SSH天体観測会

神奈川県立神奈川総合産業高等学校からの依頼を受けて、今夜、SSH天体観測会で星の話しをしてきました。
SSH?
ご存じの方もいらっしゃると思いますが、スーパーサイエンスハイスクール(SSH)のことです。
SSHは文部科学省が平成14年度から取り組んでいる事業で、“国際的な科学技術系人材を育成することを目指して、理数教育に重点を置いた研究開発を行う”ことを目的に、各々の目標に沿って様々な活動を実施しています。
現在、全国で178校が指定を受けており、神奈川総合産業高等学校は県内で初めて平成21年度に指定を受けて、地域の学校との連携事業、海外研修、最先端企業への訪問などなど、非常にバラエティーにとんだ活動を実践しているようです。
今回のSSH天体観測会では、父兄の方や、学校の近隣にお住まいの方を含めて86人の受講生を対象にして、主に星空の見上げ方などについて小学校4年生の理科で学んだことの復習?といった感じのお話しでしたが、いかがでしたでしょうか?(あっ!!そう言えば、今日の講演についてのアンケート調査があるみたいなのですが、、、結果が気になります。)
曇っていたため、残念ながら天体望遠鏡を用いての観測はできませんでしたが、天文・宇宙に目を向けて、星空を見上げる楽しさや、いつかJAXAや博物館などで仕事をする人材が今日の受講生の中から誕生するきっかけになれば嬉しく思います。
(天文担当 有本)

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地質調査日誌7/18 道志村室久保川

7月18日水曜日。晴れ。
道志川の支流、室久保川に出かけました。
川の中に目玉のような模様が…

ここは河床が閃緑岩のなかまの岩盤でできています。全体(灰色の部分)が閃緑岩のなかまで、“目玉模様”の白い部分は別の種類のマグマが冷えて固まった物です。
近づくとこんな感じです。
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“目玉模様”の外側にもさらに白い部分が見られます。なぜ、このような模様ができたのかよく分かりません。
地元では「的様」と呼ばれています。伝承では昔、源頼朝が武道鍛錬のために作った標的ということです。他にもあったようですが埋もれたそうです。
的様のすぐ下流は滝です。
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林道沿いに閃緑岩のなかまが風化してマサ化しているところがありました。
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ねじりが鎌が簡単に突き刺さるくらいマサ化しています。
「道志の湯」の近くでは、結晶片岩が見られました。
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「道志の湯」への分かれ道近くの道志川にかかっていた橋です。下は鉄骨の橋桁がついていますが、
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いざ、渡ろうとすると、底が抜けそうで、渡るのに勇気のいる橋です。
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真ん中を歩くと底が抜けそうなので、できるだけ“はし”の方を歩きました。なんだか一休さんの逆みたい。
(地質担当学芸員 河尻)

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今日のカイコ(繭の展示)

小型の自家製まぶしにつくった繭を、展示に出しています。
これも概ね一週間程度でまた下げて、今度は天日干しにします。今の季節なら、数時間で中の蛹が死にます。そして、あとは風乾。
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夏休み中にもう1回くらい、育てようかと考えています。それまでしばらく、カイコの作業はお休みとなります。
さて、カイコの話題が続いたので、花の話題もひとつ。
博物館の駐車場や、お隣の留保地では今、アキノタムラソウが花盛りです。シソ科特有の澄んだ青色の花は、8月まで楽しむことができます。
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(生物担当学芸員 秋山)

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今日のカイコ(あと一頭)

ほとんどの個体がまぶしに入ったり、中にはまぶしから落ちて床で繭をつくったりしているのもいますが、1頭だけ、まだ熟蚕のまま動き回っているのがいます。
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体が透き通って、うっすら黄色くなっています。これが熟蚕です。じつは、この写真は今日17日の朝のようすですが、午後にはまぶしに入ってまゆを作り始めました。
はじめに作り始めた繭はすっかり完成のようす。中ではそろそろさなぎになっていることでしょう。
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まぶし全体のようす。
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こうして1頭1頭がしっかり繭をつくっているようすを見ていると、生命の神秘を感じてしまいます。
明日はこのまぶしごと、展示したいと考えています。
(生物担当学芸員 秋山)

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地質調査日誌7/16 相模原市緑区名倉周辺

7月11日月曜日.晴れ.
首都大学東京 地理学教室 地形・地質学研究室の有志メンバーと相模原市緑区名倉周辺へ巡検に行きました.
せき止め湖堆積物?,石老山礫岩,上野原層,名倉玄武岩,富士相模川泥流,藤野木-愛川構造線の破砕帯など,盛りだくさんの巡検でした.
せき止め湖堆積物?を調査しているところです.
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ここでは,崖に上って調査しました.

休憩している訳ではありません.富士相模川泥流の露頭全体を把握するために離れて観察・スケッチしているところです.
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夏の日差しが強く,暑い中の巡検でした.参加された皆さんお疲れさまでした.
(地質担当学芸員 河尻)

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今日のカイコ(繭をつくってます!)

