きれいなカメムシ

今朝、通勤途上で出会った虫。
アカスジ成虫
アカスジキンカメムシです。
雑木林などで見られますが、文句なしにきれいですね。
キンカメムシの仲間はきれいなものが多いですが、南西諸島など暖かい地方に分布するものが多いようで、身近でみられるこの種はうれしい存在です。
ちなみに幼虫はこれ。
アカスジ幼虫
5月10日にさがぽんがツイッターでつぶやいた写真。
ぜんぜん似てませんね。
因みに、「変わった虫を見つけました」という連絡をいただく事が多い昆虫でもあります。
どうか、お見知りおきを。(学芸班 木村)

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今日の調査…川を渡り、山を登り…

今日は市内緑区へ植物調査に行きました。
午前中は、ちょっと気になっている植物の現状把握のために道志川へ。川を渡り、
120530道志川20S
岩場をつたって行かなければ、目的の場所へ到達しません。細心の注意を払いながら、現場へ。目的は達成したのですが、その植物の現状は…あまりよいものではありませんでした。
120530道志川30S
午後は、気を取り直して石老山(標高694m)へ登りました。これもやはり、気になっている植物の現状把握のためです。
ちょっと足を伸ばして高塚山(標高675m)まで。こちらは、まずまずの状態に安心して帰路につきました。
120530石老山48S
それにしても、さすがにちょっとキツイ行程でした。
(生物担当学芸員 秋山)

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ササグモ

このクモの名前は「ササグモ」。最近、通勤中に良く見かけます。
皆さんの庭先でも見かけるのではないでしょうか。
色は、緑色っぽい場合と茶色っぽい場合があります。
徘徊性で、網は張りません。
肢にトゲトゲのような長い毛が生えているのが特徴。似ている種もいますが、少なくとも「ササグモの仲間」とわかるくらいに特徴的な姿をしています。
ササグモ標準
標準的なイメージ。よくこんな具合に葉の陰にいます。
ここではた、と気づきました。よく見かけるクモなので、名前が知りたい人も多いだろうと思い書き始めましたが、これ以上どう紹介して良いか、行き詰ってしまいました。
と、いうのは、私自身がこのクモにこれといった印象を持っていないのです。
なぜでしょう?
理由はいろいろ考えられます。どこにでもいる普通種だから。名前が平凡でクサグモとまぎらわしいから。きれいなのかどうかよくわからない中途半端な色彩だから。形や生態に特に目立ったところがないから等々…。しかし、平凡な生き物にだって見出すべき点は絶対あるはず。大体、平凡な生き物の魅力を紹介するのがこのブログ。
で、ああでもない、こうでもないと考えているうちに、気づいた事がひとつあります。
写真に撮ってみると、意外に映えるクモだな、と。
このブログで紹介しているクモの写真は、ほとんどコンパクトカメラで撮っていて、思うように撮れなかったり、画質がいまひとつという事があるのですが、ササグモは逃げる時は素早いものの、比較的じっとしている時間も長く、じっくり狙って、露出を補正したり、ストロボをあててみたり、いろいろ工夫しながら撮れます。
サイズ的にも小さすぎず、大きすぎず、ピントが合いやすい。
色彩も地味なようでいて、草や木の葉の緑によく調和した色をしている(これ、ポイントですね。住んでいる環境と込みできれいに見える)。トゲトゲだってピントが合うと、しゃっきり見えて結構かっこいい。
いやいや、なかなか良いクモではないですか。
というわけで、皆さんもぜひ、ササグモを見かけたら、カメラで撮ってみましょう。思わぬ美しさを見いだせるかもしれません。(学芸班 木村)
ササグモ薄い
緑色がかっているが、薄い色の個体。
ササグモ赤み
褐色の部分の赤みが強い個体。これはきれい。
ササグモ横向き
横から見たところ(オス)。結構、精悍な感じ

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職業体験2日目

昨日に引き続き、相原中の2年生3人が職業体験に来ています。
今日の午後は標本を扱う作業ではなく、普及事業の準備を行いました。普及事業の準備も博物館の大切な仕事の一つです。6月24日開催の「火山灰を顕微鏡で見てみよう」で使うカードを作成してもらいました。
カッターナイフでカードの大きさに切り取り、

ラミネート加工してできあがり。
IMG_0271p.jpg
IMG_0273p.jpg
実際に普及事業で使うカードなので、丁寧に作業してくれました。とても助かりました。
(地質担当学芸員 河尻)

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職業体験1日目

今日から明日、市内の相原中学校の2年生3名が職業体験に来ています。
今日の午後は、相模原植物調査会のボランティアさんに指導してもらいながら、植物標本を台紙に貼る作業を行いました。
120529博物館01S
実物を扱う作業なので、ちょっと緊張気味です。しかも、ただ台紙に貼るわけではなくて、個々の標本に応じたさまざまな配慮が必要で、とても奥深い作業です。でも、ベテランのボランティアさんが丁寧に教えてくれたので、終わる頃には手際も良くなり、しっかりと貼れるようになりました。
120529博物館14S
最後にみんなで記念撮影。この後、収蔵庫で実際に標本が収蔵されているようすや、標本がどのように活用されているのか、なぜたくさんの標本を収蔵しているのかなどについて学芸員から話を聞きました。
120529博物館18S
明日も職業体験は続きます。どんなお仕事が待っているのかな?
(生物担当学芸員 秋山)

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ミニ観察会終了!

