地質調査日誌4/20 相模原市緑区名倉

4月20日金曜日。曇りのち雨。
今回は、相模原市緑区名倉へ出かけました。
石老山礫岩、上野原層、名倉玄武岩を調査しました。
小さな沢を遡上していたら、ちょっとした堰止め湖が…
堰止湖
仕方がないので、藪をかき分けながら迂回し、上流側へたどり着きました。
藪漕ぎ
石老山礫岩は硬いので、両岸が切り立っています。
石老山礫岩の谷
上野原層は半固結でやわらかいので、谷が開けた感じです。
上野原層の谷
上野原層の粘土でダンゴを作ってみました。
上野原層泥団子
名倉玄武岩も硬く、切り立っています。さらに、小さな段(滝)もいくつか見られます。
小さいながらも3段の滝。でも、これくらいは簡単に上ることができます。
名倉玄武岩の滝
14:30くらいに雨が降り出し、切りも良かったので、調査を終了しました。
帰りは、上りやすいところを見つけて、谷から抜け出しました。
(地質担当学芸員 河尻)

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カザグルマ

博物館には、相模原市由来のいくつかの山野草が植えられています。どれも、いわゆる絶滅危惧植物と呼ばれるもので、野生での絶滅危険性の分散という意味があります。
そのひとつ、カザグルマ(山野草と言っても、カザグルマはつる性木本ですが)。
園芸植物として絶大な人気を誇るクレマチスの原種として知られています。
県内で現在知られている自生地4カ所のうち、3カ所が相模原市内にあります。
博物館に植えられているのは、このうちの1カ所から挿し木で増やしたものです。
毎年ゴールデンウィーク頃に開花します。今年も順調に花芽がのびてきました。
120407博物館16S
10日前のつぼみはまだ、毛むくじゃらで葉っぱものびかけ。
120420博物館02S
今日撮影したものは、もうだいぶつぼみがふくらんできています。
今年は少し開花が遅れそうです。おそらく、ゴールデンウィーク後半に開花するのではないでしょうか。
花が咲いたら、またこのブログでご紹介します。
(生物担当学芸員 秋山)

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地質調査日誌4/18 鳩ノ巣渓谷

4月18日水曜日。晴れのち曇り。
多摩川の上流、奥多摩町にある鳩ノ巣渓谷へ相模原地質研究会のメンバーと一緒に調査に出かけました。今回は地質学講座の下見ですが、講座の見学地点以外も調査しました。
博物館の周辺では桜は散ってしまいましたが、鳩ノ巣渓谷ではまだ満開!
鳩ノ巣駅
木々の緑も若々しい、春の鳩ノ巣渓谷です。
鳩ノ巣渓谷
遊歩道からそれて、川沿いの露頭を調査。約2億年前の海底で形成されたチャートや砂岩、頁岩を観察しました。
鳩ノ巣渓谷調査
褶曲したチャート。
褶曲チャート
ほぼ垂直に立った砂岩頁岩互層。
砂岩頁岩互層
午前中は日差しも暖かく、良い天気でしたが、午後からは雲も厚くなり、今にも降り出しそうに…
でも、何とか持ちこたえ、無事、降られずに調査を終了しました。
(地質担当学芸員 河尻)

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さがぽん増殖中

今日、市民学芸員の方が、こんなものを持ってきてくださいました。
さがぽんぜんぶ
なんと、さがぽんのぬいぐるみです!
市民学芸員の黄色いジャンパーまで着てます!
もちろん、手作り。
なかなか顔が似なくて、何度も作り直したそうです。
さがぽんぶらさげ
顔だけのものは、こんな風にして首からさげるタイプ。
イベントの時に、スタッフの目印に使えるのでは、というアイデア。
たくさん作っても良いですよ、と涙が出そうなお言葉をいただきました。
ますます人気者になりそうなさがぽん。
もしかして、本当に博物館の顔になってくれるかも知れないなあ、と期待しています。
皆さんも、ぜひ応援してくださいね!(学芸班 木村)
さがぽん窓辺
希望に燃える仲良し3人組。(実は分身の術)

