早春の林道

3月10日、緑区のある林道を歩きました。お天気が良かったこともあり気温が上がり、テングチョウがあちらこちらで飛び交っていました。

テングチョウ

早いスピードで直線的に飛びますが、すぐに日なたにとまります。昆虫にとってはまだまだ寒いのでしょう。
ミソサザイはさえずりを聞かせてくれていました。

ミソサザイ 尾をピンと立てる姿勢が特徴です

日本国内でも最小クラスの大きさの鳥ですが、さえずりの声量は上位に入ります。この小さな体でどうやってこんな大きな鳴き声を出せるのか不思議です。
林道からの帰り道、緑区鳥屋地区の、フクジュソウの群生地に寄りました。

フクジュソウ

ここは地区のみなさんが保護し、開花期には公開している場所です。午後の一番よく開いている時間帯だったこともあり、見事な咲きっぷりでした。

数えきれないくらいの花が咲いていました

冬と春が交差するような毎日ですが、春がどんどんと押し寄せています。
(生物担当学芸員)

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自然・歴史展示室を探検!

3月9日(日)、当館の自然・歴史展示室で学芸員による展示解説を実施しました。この展示解説は、ボーノ相模大野(南区相模大野)内に拠点を置くユニコムプラザさがみはらからの依頼によるもので、当館学芸員が講師を務めた「さがみはら地域づくり大学」修了生の皆さんが「さがみはら地域探検隊」と称して参加されました。
昨年7月に実施した「さがみはら地域づくり大学」の講義の様子は、このブログでも紹介しています。

今回は“相模原を学び、世界に誇る相模原の先端宇宙産業「JAXA」を体験!”をテーマに、当館とお向かいにあるJAXA相模原キャンパスを探検場所として選んだそうです。
この日はJAXA宇宙科学探査交流棟の見学を終え、当館特別展示室で行っているJAXA連携ミニ展示ミニプラネタリウムを観覧後、展示解説をスタートしました。

展示室へ向かう前に、エントランスのはやぶさ2模型の前で導入のお話。

地域の総合博物館である当館の自然・歴史展示室は、1つの展示室の中に地質、考古、歴史、民俗、生物の5分野が同居しています。(※天文分野は別室ですが、工事の都合により本年7月中旬まで休室しています。)
時間の都合上、各分野の特徴をポイントで解説することになりましたが、どのコーナーも皆さん熱心に見学されていました。また、時折「さがみはら地域づくり大学」の講義内容を思い出しながら解説を聴いていただいている様子も。さすが、地域への関心が高い「さがみはら地域探検隊」のメンバーです。

市域の仏教遺産について解説しています。

相模原を語るうえで欠かせない養蚕のコーナー

ここでは、段丘崖の自然についてお話ししました。

ラストは、参加した皆さんゆかりの相模大野のまちの変遷の模型です。

約40分の解説後、参加いただいた方には参加証をプレゼントして終了となりました。

この日の日付を入れて参加証をプレゼントしました!

普段の出前講座でもできるだけ博物館資料の紹介を交えるようにしていますが、やはり館外で実施するとなると実物資料を持ち出すことは難しく、写真による説明に留まる場合がほとんどです。
しかし、今回は展示室で実物を目の前に解説したため、より理解を深めていただけたように思います。実際に来館して展示見学する醍醐味ですね。

この探検を機に、参加者の皆さんにとって新たな発見があれば幸いです。

(歴史担当学芸員)

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境川でバードウォッチング その3 美しくカワイイ鳥たち

3月8日に境川で行ったバードウォッチングの様子を2回の記事でお伝えしました。じっくりと観察したため、いろいろご紹介してきましたが、3回目の今回で終了します。
今回は間近でじっくり見て改めて美しさやかわいらしさを感じた野鳥たちです。まずは、冬鳥を代表してジョウビタキです。この日は美しいオスも、かわいいメスもじっくりと観察できました。

ジョウビタキ オス

ジョウビタキ メス

こちらはハシボソガラスです。青光りした光沢が美しくて、全員でうっとりと観察しました。

青光りしたハシボソガラスの羽色

途中、畑ではムクドリとヒヨドリのいさかいを観察しました。地面で採食していたムクドリに、突如ヒヨドリが攻撃をしかけます。

ムクドリに対峙するヒヨドリ

なぜかと思って見ていたら、ヒヨドリの大好物であるブロッコリーの葉の近くにムクドリが寄って行ったからでした。ムクドリを追い払ったヒヨドリの表情はちょっとりりしいですね。

畑のブロッコリーにとまるヒヨドリ

ただし、ムクドリはブロッコリーの葉には興味がありません。ただ地面で小さな虫かなにか食べていただけのムクドリにとっては、はた迷惑な攻撃だったかもしれませんね。
この日、一番盛り上がったのはこちらです。

