雨天中止です。【11/23】津久井城跡市民協働調査の現地説明会を開催します。

※雨天により中止になりました。

津久井城跡市民協働調査の一環として、11月8日から城坂曲輪群(しろさかくるわぐん)7号曲輪の発掘調査を行っています。

まずは7号曲輪の位置関係から。
7号曲輪は城坂曲輪群の東に位置しており、現況は南西へ延びる緩斜面です。

7号曲輪の位置

過去に発掘調査を行った5号曲輪は里山広場とも呼ばれます。

5号、6号、7号曲輪(赤線)

これまでの発掘調査の成果は、南に広がる5号曲輪では庭園遺構が確認されており、その上段に位置する6号曲輪では、溝などの遺構は見つかっていますが、その時期は不明です。今回の7号曲輪はどのような状況なのか期待されます。

調査区の様子(北東から)

測量の様子。奥では表土を掘っています。(南から)

今年度の津久井城跡市民協働調査の成果を広くお知らせするために、11月23日(水・祝)に現地説明会を行います。発掘現場の見学は午前10~午後2時まで可能で、調査員による現地解説は午前11時、午後1時30分から行います。過去の5号曲輪の成果や7号曲輪の様子、さらには出土した土器なども展示・解説しますので、ぜひお越しください。

現地説明会のチラシ(PDF)はこちらから

※この現地説明会は「宝ヶ峰の里まつり」と同時開催です。そのため駐車場が大変混み合いますので、公共交通機関にてお越しください。また当日は花の苑地第2駐車場からシャトルタクシーを運行しております。

「宝ヶ峰の里まつり」紹介ページ(津久井湖城山公園ホームページ)

津久井湖城山公園ホームページ

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今年も開催!学びの収穫祭

11月19日と20日は、毎年恒例の「学びの収穫祭」を開催します。これは、博物館を拠点に活動するボランティアグループや、学芸員が活動に関わる学校の部活動、大学の研究室、学習相談を受けた小学生の自由研究、博物館のアルバイトの学生などが調査研究活動を発表する場です。

コロナ禍以降、一昨年は中止、昨年は展示発表のみでしたが、今年は口頭発表会や学芸員の講演会が復活します。
注目は、これまでで最年少の発表者として、保育園の展示発表があることです。以前もこのブログで紹介した大野村いつきの保育園による「ありのぎょうれつ」です。園児のみなさんの視点や取り組みをぜひご覧ください。
19日(土)午後1時30分から口頭発表会、20日(日)午後2時から当館学芸員による講演会もあります。展示発表は1階エントランスで行いますので、ぜひご来場ください。

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博物館収蔵資料紹介~桶

前回取り上げた籠(かご)や笊(ざる)は、主に竹を細く割って編んだもので、竹なので軽く、曲げたりするのも簡単で編みやすいといった特徴があります。それに対して、桶(おけ)は中に入れた水分が漏れないように、木を組み合わせて丸い形に作ります。

最初の写真は、「水桶(みずおけ)」あるいは「水樽(みずだる)」と呼ばれるもので、何に使ったかと言うと現在の水筒(すいとう)に当たります(収集地・中央区上溝)。夏場の畑仕事などに持って行き、左側の竹筒をストローのように吸って水を飲みます。右側に見るのは穴をふさぐ栓(せん)で、ここから水を入れます。                  

 

相模原や周辺地域では、夏場のお祭りやお盆の時に酒まんじゅうがよく作られました。酒まんじゅうは、まんじゅう酒という甘酒のようなものを作り、それで小麦粉を丸めて蒸かして中にはあんこなどを入れたもので、夏場の御馳走として欠かせないものでした。

写真は、まんじゅう酒を作るのに使われた「酒桶(さけおけ)」で、炊いたご飯と水、麹(こうじ)を入れてしばらく置きます。女性はこの桶を大事にして、まんじゅう酒を作る専用の道具として使い、ほかのものは入れないようにしていました(収集地・緑区大島)。                  

 

水道が自由に使えるようになる以前には各家に井戸があり、井戸から汲んだ水を入れて運ぶのに使われたのが「手桶(ておけ)」です(収集地・南区新戸)。一般に相模原は井戸が深い所も多く、水に苦労した地域と言われますが、毎朝、子どもが井戸から水を汲み、手桶で水瓶(みずがめ)に運ぶのが日課だったという話もよく聞かれます。                 

 

次の写真は、博物館の多くの資料を保管している収蔵庫の中の様子で、いろいろな桶がさかさまにひっくり返して置かれています。これは、籠や笊をしまう時には、中に風がよく通るように上向きに置き、桶などは内側に風が当ると箍(たが)が緩んでしまうので伏せていたと教えていただいたため、手桶のように伏せるのが難しいもの以外は、なるべく収蔵庫でもそのように保管しています。                   