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お姫様

春植物の追っかけシリーズ、・・・第何弾なのか、書いている方も忘れてしまいました。
今日撮影したのは、春植物のお姫様、ワダソウです。
120418_02S.jpg
誰がお姫様と言い出したのか・・・それは私です。花期が短く、葯が赤く目立つ花の見頃もあっという間に終わってしまいます。弱々しくて、実際、環境がちょっと変わると真っ先になくなります。
120418_05.jpg
こうして花が開ききると、葯が取れてチャームポイントが無くなって平凡な印象に・・・。
この場所も、開花しているのは10株程度でした。地元の方の下草管理や監視のおかげでどうにか残っています。
120418高根16S
さて、博物館となりの留保地はいま、フデリンドウが満開。見頃を迎えています。
(生物担当学芸員 秋山)

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クサグモ現る

クサグモ幼体上から
写真はクサグモという名前のクモの子どもです。
ご覧のように、植込み等にシート状の網(「棚網」と呼ばれています)を張っているので、網を見たことがある方は多いのではないでしょうか。
よく似た種にコクサグモというのがいますが、そちらは、もう一月ほど遅れて出現します。
このクサグモ、今は体長5mm程度で赤い色をしていますが、夏には15mm程度の茶色っぽい姿になり、成熟し、卵を産みます。
卵が入った卵のうは特徴的な多面体の形をしており、網(住居」)の奥の方につり下げられます。
子グモは卵のうの中でふ化し、越冬します。暖かくなるとすぐに網を張っているのが見られるのは、そのためです。
しかし、植込みという環境は結構過酷です。秋にはかなり大胆な刈込があり、多くの卵のうが処分されているはずだからです。
毎年ハラハラしているのですが、それでもちゃんと春には姿を現すのですから、生き物というのはたくましいというか、不思議なものです。(学芸班 木村)
クサグモ網
雨上がりの棚網は、水滴が光ってきれいです。

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ポーズ

今日は緑区澤井にある「ふじの体験の森やませみ」へ行ってきました。
ゴールデンウィーク中に行われる自然体験教室の下見に同行するためです。
この一帯、佐野川と呼ばれる地区は、「にほんの里100選」(朝日新聞社・森林文化協会)に選ばれているだけに、里山の春植物も豊富です。たくさんのネタを前に、体験教室ではどんなプログラムが参加者の満足度を高められるか、協力員のみなさんと考えながら歩きました。
さて、終了後、沢井川にかかる橋の上を何やら動くものが・・
120417沢井04S
ニホントカゲです。
立派な成体。みんなでカメラを向けても、悠然としています。しかも、しっかりカメラ目線。
写し終わると、何事もなかったかのように去っていきました。
(生物担当学芸員 秋山)

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新しい植物誌へ

昨日、4/15は神奈川県植物誌調査会の総会が小田原市の県立生命の星地球博物館で行われました。次の神奈川県植物誌に向けた重要な会議。そして、恒例の講演会には、若手シダ研究者のトップランナー、国立科博の海老原さんが登場とあり、会場は満席に。
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充実した一日となりました。
そして今日は、このところ休日の恒例となりつつある春植物の撮影に、緑区のある緑地へ。
おめあてはアマナの開花の姿だったのですが、残念ながらタイミングがちょっと遅かったのと、日照が少し足りなかったか…。しっかり開いている花はありませんでした。
DSC_9104.jpg
それでも、イチリンソウは満開。アネモネ属のスターは、やっぱりゴージャスな雰囲気をたたえています。
春植物の追っかけは、まだもう少し続けたいと思います。
(生物担当学芸員 秋山)

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ポジデジ

昔は講演会や講座などで写真を見せるときはスライドプロジェクターを使いましたが、最近はパソコンのプレゼンテーションソフトを使って見せることが多くなりました。そこで、昔、撮影したポジフィルムのままでは使い勝手が悪いので、デジタル化を進めています。
ポジフィルムをデジタルスキャナーで読み取ってデジタル画像に変換します。
ポジスキャン
パソコン上で画像を整形して保存していきます。
画像保存
デジタル画像はファイルがいつ消えたり、壊れてしまうかわからないので、バックアップは忘れずに!
(地質担当学芸員 河尻)

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雨の観察会

今日は朝からしとしと春雨。
でも、ミニ観察会をやりました。
雨の日は、ふだんとちょっとちがう自然の表情が見えることがあります。
おめあての春の花はほとんど開いていませんでしたが、ちゃんと雨の日のスターが待っていました。
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カタツムリ、いや、でんでんむしの方が今日の雰囲気にぴったり。
ちょっと館内まで来ていただいて、頭が出てくるのをじっくり待ちました。
ツノまでのばしてくれて、参加してくれたお子さんも大喜び。
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せっかくなので、葉っぱででんでんむしもつくって、お開きとなりました。
(生物担当学芸員 秋山)

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