鉄塔の上にとまっていたのは・・

高圧鉄塔の上にスリムな猛禽がビシっととまっている!と思って望遠鏡で確かめると・・タカのデコイでした・・カラスなどが巣を作って送電に悪影響が出ないよう、こうしたデコイを設置しているようです。よく見れば作り物とわかりますが、ちょっと見ただけでは本物に見えるため、「やられた~」となりました。

肌寒いお天気でしたが、ニワトコはすでに冬芽が開き始めていました。

崩芽したニワトコ

早春の境川で、のんびりじっくりバードウォッチングを楽しむことができました。
(生物担当学芸員)

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縄文ムラの地形観察〜段丘を歩いて湧水を探ろう〜

3月9日に相模原市の文化財保護課の主催事業「縄文ムラの地形観察〜谷戸(やと)を歩いて湧き水をたどろう〜」が開催され、相模原市南区の勝坂遺跡公園周辺の地形や地層を案内しました。この辺りは坂や谷が多く,複雑な地形をしています。地形は複雑ですが、比較的短時間で相模野台地の特徴的な地形・地質をほとんど見ることができる“お得”な場所です。

野外観察の前に、相模野台地の地形・地質の概要を、30分程度、お話ししてから出かけました。

相模野台地は平坦面が広い階段状の地形をしています。相模原市内の相模野台地は大きく上段(相模原段丘)、中段(田名原段丘)、下段(陽原(みなはら)段丘)の3つに分けられますが、ごく狭い範囲に上段と中段の間の段(中津原段丘)が見られる場所があります。各段丘の平坦面はそれぞれの段丘の名前をつけて「相模原面」などと呼びます。勝坂遺跡公園のある平坦面は中津原面です。

勝坂遺跡公園から崖を下ると、何ヶ所かで湧き水が見られます。そのうちの一つ、有鹿(あるか)神社の湧き水を観察しました。

勝坂遺跡公園の下、鳩川の両岸にある平坦面は陽原面です。鳩川の川底にある礫(れき)は、約2万年前に相模川が運んできたもので、陽原段丘をつくっている礫層です。

再び中津原面に登る途中の崖で中津原段丘をつくる関東ローム層を観察しました。ここでは、約2万5千年前に富士山の噴火により噴出された溶岩の破片の層や、約3万年前に姶良(あいら)カルデラの超巨大噴火により噴出された火山灰が含まれる部分が見られます。姶良カルデラは今の鹿児島県の桜島あたりにあった火山です。相模原では姶良カルデラからの火山灰は肉眼で見ることはできませんが、顕微鏡観察で確認することができます。

中津原面の上から相模川対岸の中津原面を観察しました。厚木市や愛川町の工業団地がある平坦面が中津原面です。

中津原面からの坂道を登ると相模原面です。下の写真に写っているのは相模原段丘の崖です。

最後に、もう一度、陽原面(下段)まで下りて、小さな川がつくった谷地形を観察しました。この川も湧き水が水源です。下の写真では右端の崖は田名原段丘の崖、左側の崖が中津原段丘の崖です。谷を挟んで高さの違う段丘が見られます。

お天気も良く、野外観察をするのちょうど良い陽気でした。相模野台地の地形と地質を堪能できるだけでなく、縄文時代の人たちが見ていた風景を観察しながら歩くことで、縄文人の暮らしぶりも感じることができたのではないでしょうか。

(地質担当学芸員)

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境川でバードウォッチング その2 コサギのプルプル採食

3月8日のバードウォッチングは野鳥たちのいろいろな行動を見られたので、ちょっとずつ紹介します。2回目は水鳥たちの様子で、まずはコサギのプルプル採食です。

流路に降り立つコサギ

これは、コサギが水辺を歩いて食べ物を探すときに、足を小刻みに震わせて水底に潜んでいる動物をあぶり出して捕らえる採食方法です。動画も録れたので紹介します。3月に入り、コサギも繁殖羽になっています。背中側の飾り羽も小刻みに震えているのでとてもわかりやすいですね。

上の動画にも登場しましたが、バンが2羽、私たちが進む方向へ一緒に歩いたり泳いだりして採食していたので、長い時間じっくり観察できました。

バン

カモ類は2羽ずつペアで見られることが多く、こちらのオナガガモも、オスとメスが一緒に行動していたので番(つがい)が成立しているのでしょう。

オナガガモ オス(左)とメス(右)

