地質学講座 千秋楽

今日は全4回の地質学講座の最終日。2回の野外観察のおさらいと、鳩ノ巣・御岳渓谷の地質の成り立ちの解説です。
写真は初日のものを使い回しているようにみえますが、よく見ると違います。

野外観察は雨に降られることも無く、無事全日程を終了しました。参加者の方には最後まで熱心に聞いていただき、たいへんうれしく思います。また、お手伝いいただいた、相模原地質研究会と相模原青陵高校地球惑星科学部の皆さんには感謝です。
(地質担当学芸員 河尻)

カテゴリー: 学芸員のひとりごと | 地質学講座 千秋楽 はコメントを受け付けていません

由野台中ふれあいゼミナール

今日は午前中、博物館に一番近い場所にある市立由野台中学校ふれあいゼミナールの生徒さん20名がやってきて、一緒にミニ企画展の展示資料をつくってくれました。
120609博物館31S
その展示資料とは、葉っぱの工作。自然観察会の定番プログラムの一つです。植物ボランティアの方の指導で、一所懸命つくってくれています。
120609博物館42S
120609博物館48S
展示台に置いて、配置をチェック。
120607博物館20S
すばらしい出来映え!シュロの葉でつくったバッタです。
120609博物館55S
設置し終わって、記念写真。
120609博物館58S
まだ大事な仕事が残っています。11時からは、ミニ観察会のお手伝い。今日は雨なので、館内で葉っぱ工作。もちろん、工作指導は中学生のみなさん。子どもたちへ、やさしく丁寧におしえてあげています。
120609博物館66S
これはオマケ。火星人になってくれた生徒さんもいました。
限られた時間の中で、みなさんほんとうにがんばってくれました。由野台中学のみなさん、お疲れ様でした!!
(生物担当学芸員 秋山)

カテゴリー: 今日の博物館 | 由野台中ふれあいゼミナール はコメントを受け付けていません

草間のぐるぐる(ウズグモ)

ウズグモSP
クモの中には、円網を張った上で、白い帯状の構造を付け加えるものがいます。
その帯状のものを「かくれ帯(おび)」とか「白帯(はくたい)」と呼びます。
このウズグモもそういった網を張るクモです。やや湿気の多い場所で草の間などの低い位置に水平円網を張ります。
かくれ帯の機能については、網を安定させるためとか、餌を呼び寄せるため、とか、鳥の衝突を避けるため、とか諸説あるのですが、このウズグモについては、網の張り具合を調節するために付加している、という研究結果があります。
ところでこのウズグモ、非常に似通った種が何種かいて、実は今回、写真を撮ったものの、種の確認をしていません。ブログに書くのにこんな事ではいけないのですが、今シーズン初めて出会ったのでついうれしくて書いてしまいました。いずれにしても、顕微鏡で確認する必要があり、野外での判別はほぼ困難です。皆さんはこの網をみつけたら「あ、ウズグモの仲間だ」と思ってください。(学芸班 木村)

カテゴリー: 学芸員のひとりごと | 草間のぐるぐる(ウズグモ) はコメントを受け付けていません

キララシロカネの変色

キララシロカネ
この金色のクモの名前はキララシロカネグモといいます。「キララ」とは「雲母」の事です(因みに、漢字変換するとちゃんと出てきます)。
夏ごろに見られ、草の間などの低い位置に水平円網を張ります。
このクモの最大の特徴は、刺激を与えると、腹部を黒っぽく変色させてしまう事。
金色の色素がある細胞を収縮させるらしいのですが、実に面白いことをやるものです。
ちょっと実験してみました。
キララ直後
指でつついて、ちょっといじめた直後。
キララ少し
少し回復してきました。
キララだいぶ
だいぶ回復しました。
どうでしょう、皆さんもこのクモを見つけたら観察してみましょう。ただし、面白いからと言って、あまりいじめすぎないでくださいね。(学芸班 木村)

