春の足どり(3/20)

今日は春分の日。博物館は通常開館です。

通勤途中の桜並木(ソメイヨシノ)も、2分から3分咲きとなりました。これから2週間が見頃です。ということは、小中学校の入学式はちょっと間に合わないかな。うまくすれば、桜吹雪の中の入学式ですが、散り際に大風など吹くと、葉桜になってしまうかも。ちなみに、満開に至るまでのこれから10日くらいは、強風だろうが大雨だろうが、そのせいでサクラの花が散ることはありません。

さて、桜並木に1本だけ植わっているカワヅザクラは、一足先に満開です。この木にたくさんのヒヨドリが集まって蜜を吸っていました。

カワヅザクラの方は満開なので、すでに花も散り始めています。ヒヨドリが枝を揺らすので余計に花びらがハラハラと雪のように落ちていました。

一方、サクラの木の下に花が付け根からぼとりと落ちているのを見かけたら、それはスズメのしわざです。ヒヨドリは舌でなめるように蜜を吸いますが、スズメは花の付け根をちぎるように潰してなめます。こうした習性は比較的新しいもので、この数十年の間に知られるようになりました。

今まさに日本列島をサクラ前線が駆け抜けています。なんとなく気持ちが浮つくこの季節、やっぱり手は本棚の「桜の森の満開の下」(坂口安吾)に伸びていきます。

(生物担当学芸員 秋山)

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3天体が描く顔

おうし座の1等星アルデバランの近くで、ひときわ明るく木星が輝いており、3月17日~19日には、さらに月が加わり、3天体で顔を描きました。(あいにく3月18日は天気に恵まれず撮影できませんでした。) ※写真クリックで拡大します。

 ☆3月17日 「笑顔」 : )

 ☆3月19日 「困った顔」 ) : にも見えてきます。

こんな風に星空を楽しむこともできるのです。

桜が開花し、季節の移ろいを感じさせてくれますが、星空も同様。
日没後、南を向いて星空を見上げると、東よりの空には、しし座やおとめ座、うしかい座などの春を代表する星座が昇り、西よりの空には、オリオン座やおおいぬ座などの冬を代表する星座が傾きはじめています。季節ごとに星空の楽しみ方がありますので、ぜひ一日でも多く見上げてみてください。
博物館のホームページでは、毎月、星空のみどころを紹介していますので、参考にしてください。

(天文担当 有本)

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ツクシとサクラ

今日は朝からグングン気温も上がり、春というより初夏のような暖かさです。
そんな中、博物館の前庭ではツクシがにょっきりと伸びてきました。

あっという間に伸びてしまうために、あまり見ることのない伸びかけのツクシも。

去年も書いた気がしますが、ツクシはシダ植物です。スギナという標準和名を持つシダの、胞子茎をツクシと呼んでいます。

駐車場ではサクラも咲いています。

このサクラ、毎年ソメイヨシノより1週間ほど早く咲きます。なんの品種かといつも調べるのですが、雑種だらけのこの仲間、植えられたサクラは特にわかりにくいため、答えが出ません。萼や花の咲き方、花柄の毛などの特徴からヤブザクラの系統の雑種だろうというくらいのことしかわかりません。

まあ、そんな疑問符をつけて眺めていては、せっかくこんなに綺麗に咲いている花に失礼ですね。しばらくは、青空に映える白い花弁を楽しみたいと思います。

(生物担当学芸員 秋山)

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縄文土器の模様をさぐる!

今日は「勝坂縄文展」の関連イベント「縄文土器の模様をさぐる!inさがみはら」が行われました。

大きな勝坂式土器が置いてありますね。

でも今日は小さな破片の模様を和紙に写しとるのが目的です。拓本(たくほん)と言います。

まずは先生からやり方を教わります。

うまくできるかな?

お父さんも一生懸命!

ええっと、こんな感じでいいのかな...?

作品。墨の濃さに少しムラがあるけれど、勝坂式土器の特徴的な模様がうまく写し取れました!

取った拓本は記念に持って帰って頂きました。(写真を撮るの忘れました!)

でも約5000年前のホンモノの縄文土器を直接触る事ができる機会って、そんなに無いですよね。今回の企画が少しでも思い出に残ってもらえたら嬉しいです。(考古担当 正)

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3.17あかつき旅立ち

ちょうど3年前の今日、金星探査機あかつきがJAXA相模原キャンパスから旅立っていきました。当日は、午前中から大型トレーラーがキャンパス内に入り、何やら作業が始まりましたが、機材の搬入なのか?搬出なのかも分からない状況でした。

しばらくして、金星探査機あかつきが搬出されることを聞き、その瞬間を一緒に見送りたいと、様子を見守っていたところ、17時過ぎにプロジェクトメンバーをはじめJAXAの方々がたくさん集まり始めました。また、道行く一般の人々も物々しさに足を止め、数十名が見守る中、ついにその時をむかえることになりました。


まさに門出。たくさんの拍手に見送られて、打ち上げの地、種子島宇宙センターに向けて旅立ちました。

当日の様子は、あかつきに搭載されている1μmカメラIR1の開発担当の大月祥子さんが、ISASメールマガジン第293号で書いていらっしゃいます。

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ちなみに、当日の夕空に、細い月と並んで、探査目的の金星が輝いていたんですよ。
《クリックで拡大》

