クサグモ現る(2013)

変な表題ですが、昨年の春にも同じタイトルを使ったので、後ろに年号をつけてみました。試しに、いつの事かと調べてみたら、なんと2012年4月17日。日付で言うと、20日の開きがあります。ここ数日、寒いと言っても良い陽気でしたが、桜は既に満開。今朝の暖かさに誘われたか、通勤路のあちこちにクサグモ幼体の網が出現していました。
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クサグモ。網に残る雨のしずくがきれいです。

シロブチサラグモの幼体もいました。
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シロブチサラグモ

いよいよ春が本格的に始まる感じです。ふと、昨年の写真を見返すと、桜の花びらとクサグモが一緒に写っていました。やはり生き物は季節変化をきちんとキャッチしているのだと、改めて実感しました。(学芸班 木村)

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カワラノギクの種まき

今日は市内南区下溝の相模川で、絶滅危惧種カワラノギクの圃場で種まきを行ってきました。

ここは、今年から光明学園相模原高校の理科研究部が中心となって管理していく保全圃場です。先日、事前のレクチャーをして、いよいよ今日は実際に種まきの作業に入ったわけです。まずは桂川・相模川流域協議会のみなさんから指導を受けます。

一列になって、種をまきます。無駄なく効率的に発芽するように、まんべんなくまいていきます。

こんな荒れ地のような状態ですが、1か月もすれば芽生えも出そろい、ついでにカワラノギクの競争相手になってしまうほかの草も、ニョキニョキと伸びてくるはずです。これからは草抜きに汗を流すことになります。ちなみに、シルト質の立地なので、栄養が多く根も早く張れそうです。自然条件では通常2年目に咲くことが多いカワラノギクですが、おそらくこの圃場は1年目にかなり開花すると予測できます。

最後にみんなで集合写真。秋には咲き乱れるカワラノギクをバックに記念写真が撮れるといいですね。

(生物担当学芸員 秋山)

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考古展、後期日程準備中!

今日は「相模原の遺跡2013」後期日程の準備が本格的に動き始めました。今回も「相模原縄文研究会」の方々が助っ人に駆けつけ、すごいパワーで作業を進めてくれました。まず、部屋のレイアウトが3月20日まで開催していた「勝坂縄文展」のままなので、可動壁や展示ケースの移動から始めます。天井のスポットライトも新しい展示に合わせるため、一旦撤去します。なかなかの重労働でしたがあっという間に次の展示の下準備が済みました。さらに、皆さん明日も来てくださるとの事。本当に頭が下がります。この企画展は前期日程でご紹介した「川尻遺跡小池氏コレクション」に加え、市内での最近の発掘成果を紹介する速報展です。4月2日(火)からの開催ですので、どんな遺跡が紹介されるのか、もう少しの間、楽しみにお待ち下さい。(学芸班 木村)

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重たいケースを移動中!

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展示台の位置調整。これも重い!
本当にお疲れさまでした。

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しっぽりぬれた春の花

今日は市内緑区のカタクリの自生地へ行きました。植えたり、移したりということを一切していない、昔ながらのそのまんまの状態で維持された、カタクリの里です。でも、お天気はあいにくの雨。カタクリもしゅんと下を向いています。

ところが、個人的にはこんなお天気が好きです。しっぽりとぬれた花が、思いがけず鮮やかな色合いを見せてくれるからです。カタクリと並んで咲く、ヤマエンゴサク。

同じく、ナガバノスミレサイシン。

ちょっと足を伸ばして、峠道へ。沢からちょうど目線の高さに伸びた枝には、しずくをまとったフサザクラの花。

さらに足を伸ばして、思いがけず道ばたに咲いていたレンプクソウ。この花は、黄色の濃淡だけの花なので、晴れた日に撮影しても黄色いこんぺいとうみたいなものがくちゃっと写っているだけになってしまいます。雨の日ならではの色合いが出ました。

同じ場所にあったヒメウズの花。

花冷えの中、短い時間でしたが、春の花を満喫できました。

(生物担当学芸員 秋山)

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太陽望遠鏡保守点検

本日、太陽望遠鏡の1年に1回の望遠鏡メーカーによる保守点検を実施しました。
光軸調整、光学系清掃、駆動軸等の注油など、故障することなく、安定して稼動させるために、最低限必要な点検作業です。

当館の太陽望遠鏡の画像は、天文展示室に設置された大型の円形テーブルスクリーンでご覧いただけるほか、

sagapon-tv で、インターネットで配信しています。(※雨天曇天時は過去に録画した映像を配信)

保守点検直後のクリアな画像で、ぜひ、今の太陽のすがたをお楽しみください。

(天文担当 有本)

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市史講演会を開催しました!