カテゴリー: 学芸員のひとりごと | キララシロカネの変色 はコメントを受け付けていません

2つめの“金”

今日は、2012年の2つめの“金”がつく天文現象が見られました。
“金”星の太陽面通過です。(ちなみに、1つめは5月21日の“金”環日食です。)
120606_1230~0001
台風の影響で、降り続いた雨は10時ごろにあがり、刻々と変化する流れの速い雲越しに太陽のすがたを確認できるようになった10時30分ごろから、第3接触の13:30すぎごろまで、太陽面を横切っていく金星のようすを雲間に見ることができました。
当館では、『金星の太陽面通過を観察するつどい』の開催と、太陽望遠鏡がとらえた映像をインターネットでのライブ配信(sagapon tv)を行いました。
博物館玄関前にて、日食グラスにて観察(一時は青空も、、、)
24.6.6玄関前
視力(1.0以上)のよい人は、日食グラスを使って肉眼で金星を確認できました。
曇ったとき用に、天体観測室の前室にノートPCを設置し、他館のライブ映像を視聴。
24.6.6前室
博物館天文クラブの方たちは観測テラスで写真撮影。
この曇り空で、よく粘りました。。
24.6.6テラス
第3接触間際に、雲が切れて一気に光が差し込み、つどいの参加者一同から「うわぁ~っ!」と歓声が沸き上がりました。それにしても、すし詰め状態ですね(^_^;)
24.6.6観測室
太陽投影板に映し出された太陽と、その縁にかかる金星(うっすらと黒いちっちゃな点)
24.6.6投影板←クリック拡大
sagapon tv の視聴者数は、配信開始の7時ごろから14時ごろまでで約6,700件。
つどいの参加者は、11時ごろから増えはじめて最終的には96人。中には数時間滞在された方もいらっしゃいました。
ご協力いただいた博物館天文クラブの皆さん、つどいの運営、観測お疲れさまでした。
金環日食のときといい、今回といい、ハラハラドキドキとさせられるお天気に、右往左往でした。
次なる“金”は、8月14日未明に起こる金星食です。
これまた、見応えのある天体ショーですので、楽しみにしてください。詳しい情報は、博物館のホームページ「8月の星空」にてお知らせする予定です。
(天文担当:有本)

カテゴリー: 未分類 | 2つめの“金” はコメントを受け付けていません

ジョロウグモの分散

先日、ジョロウグモの「まどい」について紹介しましたが、ここ数日、「まどい」が見られなくなりました。そこで、注意深く探してみると…
ジョロウ幼体網
いました。ジョロウグモの子どもです。もう集団ではなく、単独で網を張っています。
良く見ると、このクモに特徴的な網構造がすでに出来上がっています。(メッシュのように細かく張られた横糸や、円網の前後に「迷網」という立体的な構造がついているのが特徴です)
クモだけ見ると、あのジョロウグモの子どもとはちょっと想像でませんが、網を見ると一目瞭然。
もし、街路樹などに小さなクモの網を見かけたら、よーく観察してみましょう。(学芸班 木村)
ジョロウ幼体ちょっとアップ2
ちょっとアップで。うーん、やっぱり親に似てない…

