

最後に、駐車場へ戻り、とびきり小さなキュウリグサの花を観察。

今回は臨時の観察会で、たまたま来館されていたご家族連れのみなさんが参加してくれたのですが、植物にとても詳しいお子さんがいてびっくり。葉っぱや花びらの形などもしっかり観察してくれて、楽しく密度の濃い観察会となりました。

次回は4月27日(土)の12時からです!

(生物担当学芸員 秋山)

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どや顔されちゃった

今日(4/13)は、お隣の樹林地の花があまりにきれいなので、12時から「博物館のまわりのミニ観察会」を臨時で行います。

朝、その下見をしていたら、足もとをカサコソと動くものが。

カナヘビでした。はじめ、様子見でトウカエデの幹をちょっとだけ登って顔を出していましたが…

こちらがじっとしていると、スルスルっと登っていろいろなポーズをとってくれました。なかなか話のわかるヤツです。

そして、最後に小さなアブラムシをぺろっと食べると、「もういい?こんなもんでさ」と、どや顔をして落ち葉の中へと去っていきました。

(生物担当学芸員 秋山)

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地質調査日誌4/12 相模原市緑区名倉

4月12日金曜日.晴れ.

今年度も引き続き、相模原市緑区名倉の海底火山噴出物の調査を続けます。

芽吹いたばかりの若々しい緑の中へ、調査に出かけました。山桜もちらほら見られます。

幅2~3cmのメノウ脈がありました。

大きな礫を含む凝灰角礫岩です。

寒くもなく、藪こぎもそれほど大変ではないので、調査するのには良い時期になりました。

(地質担当学芸員 河尻)

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展示のない展示室

今日、さがぽんがTwitterでつぶやいていましたが、今、企画展のウラ側で空っぽの展示室を公開しています。
当館の特別展示室は、可動式の壁でレイアウトが変えられるようになっていて、今回は手前側2/3しか使わないため、奥側1/3はデッド・スペースとなる予定でした。
こういう場合、この空間に不要な展示ケースを置いておいたり、物置き的な使い方をする事が多いのですが、これを「がらんとした空間」として、あえて公開する事にしました。実は思ったほど効果が出てないな〜、というのが思いついた本人の感想なのですが、それでも普段見る事がない風景をご覧いただいて、何かを感じて頂けたら良いと思っています。
公開は、企画展の開催期間中(5月6日まで)続ける予定です。(学芸班 木村)

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博物館で咲いている花(4/11)

今、博物館で咲いている花です。まずは、シャガ。正面入り口に向かって右側で満開です。年々花をつける株が増えていて、今年はなかなか圧巻です。

1本だけあるミヤマガマズミも、中庭でかわいらしい白い花を咲かせています。

さて、毎年ゴールデンウィーク頃に開花するカザグルマですが、つぼみの状態を見ると、今年は10日ほど早そうな気配です。ゴールデンウィーク前に咲き始めそうです。

ほかにもいろいろ咲いているのですが、追々お知らせいたします。

(生物担当学芸員 秋山)

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今シーズン最初の山登り調査

今日は今シーズン最初の山登りを伴う調査となりました。相模原植物調査会のみなさんと、丹沢主脈の黍殻山(きびがらやま:1272m)へ。山はまだ早春です。ヒトリシズカがお出迎え。

ナガバノスミレサイシンは、白花が楚々と咲いていました。

アブラチャンも満開。下界ではもうとっくに花が終わっています。

山頂へのとりつきは、やせ尾根。なかなかスリリングです。

で、山頂に着いてみると…。しるべがなーんにもありません。あるのは、城山ダムの無人雨量観測所のみ。ほんとに、「黍殻山」の「き」の字も表示がありません。

かろうじて見つけた、三等三角点。

植物調査会のみなさんと、「これは丹沢3大がっかりピークに認定できそう」と話しながら下山しました。あとの二つは、ご想像にお任せします。

ともあれ、私たちはピークハンターではないので、山頂よりも途中の植物がおもしろければ、それでヨシ。早春の瑞々しい崩芽の色を満喫しながらの調査となりました。

(生物担当学芸員 秋山)

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朝見かけた網の主

これは、昨日の朝見かけたクモの網です。

きれいな円網ですが、クモがいません。まあ、よくある事です。
こういう場合、実際にクモがどこかへ行ってしまったという事もありますが、クモの種類によっては、近くに隠れている場合もあります。
そう思って探してみると…いました。木の皮の下に隠れて、糸の端に足をかけています。

おそらくヤマシロオニグモではないか、と思うのですが、足だけで判断するのは無謀なので「オニグモの一種」としておきます。※

そして今朝、別なところで見つけた網の主をちょっとつついて、出てきてもらいました。

これは、オニグモです。「昔よく軒先で見かけた、夜になると網の真ん中に鎮座して、ちょっと不気味だったクモ」というとイメージがわくでしょうか。残念ながらこのクモも、市街地ではほとんど見かけなくなりました。見た目は不気味ですが、ちょっとうれしい出会いです(つついてみて良かった…)。
こんな風に、円網を張るクモでも、昼間は隠れている種類もいれば、ゴミグモ類のように、ずっと網の真ん中でがんばっている種類もいますし、中には網に獲物がかかるのを隠れ場所で待っている種類もいます。一見同じような「円網」を使いながら、種によって異なる行動を見せる…このあたりがクモという生き物の大きな魅力なのだと思います。(学芸班 木村)

※後日、姿を見て「ヤエンオニグモ」らしき事を確認しました。

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ミョウバンの結晶

毎年、夏休みに開催している「子ども鉱物教室」で参加者に大きなミョウバンの結晶を見せたくて、ミョウバンの結晶を育成しています。二つ育成していたのですが、今日はその一つの育成を終わらせることにしました。

2年で約10cmになりました。育成していた1リットルのプラスチックビーカーいっぱいになり、これ以上大きな容器で育成するのは大変なので、ここで終わらせることにしました。数ヶ月前に入れ替えた溶液の濃度が低かったためか、少し溶けたようで、表面が一部、階段状になってしまいました。

こちらはまだ育成中の結晶で、1年前から育成しています。大きさは約5cmです。このまま順調に育ってほしいです。

(地質担当学芸員 河尻)

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