こちらはイソシギです。尾を振りながら浅瀬を歩いて採食していました。

イソシギ

そして、境川と言えばカワセミです。ほぼ100パーセントの確立で見られるので、探鳥会に花を添えてくれます。

カワセミ

まだまだ紹介したい写真があるので、このシリーズはもう少し続きます。
(生物担当学芸員)

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境川でバードウォッチング その1 頭突っ込む鳥たち

3月8日、自然環境観察員野鳥部会のみなさんと境川でバードウォッチングをしてきました。これは、ふだんの調査活動とは区別して、のんびり純粋にバードウォッチングを楽しもうということで、年に数回行っているものです。今回は定番の境川で、JR町田駅から古淵駅近くまでの区間を半日かけてのんびりと歩きました。のんびり歩くと、じっくり観察できます。たくさん楽しい観察ができたので、何回かに分けて報告します。
まずは、この日なぜか多く観察できた、野鳥たちの「頭つっこみシーン」です。歩き初めに観察したシジュウカラです。

シジュウカラ(オス)

何度かのぞきこんでいましたが、あまり気に入らなかったようですぐに飛び去って行きました

2羽のシジュウカラが数メートルの距離で動き回ってくれたのですが、そのうちの1羽が盛んに街路樹の幹にできた洞(うろ)に頭を突っ込んでいます。これは、巣穴に使えるかな?ということで覗いているところで、家探しというわけですね。繁殖期に入ったシジュウカラがよく見せる行動です。
続いてメジロです。

メジロ

メジロはツバキの花の中に頭がすっぽり入ってしまいます

街路に植えられたツバキの花に頭をつっこみ、蜜をなめているところです。
そしてこちらは頭だけではなく、ヒヨドリの全身ダイブです。

ヒヨドリ

豪快にダイブ!

水浴びをしているのですが、なんとも豪快な浴び方です。

境川は川幅が広くないので、野鳥を近い距離で見られます

この日は小雪まじりで、春とは思えないくらい寒い日でしたが、いろいろな鳥たちを間近で見られたので参加者のみなさんはホクホクでした!
(生物担当学芸員)

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【市民学芸員かわら版】世界自然遺産・知床「流氷と生き物たち」

3月5日(水)、当館1階情報サービスコーナー入口横が定位置の『市民学芸員かわら版』を最新号に掛け替えました。最新第17号は「世界自然遺産・知床『流氷と生き物たち』」と題し、平成17(2005)年に世界自然遺産に登録された知床で、流氷とともに生きる動物たちを紹介しています。

最新第17号「世界自然遺産・知床『流氷と生き物たち』」

『市民学芸員かわら版』とは、当館の博物館ボランティア「市民学芸員」の情報発信チームが作成する壁新聞です。企画立案から情報収集、記事のレイアウトまで全て市民学芸員が行い、自然・歴史・文化に関する幅広いトピックスについて、市民目線を取り入れながらわかりやすく情報発信しています。
また、来館する皆さまに新鮮な情報をお届けし、様々なテーマをお楽しみいただけるよう、不定期に最新号を発行しています。令和6年度中に発行した『市民学芸員かわら版』は、今回で4つ目となりました。

さらに、本年度の情報発信チームは大忙し!昨年に当館で開催した「学びの収穫祭」でも『市民学芸員かわら版』バックナンバー展を行い、11月23日の展示発表コアタイムでは記事の内容だけでなく、日頃の活動内容なども来場した皆さまにご紹介しました。

コアタイムの様子(令和6年11月23日)

さて、今回の最新号「世界自然遺産・知床『流氷と生き物たち』」ですが、こちらももちろん市民学芸員自ら構成し、寒さ厳しい知床の大自然で暮らす生きものたちの写真も、情報発信チームメンバーである市民学芸員が撮影しました。

相模原市域では見ることができないたくさんの動物について取り上げていますので、ぜひ最新号もご覧いただきたいと思います。

(歴史担当学芸員)

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オキナグサ(栽培)が開花

3月5日は二十四節気の啓蟄(けいちつ)でした。ところがお天気は一日中冷たい雨模様。虫などがはい出てくるような陽気からは程遠い天候でした。それでも春は着実に進んでいます。博物館で系統保存のために栽培しているオキナグサが開花しました。

オキナグサ(3月6日)

これは、市内の自生地で採種したもので、残念ながら一般来館者のみなさんが入れる場所にはありません。オキナグサは県内でも相模原市内の一部地域と丹沢山麓、箱根にそれぞれわずかに自生地が残るだけの絶滅危惧種です。
こちらは絶滅危惧種ではありませんが、博物館お隣の樹林地に自生しているシロバナハンショウヅルを差し穂で増やしたものです。

シロバナハンショウヅル

花はまだまだ先ですが、新芽が伸びてきました。現在はオキナグサの近くのフェンスに絡ませていますが、いずれ、来館された方にも見ていただけるよう、増やしたいと考えています。
そしてこちらは、博物館周辺の緑地を代表する花、フデリンドウです。越年して冬を乗り越えた株が、あと1か月くらい先の開花の準備を整えています。

フデリンドウ

これから次々といろいろな植物が芽吹き、花が咲くので、あわただしくなります。
(生物担当学芸員)

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3月20日の講演会は、ヒトとイヌの絆!

