生物学教室(第2回)

今日は生物学教室の2週目(第2回)が行われました。

桜美林大学の木場英久さんをお迎えして、分類と進化についての講義です。系統分類の基礎とDNA解析を用いた最新の分類について解説していただき、系統樹の見方、作り方と進みます。

系統樹から類縁関係を見る方法、そして実際の形質から系統樹をつくっていく手順は、実際にはかなり難解で間違えやすい部分です。でも、前回の講義でDNAとは何か、また、その転写のシステムについて学んでいたため、進化と分類の関係がすんなり理解できました。

次回は一週おいて2月9日、最終回となる実習です。顕微鏡観察ですが、何を見るのかな??

(生物担当学芸員 秋山)

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月・惑星探査講座が開催されました

本日、午後6時30分から9時にかけてJAXAとの共催で月・惑星探査講座が開催されました。
前半は、講演者それぞれの分野からの切り口で月について語っていただき、後半は講演者以外のパネリストを迎えてのパネルディスカッション。

特別講演「月の暦と日本人の暮らし」

皆さんとても話しが面白く、引き込まれてしまいました。
特に前半は、基礎的な話題と、最新の話題をとりまぜて、誰にでもわかるように伝えていただきました。

 後半のパネルディスカッションは、「極限の最前線で切り開く月のサイエンス~なぜ人は行かなければならないか~」というタイトルでした。有人で探査をする意義という難しいテーマにもかかわらず、研究者が一喜一憂する姿がかいま見えるようで、終始なごやかな雰囲気に包まれていました。

印象的だったのは、参加者に若い方が多かったこと。高校生や、ひょっとして小学生?という方までいらっしゃいました。
こういう第一線で研究をしている人たちの肉声で語られる、その分野の魅力に触れることは、若い人にとって何よりの経験になると思います。
いや、もちろん大人の私たちもです。
このディスカッションのテーマでもある「そこにいることの大切さ」を実感できる催しでした。

(学芸班 木村)

会場の後ろの方の風景。こんな本格的なセットは博物館単独ではとても無理。真ん中の箱のようなものは同時通訳のブースです。

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月・惑星探査講座 準備

今夜、開催される「SELENEシンポジウム2013 月・惑星探査講座」の会場準備のため、見なれない機材が搬入、設置されました。

会場では日本語と英語による同時通訳を行います。
さらに、講座の様子は「JAXA相模原チャンネル」でwebライブ配信(2言語)をすることになっていますので、こちらでもお楽しみいただけます(天文担当 有本)

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霜の競演

今朝は放射冷却でぐっと冷え込みました。通勤途中に通った博物館隣の樹林地は、霜がきらきら。

ケヤキの落ち葉にしっかりと霜がついて、朝日を浴びても溶けずに光り輝いています。

朝のほんのひとときに見られる霜のお化粧。このはかなさがまた、美しい。

雪にうもれたり、霜をまとったり。そうして春になれば小動物に食べられ、バクテリアに分解され、土になっていくんですね。

(生物担当学芸員 秋山)

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消防訓練

今日は9時から消防訓練を行いました。
3階から出火したという想定で、火災報知器が発報。職員は初期消火、文化財の搬出、お客様の誘導などそれぞれ手際よく動きます。アルバイトさんや非常勤職員さん、そのほか委託業者の職員さんなど館内のすべての人が参加して、無事に終了。

シンプルな訓練でしたが、常日頃からこのような動きを身体に覚え込ませておくことが大切ですね。

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ジョロウグモはどこへ?

 ちょうど昨年の今頃、「木の幹についているこれは何?」というタイトルで、ジョロウグモの卵のうをこのブログで紹介したのですが、今年はちょっとした異変がおきています。
先日の雪で、さすがにしぶとく残っていた個体もすべて死んでしまったようなので「さて、来シーズンに向けて、卵のありかでもチェックしておくか…」と、気軽に敷地内を探し始めたのですが…
なぜか、いくら探しても、卵のうが見つかりません!
ある研究によると、ジョロウグモは気候などの影響により、成熟する時期が早いか遅いかで、翌年の個体数の変動が左右されるそうです。簡単にいうと、いくら成熟しても時期が遅いと卵を残せない、という事のようです。
加えて、今年度の博物館は敷地内の高木剪定を実施しており、前年にくらべずいぶん葉が少なく、風通しが良い環境になっています。もしかして、ちょっと住みづらい環境になっていたのかも…。
なんとなくですが、そもそも昨年はジョロウグモの個体数が少なかったような気がしますし、大きい個体もあまり見かけなかったようです。
たった博物館の敷地内だけの話ですが、生きものの世界は常に変動しています。来シーズン、どこか見えないところにある卵のうから新たな子グモが出てくることを祈りつつ、ちょと意地になって卵のう探しを続けようかとも考えています。(学芸班 木村)

