地質調査日誌6/20 相模原市緑区大島

6月20日水曜日。晴れのち曇り
今日は相模原市緑区大島の通称神沢河原の段丘崖で中津層群の礫岩の調査です。ここで見られる礫岩は約350万年前に海で堆積したものです。私は中津層群の礫がどこから来たのかを突き止める研究を進めています。もうすでに200個以上の礫を採集していますが、今日はさらに頁岩の礫だけを採集しました。
神沢河原の中津層群の礫岩です。

タガネを使って礫を一つ一つ取り出し、採集しました。
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採集した頁岩の礫は放散虫という微化石による年代決定をする予定です。うまく放散虫が入っていてくれればいいのですが…
(地質担当学芸員 河尻)

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アシダカグモ、出のう!

ついにその日がやってきてしまいました。
さあ、これから残業だ。そういえば昼間忙しくて、クモの様子を見ていないぞ、とプラ水槽の中を覗こうとしたら…
小さな隙間からクモがちょろちょろ出てきました!これはまずい!始まってしまいました!!思っていたより早く。
アシダカグモが卵のうから出てきたのです(「出のう」といいます)。
あわてて捕獲し、水槽にはビニールをかぶせましたが、危うくそこいら中をクモだらけにしてしまうところでした。
これまでの間、母グモに一度エサを与えていますが、食べていません。
今後、どうやって飼育するか考えなければなりません。
明日は朝から出張なので、また悩ましいところです。
アシダカ出のう
アシダカ出のう2
とりあえず写真をパチリ。
驚かしたので水槽の外に出てしまったようで、中に戻したら、卵のうのまわりにとりついています。
こうやって母親に守ってもらうんですね。(学芸班 木村)

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花の観察と植物画、二日目

昨日に引き続き、植物学教室「花の観察と植物画」の2回目を行いました。
素材は、昨日の草本からかわって今日は木本です。
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同じ植物なのに、描くとなるとこれほど勝手が違うものかと、みなさん戸惑いつつ筆を走らせます。質感、重量感、葉の向きなど、木本ならではの難しさを味わいます。
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それでも、豊田路子先生のご指導を受けて、みなさんしっかりと植物画を仕上げられました。
二日間、みっちりと植物と向き合ったこの時間が、スケッチブックに凝縮されています。担当者としては、この教室をきっかけとして、植物に、水彩画に、新しい時間の使い方を見つけていただくことを願っています。
(生物担当学芸員 秋山)

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花の観察と植物画、1日目

今日は、植物学教室「花の観察と植物画」を実施しました。
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内容は、初心者を対象とした植物画の講座です。午前中10時から午後4時まで、みっちりと植物に向き合い、科学的な目で植物を描いていただきました。
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講師で植物画家の豊田路子さんの手ほどきを真剣に見つめる受講者のみなさん。
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ひさしぶりに持った絵筆を使い、繊細な筆致で描かれた植物画は、どれもすばらしい出来映えです。明日は2日目、樹木を中心に描いていただく予定です。
(生物担当学芸員 秋山)

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博物館協議会が行われました

本日14時から、今年度最初の博物館協議会が開かれました。
昨年度の事業報告や今年度の事業計画、そして、主要な事業に対する評価について検討を行い、活発に議論していただきました。
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議事終了後は、委員のみなさまに開催中のミニ企画展「自然観察会のはじまり」をご観覧いただきました。
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(生物担当学芸員 秋山)

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ヤブレガサ、その後

博物館中庭のヤブレガサ(キク科)が、こんなに立派な株になり、花を咲かせました。
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春、このブログで「スノーマン?」とご紹介した、アレです。
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4月の芽生えの頃
よく見ると、おもしろい花の形をしています。舌状花(タンポポのような、へら状の花弁)はありませんが、総苞片(花を支える部分)が白く、くるくるっとカールした柱頭とともに、全体としてしっかりと目立つ「頭花」を構成しています。
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めざとく、スジグロシロチョウが花を訪れていました。
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(生物担当学芸員 秋山)

