ナガコガネグモのブルブル

夏も近づき、最近、通勤途中に見られるクモの種類も多くなり、比較的大きなものも増えてきました。
大きな幼体
ナガコガネグモ。かなり育った大きな幼体。
幼体
小さな幼体
ナガコガネグモはメスの体長が20~25mm(オスは6~10mm)と、大きめのクモです。写真は幼体なので白っぽいですが、大人になると黒と黄色のだんだら模様になります。
成体メス
メス成体。これは以前に撮った写真です。今年、成体になるのはもうちょっと後です。
草の間等に円網を張り、網には「かくれ帯」「白帯(はくたい)」などと呼ばれる糸やシート状のものを付加します。
ちょっと脅かすと、激しく体をゆすります。これは、ジョロウグモなどもする動作です。この事は前から知っていたのですが、今日、初めて気が付いた事があります。
ナガコガネグモは、網を張っている間も、体をゆすっているのです。なんとも落ち着きがありません。しかも、しげしげと眺めていたら、大きな個体のすぐ横で、それよりずっと小さな個体が、やっぱり体をぶるぶる揺らしているのです。観察しながら、吹き出しそうになりました。こんな事をして、何の効果があるのか、無駄な労力ではないのか、かえって網を張るのが大変ではないのか…といろいろ疑問に思ってしまいましたが、たぶん、よけいな心配なのでしょうね。(学芸班 木村)
揺れてる
盛大に揺れながら網に横糸を張っているところ。

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ミニ観察会~カイコをじっくり

今日、時間を変更して行ったミニ観察会は、たくさんの方にご参加いただきました。
テーマは、カイコ。博物館で飼育中のカイコは、ふだんアクリルケースがかぶせられていますが、今日は手にとって見て頂きました。
120707観察会04S
実際に手にのせてみると、動き回ることもなく、いかにおとなしい昆虫であるかわかります。
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去年とった繭や、カイコに近いなかまの野生種、クワコを写真で紹介して、カイコの模様のヒミツや、繭からとれる繊維の長さなどをクイズにしながら、楽しく観察しました。
次回は夏休み中、8/10(金)の11時からです。

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メイキング①

7月14日(土)から始まるJAXA連携企画展「宇宙科学の先駆者たち~糸川英夫と小田稔」の資料展示作業が進行中です。今日は大型の資料の搬入・組み立て作業をJAXAのスタッフの方々が中心になって行いました。
パーツ搬入。重厚な資材で作られているため重い(>_<) 搬入
2トントラックで4往復して、全てのパーツの搬入完了(^^;)
搬入完了
まるで、廃線になった鉄道のレールのよう、、、哀愁さえ漂っています。
土台
どこの工事現場? とも思える光景
H鋼
午後からは、いよいよ組み立てです。
組立
で、、、こんな感じになりました。
枠枠
(...って、スミマセン、出し惜しみしてますが、)
でも、このアングルはなかなか見られないかも(?)です。実はかなり危険なアングル。
さてさて、この装置ですが、2005年に幕張メッセにおいて、ペンシルロケットの水平発射実験50周年を記念して行われたペンシルロケットフェスティバルで、再現実験をしたときに作られたものです。
“50年前の情熱を未来の50年へ”
50年前に実験を行ったエンジニアたちの情熱を、これからの50年を支える子どもたちへ伝え、バトンタッチするという意味が込められていたイベントです。当時の様子は、『ペンシルロケットの復活』をご覧ください。
本日、組み立て作業に関わった方々は、まさにこのフェスティバルの立役者でもあり、装置の仕組みや当時の様子などのお話しの中には“熱いもの”を感じました。
当館の特別展示室の奥行きはおよそ25メートルありますが、この装置が入ると会場が狭く感じられるほどです。全長、何と!! 18メートルと圧巻です。(確か15メートルって聞いてたんだけどなぁ~(T_T)
装置の全容は会場に来て体感してください。企画展オープンまであと1週間となりましたので、もうちょっとお待ちください。なお、企画展がオープンするまで、メイキングを順次アップしていきますので、こちらもお楽しみにしてください。
(天文担当 有本)

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あやしげな腐生植物

今日は緑区のある山に、絶滅危惧植物の生育状況を確認する調査に行きました。
シャクジョウソウ(イチヤクソウ科)です。神奈川県では絶滅危惧1A類。じつは、かなり珍しく個体数の少ない植物です。
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それにしても、植物らしくない姿形です。緑色の部分がどこにもありません。近いなかまのギンリョウソウと同じく、腐生植物です。菌根をつくって樹木と共生している菌類(キノコのなかま)にとりついて、そこから栄養をもらって生育します。葉緑体を持たないので、光合成はいっさいしません。なんともしたたかな生き方ですね。
120706陣馬127S
同じ山で、アオテンマも見ました(上の写真)。オニノヤガラの品種ですが、淡黄緑色が梅雨の林内にとても映えていました。この植物も、ラン科の腐生植物です。シャクジョウソウと全く異なるなかまの植物ですが、生き方はよく似ていますし、なんとなく、雰囲気も似ていますね。
(生物担当学芸員 秋山)

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明日のミニ観察会は時間変更します!