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あかつきの挑戦は、まだ続いています。
博物館では、あかつきチームの方々と協力して「金星探査機あかつき応援企画」を2か月に1回ペースで開催していますので、研究者の方々と直接お話しができるこの機会にご参加ください。
次回は4月27日(土)13:30~15:30 「赤外線で温度を測る」をテーマに、北海道大学大学院理学研究院特任助教の福原哲哉さんにお話をしていただく予定です。

(天文担当 有本)

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H24民俗講座最終日

今日は平成24年度民俗講座の最終日。毎月1回のペースで、平成22年~23年度にかけて「市史民俗編を読む」(入門編)(展開編)としてスタートしたもので、平成24年度は「民俗学を知る・親しむ」というテーマでした。
講座のスタイルは至ってシンプル。当館の民俗担当学芸員が、配布した資料等を元に講義形式で進めます。これで2時間。時には映像を見ていただくこともあります。
これだけ読むと、堅苦しそうなイメージですが、この講座、実は隠れた人気メニューのような存在で、始めた頃は数十人程度の参加者を見込んでいたのに、今では130人近い大人数。
様子を見に行くと、会場は大変な熱気に包まれています。
人気の秘密はなんでしょう?もちろん、学芸員の話術という側面もありますが、何より「学びたい」「知りたい」という参加者の皆さんの気持ちではないかと思います。
この講座の場合、その気持ちと博物館が提供するものがマッチした好例なのではないか、と思っています。当館のような博物館は地域の資料や情報を地道に集め続ける事が、重要な仕事のひとつですが、そうやって蓄積したものを皆さんに届け続けることができれば良いな、と思います。(学芸班 木村)


見よこの熱気!といいたいところですが、写真で伝わりますかどうか…

※平成25年度の民俗講座「スライドで見る相模原の民俗」は既に申し込みを締め切りました。

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自然環境観察員の環境セミナー

今日は、相模原市環境情報センター主催の環境セミナーで、自然環境観察員のみなさんに向けて調査の目的や方法についてお話をしてきました。今年の調査テーマ(前期)は、ヒバリと花ごよみです。

この自然環境観察員制度というのは、市民参加調査に携わるボランティアとして登録していただき、実際に市内の身近な自然環境を調査していただくものです。もう10年以上の実績があり、これまでにタンポポ調査やセミの抜けがら調査、ツバメの巣の調査など市域(旧市域)全域で行ってきました。また、分科会があり、野鳥、植物、水生動物、湧水といった専門分野の調査も行っています。同様の市民参加調査はいろいろな市町村で行われていますが、これほど毎年活発に行われている例は少ないと思います。市民のみなさんの自然に対する意識の高さと、環境情報センターという活動の拠点の存在が大きいと感じています。
博物館も、制度発足の当初から主に生きもの調査の分野で関わってきました。今年は果たしてどんな結果が出るのか?そして、相模原市の鳥、ヒバリの生息状況は?
今から結果が楽しみです。
(生物担当学芸員 秋山)

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【続報】パンスターズ彗星

16時ごろから、西の空にうっすらと雲がかかり、今日もお預けかと思っていましたが、あきらめずに18時以降探し続けていたところ、空が次第に暗くなり始めた18時30分ごろから、雲の切れ間に、淡い光の筋を真上に向けたパンスターズ彗星が姿を現しました。
[博物館屋上、天体観測室にて観測]   ※画像クリックで拡大します。


今後、日を追うごとに太陽から離れ、見やすい位置に移動していきますが、離れた分、彗星自体の明るさが暗くなっていくため、観測のタイミングは悩ましくなります。でも、あきらめずに頑張りましょう。
一期一会の出会いを・・・

(天文担当 有本)

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春本番 アズマヒキガエルの産卵

市内南区の谷戸へ行ってきました。ホトケノザがお出迎え。

冬季湛水で水を張った田んぼからは、「ググッ」とくぐもった声がきこえています。産卵のために森から出てきたアズマヒキガエルです。ちょっと失礼して、モデルになってもらいました。「ボクはオスだぞグゥ」とリリースコールしてましたが、ちょっとガマンしてね。

水中には、すでに産まれた卵紐がたくさん。

卵の状態を見ると、一昨日から昨日の晩に産んだようです。

まさに春本番。やっぱり気持ちがどんどん焦っていきます。

(生物担当学芸員 秋山)

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ウグイスカグラ

博物館中庭のウグイスカグラの花が咲き始めました。ほんの1週間前は、まだ丸く硬そうなつぼみだったのに、このところの高温で一気に咲いたようです。

この季節、生物担当の学芸員は気持ちが落ち着きません。なぜって、加速度をつけて春が植物を目覚めさせていくからです。
同じ中庭のカザグルマは、もう葉柄をあちこちに絡みつけながらすっかり展葉を始めています。

ミヤマガマズミの冬芽は芽鱗が割れて、こちらも葉っぱが姿を現しています。

年度末の事務仕事に追われながら、あっちへ見に行かなくちゃ、こっちも見ておかなくちゃと、気持ちばかり焦る毎日です。
(生物担当学芸員 秋山)

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