春の足どり(4/9)

ついこの間、冬芽が芽吹いたと思っていたのに、ミズキはもう花芽が伸びてきています。

博物館お隣の樹林地は、春の花がまっさかり。フデリンドウは満開。でもまだつぼみもたくさんあるので、これからまだまだ見頃が続きます。

トキワハゼも所狭しと咲いています。鳥が翼を拡げたような美しい形の花ですね。

今年もなぜか一株、シロバナタンポポが咲いています。

ほかにもキランソウ、タチツボスミレ、ヤブタビラコ、シャガなどが見頃です。

(生物担当学芸員 秋山)

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パンスターズ彗星を観察するつどい

昨日から降り続いた強い雨と強風のためか、絶好の星見日和(^^)というコンディションの中、『パンスターズ彗星を観察するつどい』を事前に応募していただいた46人の参加により開催しました。
はじめに、猿楽祐樹さん(JAXA宇宙科学研究所赤外・サブミリ波天文学研究系研究員)から、彗星のお話しを聞いた後、3階の天体観測室、観測テラスへと移動して、天体望遠鏡で観察しました。

天体観測室の口径40cmのカセグレン式天体望遠鏡に導入したその姿は、白っぽくぼんやりと光る彗星の核のみを確認することができましたが、尾の部分までは分かりませんでした。

 ☆市街地の街明かりの影響もありましたが、写真を撮ってみると、かろうじて尾も写りました。
 (画像クリックで拡大)

また、観測テラスに設置した天体望遠鏡では、木星、オリオン大星雲、プレアデス星団(すばる)を、そして、ハッブル宇宙望遠鏡や国際宇宙ステーション(ISS)のパスを肉眼で確認し、さらに流れ星が3つも見られるというおまけも付いて、大変にラッキーなつどいでした(^_^)v

 ☆南から西にかけて撮影した星空で、冬を代表する星座たちが西の低い空に傾いています。オリオン座をなぞるように描く光の線は、10秒間に上昇するISSの姿です。

(天文担当 有本)

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神奈川県植物誌調査会総会

今日は小田原にある県立生命の星・地球博物館へ行ってきました。
神奈川県植物誌調査会の総会に出席するためです。いつになく、出席者の多い総会でした。

『神奈川県植物誌』といえば、全国に名だたるフロラ(植物相)リストです。神奈川県に果たして維管束植物が何種生育しているのか、その明快な根拠を示しているのが、この本です。

分厚く、重たいこの本こそが、神奈川県における生物多様性情報の根幹のひとつ。そのフロラを構築する調査に従事する市民の集まりが、神奈川県植物誌調査会です。
最新の神奈川県植物誌が2001年版。それから10年以上が経ち、次の植物誌の刊行を2017年と定め、今日はそのキックオフミーティングのような総会だったのです。次の植物誌へ向けて、熱気ムンムンの会場のようす、写真から伝わったでしょうか。
(生物担当学芸員 秋山)

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角田市からのお客様

今日は、はるばる宮城県の角田市から、市議会議員を始めとするお客様が6名来館されました。
角田市といえば、JAXA角田宇宙センターがあり、ロケットエンジンなどの研究をしているところです。
滞在時間が比較的短かったので、大急ぎで展示室をご案内した後、プラネタリウム「おしえて!さがぽん お日さまってなに色?」を見ていただきました。
しかし、さすがJAXA施設がある市の方々。天文展示室に入ったとたんに生き生き目を輝かせて、イオンエンジンやサンプラーホーンの試験モデルに見入り、「コスミック・シアター」の映像に歓声をあげていらっしゃいました。
当館は様々な分野を扱う博物館ですが「宇宙」というテーマを持っている事でこうしてつながりを感じていただければ、とてもうれしい事です。(学芸班 木村)
(視察の様子の写真は1枚だけ撮影したのですが、うっかり掲載の承諾をいただくのを忘れてしまいました。今回は「NO IMAGE」とさせていただきます)