カイコの成長記録をアップして参りましたが、クライマックスとなりつつあります。
7月14日頃から熟蚕となった個体をまぶしへ移し、少しずつ繭を作り始めました。
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本日、16日にはもうほとんどのカイコが繭をつくり、ほとんど中が見えないくらいに完成させているもの、半透明のもの、作り始めでまだ外枠しかできていないものなど、さまざまな過程を見ることができます。
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ただ、この時期は動き回るし、幼虫の間で唯一の尿をするしで、きれいな繭をつくってもらうためにはきめ細かいケアが必要です。今は展示から下げていますが、週初めにはまぶしごと、再度展示したいと考えています。
(生物担当学芸員 秋山)

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ヒメグモ

このクモの名前はヒメグモです。体長がメス3.5-5mm、オス1.7-3mm程度と小型です。
街中の植込みや街路樹などでも普通に見られます。ニホンヒメグモと呼ばれることもあります。
網は不規則に糸を張りまわしたもので、下に薄いシート状の網がついています。オスはオレンジ色でよく目立ち、6-7月頃に亜成体メスの網にやってきて、メスが成体になるのを待ちます。
幼体
幼体。オレンジ色で、丸っこくて、可愛らしい印象があります。
オスメス
右上の赤っぽいのがオス。左下奥にメスがいます。
メスは成体になると、枯れ葉を吊って、そこに潜んでいます。産卵もそこで行い、ふ化した子どもたちも、しばらくそこに留まります。
枯れ葉とオスメス
枯れ葉を巻いた内側にいるのがメス。外側にオスもいます。
コグモ
枯れ葉の左上の方に固まっている小さな粒みたいなのが子グモです。
ちょっと変わっているのは、親グモが子グモに口から液体をだして与える事。そう、一種の「子育て」をするのです。
クモという生き物はあまりなじみがないだけに、どれも似たり寄ったりのように思いがちですが、こんなふうに身近な種でも、よくよく調べてみると、姿や暮らしぶりがさまざまで、面白いものです。(学芸班 木村)

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こちらも準備完了!

今週は、緑区又野でも密かに(?)展示会準備を進めていました。
東京市長時代の尾崎行雄による桜木寄贈百周年にちなみ、市博や個人が所蔵している関係資料から“公人私人の咢堂”を見つめる企画で、<新しく知る咢堂の横顔>と題して15日から2か月会期で開きます。
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場所は、市立尾崎咢堂記念館。
さがぽん、一度は来たことあるかな?
メイキング・パート1は、多目的室の半分をパネルボードで区切り、資料室の展示ケース4つを移して、即席「展示室」へ変身のようす。
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パート2の列品作業は、地元「尾崎行雄を全国に発信する会」のメンバーの協力を得ながら予定どおりに進行。
作業中は咢堂のいろいろな情報を交換し合い、蒸し暑い中での仕事も意外な収穫があり順調にはかどりました。
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こちらは「JAXA連携企画展」とは違い、大きさに圧倒される展示物はありませんが、小さな手紙1枚にも“歴史の裏側”を見出すチャンスがあるかも…。
明日日曜日、堂々(?)のオープン。
もちろん入館無料です!
真夏のひととき、尾崎咢堂の生まれ故郷へぜひお出かけください。
(歴史担当:土井永好)

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いよいよです!!

やっと、準備完了(^_^)v
いよいよ企画展「宇宙科学の先駆者たち」
明日オープンです。
たくさんのお客さまのご来場をお待ちしております。
ペンシル
追伸
メイキングは、また後日
前後しちゃいますが、ご了承ください。
(天文担当 有本)

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宇宙生物?

今朝、さがぽんが「宇宙生物~!?」ってびっくりしながら教えてくれた生きもの…
宇宙飛行士でもあるさがぽんがびっくりするくらいだから、いったいナニモノだろう?と見に行ってみると…いましたいました!JAXAの前の歩道に。
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これはきっと、JAXAの極秘プロジェクトで持ち込まれた地球外生物が逃げ出して…
というのはまっかなウソです。オオミスジコウガイビルです。
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残念ながら、特徴的な頭部は溝の中に隠れようとしていて見せてくれませんでしたが(写真は尾部)、シュモクザメを思わせるハンマー形の頭をしています。ヒルと名が付きますが、ヤマビルなどの環形動物とは異なり、ウズムシ(プラナリア)と同じ扁形動物です。1960年代に東京などで見られるようになった外来生物で、特に関東地方では梅雨のころから、じめっとした場所で見られます。姿や大きさが私たちの常識を超えているようで、博物館でも「いったいナニモノ?」とびっくりして問い合わせが来る筆頭の生きものです。さがぽんが驚くのは無理もありませんね。
(生物担当学芸員 秋山)

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