カテゴリー: 学芸員のひとりごと | ジョロウグモの分散 はコメントを受け付けていません

痛そうなアザミ

このところ、幹線道路や街中で目立って増えている外来植物があります。
その名も、アメリカオニアザミ。
110623東淵野辺08S
花だけ見ると、在来のアザミとさほど変わらない顔つきで、どちらかというときれいな花です。
しかし、ちょっと引いて見ると…
110623東淵野辺16S
さてに引いて見ると…
110623東淵野辺31S
背丈が1mを超えるような大柄な株も珍しくありません。何よりこの花は、トゲがすごい。もちろん、在来のアザミもトゲトゲですが、トゲの大きさ、堅さ、鋭さで比べると、段違いです。
気づいた時には大きくなって、誰もこんな、どこをつかんでもケガをしてしまう草に触れたくありません。結果、乾燥にも強いこのアザミは、街中のちょっとしたスペースを見つけてはびこってしまうのです。
じつは、もっとすごいヤツが分布拡大の機会をうかがっています。その名もオオアザミ。まだ相模原市内には入ってきていませんが、これについては、博物館HPの「生きものの窓」に書いているので、よろしければそちらをご覧下さい。
http://www.remus.dti.ne.jp/~sagami/90-05mado-ikimono.htm#生きもの22.7
(生物担当学芸員 秋山)

カテゴリー: 学芸員のひとりごと | 痛そうなアザミ はコメントを受け付けていません

地質学講座 3日目

今日は地質学講座の3日目、青梅市御岳渓谷での野外観察です。
数日前から雨予報だったので、天気が心配でしたが、1滴も降られることも無く、講座を実施することができました。
JR青梅線 御嶽駅に集合して,講座開始。この頃はまだ薄曇りです。

最初の見学地点では既に雲の切れ間から青空が広がり始めました。持って行った長い傘は指し棒代わりに。傘本来の目的に使われなくてよかったです。
120603_0011p.jpg
多摩川沿いを次の観察地点に向けて移動中。途中からは雲も少なくなり、少し汗ばむような陽気に。
120603_0022p.jpg
雨に降られる覚悟をしましたが、天気に恵まれ気持ちよく野外観察をすることができました。
(地質担当学芸員 河尻)

カテゴリー: 学芸員のひとりごと | 地質学講座 3日目 はコメントを受け付けていません

アシナガサラグモ

クモにはいろいろなタイプの網を張るものがいますが、その名のとおり皿状のというか伏せたお椀の様な網を張るのが、このサラグモのグループです。ごらんのようにお椀の内側に腹側を上にしてとまっています。
アシナガサラ
多くのクモは、体を支えるのに「ぶら下がる」姿勢をとります。おそらく弾力のある網の上で体重を支えるのには、その方が都合が良いのでしょう。
これは水平に円網を張る種でも同じですし、網が斜めに張られている場合も同じです。(もちろん例外はあります)。
サラグモ類は、都市的環境ではあまり見かけないクモです。特にこのアシナガサラグモは、山にいる印象が強いのですが、なぜか博物館の周辺にいます。
他のサラグモ類は見かけないのに、奇妙な事です。しかも、この大きさになるまでどこに隠れていたのでしょうか、突然現れました。でもうれしいものです。このクモが現れると、なんとなく夏が近づいてきた気がするのです。(学芸班 木村)

カテゴリー: 未分類 | アシナガサラグモ はコメントを受け付けていません

火星人誕生!

6月7日から始まる新しいプラネタリウム番組「火星人をさがせ!~謎多き赤い惑星~」に先駆けて、エントランス内に火星人の顔出しが設置されました。
120602博物館01S
今日も親子連れに大人気!
120602博物館03S
笑顔のとってもかわいい火星人のできあがり!
ここで一つ、撮影一口アドバイス。
背景が中庭でちょっと明るいので、ふつうにオート撮影すると顔出しパネルが暗く沈んでしまいます。そこで、たいていのカメラに装備されている(携帯カメラにも必ずあります)「P」(プログラムオートモード)にして、露出補正を2~3段階プラス(+)にしてみてください。カメラについているボタンのどこかに、「+」と「-」という表示があると思います。「P」とこの「+-」が見つかれば何とかなるはず!ぜひお試し下さい。パネルの色もはっきり出ると思います。これは、逆光撮影などでも使える機能です。
それから、上の写真のお子さんがやってくれているように、前髪を上げて顔を入れると、よりリアルです!!
(生物担当学芸員 秋山)

カテゴリー: 今日の博物館 | 火星人誕生! はコメントを受け付けていません