本日予定していた4回の「博物館のまわりのミニ観察会」が終了しました。たくさんの方にご参加いただき、特に13時と14時は30名以上とこれまでにない人数でした。
120527博物館22S
じっくり観察できないものもあったかもしれませんが、ふだん、あまり注目されない生きものばかり扱ったので、参加されたみなさんの反応がとてもよく、担当者としては嬉しい限りです。
120527博物館69S
朝のブログ記事で予告した白いふわふわしたもの。これは、クワの木につくクワキジラミの幼虫です。カメムシ目の昆虫で、おしりからろう質の物質を出してかたまってとまります。虫めがねで一所懸命見てくれているその先にいるのが、下の写真です。
120527博物館12S
キュウリグサの花は、拡大写真を示して参加者のみなさんに探していただきました。その小ささに驚くとともに、ニオイをかいでいただくと、お子さんからすかさず「キュウリみたいなにおい」という声が。子どもの感覚は素直で鋭いです。
120527博物館62S
下の写真は樹林でバードウォッチングをしていますが、この時も、肉眼でムクドリを見ていた子が「くちばしがオレンジ色!」と声をあげてくれました。そう、図鑑でもムクドリの解説には識別点として、必ずくちばしの色が紹介されます。目の良さに脱帽です。
120527博物館40S
参加者のみなさんのすばらしい反応のおかげで、こちらもとても楽しく観察会を終えることができました。ご参加いただいたみなさま、大変ありがとうございました。
(生物担当学芸員 秋山)

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盛り上がってますよ!ミニ観察会

ミニ観察会、11時の回が無事に終了しました。
生きもの好きのお子さんが参加してくれて、とっても盛り上がりました。
DSC_1502S.jpg
「この草の葉っぱを指でもんでニオイをかいでみてね」
「あ、○○のにおい!」
「うわっ、すごい。まさしくこの植物の名前は○○グサっていうんだよ」
こんな感じで、楽しく観察しています。
120527博物館19S
カタバミの葉っぱで10円玉を磨いてみると…あれ!ピカピカに。
120527博物館20S
どこにでもある雑草にも、びっくり箱みたいな「しかけ」があります。自然はおもしろいですね。
午後は13時、14時、15時と3回あります!
(生物担当学芸員 秋山)

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今日はミニ観察会1日4回!!(予告編)

今日は「博物館のまわりのミニ観察会」を1日4回やります!11時、13時、14時、15時の各回約30分ほど。内容はそれぞれちょっとずつ違ったり、少し同じだったり。
どんなものを観察するのかというと…
120527博物館07S
ちょっとゾワゾワする人もいるかも。しかもばっちり拡大して見ちゃいます!これが果たして何なのかは、夕方、このブログでご報告します。
120527博物館01S
手を触れたいけど、がまんして触れずに写真だけ撮りました!
どうぞお気軽にご参加ください!
とりあえずのテーマ(予定)です。
 11時「小さな植物観察」
 13時「クワの木につく昆虫観察」
 14時「森の中でバードウォッチング」
 15時「今日これまでに見たヘンなもの観察」
(生物担当学芸員 秋山)

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アシダカグモの卵

以前、エントランスで展示していたアシダカグモ、実はまだ飼育しています。
「成体になってからも脱皮をするか」という事を確かめるためです。
ところがところが、思いもよらない事が…
アシダカ卵背側
なんと、卵を産んでしまったのです。
大事そうに抱えている白い物体は、卵を包む卵のうです。アシダカグモは子どもが出てくるまで、卵のうを抱えて歩きます。以前に記録されたものを見ると、約1か月間抱えていることになります。その間何も食べないとの事ですが、これは確かめてみる必要がありそうです。
アシダカ卵腹側
腹側から撮った写真。触肢(一番前の肢。歩くのに使う肢は歩脚といいます)で抱え込んでいます。卵のうの中にはおそらく200~400個位の卵が入っています。それが一斉に出てきたら?今から考えておかなくては…
アシダカ卵アップ
アップで。まるで紙のように見えますが、クモの糸でできています。クモは用途に応じて色々な糸を使い分けています。体を壁面に固定している糸とその付着面も見えます。
実はこの個体、4月中に一度産卵に失敗しています。卵を包むシートがうまく作れずに、卵が全部こぼれ出てしまったのです。驚くべきことに、普段動くものしか食べないクモが、卵を食べて全部回収してしまいました。つくづく無駄の少ない生き物です。
しかし、懸念事項がひとつ。これは果たして有精卵か?
この個体を採集したのは2012年1月25日。オスと接触しているとしたらそれ以前です。もし無精卵だったら、子グモは出てこず、その間エサをとらないとしたら…あわわ…心配事が増えました。(学芸班 木村)

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5/27ミニ観察会拡大版やります!

明日、5月26日からミニ企画展「自然観察会のはじまり」がオープンします。
これにあわせて、毎月1回行っている博物館のまわりのミニ観察会を、5月27日は1日4回やります!!名付けて「ミニ観察会拡大版!」。ミニ企画展関連のミニ観察会なのに、「拡大版」とはこれいかに!
ということはさておいておき、こんなものや…
1205キュウリグサ
こんなもの…
1205クワコ幼
さらに、野鳥や昆虫を観察したり、短い時間の中ですがいろいろじっくり見てみたいと思います。
 11時「小さな植物観察」
 13時「クワの木につく昆虫観察」
 14時「森の中でバードウォッチング」
 15時「今日これまでに見たヘンなもの観察」
という予定です。出たとこ勝負、行き当たりばったりの観察会なので、予定は変更になることがあります。そんなゆる~い観察会ですが、よろしければご参加ください!!
(生物担当学芸員 秋山)

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