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考古企画展、再開してます。

年度末の事務処理にかまけて、皆さんにお伝えするのをすっかり忘れてしまっておりましたが、考古企画展の後期が4月2日から再開しています。

「勝坂考古展」が撤収し、入り口のパネルも新調しました。

 

「勝坂縄文展」が撤収した場所の一部に、「さがみはら発掘最新情報」と題して近年市内で発掘調査された遺跡の紹介を行なっています。

この写真の奥に、ちょっとした”しかけ”があります。お立ち寄りの際はぜひ覗いてみて下さい。

 

もちろん「縄文時代のまつりの道具~川尻遺跡小池氏コレクション展~」はこれまでどおり展示しています。

 

ところで明日、明後日は天気が大荒れになるようですね。今回の企画展はゴールデンウィークが終わるまで(5月6日まで)開催されていますので、ご無理なさらないでください(いらしていただきたいのはやまやまですが)。

(考古担当 正)

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風流な網の主は…

今朝、いつものように植え込みを覗き込みながら歩いていると(かなり怪しいと、よく言われます)、マルゴミグモの水平円網の上に桜の花びらが乗っているのをみつけました。これは絵になると思い、写真をパチリ。

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さらによく見ると、網の中心部から、斜め下にタテ糸が伸びており、そこにもヨコ糸が張られています。まるで作りかけの垂直円網が、水平円網に合体したかのようです。
何のはずみでそうなったのかは分かりませんが、花びらで飾るだけでなく、形まで工夫するとは、なかなか味な事をする奴です。
職場に着いてさっそく「マルゴミグモの網の上に桜の花びらが…」とブログに書く文章を考えながら、撮った写真をチェックしていると…あれ?マルゴミグモじゃない?
そう、これ、普通なら垂直円網を張るギンメッキゴミグモのようです。写真では全身が見えなくて、断言できないのですが…。
とにかく、周りの環境と網の形に惑わされた結果です。最近、老眼が進行しているからといって、観察をおろそかにしないで、しっかり確かめなくては、と改めて思いました。(学芸班 木村)

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網の下に合体した網。ワク糸が独立して張られています。ブログの写真でわかると良いのですが…

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フデリンドウが咲いています

博物館となりの樹林地で、フデリンドウが咲いています。

ソメイヨシノをはじめほかの花が例年よりだいぶ早いのに比べると、フデリンドウは平年通りです。おもしろいですね。まだ咲き始めというところなので、これから2週間くらいは見頃が続きます。博物館の通りに面したフェンス際は、道路から見ることができます。もちろん、林内の遊歩道からも見られます。1年草で、踏みつけに弱い植物なので、遊歩道を外れずにそっと見守ってあげてください。

(生物担当学芸員 秋山)

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南リアス線が走った

博物館と関係のない話題で恐縮です。

今朝、たまたまTVのニュースを見ていて、目が釘付けになりました。「三陸鉄道南リアス線、盛駅と吉浜駅の間が運行再開」とのアナウンサーの声、そして、再開を喜ぶ被災地のみなさんの明るい表情。胸が一杯になってしまいました。

私は、相模原市と友好都市関係にある岩手県大船渡市への支援隊の一員として、2011年3月19日から24日まで、同市へ派遣されていました。ライフラインがすべて止まった状態の私たちの宿舎は、南リアス線とドラゴンレール(JR大船渡線)の接続駅、盛(さかり)駅に近く、線路のすぐ西側、津波がギリギリで到達しなかった公共施設の一室でした。寝泊まりしていた部屋の窓のすぐ下が、1階を津波にメチャメチャにされた家々でした。