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さば雲

今日は休館日ですが、野外調査の日。

ダム湖で船に乗り、水鳥の調査をしました。ここ数日の冷え込みに比べると、ちょっと穏やかな寒さ。空には高積雲の波状雲が広がっています。いわゆる、さば雲です。

船上からの調査ならではのアングル。カワウです。

でも、さえぎるものの無い湖上はやっぱり極寒。芯から冷えました。お昼のお弁当を食べていたら、ジョウビタキのメスが近くで食べ物さがし。キュートですね。

寒かったけど、穏やかで楽しい調査でした。

(生物担当学芸員 秋山)

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今日のチャレンジ体験

今日の学習資料展チャレンジ体験コーナーは大盛況。12時の開始前から子ども達が集まりはじめ、市民学芸員のみなさんも大忙しでした。

割り箸鉄砲、夢中で作っています。

ちょっとしたコツがあり、それを言葉で伝えるのは大変。手を取って一緒につくるのがいちばんです。

試し打ち。なかなかサマになっています。

石うすは意外と力が必要。がんばってまわしています。

居間のセットは、靴を脱いで上がれます。リアルですね。

いろいろ楽しんだあとは、さがぽんになって記念撮影。写真のみなさんは、相模原ラグビースクールのチームメイトだそうです。練習の後に遊びに来てくれました。

(生物担当学芸員 秋山)

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生物学教室始まりました

今日は「博物館で学ぶ生物学教室」第1回です。講師は谷川明男さん。

1時限目は、生物の生命活動の最小単位である「細胞」について、実際に高校で教鞭をとられていた谷川さんが高校の授業と同じような雰囲気で解説してくれました。特に、2時限目の遺伝子工学につながるよう、DNAの構造や複製のしくみに重点がおかれています。

そして2時限目は、遺伝子、そしてこれまでの遺伝子研究の集大成である、話題のiPS細胞へと展開します。ノーベル賞が山中教授の研究の何を評価したのか、そして実用化に向けた課題は・・?2時間という時間の中で考えられる最大の効率で話題が整理され、小学生から大人まで熱心に耳を傾けました。

順を追って一つずつ積み上げていくのが学校の授業だとすると、興味のある分野を先取りしてとにかくその世界に顔をつっこんでみようというのが、今回の博物館での生物学教室です。小学生のみなさんは、今日のお話のすべては理解できなくても、エッセンスはきっと「細胞」内にしみこんだはずです。

次回は進化と分類学の授業です。

※この教室は事前申し込み制で、受付は終了しています。

(生物担当学芸員 秋山)

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やっぱり食べた!

先日、まだ積雪の前に書いた当館のホームページのコンテンツ「生きものの窓」で、「見かけ倒し?真冬の果実」と題して見た目のわりにうまみの少ない、冬の果実について紹介しました。そして結びに、そろそろ、これらの果実も鳥たちに食べられるかも、と書いたところ…。今回の積雪の後、予想通りとなりました。

その果実とは、中身が種子ばかりで果肉のほとんど無い、博物館の前庭に実るヤブランやマンリョウなどです。

木の実が不作、あるいは冬鳥の渡来数が多い、または、雪など突発的な食料不足が起きると、鳥たちもしかたなく(?)これらの果実を食べ出します。この積雪でもしやと思い前庭を見ていると、やっぱりヒヨドリがやってきて、一心不乱にこれらの果実を食べていました。ヒヨドリのお食事姿は撮ることができませんでしたが…。

ついこの間までたわわに実っていたヤブランも、果実がもがれて果柄だけが雪の中から突き出ています。

マンリョウもこのとおり。積雪の前はまっかな果実がぶらさがっていました。ちなみに、園芸品種のキミノマンリョウは赤く実らず、白い果実をつけるのですが…

半分以上残っていました。やはり鳥から見るとおいしそうには感じられないのでしょう。

積雪は、バードウォッチャーにとって雪の上の鳥が観察しやすいしわ、山から食料を求めて冬鳥たちが下りてくるわでなかなかオイシイ気象現象ですが、鳥たちにとっては文字通りの死活問題ですね。

(生物担当学芸員 秋山)

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