ゴミグモ

先日紹介したハツリグモは、丸めた葉の中に隠れていましたが、これもま「隠れ」系のクモ。初夏から夏にかけて、家や林のまわりで見られ、体長はメス12~15mm、オス7~8mmと、やや小ぶりですが、特徴ある網をつくります。
網本体は目の細かい垂直円網で、さほど変わったところはないのですが、その名のとおり、食べかすや脱皮殻などを網の真ん中に集めて、いつもその中に紛れています。網を張り替える時には、集めたごみを再利用するそうですので、「もったいない」精神にあふれるクモなのかもしれませんね。(学芸班 木村)
ゴミグモ遠景
さて、どこにクモがいるでしょう?
ゴミグモお食事中2
お食事中…よけいにどんな形かわかりづらい…
ゴミグモ本体
ちょっと歩いてもらいました。これでどんな姿かおわかりいただけたかと思います。

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上から見えない花

博物館の前庭にひっそりと咲く、アマドコロ(ユリ科)。
花はこんなにキレイなのに…
アマドコロ2
この植物は花を決して目立つ方向へさらしません。
上から見ると、まるで葉が花を覆い隠しているかのよう。
いったい、誰に向けて花を咲かせているのでしょう。
アマドコロ3
でも、この植物は少し引いて見てみると…
アマドコロ1
地球の重力を最大限に生かして、全草のバランスで美しさをかもしだしているのがわかります!
(生物担当学芸員 秋山)

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新緑の続き

昨日の石老山(緑区)調査では、新緑の下に咲く春の花を満喫しました。
アマナ
アマナ。今年は花期を逃したかな、と思っていたら、まだしっかり咲いていました。個人的な好みですが、やっぱりこの花の美しさは格別です。
チゴユリ
チゴユリ。ちょっと花が疲れてくると、すぐに下を向いてしまいます。正面を向いてくれている花をなんとか見つけて撮影。
ウリハダカエデ
ウリハダカエデ。こちらは樹木の花。ファインダー越しに見ていたら、大阪万博公園の「太陽の塔」を思い出しました。
今日は一転して雨模様。調査が昨日でよかったです。
(生物担当学芸員 秋山)

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新緑

今日は緑区の石老山へ調査に出かけました。
山は新緑。目に優しい淡い色合いに包まれていました。
120425篠原052S
篠原の里山の新緑
120425篠原115S
アワブキの新緑
120425篠原096S
花のついたクロモジの新緑
120425篠原061S
ウラジロノキの新緑を、逆光で。
生きものたちのパワーをビシビシと感じる季節です。
(生物担当学芸員 秋山)

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ハツリグモ

シロスジショウジョウグモほどではありませんが、今回も赤っぽい色のクモを紹介します。
ただし、普段は姿を見る事ができません。
このクモはいわゆる「くもの巣」で連想されるような円網を張るのですが、その中心付近に枯れ葉を巻いたものを吊るして、普段はその中に潜んでいるからです。
名前は「ハツリグモ」。漢字で書くと「葉吊蜘蛛」という事になります。
網に餌がかかると、隠れ家から出てきますが、獲物をくわえると、隠れ家に持って行ってしまいます。
外から見ていると、空中に浮かんだ枯れ葉がごそごそ揺れていて、あまりの臆病ぶりに、つい、顔がほころんでしまいそうになる程です。
初夏から夏にかけて見られ、大きさは、メス 8~11mm、オス5~6mmと比較的小型で、平地~山地まで広く分布する普通種です。樹木や垣根の根本近くの低い場所に網を張ります。博物館のエントランスでも、5月の連休明けくらいまで展示しますので、来館された方はぜひ実物(といっても隠れ家と網だけですが)をご覧ください。(学芸班 木村)
ハツリグモ網
真ん中辺の枯れ葉の中にクモがいます。円網も写っているのですが、見えるでしょうか?
ハツリグモ葉の中
枯れ葉の筒の中をのぞくとこんな感じ。
ハツリグモ個体
クモ本体はこんな感じです。

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テレビ放送

昨日、博物館を会場にして開催した「金環日食の安全な観察方法」についての研修講座には、報道機関各社が取材にきていました。
プラネ プラネ内
取材 大会議室
そして、昨夜、テレビ神奈川の21時30分からのニュース番組「tvkニュース930」で、講座の様子が放送され、参加した市立小学校の先生は「この金環日食をきっかけに理科好きな子どもが増えてほしい。」とコメントしていました。
(天文担当 有本)