 

最後の写真も収蔵庫で、「醤油(しょうゆ)仕込み桶」です。かつては醤油も自分で仕込む家があり、大きな桶に小麦や大豆、塩、麹、水を入れて醪(もろみ)を作り、一年ほどたって絞ったものが自家製の醤油となります。この仕込み桶も、前の写真と同様に伏せて置いています。                  

 

私たちの身の回りにはさまざまな道具がありますが、容器を代表する籠と桶を見ても、それぞれの特徴に合わせた使い方や保管の仕方があったことが分かります。博物館では実物とともに、そうした情報なども同時に調査し、データ化するのも大切な仕事なのです。

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ハイイロゴケグモ

11月15日、いつも博物館をご利用してくださっている市民の方から、ハイイロゴケグモが持ち込まれました。市内中央区の田名地区で見つかったそうです。

ハイイロゴケグモ

すでに国道16号線沿いや、上溝地区などでは普通に生息するクモになっています。毒を持つため、噛まれると腫れたり発熱などの様々な症状が出ます。今のところ、市内では咬傷(こうしょう)被害は出ていません。セアカゴケグモなどと比べて攻撃性は低いと言われています。
特徴は、腹部上面(背中側)に並ぶ独特な斑紋と、下面の砂時計型の赤い模様です。

腹部下面の赤い模様が特徴です

じつは、上面の斑紋はよく似た模様のクモがたくさんいるので、識別はちょっと難しいかもしれません。下面も生きた状態ではなかなか見られない位置なので、意外と識別が難しいクモです。
しかし、もう一つ、わかりやすい特徴があります。それは、卵のう(糸で包まれた繭状の卵の塊)です。こんぺいとうのような形をした白い卵のうは、直径が7~9ミリメートルほどの大きさです。このような卵のうはほかのクモでは見られません。

ハイイロゴケグモの卵のう

ハイイロゴケグモは、家に入って来ることはあまりなく、庭などにしばらく放置されているようなブロックや、植木鉢のすき間、パイプ状のものなどの中で生息します。こうした場所に上の写真のような卵のうがあったら、ハイイロゴケグモが生息している証拠です。
ただし、市内ではすでに広域的に生息しているため、駆除をしてもすぐにまた復活してしまうはずで、完全に駆除することはほぼ不可能と思われます。無理に触ったりしなければ噛まれることはまずありませんので、こうした生物とは適度な距離を保つようにしてください。

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哺乳類の調査を開始!

博物館周辺の樹林地に生息する哺乳類は、タヌキ、アナグマ、ハクビシン、アカネズミ、アズマモグラ、アブラコウモリが挙げられます。さらに、トレイルカメラ(自動撮影装置)に稀(まれ)に写るものには、ネコ、アライグマ、イタチがいます。
これらの中でも特にアナグマはちょっと興味深い存在です。

アナグマ

この写真は以前、野鳥の写真を撮影している時に、たまたま一瞬現れたところを撮ったものですが、トレイルカメラには夜間にかなりの頻度で写ります。タヌキやハクビシンは市内全域で普通に生息していることがわかっていますが、アナグマは山間部や段丘崖などに限られていて、平地の樹林では確認できていませんでした。博物館周辺の樹林地に生息していることも、6年ほど前にトレイルカメラに写るまでまったく気づいていませんでした。
今回、住宅地の中の樹林地で、アナグマがどのように生息しているのかを調べようと、麻布大学動物応用科学科野生動物学研究室のみなさんが、博物館と共同で調査を開始しました。11月12日には8名の学生さんと指導教官の塚田英晴教授、そして生物担当の学芸員が樹林に入りました。すると・・

アナグマの巣穴(中央付近)

発見されたアナグマの巣穴です。倒伏したヤマザクラの下に穴を掘っています。これまで、古い下水道跡などを利用して生活している様子がトレイルカメラの映像によって明らかになっていましたが、こうして自力で巣穴を掘っていることも今回の調査でわかりました。

巣穴の出入口

また、フンもいくつか見つかり、食性についても手掛かりがつかめそうです。これからさらに調査を進め、アナグマをはじめ、そのほかの哺乳類も含めて生活の様子を解明していきたいと思います。

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水の中の小さな生きもの

11月9日、市内の小学校の池から採集した水を顕微鏡で観察しました。あまり密度は高くありませんでしたが、最初に見つけたのはこちらの藻類、イカダモの仲間です。

イカダモの仲間

さらに観察を進めると、クルクルと回って動いているものがいました。

繊毛虫類

大きめのプランクトンで、おそらく繊毛虫類(せんもうちゅうるい)と呼ばれるものの一種でしょう。いくつかの種類がいて、細長いラッパのような形をして集まっていたり、離れて泳ぎまわったりしていました。そして、見た瞬間、「おっ!」と声を上げてしまったのが、こちらです。

