地層剥取標本の洗浄

4月12日、3月22日に剥取ってきた地層の剥取標本の洗浄作業を、相模原地質研究会のメンバーと行いました。
剥取ったままだと余分な土がついているので、水で洗い流します。ただ水で流すだけではなかなかとれないので、手でほぐしながら洗います。手でもほぐれないときは、鎌などで削ります。
剥取洗浄1
仕上げに残っている泥を洗い落として、
剥取洗浄
お日様に当てて乾燥させます。
剥取り乾燥
水を使うので真冬にはやりたくない作業です。この日は暖かくて助かりました。
(地質担当学芸員 河尻)

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枝を片付ける

ここにだけは落ちて欲しくなかった、というところに、落ちていました。
いえ、時事ネタではありません。
120413高根01S
去年上陸した台風15号の爪痕が、博物館となりの留保地にはまだいくつか残っています。今朝、通勤途中にそのうちの一つ、大きなサクラの枝が地面に落下しているのを見つけました。昨日までは、折れてはいたものの、まだ幹とつながっていて花をたくさん咲かせていたのですが…。
やはり、小さくてもこれだけの花がつくと、重くなるし風圧も受けるのでしょう。絶えきれずに落下したようです。
じつはこの場所、とある希少な植物が生えている一画です。ちょうどそのど真ん中に落ちてしまいました。
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しかたがないので、小さなノコギリで枝を小分けにばらし、片付けました。チェーンソーがあればものの数分で済んだであろう作業ですが、そんなとび道具は持っていません。結局20分ほどかかってしまいました。
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今年は花芽をつけませんでしたが、来年は咲いて欲しいと願いながら、汗をふきふき博物館に戻りました。
(生物担当学芸員 秋山)

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いなくなった!

ヨコヅナ1
これは、博物館の前のクヌギについている樹名板を12月17日にめくってみた写真です。
ヨコヅナサシガメがうじゃうじゃ集まって越冬しています。
ヨコヅナ2
4月10日に撮った写真。
暖かくなったので、だいぶいなくなりました。でも、まだちらほら残っています
ヨコヅナ3
今日、4月12日に撮った写真がこれ。
ついに一匹もいなくなりました!
いよいよ生き物たちが活発に動き回る季節の到来です!
(学芸班 木村)

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桜の森の満開の下

徒歩通勤の楽しみは、季節の移り変わりを全身で感じられること。
毎年この時期、通勤路の桜並木には圧倒されます。
そして、つい本棚に手が伸びて読んでしまうのが…
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『桜の森の満開の下』(坂口安吾)
若い頃は、花見と称するどんちゃん騒ぎに嫌悪を感じていました。しかし自分も歳をとり、満開の花の下で心乱れる人間の心理に愛おしさすら抱くようになりました。
今年も安吾ワールドにはまっています。
(生物担当学芸員 秋山)

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春植物の女王

今日は相模原植物調査会の野外調査の日です。
市内緑区のとある里山へ、春植物の女王を見に行きました。
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カタクリ。
市内にはこの花を守り、増やして「カタクリの里」として一般向けに公開している場所が何カ所かあります。
しかし、今日行ったこの場所は、一般にはほとんど知られていない自生地です。集落の方がご自分の家の裏山を昔ながらの管理できれいに整えていただいている結果、カタクリが守られてきたのです。ごく自然な姿で美しく咲いていました。女王の風格と気品が春の里山に漂っています。
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近くに咲いていたヒナスミレ。こじんまりと咲く姿がとてもかわいいです。
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ちょっと天候は不安定でしたが、今日も楽しく有意義な野外調査となりました。
(生物担当学芸員 秋山)

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開花

このところ春の花の話題ばかりですが…。
そういう季節なのでしかたありませんね。
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予告していたフデリンドウ、咲き出しました。博物館にボランティア作業に来ていた相模原植物調査会の方が教えてくれました。まだ数株だけですが、これから一気に開花していくでしょう。
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カントウタンポポもしっかり花柄を伸ばして咲いています。それにしても、咲くときはほんとうに一気に花柄が伸び上がって咲きますね。ちなみに写真は朝撮影したので、まだ花が開ききっていません。
ところで、今まで気づかなかった花にも出会いました。
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シロバナタンポポ。西日本の植物ですが、関東地方では珍しいので、たまに栽培目的で持ち込まれます。この株がどこからやってきたものかわかりませんが、1株だけ、寂しそうに咲いていました。こうして1株あれば、数年後には周辺にどーんと広がりそうな気がしますが…、なぜかシロバナタンポポはそんな風には増えません。むしろ、いつの間にか消えていってしまいます。
関東になじめない、何かがあるのかもしれません。
(生物担当学芸員 秋山)

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極小の春の花

今日はお休みを利用して、市内のとある緑地へ。
そこで、緑地を管理されている方の案内で絶滅危惧植物でもある小さな小さな春植物を観察しました。
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ヒメニラ。花は直径3ミリ、高さ6ミリほど。葉は、同じ春植物のアマナそっくりですが、ちょっと押すとしっかりニラのニオイがします。
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マクロレンズの性能が試される極小の花!
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お天気の良さにつられて、ヒメウズを見上げる角度で撮ってみました。
ジロボウエンゴサクとヤマエンゴサク。ヤマエンゴサクに個体差が大きく、意外と難しい両者の識別ですが、この場所では花の雰囲気と包葉の形で一見してわかります。
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ジロボウエンゴサク
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ヤマエンゴサク
この春一番の暖かさにつられて、たくさん写真を撮って帰りました。
(生物担当学芸員 秋山)

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スノーマンあらわる!?

ここは博物館の中庭。地上付近になにやら毛むくじゃらなものが見えます。
地面すれすれに視線を落として近づいて見ると…。
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スノーマン?
いえいえ、周囲を注意深く探してみると…
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もうちょっと背の高いものがいくつもあって…
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あれあれ、ぎざぎざの緑色のものが見えてるぞ。
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なんだ、葉っぱが開く前だったんだ!それにしても破れた傘みたいな葉っぱだね。
そう、その名もヤブレガサ。キク科の多年草です。
(生物担当学芸員 秋山)

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もうちょっと!

いつもは花が咲いてから「あっ!」と気がつく春の植物を、ちょっと先走って見てやろうとカメラを持って博物館となりの留保地へ。
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カントウタンポポ。
ロゼット葉の中心に、まだ寒くて縮こまっているかのようにつぼみが見えています。
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フデリンドウ。
こちらは準備万端。あと少しで開花しそうです。
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こちらは、うっかりしていてもう満開になってしまった、オオアラセイトウ(ショカッサイ)。
カントウタンポポやフデリンドウは、花が咲いたらまたアップします!
(生物担当学芸員 秋山)

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家の幽霊

博物館のエントランスにある机を移動したら、こんなものが潜んでいました。
イエユウレイ
細長い体にひょろひょろと細くて長ーい脚。
その周りには、もやもやとしたお化け屋敷のようなクモの巣。
皆さんも家の中で見たことがあるかも知れません。
その名も「イエユウレイグモ」
絶妙なネーミングをしたものだと思います。
日本では本州以南に分布する屋内性のクモで、決して珍しい生きものではありませんが、冬の間エントランスの他の場所からは姿を消していました。
こんなところで冬を越していたのかと、ちょっと嬉しくなり、写真をパチリ。
とりあえず机の裏を掃除して、クモは別の場所に移ってもらいました。
きっとまたどこかで網を張って、次の世代を残してくれる事でしょう。(学芸班 木村)

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