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シャガの花

博物館の前庭では、シャガ(アヤメ科)が咲いています。
おそらく、自生のアヤメのなかまではもっとも身近な花だと思います。
120420博物館07S
身近なだけに、あまり気に留められずにいますが…
よく見るとほんとうにきれいな花です。立体的で繊細な花弁と模様は、なぜか私はちりめんを連想します。
120420博物館06S
なぜこんな美しい花があまり注目されないのか不思議なのですが、もしかしたら名前が原因かもしれません。シャガは古い時代に中国から渡来したとされる植物ですが、それにしてもなんだか風情も気品もあまり感じられない名前です。調べてみると、同じアヤメ科のヒオウギの漢名である「射干」に由来するそうですが、そもそもシャガとヒオウギは似ても似つかないまったくの別種です。もうちょっと花の美しさを想起させるような名前がつけられなかったのかなと、残念な気がします。
(生物担当学芸員 秋山)

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とても大切な研修講座

およそ1か月後の5月21日(月)に、珍しい天体ショーが見られることは、すでにテレビ放送や新聞記事などでご存じの方は多いのではないでしょうか?
太陽、月、地球の順に一直線上に3天体が並ぶことで、月によって隠される太陽がリング状に見える“金環日食”が起こります。
日食の仕組み
平日の朝、ちょうど通勤、通学の時間帯に起こるため、途上での事故に合わないことも含めて安全には十分に気をつけなければいけません。自宅で観察する場合も、ぜひ安全な観察方法で楽しみたいところです。
市立小学校では安全に日食を観察するために、登校時間を1時間繰り上げ(または1時間繰り下げ)ることで各校で調整が図られているところです。
そして本日は博物館を会場にして、市立小学校の理科担当の先生を対象に安全な観察方法についての研修講座が開かれました。
受付 受付で“さがぽん”がお出迎え
今回の研修講座はJAXAからの呼びかけで実現したこともあり、宇宙科学研究所の阪本教授、宇宙教育センターの宇津巻さんほかそうそうたる講師陣の話しに80人ほどの先生方が真剣に目と耳を傾けていました。
工作実習
銀河連邦共和国建国25周年を記念して作成される日食観察用のシートが小学校全児童+教員分の38,900枚配布される予定となっており、その工作のポイント説明の後、実習をしました。
工作実習2
2時間半の研修講座を終えた先生方、児童への安全指導はこれからが大変になることでしょうが、ぜひともガンバってください。博物館も何らかの形でお手伝いできればと思います。
着々と準備を整えて、世紀の天体ショーを迎えたいですね。あ、、、そう言えば、5月20日に開催する博物館事業「金環日食直前ガイド」は4月20日(必着)で応募を締め切りましたが、500人ほどの方々からお申し込みをいただきました。みなさんの関心の表れですね。
(天文担当 有本)

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シロスジショウジョウグモ

シロスジショウジョウ1
シロスジショウジョウ2
シロスジショウジョウ3
シロスジショウジョウ4
写真は、シロスジショウジョウグモ(オス幼体)が網を張っているところです。
鮮やかな紅色の体に、黒い斑点が2つというなかなかオシャレなクモです。
ショウジョウ(猩々)というのは、空想上の生き物で、人に似ていて、人語を解し、お酒が好きで赤い顔をしているとの事。この体色から猩々が連想され、名前がついたのでしょう。しかし良く見ると目の周りは黒っぽくなっていて、ちょっとユーモラスな雰囲気もあります。
初めてみた人は、この派手な色彩にびっくりするようですが、ちょっと林があるところなら、意外に身近に見られます。どうぞ、憶えておいてください。
クモというと、茶色や黒のイメージが強いと思いますが、中にはこんな赤い色や、緑色のきれいなクモもいます。これから少しずつ紹介できればと思います。
ところで、シロスジショウジョウグモには「赤褐色」「黒色」「黒色に白いスジ」などいろいろ色彩変異があります。そういうのが先に見つかっていたら、どんな名前がつけられていたのでしょうか。(学芸班 木村)

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あいにくの天気で…

今日、4月22日は上野原と相模原市の境界あたりへ、相模原地質研究会のメンバーと調査に行く予定だったのですが、昼頃から雨ということで中止にしました。
その代わりに博物館で資料整理をしました。
先日、剥ぎ取り、洗浄した地層の標本を完成させました。
ラベルを記入し、裏面に貼り付けます。
ラベル記入
裏面に木工用ボンドを薄めて塗り、補強します。乾けば標本の完成です。
剥ぎ取り補強
あと、先日採集した岩石の洗浄作業も行いました。
岩石洗浄
(地質担当学芸員 河尻)

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