本日は市史講演会「相模原市の商業政策をめぐる現代史~大型店の「出店調整」はどう行われたか?~」を開催しました。
博物館では「毎月第4日曜日は博物館の日」として、毎月催し物を開いていた時期があるのですが、今も講演会やワークショップは第4日曜日を中心に開催しています。
この毎月の催し、各分野の学芸員(学芸班)が企画をしていますが、今日は「市史編さん班」の出番です。
市史編さん班は「相模原市史」や「津久井町史」をつくる仕事をしていて、今回は現在編さん中の「市史現代テーマ編」執筆者の一人である、箸本健二先生に講演をしていただきました。
タイトルからもわかる通り、ごく最近の出来事を「歴史」として扱った内容で、少々取っつきにくいのでは?と懸念されたのですが、参加された皆さんは大変熱心に耳を傾け、講演後の質疑も活発に行われていました。
市史編さんというのは、普段、来館者には意識されない部分ですが、これを機会に興味を持っていただき、市史や町史関連の刊行物を読んでいただくことが増えればと思います。(学芸班 木村)

講演風景


会場前のミニ展示。刊行物の紹介を兼ねて。

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春の足どり(3/23)

博物館お隣の樹林地の花、満開情報です。

まずは、ショカッサイ。今年は群落があまり大きく広がりませんでしたが、駐車場との境付近で薄紫のきれいな花を咲かせています。

タチツボスミレ。この樹林地内はものすごい株数のタチツボスミレがあります。どこもタチツボスミレだらけ。

まだ咲き始めですが、ミミガタテンナンショウ。これからあちこちでニョッキリと伸びてくるはずです。神奈川県では低地にこんなに普通に見られるのは珍しく、この樹林地のひとつの特徴です。

そして、春のお待ちかね、フデリンドウはあと少しです。来週後半にはかなり咲きそろっているかなという感じです。

今年は春の花が概ね1週間ずつくらい早いようですが、フデリンドウは例年並みです。一年草だからかな。同じ花でもいろいろあって面白いですね。

(生物担当学芸員 秋山)

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地質調査日誌3/22 相模原市緑区名倉

3月22日金曜日.晴れ.相模原市緑区名倉へ調査にでかけました。

きれいな、断層の鏡肌を見ることができました。

その近くでは、硬い凝灰岩のなかまを不整合に覆う地層が見られました。この地層は昔の相模川が運んだ土砂の地層です。

別の場所では、タマネギ状風化も観察できました。

大きな結晶を含む凝灰岩のなかまもありました。

凝灰岩のなかまが露出しているところは谷の勾配も緩やかで、歩きやすいのですが、玄武岩が露出しているところは、勾配が急で、小さな滝の様になっています。

今日は、このようなところを何カ所か上らなければなりませんでした。

(地質担当学芸員 河尻)

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スズメのしわざ

通勤途中のソメイヨシノ並木も、ほぼ7分咲き。青空をバックに誇らしげに咲いています。

下を見ると、まだあまり落ちていませんが、花がボトリと根元から折られて落ちています。先日も書いたとおり、こうした花折りの犯人はたいていスズメです。

もう少し花が咲ききってくると、スズメが大騒ぎしながら蜜を吸っている光景があちらこちらで見られるはずです。

ふと目を地面に落とすと、ヒナスミレが咲いていました。

コンクリートの隙間で花も傷だらけになりながら、けなげですね。

(生物担当学芸員 秋山)

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光明学園相模原高校の理科研究部

今日は休館日でしたが、市内の光明学園相模原高校へ行ってきました。

生きもの好きが集まる理科研究部で、今年から同部が携わるカワラノギクの保全活動について事前学習のレクチャーを行うためです。

今、市内の高校でも生きものを扱う文化系の部活動というのはあまりありません。博物館ではそうした数少ない部活動の支援活動を行っています。今回は特に、市内の高校が地元の絶滅危惧植物の保全活動に乗り出すということで、少しでも力になれればと思いお話をしてきました。

カワラノギクがなぜ絶滅の危機に瀕しているのかを、その特異な生活史や生育立地の特殊性から解説し、さらに生物多様性の考え方に基づいた保全生物学的な保全作業の方針を紹介しました。卒業生も交えて熱心にきいてくれて、3月末に行われる播種作業もスムーズに進むことでしょう。

カワラノギクの成長とともに、部活動も活性化するといいなと思います。

(生物担当学芸員 秋山)

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