あなたも学芸員

今日と明日、2日間の日程で、「あなたも学芸員~子どものための博物館実習~」を開催します。
学芸員の仕事を少しでも知ってもらおうと企画しました。
午前中は天体観測室、機械室、収蔵庫などのバックヤードを見学しました。

午後からは火山灰中の鉱物の洗い出しと、土器の拓本作製です。
火山灰を洗って中に含まれている鉱物を取り出し、顕微鏡で観察しました。相模原地質研究会のメンバーに指導していただきました。
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縄文土器のかけらですが、うまく拓本をとることができました。
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明日は、植物標本の作製と展示作業です。どんな実習なのでしょうか?
(地質担当学芸員 河尻)

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2つの殻

今日は博物館の敷地内で見つけたものを2つ紹介します。
1つめはこれ。ぱっと見てなんだかわかりますか?
カマキリから
そう、カマキリの脱皮殻です。
人間のような脊椎動物は、骨で体を支えていますが、昆虫の場合、外側の殻がその骨にあたります。骨で囲われていると、体を大きくする事ができないので、こうやって脱皮をして大きくなるのですね。
カマキリからアップ
アップにすると、実に細かいところまできれいに抜けているのがわかります。
2つめは、これ。
カブトムシから
なんとも無残な姿になってしまったカブトムシ。
カラスにでも襲われたのでしょうか。
多いときには4個体分くらい落ちていました。
犯人が誰にせよ、あまり味を占めると、カブトムシが減ってしまわないか心配です。
幸い、その後、それほどたくさんの死骸はみかけません。
でも、どんな味がするんでしょう?樹液をなめているから、甘いのでしょうか?食べてみる勇気はありませんが…(学芸班 木村)

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ヤサアリグモ

博物館周辺で見つけたクモシリーズ。今回はヤサアリグモです。
体長はメス 5-6mm、オス 4-5mm、林の周辺などで見られます。その名の通りアリに似ている、徘徊性のクモです。アリグモの仲間は日本にも何種かいますが、この種はやせ形で、頭の部分にもくびれがあるおかげで、よりアリに近い姿をしています。
ヤサアリよこ
ヤサアリグモ(オス)横から見たところ。かなりアリっぽいです。前に突き出ているのは大アゴ。メスの大アゴはこんなに大きくないので、もっとアリに似ています。
ヤサアリあご
大アゴをひらいています。アリと同じく、かみつかれると結構痛いです。
ヤサアリ正面
正面から見たところ。ハエトリグモと同じく、前方を見つめる「サーチライト」と呼ばれる大きな目が1対あります。
アリに擬態していると思われる生き物は、熱帯を中心に外国にもたくさんいるそうです。中にはモデルとなったアリとすぐには見分けがつかないほど似ている種類もいます。それに対し、日本のアリグモ類はどうも、それほどアリに似ていません。それでも、ちょっと見た感じではかなりアリっぽく見ますし、ご丁寧に歩くときに一番前の肢を持ち上げて、触角っぽく見せたりもします。その努力に免じて悪口は控えます。実際、そういうクモがいる事を知らなければ、見過ごしてしまうことでしょう。
しかし、そもそもなんのためにアリに似ているのでしょうか。外敵に襲われないため、という説が有力なようですが、アリにまぎれてアリを襲うクモもいるようなので、話は簡単ではないようです。【学芸班 木村】

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秋の空

猛暑のお盆最終日ですが、館の外へ出てふと空を見上げると…
ちょっぴり秋に近づいたことを感じさせる雲が広がっていました。
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高積雲のひつじ雲。もっと高い空に細かくできる巻積雲のうろこ雲と違い、今日の雲はもう少し低いところにできてます。手を伸ばして食べてしまいたくなる、綿菓子のような雲です。
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このところ、明け方の風にもちょっと秋を感じさせられることがあります。昼間はまさしく猛暑、酷暑と言う表現がぴったりですが、季節は確実に移りつつあるようです。
(生物担当学芸員 秋山)

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赤い星のおしゃれな蝶

最近、こんな蝶を見かけませんか?
大きくて、赤くて目立つ模様があって、一瞬アゲハチョウのように見えますが、飛び方がちょっとたよりなくて、色も黄色っぽくない…。
アカボシゴマダラ
この蝶の名前はアカボシゴマダラ。
最近になって神奈川県を中心に分布を広げている外来の蝶です。博物館周辺でもすっかりお馴染みの蝶になってきました。
もともと日本にも奄美に同じ種類の蝶がいましたが、斑紋などの特徴から、どうやら中国産のものが人為的に持ち込まれたのではないかと言われています。
幼虫は、近縁種であるゴマダラチョウと同じエノキを食べ、似たような環境に生息する事から、その影響が心配されています。
今までそこにいなかった生き物が突然現れると、食べ物や住み場所など、複雑な生き物同士の関係のバランスが崩れてしまう事があります。分布を広げているとすると、心配ですね。
捕まえてきた昆虫や採集した植物を、安易に別な場所に放したり、植えたりという事は慎まなければいけません。とってきたものは外に逃がさないで飼うか、かわいそうでも標本にするしかありません。虫取りをする機会の多いこの季節、ちょっとそんな事を考えてみてください。【学芸班 木村】