到着した日の夕方見た、盛駅から数百メートル南側の風景です。

踏切もなぎ倒され、線路にはありとあらゆる物が乗り上げていました。

あり得ない光景に言葉を失いました。盛駅への目抜き通りです。

さらに北へ、旧三陸町越喜来地区の光景は、凄惨を極めました。学校、鉄道、旧町役場といった地域社会を象徴する施設が、すべて津波にのみ込まれていたのです。この風景が被災地のみなさんに与える精神的なダメージを思うと、胸をかきむしられるような気分になりました。下の写真の右側の建物が、旧町役場、現在の大船渡市役所三陸支所です。この建物のすぐ後ろを南リアス線は通っています。

正直言って、2年という期間で復旧するとは考えてもいませんでした。盛駅から釜石駅まで、一日たったの7往復での再開とのことです。でも、その7往復に込められた地元のみなさんの願いや期待に思い巡らすと、ただただ、よかった、という気持ちしかありません。地震から1週間経ち、呆然としながらも粛々と片付けをされていた被災地のみなさんの、たくさんの顔を思い出します。列車の走行音や汽笛をきいて今、どんな表情をされているのでしょうか。

(生物担当学芸員 秋山)

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博物館実習の面談

昨日(4/2)になりますが、今年度、博物館実習を希望する学生さんたちの面談を行いました。

博物館実習とは、学芸員の資格を取るために大学が開設するカリキュラムの一つです。ひらたく言うと、教員免許を取るには教育実習が必修単位であるのと同じように、博物館学芸員資格にも実習があるというわけです。毎年、希望者が定員をオーバーしたり、希望分野に偏りが生じたりするため、面談を行って選考、振り分けの参考にします。緊張した面持ち(後ろ姿なのでわかりませんが)の学生さんを、学芸班職員が面談します。

最近は就職戦線の厳しさからか、4年生のみなさんの多くは面接に対応したトレーニングがしっかりされていて、はっきりと正面を向いて、よどみなく話をしてくれます。大学によっては3年生で実習を受けるのですが、この1年の差は大きく、就活にもまれているかどうかがよくわかります。

しかし、この面談は、雇用者が採用を決めるために行う就職試験とは違います。私たちが聴きたいのは、なぜ学芸員を目指しているのか、なぜこの博物館で実習を受けたいと思ったのか(当館が受け入れる必然性)、そして専門分野に対する姿勢(受け入れ分野との整合)です。

残念ながら、想定していた質問にはハキハキ答えてくれる面接百戦錬磨の学生さんも、専門に関する取り組み内容などちょっと変化球を投げると、とたんにしどろもどろになってしまう人がほとんどです。でも、上手くしゃべれるかなどというのはこちらにしてみれば二の次です。博物館がほんとうに好きそうだとか、大学生としての専門分野に対するしっかりした考えが垣間見えるような人は、たとえトークが上手くなくてもこちらの印象がぐんと上がります。

博物館実習は夏から9日間の日程で行われます。秋には、こんなふうな面談を経て選考された実習生の制作する展示もありますので、どうぞご期待ください!

(生物担当学芸員 秋山)

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つつましい網

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この写真、以前も紹介したマルゴミグモ。温暖化の影響で北上してきたとも言われているクモです。しかし、思いの外寒さに強いのか、1月くらいに見られなくなったと思ったら3月に入ってちょっと暖かくなると真っ先に姿を現します。
ところでこの写真、何か変です。そう、網にヨコ糸が張られていないのです。この日(3月27日)の朝は少し雨が降っていたので、虫を捕るのに使う糸は張らずにいたのでしょう。付近にいた4個体全てがこんな様子でした。
そして翌日(3月28日)は、こんな様子。
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やけにこじんまりとした円網です。こんな小さな網で、エサが確保できるのでしょうか?前日の寒さの中、ようやく張ったという事なのかもしれません。それでもいつもどおり真ん中にちょこんと乗っている姿はユーモラスですらあります。これも付近の4個体全て同じような状態でした。
ところで、昨日、今日と暖かい日が続きましたが、今朝は昨日と同じ網でした。どうやら貼り替えていないようです。せっかくの良い天気なのに…どうもよく分かりません。これからいつ張り替えるか、ちょっと気にして見ていこうと思います。(学芸班 木村)

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