当館と麻布大学いのちの博物館とは、相互の連携をはかるための覚書を締結しています。これまで、当館からの出張展示の開催や、学生サークルによる出張ワークショップの開催など行ってきました。そして、昨年に引き続き、3月20日(春分の日)に連携記念講演会を開催します。
今回のテーマは「ヒトとイヌの絆 最新研究が示す、特別な関係の現在、過去、未来」、講師は麻布大学獣医学部教授の菊水健史博士です。

菊水博士は、ヒトとイヌの絆の深さを科学的に証明することに成功し、さらに、犬種の地域性から、イヌがヒトによる選択的な交配に加えて、ヒトの文化的側面を受け入れつつその特性を発達させてきたと推測し、研究を進めています。菊水博士によると、私たちがイヌの共通特性と思っている様々な性質も、ヒトと暮らし、家畜化する中でその役割に応じて犬種ごとに発達したものだそうです。

菊水博士と愛犬ケビン・クルト君

ヒトが初めて家畜化した動物であるイヌは、その長い歴史を経てヒトを幸せにする能力を獲得しました。そして、その能力は今、地域活性化にも活用できると菊水博士は言います。今回の講演会でもそうした幅広いお話が聴けるはずです。イヌ好きの方だけでなく、社会と動物との関わりについてご興味のある方はぜひご来場ください。

2025 年3月20日(春分の日)午後2時~4時(開場︓午後1時30 分)
相模原市立博物館 大会議室
定員 200名(当日先着順)
参加無料

(生物担当学芸員)

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生物多様性を実感する!自然観察会

3月2日、座間市ゼロカーボン推進課主催の自然観察会のお手伝いをしてきました。
これは、生物多様性の理解を深めるための普及事業で、春先の県立座間谷戸山公園を歩きながら、生物多様性の大切さを実感する自然観察プログラムを用意しました。当初、園内に自生するカントウタンポポ(自生種)と、外来種や雑種のタンポポも観察しようと考えたのですが、今年はまだタンポポが咲いていません。そこで、花壇に咲いている小さな花を見つけてもらいました。

ミチタネツケバナ

咲いていたのはミチタネツケバナ、オオイヌノフグリ、ホトケノザです。ホトケノザ以外は外来種です。身近なところに外来種はふつうに存在し、しかも人が手を加えた場所ほど外来種が多いことを確認して頂きました。カントウタンポポは、まだロゼット(冬越しの根生葉)と固いつぼみの状態を自生地で観察しました。

カントウタンポポのロゼットを観察

続いて、園路からちょっと入った林内に入り、4人一組で、食品カップと割りばしを使って落ち葉を拾ってもらいました。順次下の層の落ち葉を別のカップへ拾って観察します。

落ち葉を丁寧に拾います

すると、下の層ほど落ち葉が粉々になっていき、しっとりと湿り気があります。さらににおいをかいでもらうと、下の層は「カブトムシのにおい!」などと声が上がりました。

下の層の変化を観察

また、落ち葉をめくると、この季節でも生きものが出てきます。ダンゴムシや小さなゴキブリの仲間、ダニのような小さな動物、ヤスデなどを見つけてくれました。こうした生きものたちが落ち葉を粉々にして、さらにキノコのような菌類が分解することで、森の植物が養分を吸収できるようになる・・つまり、これが森の生態系で、生物多様性が大切な証拠です。
途中、樹木の切り株や伐採木にキノコがたくさんとりついているところや、ボロボロに分解されつつある現場も観察しました。
最後に、花は見られなかったものの、タンポポの雑種のお話をして、生物多様性は遺伝子の多様性も大切なことや、外来種の問題、そして地域の特色を例に、景観や生態系の多様性も大切であることも説明してまとめとしました。

9組のご家族が参加してくれました

生物多様性の概念は、言葉だけではなかなか理解が難しいのですが、自然観察をとおして考えると意外とわかりやすくなります。参加者は小学校低学年のお子さんとそのご家族が多かったのですが、言葉以上に、自然の生態系の奥深さを感じ取っていただけたようです。ウグイスが「ケキョッ」とさえずりを始めていたり、ニワトコの冬芽が崩芽していたりして、春の訪れも実感できる観察会となりました。
(生物担当学芸員)

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