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津久井城跡にて

今日は津久井城跡の市民調査員を対象にした講習会に講師として行ってきました。私の専門は地質なので,歴史の話ではなく、地形・地質の解説をしてきました。
まずは、室内で相模原市の地形・地質の解説をしました。

昼食をとってから、城山山頂へ向けて出発!岩石の観察や曲輪などの遺構の解説を聞いて山頂に向かいました。
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城山山頂付近には数十万年前に相模川が運んだ砂礫の地層があります。
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近くの地表面には,この砂礫層中の礫だけが転がっています。地元では“あぶらいし”と呼ばれています。
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砂礫層と基盤の岩石の間から湧き出た水がたまったと考えられる小さな池もあります。
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城山には人間の歴史だけでなく、大地の歴史も記録されています。
(地質担当学芸員 河尻)

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「はやぶさの日」認定証授与式

今日は、はやぶさの日。2年前の、あのドキドキ感を思い出しながら過ごしています。
宇宙航空研究開発機構(JAXA)の施設がある4市2町で組織する「銀河連邦」(相模原市、能代市、大船渡市、佐久市、肝付町、大樹町)は、小惑星探査機「はやぶさ」の開発、運用にかかわった人々の「あきらめない心」、「努力する心」を全国の方々に伝え続けていこうと、6月13日を「はやぶさの日」と制定しました。
午後、はやぶさのふるさとであるJAXA相模原キャンパスの展示ホールで「はやぶさの日」認定証の授与式が行われました。
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はやぶさ実物大模型の前で、日本記念日協会が認定証を授与。
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加山俊夫相模原市長が、銀河連邦相模原共和国大統領として、認定証を受け取りました。
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はやぶさのプロジェクトマネージャー、川口淳一郎教授のごあいさつ。
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多くの報道陣、見学者が見守る中での式典となりました。
毎年この日、はやぶさの偉業を思い出しながら過ごしていくと思うと、ワクワクしますね。
(生物担当学芸員 秋山)

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今、花粉症の方は…

花粉症と言えば、スギ花粉症がメジャーです。でも、今も目鼻がぐじゅぐじゅされている方、まわりにけっこういらっしゃいませんか?
アレルゲンが「イネ科」と漠然と認識されていることが多いのですが、その主犯のひとつがこれ、ネズミムギです。
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もともと、牧草として導入されて、今は全国的な強勢雑草として広まっています。空地、駐車場、道路脇、河原、庭…日当たりさえ良ければ、あらゆる場所に生えます。
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今日はこの植物がたくさん生えている場所へ調査に行きました。じつは私もご多分に漏れず、イネ科に反応する花粉症です。しっかり葯(上の写真の、黄色い部分)から花粉を飛ばしていて、事前に準備よく抗アレルギー剤を服用していったにもかかわらず、目も鼻もぐじゅぐじゅになりました。
もちろん、ほかにもカモガヤなど、この時期にたくさんの花粉を飛ばすイネ科の植物があります。この件については、近々、博物館のHPコンテンツ「博物館の窓」でご紹介いたします。
(生物担当学芸員 秋山)

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小さなスイカ?

今の季節、日当たりの良い草地や庭などに、ポツポツと見られる小さなかわいい花。ニワゼキショウです。
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外来種ですが、目の敵にするようなものでもなく(実際、すでにあまりにも広く普通に分布しているので、駆除のしようもありません)、花の美しさもあってかわいがられている外来種と言えるでしょう。
で、観察会の定番ネタです。この花をよく見ると、小さなスイカが隠されています。それは…
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観察会では、花について何も言わずに、ただその場所で「小さなスイカをみつけましょう」と探してもらいます。もちろん、スイカなどというのは冗談なのですが、なるほど、と納得していただけるくらいには、似ていますよね。
(生物担当学芸員 秋山)

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