明日、7/7(土)11時から予定していました「博物館のまわりのミニ観察会」は、都合により、午後2時からへ変更します。今回は、現在飼育中のカイコをじっくり観察しようと思います。
さて、そのカイコ、今日のようすです。4齢も中盤となり、大きさも3.8センチほどになりました。バリバリとクワを食べています!
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(生物担当学芸員 秋山)

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夏の野の花

今日は蒸し蒸しのお天気の中、市内のある谷戸へ行きました。日曜日に行われる講座の下見です。
梅雨時を彩る野の花は、なかなか派手です。あぜ道に咲くヤブカンゾウ。
ちょっと毒々しさすら感じられる派手さです。
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木の花もがんばっています。アカメガシワの雄花。
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そして、イネ科なのに、花がとってもかわいいチゴザサ。花弁こそありませんが、イネ科のわりにかなり自己主張している花です。
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この季節、植物も虫たちも、生きるパワーがみなぎっています。
(生物担当学芸員 秋山)

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プラネ保守

7月2日(月)~7月4日(水)の3日間、プラネタリウムの保守点検を実施しました。
安定してプラネタリウム投影や全天周映画が上映できるように、また故障を未然に防ぐためには、欠かせない作業です。
作業中は、プラネタリウムの機械が露わな姿になってしまします。
保守点検
一般には、まず見られない光景ですね。
helios.jpg
電球の交換や日常の投影には支障が生じない程度の不具合などの確認調整等の保守点検が完了し、明日7月5日(木)からは、通常どおりの投影を行います。
始まったばかりのプラネタリウム番組「あかり~赤外線天文衛星が見た宇宙~」は、明日が2日目の投影になります。また、土・日・祝日に上映している全天周映画HAYABUSA BACK TO THE EARTH 帰還バージョンDC版も、明るい映像でお楽しみいただけますので、ぜひ、ご来館のうえご観覧ください。
(天文担当 有本)
★番組案内などの詳細は→投影スケジュール

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今日のカイコ(ちらほら4齢)

昨日からほとんどの個体が3眠に入り、今日は、早めに眠に入っていた個体がちらほら、4齢に脱皮していました。大きさは約2.5センチ。さすがに頭がでかいです。
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眠の個体。葉っぱの上でじっとしています。
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脱皮したての頃は「頭でかいなあ」と思いましたが、3齢終盤になると体全体がでかくなったので、大きさの変わらない頭部は相対的に小さく見えます。
そして、頭が黒っぽく見えるのは、脱皮が近い証拠です。
明日までには、ほとんどの個体が4齢に脱皮しているはずです。
(生物担当学芸員 秋山)

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今日のカイコ(3齢3日目)

3齢も終盤の3日目です。6月30日の記事で、3、4日後には今(1.2センチ)の倍の大きさになって…と書きました。
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果たしてそのとおりになりました。大きな個体では、現在葯2.3~2.4センチ。もう間もなく3眠に入りそうです。クワを食べる量も加速度的に増えていますが、梅雨時で雨が多く、クワの収穫にも気を遣います。濡れたままのクワをあげるわけにもいかないので、お天気のよいうちに少しまとめてとっておき、ビニル袋に入れて冷蔵庫で保存します。そうすると、4、5日は十分鮮度を保ちます。でも、どんどん食べる量が増えるこの時期は、その見込みがうまくいかず、だいたいは常にクワが足りない状態です。博物館の敷地には、しっかりとした葉をつける木が1本しかありません。毎年この時期、近くにクワ畑が欲しいなあとひとりごちています。
(生物担当学芸員 秋山)

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ミニ企画展の撤収、そして次の展示へ

今日午前中は、7月1日に終了したミニ企画展「自然観察会のはじまり」の撤収を行いました。
よく、ボランティアさんなどから「展示の準備や列品にはあんなにたくさんの時間をかけるのに、撤収はあっという間ですね、なんだかもったいない」と声をかけられます。
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でもでも、それでいいのです。準備と同じくらい撤収にも時間がかかったら、とてもではないですが、やってられません。あとを濁さずサッと片付けて、次の展示へ。
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それにしても、展示にまつわる作業は力仕事です。汗だくになりながら、学芸班総出で次の展示のための部屋作りを行いました。
さてさて、この空間に、次はどんな楽しい展示ができあがるのでしょうか??
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(生物担当学芸員 秋山)

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