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鹿島台小の職業体験

今日は市内の鹿島台小学校の6年生4名が職業体験に来ました。
午後、8月末に実施する生物学教室で行う花粉管の発芽実験の予備実験を行いました。
ショ糖の濃度を変えて寒天培地を作るため、デジタルスケールで正確に重さを量ります。
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寒天粉末を加えて温めます。
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今回は、メマツヨイグサとフヨウの花粉を使いました。発芽率を計測中。
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すばらしく発芽したメマツヨイグサの写真も撮れました。予備実験成功です!
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小学校の職業体験というのはちょっと珍しいのですが、みんなまじめに取り組んでくれました。
(生物担当学芸員 秋山)

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ヤブランがそろそろ見ごろです

博物館の前庭には、たくさんのヤブランが植えられています。ランと名前がつくものの、ユリ科の植物なのですが、いずれにしても華やかなこれらのなかまの中では、ちょっと地味な印象があるのは否めません。
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でも、顔を近づけてよーく見ると、やっぱりユリ科です。気品のある薄紫色の花と黄色い葯がとても美しい。
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ちなみに、ユリ科である証拠として、花びらは6枚。
おっと、こう書いてしまうとちょっと不正確です。内側の3枚が花弁(内花被)、外側の3枚が、がく片(外花被)です。
博物館のヤブランは、お盆が明ける頃には満開になるでしょう。花期が長いので、しばらくはたくさんの薄紫色の花が風に揺れるようすを見ることができます。特に、プラネタリウムの入り口あたりからガラス越しに見られる場所が見所です。
(生物担当学芸員 秋山)

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先生たちもお勉強 その2

今日の午前中、国立教育政策研究所社会教育実践研究センターの主催する、社会教育主事講習の受講者の皆さんが博物館に研修にやってきました。何日間かの日程のうち、今日は現地研修で、当館がその対象施設のひとつに選ばれているのです。
聞くと、神奈川県内の学校の先生を中心とした方々だそうです。
午前10時から30分ほど、博物館業務の概要についてレクチャーをした後、約1時間半かけて館内を見学しました。
まず普段は見ることができないコントロール室や機械室に案内すると、皆さん真剣な表情で説明に聞き入っています。その後、展示室の見学に移るととたんに表情が明るくなり、目が生き生きとしてきました。やっぱりこっちの方が面白いようです。特に土器の展示に釘付けになる人が多かったのはなぜでしょう?
地下の機械室で
地下の機械室で、熱心に説明に聞き入ります。
コズミック
水族館ではありません。天文展示室の「コズミックシアター」。16面マルチ画面のイメージ映像を堪能していただきました。
今回は時間が限られていた事もありプラネタリウム内部や、天体観測室、収蔵施設などはお見せできなかったのが残念ですが、何かの参考になれば幸いです。午後は市内の公民館で研修との事。お疲れ様です。
受け入れ側としてもちょっと感じたことがありました。今回は研修の標準的なパターンで受け入れてしまったのですが、相手の目的にあわせてもっと違うやり方もあったかな、と思いました。もうちょっとコミュニケーションをとったり、限られた時間内でテーマを絞ったり…。教育施設としてその辺はマンネリ化してはいけませんね。我々もこういった経験を次に生かしていかれればと思います。(学芸班 木村)
※このブログを掲載後、社会教育実践研究センターの方からメールをいただき、この研修の詳細についてお教えいただきました。それによると、社会教育主事講習は「社会教育主事」となりうる資格付与を目的とした講習で、日程は、36日間あるそうです。4つの科目があり、その内の「社会教育演習」の中の「教育施設整備の動向」のテーマで今回の視察を行ったとの事。受講者は夏季期間に実施する講習は(夏休みのため)教員が多く、冬季期間は、教員でなく、行政職員が9割となる、との事でした。

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今日のミニ観察会 なんと、あのムシも!

今日はミニ観察会を行いました。
昨晩の予告どおり、セミの抜け殻の観察です。その前に…
博物館の敷地の中の大きなクヌギの根元に集まって何やら注目しています。
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そう、クヌギと言えば、あのムシ!夏の昆虫の王者、カブトムシ!しかも、オス。
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べつに仕込みで入れておいたわけでもなく、たまたま今朝、見つけたのでご紹介しました。博物館のまわりでは、夏のあいだにちょくちょく見られます。
さて、本題のセミの抜け殻です。真剣に観察して、種類を識別してくれています。
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触角の第3節が長いから、これはアブラゼミ!
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暑いけれど、少し風があってさわやかなミニ観察会となりました。
次回は8月24日(金)11時から。同じ内容で行います。カブトムシはいないと思いますが…。
(生物担当学芸員 秋山)

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ミニ観察会やります!

明日、8/10は11時からミニ観察会を行います。
今回は、セミのぬけがらを観察!
今日、夜10時に博物館隣の樹林地へ行くと…
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いましたいました!羽化したばかりのアブラゼミです。
明日は羽化したセミは見られませんが、ぬけがらから種類を識別したりしようと思っています!!
(生物担当学芸員 秋山)

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