クマムシの仲間

緩歩動物(かんぽどうぶつ)のクマムシです。この生物は、水の中というより、水際のコケの中などに生息します。今回、落ち葉や水草を一緒に採ってきたので、その中に入っていたのかもしれません。
今回の観察を含めて、学校の生きものから生物多様性について考える動画を、市内のPTAの地区組織である上溝緑ブロック協議会からの依頼で撮影しました。この動画の公開について詳細が決まりましたらまたお知らせいたします。

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【現在開催中!】ミニ企画展「尾崎行雄(咢堂)の桜と相模原市の桜」

みなさんは、本市緑区又野出身の政治家で郷土の偉人・尾崎行雄(咢堂)の業績のひとつに、アメリカ ワシントンD.C.のポトマック河畔に約3,000本もの桜を寄贈したことがあるのはご存知でしょうか?
尾崎は長きにわたる政治家人生の中で、明治36(1903)~45(1912)年に東京市長を務めており、当時、日露戦争講和に際して尽力したアメリカへの感謝の気持ちを示すため、東京市民代表として桜の苗木を贈ったのです。これらの桜は現代でも受け継がれており、花が咲く頃に行われる全米桜祭りでは多くの人がポトマック公園を訪れ、世代を超えて愛され続けています。
この日米友好を象徴する桜寄贈から今年で110年を迎えることを記念して、相模原市立博物館では令和4年11月5日(土)~12月18日(日)の期間、ミニ企画展「尾崎行雄(咢堂)の桜と相模原市の桜」を開催しています。

1階エントランスの正面入り口から見て右側で開催中です!

1909年4月5日、日本への居住経験があり桜について造詣が深かったシドモア女史が、タフト大統領夫人へポトマック河畔に日本の桜を植樹することを進言したことで、日米友好の桜の物語は動き出します。しかし、一度目の寄贈では桜苗木への害虫被害が深刻だったため、ワシントンに到着後、無念にも全て焼却処分されてしまったのです。こうした困難を乗り越え、今もなお愛されているポトマック河畔の桜がどのようにして海を渡ったのか、展示の前半部分では、桜寄贈の経緯やその後の経過について紹介しています。明治43(1910)年に尾崎が太平洋を航海した際の旅券(パスポート)と乗船名簿は、ここでしか見ることができない尾崎ゆかりの貴重な資料です。

貴重な実物資料は必見です。

本ミニ企画展は「尾崎行雄を全国に発信する会」へ委託し、作り上げた展示になっています。後半部分では、アメリカから里帰りして「咢堂桜」と命名された桜の植樹を市内外で進めてきた「尾崎行雄を全国に発信する会」の活動について、多彩な桜の写真パネルや平成4(1992)年の「咢堂桜」植樹式のしおり等を展示して紹介しています。

どう展示すれば見やすいか…協力して設営しました。

さらにミニ企画展タイトルでもある「相模原市の桜」として、桜の名所やイベント等の本市の取り組みについても展示しています。相模原市さくらさくプロジェクトの「さくらマップ」(公益財団法人相模原市まち・みどり公社提供)や「さくらとくらす中央区らいふ-相模原市中央区ガイドブック-」(中央区役所地域振興課提供)も配布していますので、展示見学後にお持ち帰りいただき、相模原市の桜についてより深く知っていただければと思います。

冊子はTake Freeです。ご自由にお持ちください。

尾崎行雄が桜にのせた思いと相模原市の桜を感じていただける展示になっていますので、ぜひご覧ください。

また、本ミニ企画展の関連イベントとして、令和4年12月4日(日)午後1時から講演会「東京市長時代の尾崎行雄-日米友好の桜寄贈を中心に-」を当館地階大会議室で開催します。講師には一般財団法人尾崎行雄記念財団理事・事務局長の石田尊昭氏をお招きし、東京市長時代の尾崎行雄と桜にまつわるテーマでお話しいただきます。どなたでも無料でご参加いただけますが、先着順で定員(60名)に限りがございますので、ご希望の方はお時間に余裕を持って当日直接会場へお越しください。

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紅葉を長く楽しむために

博物館の駐車場などで木々の葉がだいぶ色づいてきました。紅葉というと、市内では緑区の相模川沿いや道志川沿いの渓谷が有名ですが、時期としては今月下旬くらいが見ごろでしょうか。
でも、紅葉は家のまわりでも十分に楽しめます。そして、見どころを変えれば、秋から冬まで楽しむことができます。例えば、紅葉のトップバッターと言えるツタ(ナツヅタ)は、早々と赤くなります。

ツタの葉の紅葉

場所によっては真っ赤な葉が木の幹を這いのぼる様子が見事です。

幹を登るツタの紅葉

ウルシの仲間も真っ先に、しかも真っ赤に紅葉します。ただ、ウルシは家のまわりに普通にある木ではありません。そこで、博物館お隣の樹林地にも多いヌルデ(ウルシ科)を見つけられると、黄色~朱色の美しいグラデーションを楽しめます

ヌルデの紅葉

そして、見過ごしがちなのが、地面の紅葉です。サクラは学校や公園、街路樹としてもたくさん植えられている木ですが、枝についた葉の紅葉は、茶色や緑色が多く混じる上に、あっという間に散ってしまうため、あまり人気がありません。でも、地面を見てください。

地面に広がるサクラの紅葉

渋めの色合いが混じり合って、とても美しい紅葉を楽しめます。

色の多様性がサクラの紅葉の特徴です

不思議なことに、きれいな色の葉を集めて写真を撮ったりすると、とたんに美しさが半減してしまいます。ランダムな色の配置が、落ち葉の紅葉の美しさを演出しているのかもしれません。1枚の葉にクローズアップしてみると、虫食いの痕などを含めて、複雑に色が変化する様子がとても美しいことに気づきます。

虫食いの痕もアクセントになります

カエデやケヤキが折り重なるように色づく渓谷の紅葉ももちろんすばらしいのですが、家のまわりでも見どころを変えることで、冬まで紅葉を楽しむことができます。ぜひ、地面の上の色合いも楽しんでみてください。

 

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博物館収蔵資料紹介~籠製品と籠屋の道具

前回の職員ブログでは、11月1日から始まった学習資料展「昔の小学生-昭和30~40年代のこどもの世界-」に触れましたが、同時に特別展示室では「ようこそ! 竹細工ワールドへ!!~久保沢最後の籠屋(かごや)さん~」も開催されています。

私たちの生活の中にはさまざまな竹細工がありますが、ここではそうした竹製品とともに、緑区久保沢で平成3年(1991)まで籠屋として活躍されていた、宇佐美幸治さんが使用していた道具類を展示しています。

最初の写真は、市内で盛んだった養蚕に関する道具です。養蚕には籠や笊(ざる)をはじめ、蚕をのせて飼育するエガなど、さまざまな竹製品が使われていました。                  

 

展示では出来上がったものだけではなく、どのように竹を編んでいくのか、製作工程を示したコーナーもあります。写真は二種類の型の目籠(めかご)であるイモフリメカイの製作手順を示したもので、昭和60年(1985)に中央区田名の方に作っていただいたものです。会場では、その際に撮影した目籠の製作手順の写真も展示しています。                 

 

この展示は、宇佐美さんのご家族から竹細工道具一式を博物館にご寄贈をいただいたことをきっかけに開催することになったもので、開催には、博物館で民俗資料を整理するボランティアグループの「福の会」が継続的に作業に当たりました。次の二枚の写真はいずれも宇佐美さんが使った道具類です。                                

 

また、落ち葉などを掻き集めるのに使った熊手(くまで)は製作道具とともに、作業場での製作の様子をパネルで示しています。                  

 

今回紹介した写真のほかにも、展示ではさまざまな資料を見ることができます。新たに博物館の収蔵資料に加わった竹細工道具のお披露目とともに、多くの皆様に竹製品を紹介した今回の展示をご覧いただければと思います。

※本展示は令和5年1月15日(日)まで、博物館の特別展示室で開催中です。

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コナラの年齢

11月2日、気持ちの良い秋晴れの空が広がりました。博物館敷地内のコブシの葉も色づいてきました。

コブシの黄葉

駐車場のミズキの落ち葉も、地面に美しいグラデーションを描いています。

地面に落ちたミズキの葉

そんな中、ナラ枯れで立ち枯れてしまった前庭のコナラが伐採されました。幹が駐車場の一画に仮置きされています。

伐採されたコナラの幹

今年の初めにも同様に伐採されたコナラの年輪を数えましたが、せっかくなので今回も、年輪を数えてみることにしました。このような時しか、はっきりとした樹齢を確認することはできないからです。しかし、コナラのように成長の早い樹木の年輪は数えにくく、特に根もと付近は年輪がうねっていたり、様々な濃淡が混じり合って判読しづらくなっています。

根もと側の切り口

いくつかのラインをたどりながら、なんとか本数を割り出します。

季節によって成長の度合いが変わるので、年輪と年輪の間にも色分けがあります

反対側の切り口の方がわかりやすいため、そちらの本数(幹の上部になるため、根もと側より数本少なくなります)と突き合わせて大きく間違えていないことを確認したところ、このコナラの樹齢は36年でした。このコナラは博物館建設時(1995年)に植栽されたものなので、それから27年、苗木の樹齢が9年程度ということは、だいたい計算も合います。幹の直径は、切り口から1メートルくらいの高さ付近で約40センチメートルでした。今後、コナラの太さから樹齢を推定する上で参考にしていきたいと思います。

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